報道発表資料
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第41回総会が、2月24日(火)から27日(金)にかけて、ナイロビ(ケニア)において開催されました。今次総会では、第5次評価報告書以降の次期(第6次)評価プロセス開始に向け、次期議長団(ビューロー)の構成等が決定されました。10月に開催される第42回総会では、議長団のメンバーを決める選挙が行われる予定です。
1.概要
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第41回総会が、2月24日(火)から27日(金)にかけて、ナイロビ(ケニア)において開催され、第5次評価報告書以降の次期(第6次)評価プロセス開始に向け、3つの作業部会とインベントリタスクフォースという現状の構成を維持すること、IPCC議長団(ビューロー)のメンバーを増員すること、評価報告書の作成サイクルを5~7年とすることなどが決定された。
日時
平成27年2月24日(火)から27日(金)までの4日間
開催地
ナイロビ(ケニア)
出席者
約100か国の代表、世界気象機関(WMO)、国連環境計画(UNEP)等の国際機関等から
計約250名が出席。我が国からは、文部科学省、気象庁、環境省、(公財)地球環境産業技術研究機構及び(公財)地球環境戦略研究機関から計8名が出席した。
2.総会の主な決定事項
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(1)IPCC第41回総会では、第6次評価プロセスの基本枠組み等について議論が行われ、主な論点について、以下のとおり決定された。
(IPCCの体制及び運営)
- ●第6次評価報告書(AR6)の作成に向けて、現在の3つの作業部会(WG)(自然科学的根拠、影響・適応及び脆弱性、緩和)とインベントリータスクフォース(TFI)を維持する。
- ●IPCC議長団メンバーの地域(注:IPCCではWMOの区分に従い世界各国を6つの地域グループに分類しており、我が国は地域Ⅱアジアグループに属する)ごとの選出枠について、アフリカ(2枠)、アジア(1枠)をそれぞれ増加し、議長団の人数を合計で31名から34名に増員する。また、今後、議長団メンバーの地域配分に関するレビュープロセスを開始する。
(報告書の頻度及びスケジュール)
- ●AR6は、第5次評価報告書(AR5)と同様、5~7年の間に作成する。
- ●各WGの成果をそれぞれのWG評価報告書や統合報告書に十分に反映するため、各WG評価報告書と統合報告書を、約1年(最大18か月)の間に公表する。
(開発途上国の役割及び貢献の強化)
- ●各作業部会及びタスクフォースの共同議長(各2名)の出身国の両方が技術支援ユニット(TSU)をホストすることも可とする。
- ●共同議長及び他の議長団メンバーに対し、途上国出身の専門家が執筆や査読等の業務に従事することを促進するよう奨励する。
- ●IPCCの関連活動の途上国での開催数を増加させる。
- ●途上国の若手科学者の訓練及び支援の方法について(IPCCの任務を越えるものであることを再確認しつつも)、検討する。
- (2)今次会合の直前にラジェンドラ・パチャウリIPCC議長(インド)(当時)が辞任したため、同副議長のイスマイル・エルジズーリ氏(スーダン)を、第42回総会で新議長を決定するまでの間、議長代理とすることを決定した。
3.今後の予定
2015年10月5日~8日にクロアチア・ドゥブロブニクにて第42回総会を開催し、第6次評価プロセスのIPCC議長をはじめとする議長団メンバーの選挙が実施される予定。
- 連絡先
- 環境省地球環境局総務課研究調査室
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代表 :03-3581-3351
室長 :竹本 明生 (内線 6730)
室長補佐:野本 卓也 (内線 6731)
担当 :藤井 麻衣 (内線 7718)