報道発表資料
環境省は、本日、京都府で計画されている「奈良線第2期複線化事業(JR藤森~宇治・新田~城陽・山城多賀~玉水間複線化)」に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見を国土交通大臣に提出した。
本事業は、JR奈良線の一部区間を複線化するものであり、現存する線路に接した用地を利用することにより、新たな環境影響を回避・低減する計画となっている。
環境大臣意見では、[1]具体的な線路の配置を決定する際には、地元住民等の意見を活用し、地域の生活環境等に配慮すること、 [2]騒音に関する評価地点の選定に当たっては、きめ細かい対策を検討できるよう考慮すること、[3]橋梁は景観の重要な要素であることから、その決定に当たっては、多様な意見を取り込むための態勢を整備することを求めている。
1.背景
環境影響評価法は、10km以上の鉄道の設置又は改良の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書(※)について、国土交通大臣等からの照会に対して意見を言うことができるとされている。
本件は、京都府で計画されている奈良線第2期複線化事業に係る計画段階環境配慮書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。
今後、国土交通大臣から事業者である西日本旅客鉄道株式会社に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価を行うこととなる。
- ※
- 計画段階環境配慮書:事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。
2.事業の概要
本事業は、JR奈良線のJR藤森~宇治・新田~城陽・山城多賀~玉水間について、運行の安定性が低いこと等の課題に対応するため、複線化を行うものである。鉄道用地を最大限活用することにより、新たに改変する区域を最小化されているが、事業実施想定区域の周辺は、住宅が密集する地区や景観に配慮すべき地区が存在する。
3.環境大臣意見の概要
(1)線路の配置の決定時における配慮について
具体的な線路の配置を決定する際には、地元住民等の意見を活用し、地域の生活環境等に配慮すること。
(2)騒音・振動について
騒音に関する予測・評価地点の選定に当たっては、きめ細かい対策を検討できるよう考慮すること。
(3)景観について
宇治川の渡河部に予定されている橋梁は景観の重要な要素であることから、その構造等検討に当たっては、多様な意見を取り込むための態勢を整備し、具体的な検討を十分に実施すること。
【参考】事業概要
- ・事業者:
- 西日本旅客鉄道株式会社
- ・事業地:
- 京都府京都市~井手町
(JR奈良線 JR藤森~城陽・新田~城陽・山城多賀~玉水間) - ・事業規模:
- 合計14km(9.9km,2.1km,2.0km)
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長 :瀬川 恵子 (内6231)
室長補佐:長谷川敬洋 (内6233)
審査官 :佐藤 秀憲 (内6253)
電話 :03-3581-3351(代表)
03-5521-8237(直通)