報道発表資料
この度、平成16年度の実証調査結果を踏まえて、専門的かつ中立的な立場から実証技術の評価を行い、その結果を取りまとめましたので公表します。
また、平成17年度の実証技術について、民間企業等から募集をした結果、2つの技術を採択しましたので合わせて公表します。採択した実証技術については、今年度を通して実証調査を実施し、その結果を踏まえて技術の評価及び公表をする予定です。
1.「硝酸性窒素浄化技術開発普及等調査」について
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素*(以下、硝酸性窒素)は、他の項目と比較して地下水の水質汚濁に係る環境基準の超過率(平成15年度の結果は6.5%)が高くなっています。
硝酸性窒素による地下水汚染は、施肥、生活排水、家畜排泄物等、汚染原因が多岐に渡り、一般的に汚染が広範囲に及んでいます。このため、地下水汚染対策としては、発生源対策である窒素負荷低減対策とともに、効果的な浄化技術の開発及び普及を促進し、汚染された地下水の浄化対策を推進していく必要があります。
環境省は、面的に広がりのある硝酸性窒素による地下水汚染を効果的に浄化する手法を確立するため、実用化の段階にある浄化技術のフィールド実証調査を実施しています。
- *
- 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は、平成11年に地下水の水質汚濁に係る環境基準に追加されました(基準値:10mg/L)。硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が一定量以上含まれている水を摂取すると、乳幼児を中心に血液の酸素運搬能力が失われ酸欠になる疾患(メトヘモグロビン血症)を引き起こすことが知られています。
2.「平成16年度硝酸性窒素浄化技術開発普及等調査」実証技術の評価結果
平成16年度は、硝酸性窒素により汚染された地下水を効果的に浄化できる技術を民間企業等から募集し、学識経験者により構成した「硝酸性窒素浄化技術開発普及等調査検討会」による厳正な審査を経て、以下のとおり、実証調査を実施する技術(及び実証機関)を決定し、実証調査を実施しました。
- ○
- 茶園等多窒素投入土壌における固体水素供与体を用いた面的浄化技術(松下ナベック株式会社)
- ○
- 自然エネルギーを利用した地下水原位置浄化技術(株式会社ヤマト)
実証調査結果を踏まえ、同検討会において専門的かつ中立的な立場から実証技術の評価を行い、その結果を実証技術評価報告書として取りまとめました。
3.「平成17年度硝酸性窒素浄化技術開発普及等調査」実証技術の採択結果
平成17年度は、3月16日~4月18日に、浄化技術を民間企業等から募集しました。応募のあった6件の浄化技術を対象として、「硝酸性窒素浄化技術開発普及等調査検討会」による厳正な審査を行い、以下のとおり、実証調査を実施する技術(及び実証機関)を決定しました。
- ○
- ナチュラル・バイオレメディエーション法を用いた技術(東和科学株式会社)
- ○
- 水素供与体供給層及び脱窒促進層を組み合わせた面的浄化技術(大成建設株式会社)
これらの実証技術についても、実証調査結果を踏まえて技術の評価を行い、公表する予定です。
なお、本選考結果は、必ずしも技術そのものの優劣を示すものではありませんので、御留意下さい。
4.その他
硝酸性窒素浄化技術開発普及等調査は、平成16年度から20年度まで調査を継続し、様々な浄化技術の実証調査を実施する予定であり、5年間の調査結果を踏まえて総合的な取りまとめを行うこととしています。
添付資料
- 「平成16年度硝酸性窒素浄化技術開発普及等調査」実証技術評価報告書[PDF(41KB)] [PDF 40 KB]
- (参考1)実証調査結果概要:茶園等多窒素投入土壌における固体水素供与体を用いた面的浄化技術[PDF(41KB)] [PDF 40 KB]
- (参考2)実証調査結果概要:自然エネルギーを利用した地下水原位置浄化技術[PDF(41KB)] [PDF 40 KB]
- 連絡先
- 環境省環境管理局水環境部土壌環境課地下水・地盤環境室
室長:志々目友博(内線6670)
補佐:水谷 好洋(内線6672)
担当:小沼 信之(内線6675)