水・土壌・地盤・海洋環境の保全

温泉排水規制に関する検討会(第10回)議事録

日時

 平成26年2月24日(月) 10:00~12:00

場所

 環境省 第一会議室

議事

  • (1)第9回検討会における主な御意見と対応
  • (2)高濃度源泉利用施設のほう素低減方策について
  • (3)温泉を利用する公衆浴場の状況について
  • (4)その他
  • 上西課長補佐 大変お待たせをいたしました。
     定刻となりましたので、ただいまから第10回「温泉排水規制に関する検討会」を開会いたします。
     本日は、委員総数12名中9名の御出席を予定されており、ただいま全9名、御出席を頂戴いたしております。
     議事に先立ちまして、一言、宮崎課長から御挨拶申し上げます。
  • 宮崎課長 水環境課長の宮崎でございます。
     第10回の温泉排水規制に関する検討会におきまして、一言御挨拶申し上げたいと思います。
     本日はお忙しいところお集まりいただきまして、委員の皆様方には大変お礼を申し上げたいと思います。
     このふっ素、ほう素及び硝酸性窒素につきましては、平成13年に有害物質として規制が開始されておりますけれども、一律規制ではなかなか厳しいという業種、あるいは事業場がありましたので、暫定規制ということで設けておりますけれども、その暫定排水規制も3年ごとの見直しということで順繰りに、少しでも一律排水基準に近づけようということでやってきたわけであります。
     昨年の改正におきまして、温泉排水規制につきましては、ふっ素につきまして自然由来であるとかあるいは人為的に掘っているということで、そこに着目して若干の見直しを行っております。ほう素につきましては、そのときにもなかなか技術的な問題、あるいは経済的な問題等がまだあるということで、従来の基準を維持するということできております。けれども、この有害物質の問題は人健康の問題でありますので、なるべく一律排水規制に少しでも近づけていきたいという思いで検討をお願いしているところであります。
     本年度は、ほう素につきまして実験も行っておりまして、凝集剤を用いた実験ですけれども、かなりとれるということがわかってきたような技術も実は見つかってきましたので、そういうことも含めて今後の暫定排水規制の見直しに向けた議論を進めていただければと考えておるところであります。
     なかなか温泉排水規制、そもそも何で規制しなければいけないのかという御意見もまだあろうかと思いますけれども、人の健康の話でありますし、少しでも一律に向けてという思いでやっておりますので、先生方の御議論、よろしくお願いしたいと思います。
     以上でございます。
  • 上西課長補佐 ありがとうございました。
     本検討会につきましては、本年度第1回目の開催でございますので、さらにお替わりになられた委員もいらっしゃいますので、まず初めに委員の御紹介をさせていただきたいと思います。順番に御紹介させていただきたいと思います。
     秋葉委員でございます。
  • 秋葉委員 秋葉です。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 上西課長補佐 浅野委員でございます。
  • 浅野委員 浅野でございます。よろしくお願いします。
  • 上西課長補佐 今年度からお願いしております、今橋委員でございます。
  • 今橋委員 今橋と申します。よろしくお願いいたします。
  • 上西課長補佐 甘露寺委員でございます。
  • 甘露寺委員 甘露寺です。よろしくお願いいたします。
  • 上西課長補佐 須藤委員でございます。
  • 須藤委員長 須藤です。どうぞよろしく。
  • 上西課長補佐 辰巳委員でございます。
  • 辰巳委員 辰巳です。よろしくお願いいたします。
  • 上西課長補佐 藤田委員でございます。
  • 藤田委員 藤田です。よろしくお願いします。
  • 上西課長補佐 眞柄委員でございます。
  • 眞柄委員 眞柄です。よろしくお願いします。
  • 上西課長補佐 森田委員でございます。
  • 森田委員 よろしくお願いします。
  • 上西課長補佐 よろしくお願いいたします。
     また、本日は御欠席の御連絡をいただいておりますけれども、秋山委員、大久保委員、平沢委員にも委員をお願いしているところでございます。
     続きまして、事務局の御紹介をさせていただきます。
     御挨拶申し上げた環境課課長の宮崎でございます。
  • 宮崎課長 宮崎でございます。
  • 上西課長補佐 水環境課重森でございます。
  • 重森係長 重森でございます。
  • 上西課長補佐 上西でございます。今年もよろしくお願いいたします。
     済みません。座らせていただきます。
     続きまして、お手元の配付資料につきまして御確認をいただきたいと思います。議事次第がございます。
     資料及び参考資料をお配りしております。
     資料1から5-1、5-2。
     あともう1つ、参考資料の1、2という形でつけさせていただいております。
     不足等ありましたら、お気づきになられたときに随時事務局のほうまでお申しつけください。よろしゅうございますでしょうか。
     それでは、カメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきます。
     それでは、以下の進行は須藤座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  • 須藤委員長 かしこまりました。
     それでは、一言御挨拶を申し上げた後、議事進行に移らせていただきます。
     先ほど宮崎課長からもお話がございましたように、温泉排水は、特にほう素について暫定基準を500mg/Lというような高い濃度で設定したままでございまして、昨年の議論までではこれを少しでも下げていこうということと、処理技術も検討したいということが1点。
     もう一点は、温泉排水と同等の施設である公衆浴場等の規制をどうするかというようなことについて、事務局でこの1年間というか今までの9回にわたる検討会で調べていただくということになっていたわけでございます。
     本日は、そういう成果を踏まえまして、先ほどの課長の趣旨に合うような検討をしていくわけでございますが、本日何か結論をいただくということではございませんので、あらかじめ伺いますと、もう少し議論や調査をしたいというのが環境省の御要望でございますので、きょうはいろいろ先生方の忌憚のない御意見を伺って、これからの調査に反映できればと考えております。どうぞよろしくお願いをいたします。
     それでは、議事に入ります。第9回検討会における主な意見と対応ということでございます。どうぞお願いします。
  • 上西課長補佐 ありがとうございます。
     資料の3と参考資料1を用いまして御説明を申し上げます。よろしくお願いいたします。
     まず、参考資料1をごらんになっていただきたいと思います。参考資料1と申しますのは、昨年度、暫定排水基準の見直しということで御議論を賜りまして、平成25年6月に暫定排水基準の見直しをさせていただいたところでございます。
     この中で、座長もおっしゃっていただきましたけれども、今後の考え方、方針、課題みたいなものもまとめさせていただいておりますので、少しこれを復習みたいな形でさせていただきまして、今日の御議論につなげさせていただきたいと思います。
     参考資料1、1つめくっていただきまして、まず3ページでございます。
     温泉につきましては、どういうふうに規制をしていくかということがずっと議論をいただいていたところでございます。まず、自然湧出温泉とそれ以外の温泉の取り扱いについてどうするかということを御議論賜りました。昨年度自然湧出以外の源泉を利用する温泉排水については「事業活動に伴い、新たな環境への負荷をより積極的に与えることとなることから、自然湧出の源泉を利用する温泉排水とは区別して暫定排水基準値を検討することが考えられる」というふうに整理をしていただきまして、ふっ素につきまして、自然湧出温泉と掘削温泉との取り扱いを分けて基準値を定めたところでございます。
     6ページをごらんになっていただきたいと思います。
     このような整理をいたしまして、実際に温泉利用施設の源泉濃度と排水濃度の実態を細かに調査いたしました。ほう素につきましては、暫定排水基準500mg/Lであったところ、やはり源泉濃度として超えるところがあります。ふっ素につきましては、暫定排水基準50mg/Lであったところ、自然湧出温泉、掘削温泉を調べましたところ、なかなか一律に扱うことは難しいということで、掘削温泉、自然湧出温泉につきまして整理をさせていただいたところでございます。
     8ページでございます。これらの実態を踏まえまして、暫定排水基準の見直しの考え方を整理していただきました。
     「排水の排出実態を踏まえた可能な範囲で、暫定排水基準値を低減させることが適当である」というふうに整理いただきまして、ほう素、ふっ素の暫定排水基準値を見直しさせていただいたところでございます。
     9ページでございます。ほう素の暫定排水基準値の見直しにつきましては「ほう素については、今回の見直しにおいては、暫定排水基準を従前どおりとし、次期のほう素の暫定排水基準値の見直しの際、暫定排水基準値を下げる方向で見直しを行うことが適当である」という御意見をいただいております。
     下の表にお示ししましたとおり、現行が500mg/Lであったところ見直し案500mg/Lという形で、改正をさせていただいたところでございます。
     10ページでございます。「ふっ素については、自然湧出とそれ以外のものについて区分し、排出実態を踏まえ、自然湧出以外の温泉については暫定排水基準値を下げることが適当である」というふうに取りまとめていただきました。
     ここに、自然湧出以外の掘削温泉等につきましては30mg/Lという形に改正させていただいたところでございます。
     めくっていただきまして、13ページでございます。
     「旅館業以外の温泉施設の取扱いについて」でございます。これは、温泉旅館業さんの規制を考える際に、ずっと旅館業以外の温泉利用施設についてはどうなのかという御意見、御議論を賜ってきたところでございます。
     昨年度は、このような温泉利用施設につきましては、施設規模、排水量、温泉水以外の水利用実態がさまざまである。このため、他の特定施設の公平等の観点からいろいろ調べて、今後特定施設として追加することについて検討する必要があるというふうに取りまとめていただいたところでございます。
     これを踏まえまして、資料3のほうでございます。
     これらの課題につきまして、本年度は高濃度源泉利用施設、特にほう素につきましてヒアリング及び排水実態調査を実施し低減方策を検討してまいりました。
     公衆浴場の取り扱いについてでございます。
     旅館業以外の温泉利用施設につきましては、今、申し上げたように実態がさまざまであるということから、主に公衆浴場について検討を進めるべきという取りまとめをいただきまして「対応」のほうですが、このような温泉を利用する公衆浴場の状況について整理をさせていただいております。実際、公衆浴場につきまして排水実態調査を実施したところでございます。
     以上でございます。
  • 須藤委員長 どうも簡潔に御説明いただきましてありがとうございました。
     これが第9回までの宿題になっている御意見と対応でございます。何か御質問ございますでしょうか。
     あとは具体的にはこれからお話が出てきますので、では、その中で説明させていただきます。
     それでは、早速本題に入って、高濃度源泉利用施設のほう素低減方策について御説明ください。
  • 上西課長補佐 ありがとうございます。
     資料4のほうで御説明をさせていただきたいと思います。1ページ目から御説明をさせていただきたいと思います。
     ほう素濃度につきましては、特に高い源泉を利用している温泉というものがございます。その温泉につきまして低減方策を、排出実態調査を含めまして検討をしてまいりました。これらの温泉につきましては、A温泉と仮に申し上げますけれども、A温泉のほう素濃度は源泉で1,500mg/L以上ございます。B温泉というものにつきましては、源泉、排水濃度とも暫定排水基準値500mg/Lにつきまして半分程度という形になっております。特にこのAとBの温泉が源泉濃度のほう素が特に高い温泉となってございますので、本年度、この2つの温泉につきまして排水実態調査、低減方策検討調査を行いました。
     次ページでございます。「調査内容と結果」です。
     この調査にあたりましては、具体的な対策をとるためにはどうしていったらいいか、まずどういう調査をしていったらいいかということを考えまして、どの排水系統からどのくらいの負荷が排出されているのか、変動はどうなのかなどの排水実態を捉えることが必要と考えました。
     A温泉でございます。図2-1に、今回採水させていただきました地点、ポイントを赤の丸で示しております。
     去年までは排水口でとらせていただいて、排水口をどこまで濃度が低減できるかということを検討してまいったわけでございますけれども、本年度は細かに、図のような各ポイントについて複数回のサンプリングを行い、より有効な対策のための検討を行いました。
     こちらの温泉さんは源泉を2つお持ちでございまして、それぞれ2つの浴場のほうに、排水につきましては一方のほうは浄化槽の排水、加えて露天風呂のオーバーフロー水であるとか清掃時の排水とかが入ってくるような排水口でございます。3つの排水口がございます。
     どのように採水を行ったかということを、3ページのほうでお示しをさせていただいております。
     採水時間帯につきましては、12月の月、火と、夕方と朝に採水を行いました。もう少しバリエーションがとれればよかったのですけれども、こういう形で行っております。入浴者の多い夕方と、次いで多い朝方について調査をいたしました。
     「調査結果(A温泉)」でございます。表でまとめてございます。
     ほう素濃度につきましては、源泉の濃度を見ていただきたいのですけれども、源泉1と源泉2を比べますと、源泉2のほうがやや高濃度でありました。ただ、源泉1のほうも1,300mg/Lを超える高い濃度となってございます。
     排水口のほうを見ていただきたいのですけれども、排水口1のほうは、朝方のほうが濃度が少し高くなってございます。これは水量を見ていただいたらわかりますけれども、水量も少なく利用客も少なかったということから、希釈が余りされていなかったということが考えられます。
     排水口2につきましては、朝方のほうが低い数値となっております。流量的にはあまり変わらないのですけれども、これは源泉を一度タンクにおためになってから使われておりますので、朝方源泉2のほうのタンクに余り水量がなかったという形で、このようなやや低いほう素濃度になったということが考えられます。
     4ページでございます。図2-2のほうに、これらのほう素濃度につきまして棒グラフで示させていただいております。
     これらの結果を踏まえまして、低減対策を検討いたしました。低減対策といたしましては、昨年度も御検討いただきましたとおり、これら6つのような対策が考えられると考えております。今回もこれをベースに考えてまいりました。
     (1)源泉変更。
     (2)排水口濃度の平準化。
     (3)源泉取水量削減+循環ろ過。
     (4)源泉取水量削減+加水。
     (5)排水処理技術(個別処理)を取り入れる。
     (6)も排水処理技術ですけれども、これは共同処理という形で取り入れるという考え方でございます。
     5ページでございます。これら6つの対策について、適用可能性というものを検討しました。
     1)の源泉変更につきましては、他の源泉がないために不可能であると考えてございます。
     2)排水口濃度の平準化につきましては、昨年度も御提案させていただいたところですけれども、実際に排水負荷、各系統の状況などを踏まえましてどうなのだろうということを計算してまいりました。
     今回、調査した結果では、排水口3が浄化槽だけの水なのですけれども、これがずっと流れているわけではなく、調査時に確認させていただいたところなのですけれども、おおむね1日に3時間程度排出されるとして試算をしております。
     ①でございます。夕方の排水口ほう素濃度、各排水口の流量を用いまして、流出ほう素負荷量というものを、例えばこの状態で1日出ていたらどうなのだろうかという形で計算をしてまいりました。
     排水ほう素濃度というのは280mg/L程度だという試算を得ております。
     ②でございます。朝方につきましても同じように計算をしてまいりました。こうしますと、ややほう素濃度が高かった排水口、やや排水量が低かった排水口がございますけれども、ならしますと、排水ほう素濃度としてはやはり280mg/L程度という試算を得ております。
     なお、これは今、先ほど申し上げましたとおり、1日こういう状態で出ていたらどうなるかというふうな試算をしておりますので、平準化に当たりましては、調整槽などを設置して流量変動を緩和するというか、ならすということが必要になってくるかと考えます。
     3)でございます。源泉取水量を削減して循環ろ過を加えたり、あるいは源泉取水量を削減して加水したりということを用いればどうなるかということを計算いたしました。
     排水口1、2についてそれぞれ削減率と排水ほう素濃度を試算し、次のページでございますけれども、表2-4の(1)と(2)にそれぞれ示しております。
     源泉取水量を削減すると、かけ流し流水量がもちろん減じることになりますので、望ましくないと考えられる場合には、循環ろ過及び加水を行うことがごらんのように必要になってくるという形になります。
     循環ろ過は、昨年度試算いたしましたとおり、イニシャルコストで1,500万円程度、ランニングコスト1,000万円程度。これは昨年計算したあくまでも試算でございますけれども、そういうふうに考えられますので、循環ろ過はこれくらいかかる。
     加水につきましては、例えば源泉取水量を3割減した場合、水道水をそのまま加水するという形になりますので、水道代がかかってくるという形なので、例えばそれで試算をいたしますと、年間50万程度になるのではないかと考えてございます。
     6ページの2)の排水口平準化に、プラス今の3)、4)をつけ加えたら排水口濃度がどのようになるかということをさらに検討しました。これは排水口1、2というものをそれぞれ出すのではなくて、先ほど試算した排水口平準化という考え方をプラスすればどのぐらいになるかということで計算をしております。あくまでも今回の調査結果、調査濃度、調査排水量で計算したところ、このような形になってございます。
     5)の「排水処理技術」でありますけれども、これは課長から先ほど御紹介させていただきましたとおり、本年度も実証試験等を行ってまいりましたので、後ほどあわせて御説明をさせていただきたいと思います。
     7ページ「B温泉」のほうでございます。こちらにつきましては、図2-3に示すような形態となってございます。
     こちらも去年度は排水口で押さえさせていただいたところですけれども、本年度はこのような形で各ポイントのほう素濃度、水量を確認させていただきました。
     源泉1つから旅館のほうの浴場と高齢者用の浴場に分けられまして、それらの排水が合わさり、浄化槽の排水処理水が加わりまして、排水口に出ているという形でございます。
     下のほう、採水時間等につきましてでございます。こちらにつきましては、火曜日、水曜日にお昼下がりと朝方に採水を行いました。高齢者浴場が昼間しかあいてございませんので、朝方につきましてはまだ開場していないという形になってございます。
     次の8ページでございます。「調査結果(B温泉)」です。
     源泉につきましては2回採水いたしましたが、230mg/Lで変動はございませんでした。
     排水口につきましても2度採水いたしましたが、200mg/Lという形で変動はございませんでした。
     浴槽排水1のほうは、源泉量が多いために日量1,000m3ほど取水をされておられます。源泉量が多いために、洗い場排水も混入しますけれども、源泉と同じ濃度であったということが考えられます。
     浴場排水2の高齢者用の浴場につきましては、9時の時間帯、利用者がない方がやはり高い濃度という形になってございます。この時間帯は浴場の清掃にかかる時間帯であったために、少し高かったのではないかなと考えてございます。
     浄化槽排水につきましては、もちろん低い濃度でございました。
     これらにつきまして図2-4のほうに棒グラフでまとめてございます。
     9ページでございます。A温泉と同様に低減対策の適用可能性について検討をしました。
     源泉変更につきましては不可能であると考えてございます。
     排水口濃度の平準化につきましても、排水口が1本であるために不可能であると考えます。
     循環ろ過なのですけれども、こちらの源泉の水質につきましては、大変スケール成分が多いという形なので、循環ろ過は困難であると昨年度も検討させていただいたところでございます。
     具体的にどうすればいいかということを少し検討いたしました。B温泉の源泉取水量は、先ほど申し上げましたとおり1日当たり1,000m3ほどであり、豊富なかけ流しが特徴の温泉であると聞いております。
     かけ流し水量に関しましては、いわゆる適正なかけ流し量といったような基準はございませんけれども、例えば厚生労働省の「公衆浴場における衛生等管理要領」で、次の四角囲みですけれども「1時間当たり浴槽の容量以上のろ過能力を有し」というふうな要領がございますので、あくまでも参考でございますけれども、これを用いて、かけ流し量というものの適正な量というかそういったものがどれぐらいなのかなということをちょっと検討させていただきました。
     こちらでは、源泉取水量1,000m3に対しまして浴槽の容量が45m3という形なので、1,000m3ぐらいが試算した量であるという形になりましたので、この管理要領を準用して考えますと、ほぼ同じとなっております。
     仮に源泉取水量を半量削減することを想定いたしまして、今回の調査結果をもとに試算した結果というものを、次の表の2-8のほうに示させていただいております。実際の調査した排水流量を用いますと、ちょっと流出負荷量のほうが高くなってしまいますので、やはりこれは排水流量そのものに変動があったのではないかなという形なので、調整値をかけさせていただいております。それが0.75という形で、調整した結果を用いた試算結果というものが、表2-8のほうになってございます。
     10ページ、源泉取水量を半量にした場合の試算では、20mg/L程度でございますけれども、少しは下げられるのではないかというふうな形でございます。ただ、この場合いわゆる「かけ流し効果」という言葉があるのかどうかわかりませんけれども、例えば浴槽水の入れかえ効果であるとか、加温・加水なしの状況等を現況と同等とするのであれば、浴槽容量そのものを半量とするとかそういう工夫が必要となるということが考えられます。
     11ページ「排水処理技術」でございます。
     ほう素処理というのがなかなか排水処理が難しいという形なので、環境省におきましても公募をしまして、実証試験というものを続けてまいったところでございます。
     今まで一般的に示されている排水処理技術というものを、13ページに取りまとめてございます。処理技術の区分といたしましては、凝集沈殿法、吸着法というのが主なものでございます。あとゲル化とか水耕栽培とか逆浸透膜とかいろいろ個性的なものもございますけれども、そういった形のものが処理技術としては一般的だという形でございます。
     網かけにつきましては、環境省の実証試験で実際に公募いたしまして、温泉旅館さんの御協力を得まして実験をさせていただいた試験方法でございます。
     11ページに戻ります。今、申し上げましたとおり実証試験を行いまして、その効果を確認させていただいておるところでございますけれども、高濃度温泉排水につきましては、ほう素以外の共存物質も高濃度でありまして、その前処理や処理の持続性に課題が多く、イニシャルコスト、ランニングコストともどうしても高コストになってしまい、温泉施設が採用可能な低コストな処理技術というところまでにはまだ至っていないという状況です。
     本年度は、去年の提言を踏まえまして、特にほう素につきまして処理実験を公募いたしまして、実証試験を行ってまいりました。本年度は、凝集剤による処理実験を実施しております。助剤の種類でありますとか、pH値の調整でありますとか、いろいろ条件を変えまして、処理性の違いを確認しているところでございます。条件の設定により、ほう素除去率が8割、9割程度見込まれたところでございます。ただ、そのコストにつきましては凝集剤の量、助剤の量、その他いろいろ汚泥の処理のコストであるとかその辺が絡みますので、今、試算中、取りまとめ中でございます。
     以下に概要を示してございます。
     「(1)処理原理」でございます。今、申し上げましたように、凝集剤を使用して温泉排水中のほう素を除去する技術でございます。
     「(2)処理フローと実験概要」でございます。凝集沈殿プロセスでございますから、原水に凝集剤を加え、これを必要に応じて助剤も加え、沈殿あるいはろ過をして流すという形になってございます。
     12ページでございます。実験条件としましては、以下の5ケースの実験を行ってございます。
     ケース1、2、3、4、5とございますけれども、いずれのケースも、凝集剤を注入いたしまして、助剤を加えてpH調整をしなかったもの。助剤を加えずに一般的な薬剤を加えて、pH調整をしたもの。pH調整についてはAからDの4種類、4パターンにつきまして実験をさせていただいております。
     実験結果、これは速報値なのですけれども、表3-2にまとめてございます。
     ケース1につきましては、凝集剤プラス助剤を加えましたところ、pHを無調整におきましてこのような除去率があらわれてございます。
     ほかに、助剤ではなくて、この事業者の助剤を使わずに、一般的な薬剤であるとかそういうものを使いましてpHをいろいろ調整したところ、pHの条件によりまして除去率がいろいろに変わったという形でございます。
     「(5)汚泥の性状」です。
     発生した汚泥につきまして、処理コストというものが大きく影響してまいるわけでございますけれども、その汚泥につきましてどれぐらいのほう素が入ったのか。どれぐらい溶出するのかということを実験で検討してございます。溶出試験では6.9mg/Lという結果が得られております。ちょっと実験途中なので、はっきり細かにお示しできなくて申しわけなかったのですけれども、以後取りまとめ内容といたしまして、以降のようなことを考えてございます。
     処理剤につきましては、助剤であるとか薬剤とかをいろいろ使いましたので、処理性であるとか発生汚泥量であるとか、汚泥の性状であるとか、その有効性を取りまとめる予定にしております。
     「②処理手順」でございます。凝集剤、助剤、薬剤の適正な投入量、撹拌方法等につきましてまとめる予定でございます。
     「③リサイクル」でございます。凝集汚泥、助剤、薬剤を、再利用できるものであればいわゆる処理コストというものが下がってまいりますので、それについても検討を加える予定でございます。
     「④経済性」でございます。今、申し上げたようなことを含めまして、イニシャルコスト、ランニングコストを試算したいと考えてございます。
     ⑤でございます。これらは今回ある温泉旅館さんの御協力を得まして適用したところでございますけれども、一般の温泉排水でもどのように使えるかということも検討してまいりたいと思ってございます。
     13ページ以降は、過年度に実証試験を行いましたところの試験方法につきまして、簡単にまとめてございます。
     18ページをごらんになっていただきたいと思います。「まとめ」でございます。
     今年度、高濃度源泉利用施設、特にほう素低減方策について検討してまいりました。A温泉につきましては、排水口濃度の平準化により、今回の調査を踏まえますと、300mg/L程度に低減できるということが示されました。
     B温泉につきましては、源泉取水量が多いことから、源泉取水量を抑えたらどういうふうになるかということを検討いたしました。
     なお、先ほど来申し上げていますとおり、今回の低減方策検討は、今回実施した調査結果を用いて行っているために、具体的にどういった方策をとるのか、どういったものを導入していくべきなのかということを検討するには、以下のような検討を踏まえた上で有効な対策とする必要があると考えてございます。
     「①源泉以外の水使用の詳細把握」でございます。
     今回も違った条件で採水をしたところでございますけれども、やはり捉え切れていない部分が多いと考えてございます。お客さんの数、水道使用量の関係、入浴などの行動パターンによる時間的な変動などを把握し、排水濃度変動をもっと細かに考慮する必要があると考えてございます。
     「②具体的な環境負荷の低減の検討」でございます。
     ①を踏まえまして、実態を踏まえた対策というものを考えていかなければならないわけですけれども、この利用客の増減に応じた、例えばですが取水量の調整であるとか、かけ流し量の再検討であるとか、浴槽容量の工夫であるとかで、排水処理技術を全体的にぼんと入れるのではなくて、効果的な導入方法はどうすればいいかとか、対策の組み合わせなども検討して低減取り組みの具体的な対策が望まれると考えてございます。
     「(2)温泉排水による環境負荷の低減の取組の促進(案)」ということでございます。
     これは、高濃度源泉利用施設、ほう素の高濃度源泉利用施設、今回の2施設以外につきましても、このような対策調査が次年度以降考えられるのではないかという形でお示しをさせていただいております。
     去年の取りまとめにもございましたけれども「温泉の利活用においては、温泉の効能という観点に加えて、排水に対する配慮という認識を持つことが改めて重要である」というふうにいただいております。ですから、本年度検討対象とした温泉利用施設以外におきましても、ふっ素の高濃度のところも含めて、広く環境負荷の低減取り組みの促進をすることが望まれると考えてございます。それを達成する、それに向かっていくために①と②ということをお示しさせていただいております。
     まず①でございますけれども「排水の自主測定の促進」でございます。
     これは水質汚濁防止法改正によりまして、平成23年度から特定事業場の排出水の測定義務というものが定められております。温泉を利用する旅館業さんにおきましては、ほう素、ふっ素等につきまして3年に1回以上という測定を定めてございます。改正水濁法の施行から3年が経過したことから、改めてこの規定を広く啓発するとともに、排水濃度の測定データというものをちょっと腰を入れて収集していくべきではないかと考えてございます。これによりまして、排水実態を順に把握し、対策につなげていきたいと考えてございます。
     「②排水処理技術の開発」でございます。
     循環ろ過、源泉の取水量削減等々対策はございますけれども、やはり根本的な処理ということになりますと、処理技術を十分に開発してそれを導入していただくということが最も効果的な方法ではないのかなと考えてございます。この効果的な排水処理法を確立するためには、やはり実証試験を引き続き実施をして、導入の可能性を検証していく必要性があると考えてございます。
     19ページ以降につきましては「公衆浴場における衛生等管理要領」を抜粋して載せさせていただいております。
     以上でございます。
  • 須藤委員長 どうも簡潔に要領よく御説明いただきましてありがとうございました。
     それでは、先生方からただいまの資料4、A温泉、B温泉の対応についての御質問をいただきますが、ちょっと私が最初に恐縮ですが、施設は今も稼働しているのですか。
  • 上西課長補佐 はい。
  • 須藤委員長 しているのですね。そうしたら、先生方からこういうところでデータをとりたい、とったらいかがかという御意見があってもよろしいのですね。
  • 上西課長補佐 はい。
  • 須藤委員長 わかりました。
     ということでございますので、先生方からどうぞ御意見をいただきたいと思います。まだ施設は稼働実証中でございます。
  • 上西課長補佐 実験につきましてですか。実験は終わっております。
  • 須藤委員長 では、温泉があるだけですね。
  • 上西課長補佐 そうです。
  • 須藤委員長 それはまあずっとありますね。
  • 上西課長補佐 はい。すみません。申しわけないです。
  • 須藤委員長 施設は、だからこういうところで、例えば薬品をここに入れてほしいなんていうのはとれないのですね。
  • 上西課長補佐 それは今回の実験は終わっております。
  • 須藤委員長 この実験は終わっている。新たな実験をやるといったら、それはまたこれから。
  • 上西課長補佐 そうですね。次年度改めてという形になります。
  • 須藤委員長 改めてやるわけですね。わかりました。
  • 上西課長補佐 はい、すみません。
  • 今橋委員 済みません。質問をしてよろしいですか。
  • 須藤委員長 今橋委員、どうぞ。
  • 今橋委員 少し細かい話で恐れ入りますけれども、8ページのB温泉の分析結果なのですが、浴場排水2のところで、時間が朝で、掃除をするとほう素の濃度が290mg/Lというか増えているというお話なのですが、掃除をすると増えるというのはどういうふうにお考えになっていますでしょうか。ちょっと教えていただけますか。
  • 上西課長補佐 ありがとうございます。
     これは、たまたまその時間が浴場の清掃時間帯であるだけで、実際に調べてこうだったということではございません。例えば、スケールの多い温泉旅館さんでございますので、清掃に伴ってそういうものの巻き上げというかスケールみたいなものもかんでしまったのではないかなという、これは推測でございます。実際にすごく排水が濁っていたとかそういったことまでは認められませんでしたので、正確には、もともと原水が230mg/Lですので、290mg/Lという値が得られたはっきりとした理由というものはわからないです。
  • 須藤委員長 今橋委員、お詳しいのでしょうから、何か御意見があったらどうぞ。
  • 今橋委員 そうすると、スケールとかそういうところに入っていたほう素が出てきたというふうにも考えられるということでございますね。
  • 上西課長補佐 かもしれない。
  • 須藤委員長 清掃しているから、そういうことあるでしょう。
  • 上西課長補佐 そうですね。あくまでも、かもしれないです。
  • 今橋委員 そうすると、そのスケールをちょっと分析するとかそういうことをしてみるとわかるのかなという気もしますけれども、今後よろしく御検討ください。
  • 上西課長補佐 ありがとうございます。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。
     それでは、ほかの先生方どうぞ。どこを区切ってもいいのだけれども、何回も同じことを議論してきているから、今回の調査結果を中心に、先生方の御意見をいただきましょうかね。いかがでございましょうか。
     では、秋葉先生のほうからいきましょうか。いいですか。
  • 秋葉委員 確認ですが、5ページで、例えば循環ろ過水道水の場合、結局加温することになると思いますが、加温するエネルギー代は、このコストの中には入っているのですか。
  • 上西課長補佐 入っていないです。(誤り:5ページの循環ろ過のイニシャルとランニングコストは加温のエネルギー代を含んでいる。ただし、加水については、ここでは水道水の費用を計算しており、加温のエネルギーは含んでいない。)
  • 秋葉委員 わかりました。
     排水の処理は、いろいろな実験を実施しているようですが、凝集沈殿や他の処理法でも、pHを中心に検討していますが、温泉水ですので、かなり温度の差があると思うのです。水温は処理を行う場合、基本的なファクターですので、pHとともに、水温による除去の影響を検討してはいかがでしょうか。排水には浄化槽水とか混入するわけですので、かなり水温の変動があると思います。
  • 上西課長補佐 わかりました。水温は測ってございますので、それとの除去率の効果等も加えまして、検討を踏まえまして取りまとめとさせていただきたいと思います。
  • 秋葉委員 とりあえず以上です。
  • 須藤委員長 次、浅野先生、いかがですか。
  • 浅野委員 きょうのこの資料に関する限りは、よくわからない面もあるので余りコメントのしようもないのですが、いずれにせよやれば何とかなるということが何となくわかってきたといえます。一挙に一律基準にするというのは無理だとしても、次の段階では基準を少し厳し目にしていくということはやはり公平の観点から見て考えざるを得ないので、何もしませんということにはならないというお話が早めに相手に伝わってほしいと思います。この程度は下げることができるはずだという。
  • 須藤委員長 7割、8割ぐらいまでは最高いけるのでね。
  • 浅野委員 ということですね。だから、全く現在と同じままさらにまた次の3年間いけるのだという妙な期待をされないほうがいいですねという感じはあります。
  • 上西課長補佐 そうですね。ありがとうございます。
     ただ、今回の試算につきましては、あくまでも2回測って計算をしたという形なので、割と排水口濃度につきましても、変動の利用客数に伴うのでしょうけれども、大きく変動する旅館さんなので、いつも低い状態に保つということはなかなか難しそうだなということが、実態調査をしてよりクリアにわかってまいりました。ですから、変動の状況というものをよく押さえて、効果的な低減方策というのをきっちり練っていかなければならないと思います。
  • 浅野委員 それはそれでいいのだと思います。どちらにしても工場排水を考えるときのように、基準が決まったら絶対に守って、それよりも少なくともかなりの程度よくしなければいけないという常識をここに適用するかどうかの話なのです。ですから、暫定基準がいつもぎりぎり達成できるというレベル、変動幅がありながらもおおむねぎりぎりのところでは達成できているという数字にすることもあり得ると考えるのか、それとも、そもそも常に十分にすべての対象事業所でクリアできるような数字でない限り基準として決められないのか、その辺の話が次の段階には出てくるようにも思われます。特に自然由来ということに着目して、もし人為的な要素がより少ないものについてどうするのかという議論があった場合に、踏み込んでいえばその辺のところも含めての議論があり得るでしょうから、これらを工場排水と同じような感覚で議論するのはよくないかもしれないですね。完璧にクリアできると言ったら何億も金をかけないといけない。ではもうやめてくださいという話になってしまいます、と思いますけれども。いろいろな考え方で検討しましょう。
  • 須藤委員長 考え方の一つとしての大事な点ですね。
     今橋委員、さっき御質問をいただいたけれども、何か追加がございますか。
  • 今橋委員 済みません。初めて出席させていただいて、一言だけ申し上げたいと思います。
     環境省さんも発表していますけれども、日本の温泉旅館の数は年々減っております。それから、温泉協会の会員の温泉旅館も減っております。会員、温泉旅館としては、過去10年ぐらいで2割以上減少。ただし、日帰り施設は少しずつ数がふえております。それはもうここで十分議論されたことと思いますが、温泉旅館が減っている原因の多くは、経営が成り立たないといいますか、そういうことが多い部分はありますので、今、この議論を十分することは必要ですけれども、余りイニシャルコストとかランニングコストがかかるのは温泉旅館としては大変厳しい状況になるのではないかと思いますので、その辺も御理解していただいて進めていただければということでございます。
     よろしくお願いいたします。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。もうその辺はこの委員会の当初から議論されたところでございまして、その辺をどういうふうに考慮するかというところが問題で、さっきの浅野先生の御意見なんかもそこを踏まえているわけです。
  • 今橋委員 済みません。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
  • 須藤委員長 わかりました。
     では、甘露寺先生どうぞ。
  • 甘露寺委員 私ずっと出ていて、これは考え方にもよるのですけれども、温泉旅館サイドでの考えと、こういう基準をつくって公平に、えいやとやるのだというサイドの考え方と、これはなかなか合わないという面があると私自身見ていて思うのです。
     温泉の場合、今、ちょっとおっしゃったようにかなり変動する。源泉は変動しないかもしれないけれども、実際お客とかそういうものでいろいろなことをやるから、処理もやるかもしれない。だから、循環ろ過もあるかもしれないといういろいろなことで、排水のところの濃度がかなり変動するというこれはあるので、これが一つ非常に問題になるのですね。ですから、それを均一化するというか、ある程度のレベル以下で保つようなことをするということが非常に重要。
     私自身は、一番最初にこれをやったときに申し上げたのですけれども、結局こういう委員会でこういうことを進めていく以上、例えば今、500mg/Lを250mg/Lなら250mg/Lにするというようなことを結局は、それが値がいいかどうかはわからないからやらざるを得ないだろうというふうに私なんかは考えているのです。そうすると、それの落ちこぼれが当然出てくるのですね。今やっていることも、この内容もそれと同じなのです。ですから、そういうものをどういうふうにするか。
     そもそも最初、温泉排水そのものとか排水そのものは、業種によって基準値を変えるという考え方があったわけです。現在でもそれが流れている。ですから業種によって基準値を変えるということと、温泉の性質によって基準値を変えるということとは同じと私は一番最初にそれを主張したのですが、そのときは余り皆さんはおっしゃらなかったけれども、そういう考え方もあるのではないか。要するに、ある基準でつくって、後できないものに対して特定の手当てをするというような考え方も当然出てくるのではないかと私は思います。
     それから、処理は非常に難しい。我々も温泉の処理をやりますと、すごくお金がかかってしまうのですね。これも何回か前に申し上げたと思うのですけれども、水道料金の2倍か3倍くらいまでなのです。100円が200円だったら、全体としてお金がかかるのは大体500円ぐらいまで。そのぐらいまでは何とかやれるかもしれない。水道料金を倍ぐらいのところ、あるいはその倍程度の処理なら私は大丈夫だと見ているのですけれども、立米単価1,000円とか2,000円とかかかってしまったらもう無理なのです。ですから、そこのところで処理というのを、これも申し上げたと思うのですけれども、本来一番単純なのは、水で薄めるということなのです。これは地下水とか河川水を使うことは現実にはできないけれども、地下水とかそういう問題があって水の取り合いになる。事実今、すごい取り合いをやっているわけですけれども、その辺のところが一つ問題がある。
     それから、ここでおっしゃったいろいろな問題、ここできょういろいろお話になった点は、私自身非常によくわかります。ここに書いてあること自身はね。今、説明されたことも、全くこういうことになるだろなということもよくわかる。ここまで細かくやりますと、結局その対応についてもある程度細かさがないとまずいという問題も出てくるのです。ここが非常に厄介なのです。
     一番の問題は、うちの研究所の中でも議論しているのですけれども、現在、温泉というのが循環ろ過は、極端に言えば悪、悪いのだ。かけ流しがいいのだとなっているのです。だけれども、かけ流しがいいのではなくて、かけ流しの実際問題として、浴槽にどれだけきれいなものが入るかということで決まるわけで、厚労省がここで言っている1時間1ターンというのは、1時間1ターンすれば次から次へとお客が来ても、例えば私自身計算したのだけれども、濁度で5度以上にはならないです。1人が大体0.5グラムぐらいの泥をお風呂に投げるという形で計算してね。ですから、一番の問題は、循環がいいとは言わないけれども、循環の方法。循環をもっと精度を上げていくというようなことも非常に考えなければいけないし、要するに、考え方としてはかなり多様性というのが当然そこに出てくると思うのです。
     それで、これも私は言ったのですが、温泉の許可をする段階でほう素とかふっ素とかたくさんとあるものについては、ある程度の何らかのペナルティーに近いようなものをね。そう言っては悪いけれども、これだけあるのだよ、こういうものを使うのかなという。
     要するに、現状で東京なんかは可燃性天然ガスが入ってきて、今、そういう平野部の可燃性天然ガスを含んだいわゆる日帰り施設というのがちょっともう雑然として、利用施設の数もすごく下がっているのです。要するに、天然ガスでいろいろな基準をつくると、それは大変なのですよ。源泉をやめるといってもかなりお金がかかる。
     ですから、そういうのを考えるということも非常に重要なので、ある意味でそういう、先ほどおっしゃっていたコスト面でのこういうようなことも非常に難しいということを念頭に置けば、ある程度皆さん遠慮してくるということも当然あります。もちろん、いろいろ技術も開発することも重要だけれども、いろいろなところからの攻撃面というか、対応面があるなという感じを私は持っているのです。
     それで一番の問題は、我々もそうなのだけれども、温泉の開発というのはある意味では、自然がせっかくこれは外へ出したら大変危険だよというものを、埋めたものを出してほじくり返しているのですね。それがまた実は固まっていくという、これは放射性の物質も全部同じですけれども、人間がやっているのではなくて大昔から微生物がそういう離合と集散というのをやってきているわけ。人間の時代になってから特にそういうのが、ここ近年激しくなったけれども、結局はある程度、一旦散らけたものをもう一度また固める。それは、大昔微生物がそういうことをやっているわけです。あるいは鳥だってそういうことをやっているわけですね。ですから、そういう一つの流れの中でこういう処理技術というのはやはり非常に意味を持っているように私は思う。
     ただ、我々技術屋はみんな、排水処理とかそういうのは嫌がるのですよ。私自身も実は前の所長から、お前は温泉の排水問題に手を出すなと言われていて。その方は亡くなったのですけれども、お前はとんちんかんだから排水問題に必ず手を突っ込むからそれだけはやめろと私自身言われたのですけれども、もうとてもできないので現実に手を突っ込んでいるのですけれどもね。そんなことでございます。
  • 須藤委員長 上西補佐、今のまとめの段階でいろいろ大変ないいサジェスチョンをいただいているので、今、特にはお答えないでしょう。
  • 上西課長補佐 はい。御意見を頂戴いたしました。
  • 須藤委員長 ということで、まとめの段階でこれは御活用ください。
     では、辰巳先生、どうぞ。
  • 辰巳委員 最初に確認させていただきたいのですけれども、この処理実験をされたのは、A温泉の排水でやられたということでよろしいのですか。
  • 上西課長補佐 はい。
  • 辰巳委員 それと、ケース1、2、3、4、5とあるのですけれども、薬剤自体は同じ薬剤を使ってやっておられるということでいい。
  • 上西課長補佐 そうです。
  • 辰巳委員 それで、それぞれのケースでもpHを変えただけなのですか。それとも薬剤の量とか何かも変えてやっておられるのでしょうか。細かい点はもし無理だったらいいですが。
  • 上西課長補佐 そうですね。細かいところはちょっとまだ取りまとめ中でございます。
  • 辰巳委員 わかりました。
     1点、この凝集沈殿の場合というのは、pHの影響がすごくあるのですね。それで、この無調整がいいというのではなくて、たまたまこのpHが良かったということで、ここのpHのところは詳しく押さえられたらまずいいということです。
     それと目標なのですけれども、どうしても水処理をやると何とかたくさんとろうと思ってしまうのです。だが、A温泉で実際に、例えばいろいろな方法である程度下げられると、先のほうに出ていますね。それと処理を合わせたときに、一体どこまで落とせばいいのかというのをですね例えば30%だけ除去できればいいのではないかとかその辺のところをはっきりさせて、それでコストがどのぐらいかかるのかというような見方をされたらいいのではないかと思います。それが1点です。
     それから、凝集沈殿。そういう意味で言えばかつて吸着法というのが検討されていると思うのですけれども、吸着剤というのもいろいろ開発されていると思うのですが、必ず吸着剤を使って処理されたときには、いろいろなカラムとか吸着塔を使って処理されていると思うのですけれども、これは非常によくとれてしまうのです。だから、吸着剤を逆にバッチで使うような感じ。凝集剤と一緒に使うような方法にすれば、ある程度落とすという意味では非常にコストが安く使えるので、その中に、例えばこの中に出ている吸着剤でも、天然無機物の吸着剤とかすごくコストの安いものを凝集剤と一緒に使って、ある程度、本当に30%落とす、50%落とすとか、そういう目標をはっきりさせて処理をされるとよろしいのではないかと思います。以上です。
  • 上西課長補佐 ありがとうございます。
  • 須藤委員長 どうも御意見いただきありがとうございます。これも取りまとめの段階で考察をしていただきたいと思います。
     それでは、藤田先生、どうぞ。
  • 藤田委員 1つは、私は実はA温泉の実験での取りまとめにかかわっておりますので、辰巳先生の質問に1つ答えたいのは、A、B、C、Dというのは、実はアルカリから中性までなのです。Aがアルカリなのです。だからよくとれている。大体11前後までいっていると思います。もう少し低いかもわかりません。
     それからもう一つ、温度の質問があったように思うのですけれども、A温泉の温度を見ていただいたらわかりますように、少なくとも30度前後です。だから、それ自身は温泉排水ですから、実際にはすっと温度が下がりますから、40度を超える排水が出てくるはずがないわけです。大体それぐらいですから、逆にいうと凝集沈殿にはそこそこいい温度にはなっていると思います。
     先ほどのいい御意見だと思うのですが、助剤のほうがありますね。あれはコストが高いのです。多分同じ発想で、ある種の吸着剤なのです。だからよくとれるのです。しかも中性でとれるのですね。だから、pHを上げてもう一度中性にするという操作も必要ないので非常にいいのですけれども、残念ながらやはり吸着剤が高い。したがって、できれば脱着をして何度か利用できないかということは今、そこの技術開発者が検討しているところで、これは多分後で、最後のまとめるところで答えが出てくると思います。まさにそのとおりです。だけれども、1回だけだとコスト的に合わない。それ以外の助剤に関しては、ありきたりの消石灰とかそういう系統のものを使っているということです。
     一つだけ。A温泉のところで、排水口が浄化槽を含めて1、2、3とあるのですけれども、これは当然水濁法絡みの公共用水域なのですが、本当は溝みたいなところ、側溝みたいなところに1番と2番が流れていって、浄化槽だけは川に直接入るというロケーションですので、一つは、やはり平準化するというのは非常に現実的な対応策ではないかなとは思っているのですけれども、なかなかそこまで温泉のほうが踏み込んでくれるかどうかというところはちょっと難しいというふうな話は聞いております。したがって平準化すれば、先ほどの試算ではないですけれども、浄化槽の分を入れなくてもかなり濃度は一定になるだろうと予測しています。
     もう一点は、私も実はこの温泉排水で一番困っているのは、お客さんによってと、それからもう一回は洗浄のときのピーク濃度に対してどう考えるかというところだけが今、悩みです。調整槽なんかを設けるというのは、そんなに難しくないように思うのですけれども、場所によっては全くタンクをつくるところがないとか、非常に大きなものが必要になってしまうとかいうことで、意外とイニシャルコストがぽんと上がってしまうのです。だから、そこのところはやはり悩みだなと思います。
     もう一点、甘露寺先生の御質問で、A温泉の凝集法ですけれども、これはイニシャルコストはかなり安いと思います。というのは、1つのタンクで凝集と沈殿と両方できますので、撹拌装置を入れるだけでいいということですから、極端に言えば大きなタンクを1つ置いて撹拌装置を入れれば、あとはもう添加するのはそういうフィーリングの装置だけでいくと思うので、イニシャルコストはかなり安いとは思うし、あとはランニングコストだけだと思います。いつもこの委員会でも言われていますように、立米1,000円はだめですよというふうなことは常に頭の中に入れながら、できるだけコストを下げてくれというふうに言っています。
     あと一つだけ、B温泉ですね。これも実は現地で見学はさせてもらいましたが、いろいろ現地の問題点もあるのですけれども、問題は、揚湯量が多過ぎるというのが一つの課題だと思います。これはちょっと難しい温泉ですね。というのは、1日1,000m3のお湯をくんでいるわけです。では、これは下げられないのかということなのですけれども、下げると結局溶存物質が多過ぎてパイプが詰まってしまうという問題が出てくるのです。それが厄介なところだと思います。ここはちょっと今のところは答えが出てこないですね。というようなことです。
  • 須藤委員長 ありがとうございました。実際の研究をされている先生からのコメントをいただいたので、それもまとめの段階でどうぞ取り入れてください。
     では、眞柄先生、どうぞ。
  • 眞柄委員 凝集沈殿法も、凝集剤の種類にもよるのでしょうけれども、ボロンをとろうと思ったら容易なことではないので、この現場で処理をするというのは私はもう無理だと、諦めたほうがいいと思います。
     では、どうするかというと、当然先ほど課長が言われたように、下流の利水者は誰かということです。下流の取水者が水道事業体、水道事業だったとしたら、その取水地点の下流まで放水路をつくって、環境基準と利水者の影響がないような工夫をするしか私はないだろうと思います。現に札幌は、水道で上流の定山渓温泉の排水の影響をなくすために、トンネルを掘って定山渓温泉の水を下流まで流す工事が始まっているわけです。
  • 須藤委員長 今、やっているのですね。
  • 眞柄委員 もう図面をやっています。それで、利根川の上流の品木ダム。あれは、上流の温泉排水を、温泉水も入った河川水に凝集剤を入れて、品木ダムを実質的に沈殿池にしているわけです。八ッ場の話もいろいろありますけれども、品木ダムはもう泥が入って上流に仮置き場をしているぐらいですから、八ッ場をつくらなければいけないという理由はそういうのもあるわけです。それから、これは玉川の関係かもしれませんけれども、玉川でも北上の関係もあって、実質的に国交省が河川水を処理しています。
     だから、そういう政策とあわせてやはり温泉排水の問題というのは考えていかなければ、これは先ほど浅野先生がおっしゃったことと関連するのかもしれませんけれども、国としてどうするかという政策をもう一つ立てる時期に来ていると思います。
     そういう意味では、自公政権になって強靭化の法案とか強靭化の予算なんかをつくっていますから、将来コストをかけなくても、日本の国土をどうするかという、そういう政策も環境省のほうでそろそろ考えて提案をしていただくのがいいだろうと思います。
     それで、もっと極端なことを言えば、水源保全の二法があって、むしろ下流の水道事業者から声を上げさせて、それでどう対応するかというようなことも、現実に法律の体系でできないことはないわけです。
     ですから、そういう意味では余り処理にこだわるというのは、こと温泉排水に関して言えば、とにかくふっ素も大変ですし、ボロンも大変ですし、現に環境基準でヒ素が超えているところはいっぱいあって、そのヒ素が超えているのも温泉排水が影響しているところが多いですよ。ですから、そういう意味で少し、今までずっと環境省ができて50年来やってきたその道でいいのかどうなのかということを、浅野先生もおっしゃるように、私もそろそろ考える時期だろうと思います。
     やろうと思えばできるというのは、もちろん、できるとは思います。30度ぐらいでしたらナノフィルターでもできますけれども、低圧でやっても10%ぐらいは簡単にとれます。ですから、それぐらいのところでやるのか、あるいはもっと違う形で水資源全体として環境管理をどうするかという、そういうコンセプトもやはり要るのではないかなというのをお話しを聞いて感じました。
     以上です。
  • 須藤委員長 どうもありがとうございました。
     そもそも、水管理の中で化学物質の総合的な管理をどうしていくかというのは大きな問題なので、ここで何か結論を出すような問題ではなくて、水環境課長もいらっしゃいますので、これは今後いろいろな場所でこの辺の議論というのは環境基準の問題も含めてされていますので、ちょっと話題としてこれを前段に持ってきてしまうとまとまりにくくなるから、そこはうまくやっていただきたいと思います。
     森田先生、どうぞ。
  • 森田委員 まず、温泉排水の、しかも比較的非常に高濃度のほう素の処理をどうするかという問題です。しかも余りお金をかけるのは現実的でないし、温泉であることもあるという、そこの中でどういう着地点を用意するかなのですね。
     1つの問題は、既存の水処理技術というのは、基本的にお金が少しはかかるという構造になっていますので、既存の技術で何とかやろうとしても行き詰まってくるかなという感じはするのです。したがって、もっと劇的に安い方法を何か考え出さないと、適用し切れないかなという感じがまずします。
     それからもう一つは、トータルとして放出されるほう素の量が、そういう水ですとそれほど大きくないかもしれないので、したがって、現在の10ppmのようなほう素濃度というところには到達しないけれども、もうちょっと高いところでもいいよという割り切りをある程度すればいいような気もするのです。それで、そのときにどういう数字なのかということなのですが、現在の数値の半分以下にまずは当面3年間ぐらいはしてくださいとか、徐々に接近するようなアプローチで、技術開発を促進させながらというのが現実的かなという感じがするのです。
     その間のそこで使える技術は何かというと、多分本当に自然を利用した技術になるのですね。ほう素というのはある種の必須元素ですので、したがって植物体はある程度取り込みますし、適当なビオトープを使ってそこでためてもらうとかそういうアプローチを含めて、とにかく置いておけばランニングコストのかからないような方法をとりあえず考える。
     どうしても凝集沈殿というのは、一般的には水処理方法としては安い方法なのだけれども、それでもなおかつこういうのに適用しようとすると高過ぎるという話は起こる。それからもう一つは、こういう特殊な水というのは、そういう技術の汎用性がないのです。そこで開発したとしても、ほかで使い道のない技術になってきますので、開発者のほうもきっとそんなに一生懸命できないのですね。そういうものでありますので、とりあえずある程度ゴールを緩めて、それで接近していくのかなという。眞柄先生のように水の利用の面からもう一回考え直すというのは原理的にはあり得るのですが、でも、全く目標を定めないとだらだらしてしまうので、時間と目標値をある程度示しながら技術促進を、しかもお金のかからない方法をずっと考えるというのが一番現実的な答えかなという感じがします。
  • 浅野委員 須藤先生、いいですか。
  • 須藤委員長 では、浅野先生、どうぞ。
  • 浅野委員 さっきの低減対策の中で、例えば排水を1本にまとめてとかそういうようなことがどこまでできるか、もう少し丁寧に議論する必要がある。それから、さっきから言っているように、工場排水の規制をやっているときの発想をがらっと変えてしまうということがありそうですね。つまりほとんどお客の来ない温泉で1日のうちに十何時間はただただくみ出したものが流れているような場合、人がたまたま入ったときには濃度が上がりますという話なのです。そしたら、その変動幅がどのぐらいあるのかというのをもうちょっときちっと情報を獲得することによって、工場排水の場合は大体どこかにためておいてやるから常にコンスタントになるわけだけれども、いきなり出したら幅があるわけでしょうからそれで考えていくと、1日平均でこのぐらいであればもういいよとかいうようなやり方を導入する手もあるわけです。そうすると、暫定基準にしてもかなり下げることができるかもしれないし、いろいろなことを考えていいのではないかと思うのです。それはもうひとえに工場とは違うのだということを前提として考えるときにね。
     恐らく次に出てくるのは、温泉旅館に比べればもうちょっと利用の頻度が高いでしょうから、一般の工場並みに考える余地があるかもしれないけれども、どうもやはり山の中の温泉旅館を考えると、瞬間風速が一番基準になって、それをうんと下げなければいけないという発想でやっている限りは、絶対答えが出てこないと思うのです。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。
     甘露寺先生、どうぞ。
  • 甘露寺委員 追加なのですが、結局今のいろいろな積算をやっているのも、施設単位の話なのですね。それは先ほど先生方もおっしゃった、まとめたものについての話ではない。それで、我々温泉の集中管理というのをいろいろ計画したり設計してやった経験でいいますと、まとめるということは薄めるということと同じなのです。ですから、そういうまとめるというやり方をうまくやれば薄めるということにつながるから、かなり濃度の低下という面では非常に助けになる。
     それから、先生が先ほどからおっしゃっているように、100%をとるのではなくて、30%とか40%ぐらいでという、そういうのとの組み合わせですよね。そういう問題も考えなければいけないし、それから、今、非常に重要なことを先生がおっしゃったのは、温泉というのは、実は利用者が肌にちゃんと触れて流れる温泉の量なんていうのはきわめて少ないのです。温泉の量というのは、ほとんど利用者に触れて流れないで捨ててしまうのです。これは一番温泉の使い方で困った問題なのです。要するに、利用者がいないときに使ってしまうのですよ。それが一番困るのです。しかも利用者のいないときにうんと温泉があると、それは一番俺がえらいのだと、こういう威張り方になってしまうのですね。そこが今までの温泉なのです。
     それで、我々が集中管理をやった結果どういうことがわかったかというと、要るときに、要る場所に、要る量を使うという、水道と同じなのですけれども、そういうシステムで温泉の給配湯をやらないと、これは無駄が出ますよということ。
     それはどういうことかというと、資源量というのは限界があるわけです。ですから、使うほうが幾らでもとれるわけではないから、そういう形でやるならば当然使う側でのいろいろなコントロールを考えなければいけない。そのコントロールの中に、集中管理の中に一つこういう排水という問題も考えていかなければいけない。これはもちろん我々が言ってもしようがないので、国の考え方というかそういう方向でどうするかという問題が入ってきますので、そういうことも今の水質汚濁防止法のちょっと違った面が出てくるわけですから、その辺のところをも考慮する必要がある。だけれども、こういう個々の処理というのも非常に重要で、私自身がこういう経験で言いますと、ほう素とかふっ素があるというのは、例えば熱海とか伊東とかという大勢のお客がどかどかと来るところは案外少ないのですね。それがちょっとやりにくいところなのです。
     我々、何年か前にここで集中管理と言ったのだけれども、後で傍聴者のほうから、先生、集中管理と言ったって余り意味がないのだよ。排水処理しなければならない温泉というのは1軒なのだよ。結局は1軒悪いのを持っているのがあったら、みんな変なものを持っているというのは、1軒だけの宿なんだよ。それをどうするのかなのだよと言われたことがあるのですけれども、確かにそういう傾向はあるのです。大勢でうんと浸かれば、その水というのは、有馬や何かは別ですけれども、一般的には薄くなってしまうのですね。そういう大原則みたいなものがありますから、そういう面では、いろいろな多方面でいろいろこういうことをやっていくということ。
     私は集中管理の経験から言うと、やはり温泉の排水。温泉を配るほうではなくて、今度はそれを集めて捨てる側での集中管理ということも重要で、それにこのいわゆる暫定基準を少しずつ下げていくということも絡ませるような考え方というのが当然あっていいと思っているのです。そんなことでございます。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。
     まだほかにもあるかもしれませんが、もう一つ議題があるので、今のコストの中に、計算する中に汚泥の問題。凝集沈殿を使うというのは必ず汚泥が出るので、その再処理処分のところまで入れないと、水だけで水道代の3倍程度にいったという程度では後で困ると思いますので、そこは入れておいてくださいね。
     では、まだ中途半端ですが、これは今後あと1回、2回検討する時間がございます。温泉を利用する公衆浴場の状況について御説明ください。
  • 上西課長補佐 ありがとうございます。
     資料5-1と5-2を用いまして、御説明をさせていただきます。
     初めに、去年の取りまとめ等を御紹介させていただきましたとおり、旅館業以外の温泉利用施設につきましても、同じように源泉を用い、同じように排水をしている、それの排水はどうなのか。特定施設に一方はなっており、一方はなっていないというその状況についてどう考えるのかというふうな御意見を賜ってまいりました。それにつきましては、ただ温泉を利用する施設と申しましてもいろいろな形態がある、公衆浴場に絞りましてもいろいろな実態があるという形なので、今回少し整理をさせていただいたところでございます。
     ただ、母集団がやはりほう素、ふっ素の高めのところに絞りまして検討した関係上、全体の公衆浴場を捉えるところにまではまだ至ってございません。そういった面も含めまして、途中経過という形で今、御紹介をさせていただきたいと思います。
     資料5-1でございます。まず、1ページ目でございますけれども、まず全国の温泉を利用する公衆浴場数について御紹介をさせていただきます。これは平成24年度の利用状況につきましてでございますけれども、施設数につきましては、温泉を利用する宿泊施設1万3,000某に対しまして、公衆浴場につきましては7,771という形になってございます。およそ3割、4割が公衆浴場となっております。これは施設数ですので、大きさ等は勘案してございません。
     2ページ目でございます。温泉源泉のほう素あるいはふっ素等の濃度の状況について、改めまして整理をさせていただいてございます。去年まで整理をさせていただいて、この円グラフも出させていただいたところでございますけれども、全国の利用源泉のうち、ほう素、ふっ素が高い源泉というのはどれぐらいあるのかということを改めましてお示しさせていただいてございます。ほう素、ふっ素につきましても、全体のものと比べましておよそ1割程度未満という形になってございます。ただ、ほう素、ふっ素のみならず、ヒ素とかそういった形も温泉の源泉の中に入ってございますので、参考に下のほうのグラフにヒ素の含有温泉につきまして状況をお示しさせていただいております。
     これは少し前なのですけれども、平成17年3月末に自然局のほうで調べていただいた状況につきまして簡単にお示しをさせていただいております。温泉利用許可を受けている温泉の状況でございますけれども、ヒ素濃度が0.1mg/L以下の源泉。これはヒ素含有温泉以外のものも入っておりますので、全体のものになってございます。0.1mg/L以下の源泉が9割程度。ヒ素が高い0.1mg/L以上のところが10%程度という形になってございます。
     3ページでございます。公衆浴場の状況というのがどうなっているのかということを整理をさせていただいております。今、申し上げましたとおり、ほう素あるいはふっ素が一律排水基準値を超過している源泉を利用している公衆浴場を母集団として整理をし直させていただいております。
     まず、こういう公衆浴場が、現在規制を受けているのか、いないのかということを整理させていただきました。水質汚濁防止法に基づく特定施設です。旅館ではないけれども、例えば厨房施設がある、あるいはし尿処理施設があるといった場合には規制がかかってございますので、そういった公衆浴場はどれぐらいあるのかということを整理させていただいております。この母集団に対しまして、「届出有」については2割程度という形になってございます。
     4ページでございます。源泉湧出時期についても調べてございます。
     源泉湧出時期によりまして排水基準の適用が異なるというような適用をしておりますことから整理をいたしております。これにつきましては届出施設あり、なしで整理をいたしましたけれども、昭和49年12月以降の掘削や湧出時期というものが比較的多いという形になってございます。
     5ページでございます。湧出形態についても整理をさせていただきました。これは今回ふっ素につきまして、湧出形態によって基準値の適用を変えたということに基づいています。
     公衆浴場が利用する源泉の湧出形態といたしましては、届出施設なし、ありともに掘削、動力揚湯が多いという形になってございます。
     6ページでございます。公衆浴場の排水水質データは、実際に現地調査をしたもの、あるいは特定施設があって排水濃度のデータがあるもの、それもなかなか全量ではないのですけれども、そういうものに限ることから、データ数は大変少のうございます。ですから、源泉濃度に着目をいたしましてもう一度整理をさせていただきました。
     ほう素につきましてはこのような形になってございます。これも前年度取りまとめたものとほぼ変わらないです。
     7ページでございます。ふっ素につきましても、同様に整理をさせていただきました。
     8ページのほうにグラフをお示しさせていただいております。ふっ素につきましては、水量、排水量、それから源泉湧出時期、湧出形態によりまして基準値が変わってまいります。ちょっと水量が捉え切れていないところから、この基準がもしかかるとすればこうだ、適用時期はこうだというふうな形で整理をしたかったのですけれども、水量がわからないことから少しその辺が曖昧な資料になってございますが、どれぐらいの施設数がどれぐらいの濃度出ているかという形につきましては、ざっと見ていただけるのではないかと考えてございます。
     9ページでございます。ほう素、ふっ素が高めのところに限りますが、源泉のヒ素濃度についても着目をして整理をさせていただいております。
     今のヒ素の排水基準が一律で0.1mg/Lとなってございます。ただし、これは昭和49年の旅館業が特定施設になっていたときに既に湧出しているものに対しては、旅館業につきましても、ヒ素の0.1mg/Lというのは当面適用除外という形になっておりますので、その辺も含めまして湧出時期、濃度をあわせて下の表に整理をさせていただいております。
     10ページのほうにグラフで示させていただいております。
     11ページでございます。公衆浴場における温泉排水の放流先について整理をさせていただきました。これもやはり規制がかかってないという形なので、下水に入っているのか、河川放流なのかということは全体的に捉え切れていないところでございます。これにつきましてはアンケート調査を行いまして、行ったものと現地調査結果から整理をさせていただきまして捉えられたものについてまとめてございます。
     12ページでございます。今まで申し上げましたとおり、排水量というのがなかなか捉えられない状態でございますけれども、水道の使用量がわかったもの、源泉の取水量がわかったものにつきまして、推定排水量という形で整理をさせていただいております。
     13ページに、これらの整理結果についてまとめさせていただいております。
     (1)でございます。源泉利用の状況につきましては、ほう素、ふっ素が高めのところ、ヒ素の高めのところは、ほぼ1割程度であると把握させていただいております。そういう源泉を利用する公衆浴場の状況でございますけれども、今、把握をしている母集団で把握をしたところ、特定施設の届け出を行っているところはおおむね2割であるということがわかりました。
     届け出をしていない公衆浴場、届け出をしている公衆浴場につきまして源泉濃度、排水濃度を調べましたところ、特にそれぞれにつきまして大きな差というものはないのかなと考えてございます。温泉排水の放流先についても、これは十分に調べるべきところではありますけれども、今の段階で把握したというところはこれぐらいのことでございます。排水量、排水濃度がまだまだ捉え切れていないというところでございます。
     ヒ素濃度に着目いたしましたところ、今の母集団では0.1mg/L以下が多かったという形になりますけれども、これはあくまでもほう素、ふっ素が高めのところでとってございますので、ヒ素のみが高いところがひょっとしたらあるのかもしれない。そういったところもやはり見ていく必要があるのではないかなと考えてございます。
     14ページでございます。pH、BOD、SSについて、特定施設になるとすれば、これも規制がかかってくるということになりますけれども、それらの状況もほとんど把握はできていない状況でございます。
     「今後の課題」でございます。今も課題ばかりを申し上げたところでございますけれども、①、まずは源泉等の水質情報に着目して情報収集することが必要だと考えてございます。事業者、自治体の官庁部局への届け出情報をもう少し幅広に収集すること。あと、公衆浴場の実態ですね。どういう特定施設があるのかというのもまだ整理をし切れてございません。公衆浴場でありましても、旅館業と一体となって経営されている部分もありまして、それがどういうふうに排水されているのかということも全体像がまだ捉え切れていない状況です。排出先、生活排水の状況、一方は下水に入っていて、一方は河川のほうに流れているというところも多々あるように排水実態調査でわかってまいりました。そういうふうな公衆浴場の施設形態についても、幅広く詳細にデータ収集を行う必要があると考えてございます。
     「②実態調査の実施」です。これは今の実態を通じた収集に加えまして、現地調査、利用状況のヒアリングというものを積み上げていく必要があると考えてございます。
     資料5-2のほうに、本年度行いました実地調査について、余り数はないのですけれどもお示しさせていただいております。めくっていただいて、1ページでございます。
     ほう素、ふっ素がある程度高いところ及び源泉濃度でヒ素が少し高めのところというふうな、あるいは、いわゆる源泉濃度がいろいろ高めのところにつきまして、温泉地を選びまして、公衆浴場の実態調査をいたしました。加えまして、公衆浴場と同じ源泉を使っている旅館があればさらに比較検討ができるだろうという形で、そういう温泉地を探しましたところなかなかありませんでした。この4つの温泉地区ですけれども、正確に同じ源泉を使っている公衆浴場と旅館業さんということで調べられた温泉地はあまりありません。隣の源泉を使っている旅館、その隣の源泉を使っている公衆浴場というふうになってしまった温泉地区もございますけれども、とりあえずこの4地区で本年度調査をさせていただいたところでございます。
     分析項目といたしましては、源泉につきましては、ヒ素、ほう素、またはふっ素。温泉排水については、それに加えまして生活環境項目、pHとSSとBODをはからせていただきました。
     次のページでございます。「調査項目」です。
     ヒアリングにつきましては、利用形態でありますとか、温泉の利用状況でありますとか、水の利用状況につきましてヒアリングを行いました。
     結果は、3ページに調査対象施設一覧がありますけれども、この4つの温泉地区に対しまして公衆浴場、宿泊施設について調査ができたものについてお示しをさせていただいております。
     4ページ以降は、それぞれの温泉地区について調べました結果をまとめてございます。A温泉につきましては、資料4のA温泉、B温泉とは全く関係ありません。資料5のA温泉でございます。公衆浴場である公-A-1、公-A-2という言い方をしております。旅館業につきましては旅-A-3と示させていただいております。以降、そのような書き方で書かせていただいております。
     それぞれ利用人数、浴槽につきましては、このような規模の公衆浴場、温泉でございました。
     排水につきましては採水をいたしましたけれども、原水と排水を採水いたしましたところ、公衆浴場につきましては排水口そのものがはっきり切ってあるわけではない、どこから出ているかわからないというふうな公衆浴場もございまして、なかなかとれなかった部分はありますけれども、とれる範囲で原水と排水を採水いたしまして、可能な範囲で排水量も測定をいたしております。それをまとめたところが表3-1でございます。pH、BOD、SSにつきましては小さい値、pHも中性になったという形になってございます。排水量につきましても、とれた分についてはこういうふうな形で出ております。
     めくっていただきましてB温泉でございます。ここのB温泉地区につきましては、特に旅館業さんの、旅館さんがホテルで大きなところでしたので、浴槽の水量、利用人数も特に大きくなってございます。7ページで見ていただけますように、ですから原水に対して排水も十分希釈された形で出ているとなってございます。
     8ページでございます。C温泉です。こちらにつきましては、旅館さんがこじんまりした温泉でありまして、浴槽、利用人数につきましても、公衆浴場さんのほうが少し大きめというふうな形になってございました。ですから、排水と原水の関係につきましても、そのような希釈倍率になっているのではないかなと考えてございます。
     10ページでございます。D温泉です。これも少しこじんまりとした旅館さんでございました。
     浴槽につきましては、浴室に入れなかったことから旅館さんの浴槽の大きさは書いてございませんが、不明となってございます。
     排水量につきましても、はかれなかったという形でございます。
     12ページでございます。「まとめ」です。
     施設規模、運営形態につきましては、それぞれ調べたところですけれども、大きな公衆浴場としての特性というか共通的な特徴というものは余り見られておりません。特に③の「温泉排水水質」なのですけれども、今回調査した施設は、源泉のほう素が高かったところばかりでした。あと、源泉のヒ素濃度がある程度高いところを選んでおります。
     ただ、たまたまですけれども、源泉の湧出時期が全て昭和49年11月末以前の源泉を利用している施設であると考えてございます。全ての施設において、温泉排水はそのまま河川へ放流されている。一方、生活排水は下水放流、あるいは浄化槽処理という形になってございます。
     それらのまとめについては、14ページのところでグラフとしてまとめてございます。
     15ページ以降に個表をつけておりますけれども、それぞれの浴槽の大きさ、温泉排水の放流状況、排水量等々、推測、あるいは測定したものについてまとめてございます。
     今回はこういうふうに調査をしてみたという形になってございますけれども、実際の公衆浴場の把握という形につきましては、資料5-1のまとめでお示ししましたとおりもう少し幅広く、なおかつターゲットを絞ってやっていくべきではないかなと考えてございます。
     以上でございます。
  • 須藤委員長 どうも要領よく説明いただきましてありがとうございました。
     私に対しての事前の説明のときに、温泉自身の水質と言っていいのですか、温泉質と言ったらいいのでしょうか、その記載があるものについてはちょっと報告をしておいてくださいと申し上げたので、そこをちょっとつけ加えておいてください。何々以上でないといけないというものもあるのでしょう。
  • 上西課長補佐 すみません。参考資料の2を御説明するのを忘れてございました。
     温泉の定義というものがそもそも温泉法のほうで定められてございますので、それもお示しして、これらの源泉を用いたものが温泉を利用されて排水として出てくるという形になってございますので、そういう意味で御紹介をさせていただきたいと思います。
     参考資料の2でございます。温泉法により、地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガスにつきましては、表1の「温度又は物質を有するもの」と定義をされております。
     ここで見ていただきたいのが、例えばふっ素でありますと2㎎以上の含有量が必要である。ほう素でありますと、メタほう酸という形でございますけれども、5㎎以上という形になってございます。ヒ素につきましては、ヒドロひ酸イオン、あるいはメタ亜ひ酸で1.3mgあるいは1mg以上のものが温泉であるというふうになってございます。これをヒ素に換算しますと、およそ0.7mg以上が温泉。ヒ素で温泉というのであれば、0.7mg以上は必要であるというふうになっているということでございます。
     以上でございます。
  • 須藤委員長 そうなると、排水基準と逆になってしまいますよ。いいのですね。そういうことだということですね。
     どうぞそのところも大事な要素だと思いますので、あとのところは今の御説明の御質問なり御意見をいただきたいと思います。
     では、眞柄先生。
  • 眞柄委員 1つは、5-1の公衆浴場の調査で、浴槽なりがかなり大規模なのが多いのにもかかわらず、5-2では小さいのばかりだという、これは何か特別な理由があってそうなのかというのが1つ。
     それから、規模が大きくなって、水質によっては下水道法の縛りを受けているものもあるのではないかと思いますが、それはなかったのかどうか。その2つをお願いします。
  • 須藤委員長 どうぞ。
  • 上西課長補佐 ありがとうございます。
     実態調査、実地調査と文献調査との浴槽の規模の違いなのですけれども、実態調査のほうでは、申し上げましたとおり公衆浴場と旅館とで同じ源泉を使っているもの、ほう素、あるいはふっ素が高めでなおかつヒ素が高いもの、なおかつ御協力いただけるところということで縛りますと、今回の調査では規模の小さいものとなってしまいました。本当は大きなスーパー銭湯みたいなところも調査したかったのですけれども、意外とほう素、ふっ素が高くないという形であったというのが実情です。それらも含めて広く実地調査というのはさせていただくべきかなと思っております。
  • 須藤委員長 眞柄先生、それでいいですか。
     あと下水道法もですね。
  • 上西課長補佐 下水道のほうなのですけれども、そういった縛りの面もございまして、生活排水のみ下水に受け入れているというところが多いなというのは、今回の実地調査ではわかってまいりました。ただ、すみません、去年私御説明し損ねたというところがございますけれども、条例のほうで下水道のほうである程度一律基準以上のものも受け入れるような形で、受け入れているところもあるようです。ですから、そこは下水のほうでまた処理が大変になってまいりますので、そのあたりはその地域の実情、温泉排水の状況等を含めてそれぞれにやっておられるとお聞きしております。
  • 須藤委員長 この中にはそれが含まれているわけですね。条例で少し高めにしてあるのも、一律基準でやっているのもいろいろ含めてありなのね。
  • 上西課長補佐 いろいろあるので、実態はまだ整理はしておりません。
  • 須藤委員長 よくわからないということですね。
     よろしいでしょうか。
     ほかの先生方はいかがでございますか。
     では、森田先生からどうぞ。今度はこちらからいきましょう。
  • 森田委員 ちょっと私、頭の中が混乱してしまっていてですね、済みません。ここの議論は非常に高濃度のほう素を含んだ温泉があって、多いところは1,500ppmで、暫定基準が500ppmなのだけれどもどうしようかというのが動機だったような気がするのですが、今、13ページの表を見ていると、A温泉、B温泉、C温泉とも源泉の濃度も50ppm以下で、ここのあたりどんなふうに、どういう関連になっているかちょっと確認させていただけますか。
  • 上西課長補佐 すみません。このA温泉、B温泉というつけ方がまずかったです。資料4のA温泉、B温泉と、資料5のA温泉、B温泉、C温泉、D温泉は全く違う温泉でございます。
  • 須藤委員長 X、Y、Zか何かつければ。
  • 上西課長補佐 そうですね。違うアルファベットにすべきでした。申し訳ございません。
  • 森田委員 ということは、資料の表の4-1にあるような温泉は、大体、暫定基準がたとえ今よりもちょっと下がっても全く問題がなくて、依然として問題なのは、高濃度のところは問題としては存在しているということですね。わかりました。ありがとうございました。
  • 須藤委員長 よろしいですか。
     それでは、藤田先生が次にいきましょうか。
  • 藤田委員 一つ同じようなところで、例えば5-2の13ページの4-1の水質調査結果を見て、これはふっ素は入っていなかったのですけれども、ほう素濃度に関しては、排水に関してはほぼ、いわば一律基準に近いものが多かったということで、それと、これはたまたま調査したところがこうだったので、統計データとしては例えばほう素だったら数パーセントは恐らく超えているだろうという、そういうことでいいのですね。
  • 上西課長補佐 はい。
  • 藤田委員 それとヒ素が意外と厳しいなというのが見えてきたと思うのですけれども、これは今のところ全く無処理で捨てているというふうに、調査のところでもほとんど無処理で捨てているわけですね。
  • 眞柄委員 だから、そういうところは浴槽に行くと「この温泉水は飲めません」と書いてあります。
  • 藤田委員 わかりました。いや、ヒ素は、例えば排出基準からいっても相当小さい低い濃度ですから、例えばこれが2というのは20倍になるわけですね。もちろん、ふっ素、ほう素も20倍ぐらいのところも出ているわけですけれども、それに比べるとやはりかなり厳しいところがあるなというのは感想です。あとはまたいろいろと聞かせてもらいます。
  • 須藤委員長 ありがとうございました。
     では、辰巳先生、どうぞ。
  • 辰巳委員 ちょっと確認させていただきたいのですが、ヒ素が出ている分というのは、ふっ素、ほう素が出ている分であわせて、その中でさらにヒ素が出ているところという理解で。
  • 上西課長補佐 そうです。
  • 辰巳委員 そういうことですね。わかりました。
  • 須藤委員長 では、甘露寺先生。新たな問題もあるわけですけれども、どうぞ。
  • 甘露寺委員 頭が痛い問題ですよ。ヒ素は実際問題として49年条項ということがどこまで適用されているかというと、実態は非常に疑問なのです。
     その辺がどうしてそうなってしまうかというと、1つは日本の温泉にヒ素がどういうのが含まれているかというと、高温泉で食塩泉というのは大体ヒ素が入っているのです。もう決まっているのです。70、80、90度の高温泉で食塩泉というのは、全部ヒ素が入っている。一番すごいのは、地熱発電の生産井のああいう塩化物、NaCl型の高濃度のものは、10、20、30ppmが入っている。ですから、温泉でも1とか0.5ppmとか含まれる食塩泉、日本で一番泉質として多いものなのです。そういうのを、はっきり言うと49年条項というのは、そのとき現に湧出しているときは、ヒ素があってもまあということでやったような、私はそういうような感じを持っているのです。ですから、その後実際ヒ素がありますと市町村でも随分、例えば長野県なんかは中止したりなんかしてね。そういうのがあります。
     ですから、ヒ素は非常に温泉の成分として必ず入っている、温度が高いものは入っている。しかもそれが、例えば伊豆半島であるとか上越国境であるとかという、いろいろいいところの温泉に多いのです。実態は、それがそのまま手つかずになっているというのが大問題なのです。これが本当は一番頭が痛いのですよ。これはいろいろ環境をやっているうるさい大学の先生が私たちのところに電話をくれて、もう怒られたことが随分あるのですよ。お前ら一体何をやっているのだ、河川の底質だってどんどん増加しているのだぞ、その原因はヒ素だぞというようなことでえらく怒られた。その先生が私の先輩でいるのですけれども、その辺は頭が痛いのです。余り私もヒ素はすごくやりにくいんだな。ほう素もやりにくいけれども、ヒ素もすごくやりにくい。
     公衆浴場の問題は非常に、ここでやってみると、確かにこれを見ると全体としてそんな規模の大きいのは80m3、1日にそのぐらい使っているのが一応多いぐらいで。だから割に小さいですね。浴槽もそんなに大きくない。だけれども一番問題なのは、テーマパーク型の公衆浴場というのもあるのですね。ただ、そういうさっき言ったようにテーマ型の公衆浴場というのは、酸性泉か濃度の薄いものというのが大体は多いのですね。そこのところがうまく2つに分かれているような感じもするのですけれども、これもいろいろうるさい問題があって、私たちもいろいろなことを言われて、49年条項というのは、非常にある面ではありがたいものだけれども、またある面では底質とか水質汚濁防止法の面では、いろいろな先生が指摘されるように、これが例外ではだめだという先生も結構言われる。まあ頭が痛い。だからこれは、私たちも言っていいか言って悪いかというところもあります。そんなことでございます。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。もう少し調査させます。
     では、今橋委員、どうぞ。
     公衆浴場の問題はよろしいですか。今の資料5-1、5-2ですね。
  • 今橋委員 特にヒ素の温泉というのは、今、甘露寺先生言われたとおりなのですが、私も文献で調べた限りかなり高い数値があります。これはやはり今後十分検討していただきたいなと思っております。よろしくお願いいたします。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。
     では、浅野先生、どうぞ。
  • 浅野委員 要するに、これだけ見ても不公平だということははっきりしているのです。要するに、旅館だけ何でいじめるのだ、何で公衆浴場は野放しか、おかしいではないかということはもうこれで十分にわかるわけですから、もっとちゃんとデータをそろえて、とにかく一刻も早くやるべきことはやる。何も一律基準をかぶせよと言っているわけではないわけで、暫定基準もあるわけですから、その暫定基準ですら守られていないようなところがあるなら、それはやはり何とかしてもらわなければいけないということは当然ではないかと思います。
     5-2は、たまたま実際に調べることができたのでここで調べたというデータですから、余りこれ自体は参考になると思えないのだけれども、しかしこれを見るとやはり本当に変わらないでしょう。旅館と公衆浴場とではそんなに極端に差がないわけですから、だったら旅館側がどうして文句を言わないかが不思議でしようがないです。おかしいではないかという、訴訟が起こったっておかしくないと思うぐらいですね。
  • 須藤委員長 これはきょうで何かを決めるわけではありませんので、今の御意見大切にして。私ももう少し調べてもらわないと、一部調べておいてそうですかというのも何だろうから、来年度にもう少し詳しく調べてください。
     では、最後に秋葉先生。
  • 秋葉委員 先ほど今回の議案にとどまらず幅広い議論をしましょうというご意見がありました。公衆浴場、日帰り温泉が、ここ10年で増えてきています。宿泊施設は、減っていますが、結局すべてを対象にするとなると、かなり多くの数が対象となります。
     監視体制はどのようになるのでしょうか。都道府県でいろいろあるとおもいますが、温泉排水ですから環境部局ですけれど。しかし、非常に数が多くなりますから、保健所の協力体制も考えなくてはなりません。環境部局の監視でするのは難しいのではないか。人材や予算といった面を考えると。都道府県内で水を扱う部署を保健所を含め全体で、検討する必要があるという気がします。
  • 浅野委員 公衆浴場法は、公衆衛生上の安全性だけしか問題にしていないだろうから、施設から外に排水が出ることについては何も問題にしていないのではないかと思います。そうであれば、言ったからといったってどうにもならないのでなないか。その取扱いはあくまでも水濁法の世界でやるべきことといえるのではありませんか。
     ただ、公衆浴場を対象にするという場合にもいろいろなやり方があるでしょうね。前から議論になっています。それこそさっきの49年条項のような考え方を今後新たにやるわけだから、一定規模以下のものについては、今までのものについてはもういいというふうにするとか、いろいろ工夫はあるはずです。だが、対象から一切外してしまう、公衆浴場法上の規制しかありませんというのはおかしいと言っているわけです。
  • 須藤委員長 さっきのいろいろ濃度など見ても、今、ほとんど差がないということであるならば、やはり公平公正の原則からするとそれは取り上げたほうがいいというのが、昨年度もそういう意見がかなり多かったと私も思いますので、今、結論を出してはいけないのだけれども、そういう方向で取りまとめをいただいたほうが。取りまとめというか、もう一回議論をし直すわけですけれども、そういう意味ではちょっとデータ不足ですね。データをきちっと踏まえて、再度これは議論させてくださいということで、今、ここにいらっしゃる先生方の総意だと思いますので、ぜひそういうふうな方向で進んでいただきたいと思います。
     では、大体予定した時間になりましたので、まだ議論はあるかもしれませんが、この程度で本日の議論は収束しておきたいと思いますが、その他として何かあるでしょうか。
  • 上西課長補佐 最後によろしいですか。
  • 宮崎課長 先生方、いろいろな議論をいただきましてありがとうございました。
     私たちも、何が何でもということを言っているつもりもありませんし、少しでも近づけていけないかなということであります。それも課題が多いということも重々承知の上です。
     ただ、ほかの分野でも、例えば畜産の分野でも非常に苦労がありまして、畜産のほうでも暫定基準があるのですけれども、そちらもさっきちょっと出ました測定すらどうもやられていないという実態がうかがわれております。温泉についても3年に1回は測定するということが義務づけられていますので、そこらあたりの事業者の方の意識もどうなっているのかなとか、あるいはそういうことすらやっていない人が、濃度の議論をしてもなかなか難しいかなという気もしております。そういうことも含めて、眞柄先生がおっしゃるように水資源の分野での話もあるのかもしれませんが、もう少しいろいろな観点でまとめていきたいなと思っています。
     公平の観点は、浅野先生が常々おっしゃるように大変重要だと思いますので、そういうことを基本に考えていければなと思っております。
     今日はありがとうございました。
  • 須藤委員長 では、その他として課長にまとめていただきましたので、これをもって終了させていただきたいと思います。
     先生方、どうも熱心な御討議をいただきましてありがとうございました。

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