報道発表資料
今回調査を行った瀬戸内海東部(紀伊水道、大阪湾、播磨灘、備讃瀬戸(一部除く))では、藻場面積は3,920ヘクタール(東京ドーム約840個分)、干潟面積は1,023ヘクタール(同約220個分)となりました。また、一部エリアにおける経年変化の試算の結果、既往調査(平成元~2年)と比較して、今回調査(平成27年)では、藻場面積は約40%、干潟面積は約4%の増加が見られました。
今後、瀬戸内海中部・西部海域についても計画的に調査を進め、随時結果を公表してまいります。
1.背景と経緯
(1)瀬戸内海の環境保全については、瀬戸内海環境保全特別措置法等に基づく取組の結果、その水質は全体として改善傾向にあります。一方で、「豊かな海」の観点から、生物多様性・生物生産性の確保等の重要性が指摘されています。
(2)そのため、瀬戸内海環境保全基本計画の変更(平成27年2月)及び瀬戸内海環境保全特別措置法の改正(平成27年10月)において、藻場、干潟その他の沿岸域の良好な環境の保全、再生及び創出等の取組の推進が盛り込まれました。
(3)これを受け、瀬戸内海における最新の藻場・干潟分布域及び面積を把握するため、近年、技術向上が進んでいる衛星画像の解析手法を用いて、瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査を平成27年度より開始しました。
2.調査の概要
瀬戸内海全域における藻場・干潟の分布域及び面積を、平成27年度から29年度の3年間で調査する予定です。平成27年度は、瀬戸内海東部(紀伊水道、大阪湾、播磨灘、備讃瀬戸(一部除く))で調査を実施しました。
本調査は、衛星画像の解析及び現地調査の実施により、5mメッシュごとに藻場・干潟の有無を分析するもので、既往調査と比較して、より詳細な分布域を抽出することが可能です。
※調査方法の詳細につきましては、添付の概要資料をご参照ください。
3.調査結果の概要
今回調査を行った瀬戸内海東部(紀伊水道、大阪湾、播磨灘、備讃瀬戸(一部除く))における藻場面積は3,920ヘクタール(東京ドーム約840個分)、干潟面積は1,023ヘクタール(同約220個分)となりました。
既往調査(第4回自然環境保全基礎調査(平成元~2年 環境庁))では、関係者ヒアリング等の手法を用いて藻場・干潟の分布を調査しており、本調査と調査方法が異なっています。そこで、既往調査との経年変化を比較するため、衛星画像解析手法とは別に、一部エリア(6箇所)において既往調査と同様の方法(ヒアリング)により調査を実施し、経年変化を試算しました。試算の結果、既往調査(平成元~2年)と比較して、今回調査(平成27年)では、藻場面積は約40%、干潟面積は約4%の増加が見られました。また、藻場を種類別に見ると、砂泥性藻場(アマモ)はヒアリング調査を実施したエリアのうち4箇所で増加、2箇所で変化無し、岩礁性藻場(ガラモ等)は、3箇所で増加、3箇所で減少という結果になりました。
なお、環境省HP(https://www.env.go.jp/water/heisa/survey/result_setonaikai.html)において、藻場・干潟の分布図及びGISデータを本日公表しましたので、併せてご参照ください。
※調査結果の詳細につきましては、添付の概要資料をご参照ください。
4.今後の予定
本調査の結果は、沿岸域の環境保全施策の検討・実施における基礎データとして活用してまいります。また、詳細データの公表により、自治体、研究機関等における調査・研究等にも活用されることが期待されます。
今後、瀬戸内海中部・西部海域についても計画的に調査を進め、随時結果を公表してまいります。
添付資料
- 連絡先
- 環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室
室長 :根木 桂三 (6502)
室長補佐:束原 茂 (6504)
係長 :伊庭 健一郎(6508)