水・土壌・地盤・海洋環境の保全

温泉排水規制に関する検討会(第7回)議事録

日時

平成24年12月7日(金) 10:00~12:00

場所

航空会館 701、702会議室

議事

  • 北村課長 定刻となりましたので、ただいまから第7回「温泉排水規制に関する検討会」を開会いたします。
    本日は、委員総数12名中10名に御出席いただいております。
    恐縮ですが、議事に先立ちまして、本日第7回「温泉排水規制に関する検討会」の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
    本日は、委員の皆様方御多忙のところ、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
    また、日ごろより委員の皆様方には水環境行政の推進につきまして、格別の御指導をいただいておりますことに、心から感謝を申し上げます。
    温泉旅館からの排水につきましては、平成13年の排水基準の設定の際、処理が困難であるということから、ほう素、ふっ素について暫定排水基準の設定をいたしました。その後、平成16年、19年、22年の3回見直しを行い、現在引き続き暫定排水基準を設定しているところでございます。
    環境省では、来年平成25年の見直しに向け、温泉排水中のほう素、ふっ素の規制のあり方につきまして、本検討会を22年度より6回開催し御審議をいただいているところでございます。
    本年度の検討会におきましては、環境省で本年度実施した温泉排水の実態調査の結果を踏まえながら、温泉排水規制のあり方につきまして御意見を賜りまして、平成25年7月からの暫定排水基準案や今後の取り組み方針等を取りまとめていきたいと考えております。
    委員の皆様方にはどうかよろしくお願いいたします。
    続きまして、お手元の配付資料について御確認をいただきたいと思います。
    議事次第にございます資料1~資料7でございます。御確認をいただきたいと思います。
    参考資料につきましては、委員限りということで前回の議事録をつけさせていただいております。
    不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
    それでは、以下の進行を須藤委員にお願いいたします。
    カメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
    (報道関係者退室)
  • 北村課長 では、よろしくお願いします。
  • 須藤委員長 かしこまりました。
    それでは、ただいまから第7回「温泉排水規制に関する検討会」の議事を始めさせていただきたいと思います。
    最初に一言だけ御挨拶を申し上げて、議事に移りたいと思います。
    温泉排水につきましては、本委員会の経緯については今、北村課長からお話があったとおりでございまして、来年度の暫定基準の見直しに間に合うように検討するということでございますので、本日必ずしも決定をするということではございませんが、方向性ぐらいは見出していきたいと、座長としては考えているところでございます。
    本日は本当に早朝から、また、寒い中をお集まりいただきましたことにお礼を申し上げておきたいと思います。
    また、本日もたくさんの方に傍聴いただいたことにお礼を申し上げます。
    では、早速議事に入りますが、その前に、前回の議事録案を委員限りで配付しております。各委員には一度確認をいただいております。特段の修正がないようでしたら、第6回の議事録とさせていただきます。
    何かございますでしょうか。よろしゅうございましょうか。
    それでしたら、全先生方に御確認いただいておりますので、この議事録を第6回の議事録として決めていきたいと思いますが、もしも万一何かございましたら、事務局までお申し出ください。
    それでは、本題の議事に入ります。
    先ほど北村課長からもお話がございましたが、第6回のことを思い出していただきますと、いろいろ温泉排水について実態調査を含め、あるいは事業体等の種類等についても御意見をいただいて、その調査をやるようにということでございまして、環境省ではこの間調査をやりまして、それを踏まえてこれからの対応方針をきょうはもう少し具体的に議論していきたいということでございます。
    また、温泉排水規制のあり方については、自然由来の温泉や、いわゆる日帰り温泉についても議論をしていきたいと考えています。これは前回のときにもございましたが、資料が乏しくてなかなか具体的な議論ができなかったかと思います。
    それでは、このような第6回でやりました経緯を踏まえまして、事務局から御説明をいただきたいと思います。
    どうぞ。
  • 上西課長補佐 水環境課の上西です。御説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
    資料3をごらんになっていただきたいと思います。「第6回検討会における主な御意見と対応(案)」ということで、簡単にまとめさせていただいております。
    「1.暫定排水基準値について」でございます。
    主な御意見・指摘事項といたしましては、基準値を検討している中では、現実的なコストの処理技術がまだないのではないか。
    手法としては加水あるいは循環利用の2つぐらいである。
    個別の温泉ごとにとり得る方策を考えて整理していく必要があるという御意見をいただいております。
    右側が対応方針(案)でございます。
    これを踏まえまして、本年の調査対象施設を選定し、現地踏査及びヒアリングを実施し、具体的な排水処理対策について検討しております。
    「2.自然湧出の扱いについて」でございます。
    御意見・指摘事項といたしましては、自然湧出の定義が難しいこと。
    地域の中で役割を果たしている温泉と新規を同じに扱うかどうか。
    ポンプの規模等で考えるべきではないかという意見を頂戴しております。
    対応方針(案)でございます。
    自然湧出の温泉の利用状況につきまして、調査を実施し、結果を取りまとめてございます。
    2ページでございます。
    「3.日帰り温泉施設の扱いについて」でございます。
    御意見・指摘事項といたしましては、対価を取っているかどうかは問題となっていない。
    規制対象とするか否かの区別につきましては、このようなことが考えられるのではないか。
    足湯から大規模な浴場まで、温泉利用施設にはさまざまございますけれども、そういったものについて同様に考えるべきかどうかという御意見をいただいております。
    対応方針(案)でございます。
    現地調査を行いまして実態を取りまとめてございます。
    また、事業者へアンケート調査を実施いたしまして、結果を取りまとめてございます。
    以上でございます。
  • 須藤委員長 どうも御説明ありがとうございました。
    御指摘の事項を左側、対応方針を右側に書いてございますが、先生方、いかがでございましょうか。
    対応方針で調べていただいた結果は後で全部報告いただくわけですね。
    調べましたということが対応方針になっているわけですので、よろしいでしょうか。
  • 上西課長補佐 はい。
  • 須藤委員長 それでは、指摘に対して、一応後で御意見を伺いますが、御報告をいただくということで対応方針はお認めいただきたいと思います。
    続いて、資料4「温泉利用施設のほう素、ふっ素の低減方策に関する調査結果」について、御説明をいただきたいと思います。
    これは高濃度の排水が確認された施設を対象にして現地調査を行い、低減方策を検討してきたものでございます。
    それでは、御説明お願いいたします。
  • 上西課長補佐 資料4をご覧ください。
    こちらでは「温泉利用施設のほう素、ふっ素の低減方策に関する調査結果」といたしまして、平成23年度の実態調査の結果を踏まえまして、高濃度の排水が確認された施設として、ほう素2施設、ふっ素1施設を低減方策の調査対象施設としております。
    A温泉のほう素濃度は、源泉では1,600mg/L、排水濃度は500mg/Lとなってございます。
    B温泉でございますが、ほう素濃度が源泉、排水濃度とも暫定排水基準値の半分程度、250mg/L程度という温泉でございます。
    C温泉でございます。ふっ素濃度が源泉では約90mg/L、排水濃度が35mg/L程度となってございます。
    平成23年度の実態調査の結果は図1-1に示してございます。
    2ページをごらんになってください。温泉排水の低減方策として考えられる方策というのが表2-1に示してございます。源泉変更、循環ろ過、加水あるいは排水高濃度の平準化、排水処理技術ということが考えられるかと示してございます。
    3ページでございます。「3.調査結果」をこれより示してございます。
    「3.1 A温泉」でございます。ほう素濃度が高い温泉ということで、調査対象としてございます。
    A温泉の現況の排水系統を図3-1に簡単に示してございます。公共用水域への排水は3カ所あるとなってございます。
    低減対策でございます。現地調査の結果では、源泉変更、井戸水による加水はできないということがわかりました。
    循環ろ過は排水濃度がおおむね半減する場合について試算を行っております。
    排水口濃度の平準化につきましては、このフローで見るとおり、3カ所に分かれている排水系統を1つに統合するというものであります。試算すると下のようになってございます。
    試算に当たりましては、計画値を用いてございます。ほう素濃度が最大では約300mg/L、平均的には約100mg/Lぐらいになるだろうという試算をしております。
    4ページをごらんください。試算の結果をこのように示させていただいてございます。
    5ページ「3.2 B温泉」ほう素濃度が高い温泉でございます。
    B温泉の現況排水系統を図3-3に示してございます。こういう形になってございます。
    低減対策でございますけれども、源泉変更、井戸水による加水、井戸水を活用した排水濃度の平準化というのは適用することができないということがわかりました。処理技術の導入につきましても、なかなか困難であると判断されるかと思います。
    循環ろ過については、この温泉につきましてはスケールが発生するという課題が想定されてございます。
    6ページ「3.3 C温泉」ふっ素濃度が高い温泉でございます。
    C温泉の現況排水系統を図3-4に示してございます。
    低減対策としましては、現地調査の結果、源泉変更、沢水による加水、沢水を活用した平準化というのはできないだろうということがわかりました。
    循環ろ過につきまして、排水濃度がおおむね半減する場合につきまして、試算を行ってございます。
    排水処理技術の導入につきましては、現在実証試験を実施しているところでございます。
    7ページ以降にございますけれども、参考といたしまして、昨年調査いたしました温泉利用施設の源泉濃度と排水濃度の関係を10ページまでつけさせていただいております。
    11ページと12ページにつきましては、ほう素処理技術、ふっ素処理技術につきまして、現在の処理技術の一覧を示してございます。
    以上でございます。
  • 須藤委員長 どうも簡潔に御説明いただきまして、ありがとうございました。
    それでは、ここについては多分委員の先生もいろいろと御関心もあるし、御質問もあろうかと思います。御質問でもあるいは御意見でも結構でございます。
    どうぞお願いいたします。
    平沢先生、どうぞ。
  • 平沢委員 4ページの図の3-2というデータの温泉No.1なのですけれども、すごく濃度が変動しているのですが、変動の要因というのはどのようなことが考えられるのでしょうか。1日の中で変動がないような気がするのですが、温泉の出口というか、温泉のNo.1というのは100~900mg/Lというのは、火山活動とかそういうことなのでしょうかという質問なのです。
  • 須藤委員長 この変動する要因が何であろうか知っていたら教えてくださいということです。
    どうぞ。
  • 上西課長補佐 3ページのNo.1のような浄化槽と温泉排水とがまざって出ているようなところでは、まざり具合であるとかが影響しています。
  • 平沢委員 今のデータというのは、No.1というのはまざっていないのですね。私が言っているのは△とか□なので、これはもともとの温泉のデータの排水ですね。
  • 須藤委員長 温泉の源泉ではないですかという質問です。
  • 上西課長補佐 図の3-1と対応しており、温泉排水No.1となってございますが、排水した場所がまざっておったりまざっていなかったりする場合がございます。今、得られたデータをもってお示しをさせていただいております。
  • 須藤委員長 噴き出した水というわけではないのですね。
    山本補佐、何か追加がありますか。
  • 山本課長補佐 確認が十分とれていなくて申しわけないですが、図の3-1の浄化槽Aと、A温泉排水No.1というものが、まざって排出されており、浄化槽のAが50m3、A温泉排水No.1が40m3ということで、採水の時間等によって浄化槽とA温泉排水No.1の排水のまざり具合が異なること等から、結果としてとる日によって濃度が大きく変わってきているのではないかと想定されるところでございます。
  • 須藤委員長 平沢先生、御理解いただきましたか。
  • 平沢委員 よく理解できないのですが、まだよくわからないのではないでしょうか。
  • 浅野委員 単純に言えば、図の3-1を見ればいいのではありませんか。
    排水No.1というのは浄化槽の水もまじっているのでもともと濃度が薄くなっているのです。排水No.2というのは生水が出ているようです。そこで、3-2の実数の折れ線グラフの青いものの②のほうが高くなるのは、生水が加わっているから高くなり、△のほうはNo.1ですから、浄化槽の水もまじっているから低いわけだと考えられますか。
  • 平沢委員 この絵から見ると、浄化槽がまざってNo.1と出るのはわかるけれども、浄化槽Aは後でまざっているから、表示がNo.1と書いてあってこの出口だと思いますよ。
  • 浅野委員 いずれにしても測定の時々で数字が物すごく違う理由は何かという御質問に対しては、先ほどの説明は何も答えになっていないのではないか。
    そのときにどういう自然状態で濃度が高くなったのかということを調べなければわかりませんと言わなければいけないのに、何も説明をしていないから、質問に対する答えにはなっていないように思われます。
    ただ、このグラフがこういう数字になっている理由ははっきりわかる。これは、水濁法の考え方や理念から言えば問題ではあるのでしょうが、河川への汚染負荷だけを考えると、浄化槽Bの後のもう一つ下ではかれば、そこで混ざっているわけだからそこで適正な数字になってしまっている。
    だが、今の提案は水濁法の筋を通すというと、排水溝でちゃんとしなければいけないのだから、浄化槽Bの後のところにある水の量になるように全部これをまとめてしまえばそこでおさまりますという話をしているわけです。
  • 須藤委員長 そういうことを最終的には言いたいわけです。
  • 浅野委員 これは水濁法の精神からいえば困ったことでしょうね。排出者のほうでそこまで金をかけてくださいということになるのだが、環境の面からいえば、矢印の一番下のところの濃度がもう下がっているのならばいいではないかという話にもなりかねない。しかしそれは本来の水濁法の精神とは違うからそうは言えませんねと答えないということでしょうか。
  • 須藤委員長 環境負荷としてはそういうことになりますね。
  • 平沢委員 そこのところはわかりました。
  • 浅野委員 それにしてもグラフの数字がこんなに違う理由はよくわかりませんね。自然由来でもともとの源泉の濃度が違うからという以外には説明のしようがないのではないでしょうか。
  • 甘露寺委員 ただ、源泉でほう素がこんなに変わるということはまずない。
  • 浅野委員 そうすると、No.1については浄化槽のほうの水の影響ということになるのでしょうか。
  • 甘露寺委員 硫化水素とかガス性の成分についてはあるというのはわかるけれども、こういうのはそんなに変わらない。
  • 浅野委員 そうすると、浄化槽の水の量によって左右される。
  • 甘露寺委員 そういうことだろう。人間が手を加えるいろんなことによってこうなりますよ。しかも、そのときは場合によってはレベルより上になってしまうのもありますということです。
  • 眞柄委員 このデータはおかしいと思います。甘露寺先生が言われたように、温泉水のほう素の濃度がこんなに変わることは、私は経験したことがないです。温泉No.2というのは温泉排水だけですからこんなに変動するというのは、私の経験上あり得ない。
  • 浅野委員 では、これは異常値だということですか。
  • 眞柄委員 異常値なのかどうなのかわかりません。ただ、これだけ高いということはよほどのことがないと、ほう素、ひ素はかなり安定的な濃度で出てくるものですから。
    ただ、温泉排水No.2の中に何本かの源泉がまじってA温泉排水と出てくれば、それはあり得ます。源泉の使い方によって濃度が変動することがありますけれども、1本の井戸だったら甘露寺先生が言われたとおりだと思います。
  • 甘露寺委員 実は温泉の場合、季節によってA源泉とB源泉だけ使う場合もあれば、Aだけのときもあるし、例えば夏だったら余り熱くてしようがないからほかのぬるいものを選ぶとか、いろんなことをやるわけです。ですから、そういうことを言っています。
  • 眞柄委員 考えられるのはそれしかない。
    だからこういうデータを出すときに、温泉排水の排水口だけはかるのではなくて、その温泉排水は何本の源泉があって、それがどういう混合比で出てきているかというところまで調査をしていただかないと、対策を考えるときにできるのかという話になってしまう。
  • 平沢委員 一番簡単なのはほう素の少ない源泉でやれば結構低いではないか。それはできないかもしれないですが。
  • 眞柄委員 そうではなくて、ただ、そうなったときに、温泉を使う人の温泉に対する考え方あるいは要求が変わってきますから、それを我々が勝手に言うわけにはいかない。
    ただ、背景としてかなり大きな、ここのようにこれぐらいのお湯を出す浄化槽の、これだけ排水が出てくるようなお店だったら、多分何本も井戸をお持ちではないだろうかという想定はつく。
  • 浅野委員 ではいずれにせよ、コントロール可能だということにもなるわけですね。
  • 眞柄委員 これは何とも言えないです。
  • 須藤委員長 環境のほうに対してのコントロールは可能かもしれないですね。
  • 平沢委員 かもしれないですが、使う側へ出たらそれはちょっと無理ですね。
  • 須藤委員長 使う側のほうを入れたらやはり無理ですね。
  • 平沢委員 なるほど。変な質問をしてしまってどうも済みませんでした。
  • 須藤委員長 こういうことは大切ですね。調査するときに恐らくまたこれからもあると思いますが、今、眞柄先生が注意していただいたようなことを考慮して、さらに追加調査をやっていただいたほうがいいと思います。
    ほかの委員の先生、今の資料4ですがよろしいですか。ほかにありますか。
    結果としては、どうまざっているか、あるいは何本で出ているか、そういうことがわからないと、ただ最後の排水口のところだけでは解析のしようが余りないです。でも、最後になって全部まざれば何とか低くなりますということだけはわかったのです。
    よろしいでしょうか。
  • 藤田委員 では、同じ質問だと思います。5ページの備考欄で、地盤沈下と書いてあるのは、これは井戸を掘ると地盤沈下という意味でいいのですね。
  • 上西課長補佐 くみ上げるということです。
  • 眞柄委員 では、ここのB温泉というのは、地下水の揚水規制がかかっている地域なのですか。
  • 上西課長補佐 規制というところまでは確認していませんが、くみ上げると地盤沈下が起こるので井戸水のくみ上げは控えているとお聞きしております。
  • 眞柄委員 それは一般論で、現に地下水の揚水規制が行われている地域であれば、井戸水を使えば地盤沈下は起きるわけです。このB温泉がある地域がこれぐらい希釈するぐらいの井戸水を掘って地盤沈下が起きるなどというのは普通はあり得ないわけですから、表現は悪いが、ある種の環境デマゴギーになってしまうわけで、そこは注意して使ったほうがいいと思います。
  • 須藤委員長 くみ上げイコール地盤沈下とつながってしまうわけですね。必ずしもそういうわけではないわけですから。
  • 上西課長補佐 そういうことではないようです。井戸水をくみ上げるということは、この地域では地盤沈下が起こってしまうので、くみ上げは控えている地域であるということです。
  • 甘露寺委員 一本一本の源泉を上げて地盤沈下するというのではなくて、そのエリアの話なのです。エリアでそういうことをやると、東京なども一応そういうことで温泉の中にいろいろ基準をつくって、下町は1日50t、それ以外のところは1日150t、奥多摩のほうはいいよとか島嶼はいいよとかという基準をつくったわけです。しかも、地下水も揚湯する基準があるのです。ですから、今の東京で一番困っているのは新しく何かやろうと思って工業用水を使おうというときに、実は工業用水、きれいな水が東京の場合はなかなか掘ってもとれないわけです。そういう問題が出てくるのです。
    ですから、東京の場合は水が悪くてもほう素が入っている水というのは余りないからいいですが、東京などの場合は数百メートル掘れば大体塩分がかなりある水が出てしまいます。神奈川の一部とか埼玉県の一部に行けば、地域によって500とか1,000mぐらいで真水に近い単純温泉などもありますが、地域によってそのときに薄めるという問題も当然出てくるから、地下水というものの関連も非常に重要かなという感じはしているのです。
    ただ、余り地下水のことをやると、これは工業用水の話なので、また別の問題が出てくるので。どこの工場もみんなとりたいわけです。
    私などは、現実問題としては、先ほど言ったように薄めるということが一つの自然的な対応として一番重要ではないかと思っているのです。
    だが、そういうことを考えると、薄めるということはもっとはっきりと言うと結局は河川に投げるということと同じかもしれない。だから、薄めるということも本当は環境のところでは考えていかなければいけないかもしれないですね。必ずどこかの水をとって薄めるわけですから。河川に投げようが何しようが、とにかくエリア全体としてのどこかでとった水あるいは東京の場合は利根川から持ってくるかもしれないが、その水で薄めるということになりますから、これにはそういう問題も入ってくるのです。
    私がこれを見ていて、今、先生がおかしいデータだと言うが、データとしては非常におもしろいと思っているし、こういう変なところ、こういったレベルもあるのだというのが実は非常に問題なのです。これは後から出てくるのでしょうが。
    以上でございます。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。
    ほかの先生から資料4についていかがでしょうか。
    秋葉先生、どうぞ。
  • 秋葉委員 図の3-3で、B温泉の浄化槽という表記は、Bの温泉旅館の浄化槽ということなのですね。
    わかりました。
  • 須藤委員長 いいですか。
  • 秋葉委員 これは別個なのですね。図3-1は浄化槽Aですから、A温泉とは別個の浄化槽で、こちらは同じ旅館から出てくる。B温泉は特定しているので。
  • 山本課長補佐 図の表記がばらばらで申しわけございません。図3-1の浄化槽A、浄化槽Bにつきましても、いずれもA温泉の施設の中に設置されている浄化槽でございます。
  • 秋葉委員 わかりました。
  • 須藤委員長 A、Bと使ってしまっているから、何のAとBかわかりにくかったですね。同じAのところの浄化槽ということだそうです。
    藤田先生、どうぞ。
  • 藤田委員 もう一点よろしいですか。
    図の3-3と3-4の両方なのですが、3-1に比べて、普通の推測ですが、例えば浄化槽50m3/日と130m3/日というものを持っていると、大体どれぐらいのお客さんが来るかなというのがそこそこ想像できるのです。
    それに対して、3-3の場合に、105m3/日の浄化槽を持っているにもかかわらず、960m3/日、1日に約1,000t使っていますねという、非常に巨大な温泉排水を捨てているという感じなのです。
    そうすると、我々としてはもう一つ次の対策で知りたいのは、では1日どれぐらいのお客さんが温泉を利用しているのだろうというのが関心を持つ一つの点だと思います。
    多分、前回か前々回ぐらいでもどなたか御発言されたかもわからないが、1人当たりの普通の温泉の使用量というのは、例えば0.5tぐらいですとかいろいろなことは言われているのですが、それにしたら960m3/日というのはすごく大きな温泉だ。
    逆に言うと、甘露寺先生が多分発言されたと思うのですが、使い過ぎているではないか。そうすると、それはちょっと抑えてもらわないといけない。
  • 甘露寺委員 おっしゃるとおりなのです。本当は今、ちょっと問題になっているのは、かけ流しがいいということ。そうするとじゃんじゃんやるわけです。普通の分ぐらいが大体常識的で、普通の公衆浴場では、東京都で前に調査をやったときに1日30tとかせいぜいそんなもの。旅館だったら1日100tとか200t。ですから今、先生がおっしゃったように、1,000t使うというのはかなり大きなものになってしまうということですね。
    俺のところはこういう形でたっぷり温泉を使ってすばらしいのだという主張があるので、本当は温泉旅館の方はそういうことをちょっと考えていただかないといけない。そういう方は循環ろ過は嫌だと言うわけです。循環ろ過は嫌だと言うのだが、循環ろ過はちゃんとコントロールして衛生管理をやれば大丈夫なのですが、循環ろ過そのものは水回り配管にどうしても洗い残しができてしまうのです。それが厄介なのです。だから、循環は嫌だと言って、俺は今だってかけ流しがいいという温泉に私は大反対なのです。かけ流しだって極端な話、うんと使うのはいいです。ほんの少量を入れて俺はかけ流しだから大丈夫だというのも結構あるのです。そういうのはとんでもない話なのです。
    かけ流しとかかけ流しではないのではなくて、どれだけ浴槽に汚れが入って、どれだけ新しい水がどれだけ循環されるかということがポイントなのです。
    そういうふうにはマスコミでもとらない。かけ流しが善で循環が悪となってしまっているのです。これに私は大反対なのです。だが、一応の温泉の先生方はかけ流し賛美なのです。それは我々はいい悪いと言っているのではないが、先生がおっしゃったように、よく考えてお客さんに合った使い方というのが本当は適正なのではないかと考えます。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。
  • 眞柄委員 ちょっと訂正ですが、先ほどの3-1で濃度が高いものが出ていたときに、もしかしたら浴槽のお湯を一気に抜いたときかもしれないので、それだけ訂正しておきます。
  • 須藤委員長 一気に抜くこともあるね。
    どうぞ。
  • 山本課長補佐 今、藤田先生からどれぐらいの利用客数がいるのだろうかという御質問があったところでございますが、A温泉は宿泊定員が約200人の宿泊施設でございます。
    365日を掛けて平均稼働率を掛ければ、年間の利用客数というのが想定できるわけですが、一般的に、都市部以外のホテルでは約3割ぐらいの稼働率でございますので、宿泊定員200人に365日を掛けて稼働率0.3を掛けると、年間2万人ぐらいの利用客数となるというイメージで考えていただければと思います。
    A温泉は掘削自噴で、B温泉も掘削自噴ではございますが、B温泉のほうはかけ流しを売りにしているので、排水濃度が非常に高くなっています。
    表3-1に概算費用ということで、循環ろ過でいえば年間2,600万円ぐらいのコストが発生するという中で、先ほどの宿泊人数等も勘案すると、宿泊者1人当たりどれぐらいかかるのかというイメージができるのではないかと考えてございます。
    循環ろ過については、源泉が少ない温泉地では広く導入されてございますので、今回試算した費用というのは、特にほう素が高いからこの金額としてこの額になるというわけではなく、一般的に循環ろ過をすればこういった費用がかかってくるものだということでごらんいただければと考えてございます。
  • 須藤委員長 委員の先生、今の御説明で御理解いただけましたね。
    ほかにございますか。よろしいですか。
    源泉の濃度なりほかの排水との混合あるいは処理等によっていろいろ低減方策があるけれども、もう少しこの辺については御質問いただいたような点もございますので、追加があれば後で調査をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
    それでは、次が、これも前回出たところでございますが、自然湧出温泉及び日帰り温泉の取り扱いに関係して資料5、日帰り温泉の実態等について調査いただいた資料6にまとめていただいております。
    ここについても、補佐からどうぞ御説明ください。
  • 上西課長補佐 資料5と資料6について御説明を申し上げます。いずれの調査結果も中間報告という形で取りまとめ中ですので、そういった形でお示しをさせていただきます。
    よろしくお願いいたします。
    まず、資料5でございます。「自然湧出の温泉利用施設の実態把握調査結果(中間報告)」としてお示しをさせていただいております。
    温泉法における掘削許可、動力の装置許可の状況から整理を行いまして、掘削許可のないもの、動力装置許可のないものを自然湧出として調査を行ってございます。
    この調査といたしましては、平成22年度に調査で得られましたほう素、ふっ素の濃度が高い源泉について選んでおります。そして湧出形態別に集計をいたしまして、自然湧出温泉を抽出した形でございます。
    2ページでございます。これを踏まえまして平成23年度に調査をいたしております。
    この調査によりますと、自然湧出の温泉を利用する施設のうち、以下のような2つのパターンが見られたということがわかりました。
    自然湧出の源泉を自然流下で施設まで導いている場合と、自然湧出の温泉ですがポンプで施設まで導いている場合でございます。
    こういう場合がいろいろあるということがわかりましたので、自然湧出の実態把握のために、平成24年度は源泉から利用施設までの導水方法に着目をいたしまして調査をいたしました。
    調査項目としては、表3-1にお示しをさせていただいております。
    3ページ、調査結果を取りまとめ中という形になっておりますが、現在回答を得られた施設が148施設ということになってございます。
    そのうち、自然流下で導水している施設は5割程度であったということでございます。その他の導水方法といたしましてはポンプ利用が9%程度、その他が6%、わからないというところが結構あったのですが3割程度という形でございます。
    導水管につきましては、暗渠が6割程度、開渠が9%程度という形になってございます。
    4ページでございます。導水管の幅でありますとか、導水開始時期についても調査をいたしておるところですが、不明というところが多い状況でございます。
    導水管の規模、導水開始時期が不明なところが多く、ポンプ容量等も含めまして取りまとめ中でございます。
    5ページ以降は、前回もおつけいたしましたが、自然湧出、自然由来を考える上での参考資料をつけさせていただいてございます。
    資料6でございます。「日帰り温泉施設の実態把握調査結果(中間報告)」ということで取りまとめ中のものでございます。
    旅館業以外の温泉利用施設、いわゆる日帰り温泉等について実態調査を行ってございます。現地調査で採水などを行ってございます。
    調査対象施設といたしましては、表1-1に示しますとおり、日帰り温泉施設、公衆浴場については5つ。老人福祉施設については4つ現地調査をさせていただいております。
    2ページは調査結果の概要を示してございます。
    日帰り温泉施設につきましては5施設調べさせていただいたところでございますが、取水量は施設によってさまざまでありますが、温泉以外の水使用量も結構多いということがわかりました。それにより、排水濃度は比較的低くなっております。
    福祉施設でございます。4施設のうち2施設につきましては、源泉をタンクローリーで移送して用いている施設でございます。そういった面もございまして、水量は少ないということでございます。
    源泉以外の水使用量も多いことから、放流時には希釈されているということが推察されたということでございます。
    以下、3ページ以降は各施設の概要を示してございます。
    3ページは施設Aでございます。
    厨房や娯楽施設が併設する公衆浴場でございます。
    加水はないということでございましたが、源泉取水量が月に1,600m3程度、水道使用量が月当たり9,000m3程度ということで、希釈がされていると考えてございます。
    4ページは日帰り温泉施設で、マンションに併設されている、マンションも温泉を利用している施設でございます。
    加水はないということでございました。
    源泉取水量が1日当たり72m3、水道使用量が月当たり782m3ということで、これぐらい希釈をされている形でございます。
    施設Cでございます。地元住民が利用する公衆浴場でございました。
    源泉取水量は不明なのですが、一定量を浴槽に入れている形でございます。
    加水がある形でございました。
    5ページは道の駅、日帰り温泉、プール、コテージなどの施設が隣接している施設でございます。
    加水がなくて、源泉取水量が1日量1,051m3程度、水道使用量が1日当たり226m3程度となってございます。排水濃度を調べましたものをお示しさせていただいております。
    6ページは近隣の住民の利用が多い公衆浴場でございます。
    加水があり、源泉取水量に対して水道使用量がこのぐらいとなってございます。
    7ページは老人福祉施設でございます。
    タンクローリーで毎日2m3運搬している施設でございます。
    加水もしているということでございました。
    8ページは老人福祉施設で、これもタンクローリーで運搬されてきており、加水がされている形でございます。
    9ページは老人福祉施設ですが、病院が併設されている福祉施設でございます。
    加水がある。源泉取水量はこれぐらいということでございます。
    10ページも老人福祉施設でございます。
    加水があるということでございます。
    源泉取水量に対して水道使用量がこれぐらいという形になってございます。
    駆け足で申しわけなかったですが、このような形で実態調査をさせていただいております。
    11ページでございます。日帰り温泉等にアンケート調査を行ってございます。
    アンケート対象施設の抽出方法としてお示ししております。
    まず、日帰り温泉施設(公衆浴場)でございますが、源泉濃度が一律排水基準を超過している全ての日帰り温泉施設(過年度に把握している温泉)を対象といたしました。源泉濃度分布は以下の表2-1、12ページの表に示すとおりでございます。
    13ページでございます。いわゆる日帰り温泉施設(公衆浴場)以外の福祉施設、病院、温泉スタンド、その他の施設につきましては、先ほどの実態調査でもお示ししたとおり、かけ流しのような利用方法は考えにくく、利用する水量も比較して少ないのではないか。
    スタンド、足湯についても水量が小さいということが考えられますので、アンケート対象施設としては源泉濃度が一律基準値の2倍を超過する施設を対象といたしております。
    アンケート調査を表2-2の形でさせていただいております。
    14ページでございます。配付した数は1,000程度、回答数が現在のところ300程度返ってきてございます。もう少し返ってきている分もありますので、それも合わせて今後取りまとめをさせていただく予定でございます。
    アンケート対象施設の割合といたしましては、図2-2に示すような形になってございます。
    15ページでございます。それぞれ施設の利用者がどういった方々かということを調べてございます。
    公衆浴場につきましては、地元住民が7割程度、観光客が3割程度となりました。
    福祉施設につきましては、事業形態からして施設の入所者、利用者が7割程度という形になってございます。
    16ページでございます。「(4)運営形態」についても調査をさせていただいております。
    公衆浴場は5割程度、福祉施設も5割程度が民営という形になってございます。
    17ページでございます。「(5)料金体系」でございます。
    こちらでは無料、有料という形で簡単にまとめさせていただいておりますが、公衆浴場、福祉施設も8割~9割程度が有料という形になってございます。
    18ページでございます。「(6)利用人数(1日)」についてもアンケート調査をさせていただいております。
    公衆浴場につきましては、50人~800人という大きな幅がありました。
    福祉施設につきましては、利用形態上だと思われますが、20人~150人程度という形になってございます。
    19ページ「(7)ほう素濃度」についてでございます。
    公衆浴場の源泉ほう素濃度でございますが、グラフで見ていただけますとおり、40mg/Lまでの源泉が8割程度という形でございます。
    排水ほう素濃度につきましては、水道、井戸水等使用量の情報を得ておりますので、排水濃度を推計いたしまして濃度分布を整理しております。最大でも60mg/Lぐらいとなってございます。
    20ページは、福祉施設の源泉ほう素濃度でございます。
    40mg/L以下が6割程度という形になってございます。
    排水ほう素濃度についても同様に推計をさせていただいております。ほとんどが40mg/L以下、最大で70mg/L程度という形でございます。
    21ページ「(8)ふっ素濃度」でございます。
    公衆浴場の源泉ふっ素濃度でございますが、20mg/L以下の源泉が8割程度でございます。
    排水ふっ素濃度も同様に推計したところ、15mg/L以下と得られてございます。
    22ページは福祉施設の源泉、排水ふっ素濃度でございます。
    源泉につきましては最大で32mg/L程度、排水につきましては最大で15mg/L程度となってございます。
    23ページ「(9)排水量」につきまして調査をさせていただいております。
    公衆浴場につきましては、50~250m3/日の施設が多い形になってございます。
    福祉施設につきましては、公衆浴場の約半分程度のものが多いと得られてございます。
    24ページでございます。温水スタンド、足湯につきましてもアンケート調査をしているところなのですが、それぞれ1施設のみ回答をただいま回答を得られている状態です。
    排水量は90m3/日ありますが源泉量は5m3/日ということで、希釈が大きいということがわかってございます。
    足湯につきましては25m3/日程度の排水量という形になってございます。
    源泉、水道水、ほう素をそれぞれの表の下に追記させていただいていますが、ほう素というのはいずれも源泉濃度でございます。
    「(9)特定施設の状況」でございます。
    施設について、水濁法の特定施設があるかどうかということをお聞きしておるところでございますが、今回のアンケートと過年度のデータ等から、日帰り温泉施設等のうち特定施設となっているものは2割程度である。公衆浴場についても19%ぐらいとなってございます。
    事業者にお送りしたアンケート調査表を25ページ以降につけております。
    以上でございます。
  • 須藤委員長 どうも御説明ありがとうございました。
    ただいま資料5と6について、資料5が自然湧出の温泉利用状況、資料6が日帰り温泉あるいは老人福祉施設等の実態調査で、まだこれは追加があるので両方とも中間と理解してよろしいですね。
    両方ともまだ中間でデータが全部回収されていないと伺っていますので、それも踏まえてどうぞ御質問なり御意見をお願いいたします。
    どうぞ。
  • 平沢委員 日帰り温泉の生のデータがいろいろとあるのですが、推定希釈率というのがあっておおむねいい希釈倍率なので、これで考えると平均濃度は結構下がっているというか、スポットでとっていると確かに高いので問題なのですが、平均というと結構いい値になっているなと思うので、そう考えてよろしいですか。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。
    補佐、それでよろしいですか。
    ほかの先生はいかがでしょうか。
    日帰り温泉は結構多いし、水量も多いのですね。
  • 甘露寺委員 ただ、これ以上どんどんふえていくかどうかというのはちょっと疑問です。結局ある程度サキュレートしているのではないか。ですから、施設の中の質的なチェンジをやっていかなくてはいけないということのようなのです。そういうチェンジの中に排水ということも含めた意識になっていただくと非常にいいのです。そういうことが一つある。
    これはある意味では旅館も同じなのです。同じ旅館で50年も100年も同じ施設というのもあるけれども、一般的にはある程度変えていきますからね。
  • 須藤委員長 リニューアルするということもありますね。
    そういう中で排水も一つの要素として指定してやっていただくことが大切だということですね。
  • 甘露寺委員 ですから、極端な言い方をすると、環境省さんのほうでどんどん講演をやって、皆さんにこういうことなのだと理解してもらうことが非常に重要だと私などは思っているのです。
    温泉開発というのは言ってみれば、本来は外へ出して捨てたり何かしてはいけないものをくんでやっている行為なのです。ですから、ある面では非常にいい面もあるわけだが、同時にせっかく自然が埋めてくれたものをもう一回出して、人間の社会活動全体がそうですが、一旦分散すると、分散したものがいずれ何かの形でアキュミレートされて、それをあと何万年かしたらまた使うということになるのでしょうが、それは今まで地球全体でそういう形で推移してきているわけです。
    ですから、私自身は教育というのか、この調査と同時に意識ということを実際の温泉施設とか旅館とか日帰り施設の方に啓蒙していくことも非常に重要だと思います。
    私などが見ていると、割に温泉地はそういう感覚になっていないのです。お客さんがどうやったらうんと来るかということは物すごく意識があるのです。だけれども、捨てるほうはまだそんなに意識がない。我々の技術屋さん、うちの研究所なども今、施設を設計するときは捨てるほうから施設を設計していくということは非常に重要だと言っているのですが、最初に資源がこうあるからこう使うというのではない。捨てるほうからバックしていってこういう施設を適正な形でやっていくのだという考え方なのです。温泉も今、そうなりつつあるのです。ですから、一つの意識改革も非常に必要なのだろうと私は思います。
    こういうことを言うと、何を言っているんだと温泉旅館の旦那には言われるのだけれども、何を言われても少しずつステップステップでとにかく進んでいくということが重要なのではないかと思います。
  • 須藤委員長 長く関係していられる甘露寺先生から御意見をいただくと大変頼もしく思うのですが、布山先生、ただいまの御意見も含めていかがですか。
  • 布山委員 甘露寺先生のおっしゃることはもっともでございまして、とにかく今、温泉は開発よりも保護の時代に入っているということは確かなことだと思うのです。地域で使える温泉の量を的確に把握していかないと、今までのようにどんどんくみ上げていくだけでは地域全体の資源として枯渇現象みたいなものが出てくると思っているので、その辺のことを考えながら使う量をある程度抑制していく方向を検討することが必要ではないかと思います。それが実行されれば排水のほうも量が減りますので、ある程度うまく基準を満たしていく可能性もあるのかなと感じております。
  • 須藤委員長 減っていけば希釈率も上がるわけですものね。
    眞柄先生、森田先生と順番にいきましょう。
    どうぞ。
  • 眞柄委員 1つは、資料5で濃度のデータがありますが、揚水量の規模の分布はいずれ出していただけるのですか。
  • 上西課長補佐 過年度のデータでまとめておりますので、それもあわせて。
  • 眞柄委員 それから、これはこれからの議論ですので浅野先生のお考えをお伺いしたいのですが、今、東北で地熱発電をしているところがあって、熱水は今、地下に戻しているのですが、今後地熱発電がいろんなところで多くなってきた場合に、地下の熱水を使った後に出てくる熱水というのは、今、議論しているのは風呂の温泉ですが、もしここで温泉利用施設ということを議論したとすれば、いずれはこの流れの中で地熱利用のときの熱水の管理が使われる可能性が高いのか、それとも全く別の観点から熱水の管理をしなくてはいけないのか、先生はどうお考えでいらっしゃいますか。
  • 浅野委員 大変難しい質問ですが、原理的には温泉はだめだが地熱のほうは全くフリーであるということは論理的にはあり得ないと思います。それは公平性ということと同じように考えなければいけないと思います。
    今、とかく再生可能エネルギーについては何をやっても構わぬという風潮がありますが、全くおかしいと思っています。
  • 須藤委員長 山本補佐、どうぞ。
  • 山本課長補佐 規制・制度改革の要望の中で今、地熱発電の関係では、地熱発電所からの還元熱水を多目的利用した後、それを地下に戻す際の基本的な考え方を明確にしてほしいという要望が出ておるところでございます。
    電力会社のほうから聞いている中では、地熱発電でくみ上げた水を多目的で利用し、その後公共用水域に排水するということは特に考えていないし、公共用水域に排出する際に当然今、水濁法で排水規制がかかっておるところでございますので、地熱発電の場合であっても公共用水域に排出する場合には当然そういった規制がかかってくるということは承知しているということでございます。
  • 須藤委員長 場合によっては公共用水域に出す可能性もなくはないわけですね。
  • 山本課長補佐 電力事業者もそこまでは今、考えていないときいているところでございます。
  • 浅野委員 多目的で利用すれば、今度は利用先の施設として扱う以外にないわけで、もとが発電だから自由だということはあり得ないですね。
  • 山本課長補佐 御指摘のとおり、多目的で利用した後、そのまま公共用水域に出される場合には、温泉排水と同じように規制の対象になっていくという考えになると思います。
  • 甘露寺委員 ただし、ひ素が非常に多いわけですから、今、言ったところでひ素の処理があと5年、10年、20年先にどの程度進展していくか。ひ素に関しては、地熱発電所は我々が最初にかかわった昭和40年代は、実は普通の自然の領域に全部捨てていたのです。それをやっていたら九州のほうで非常に河川のひ素が多くなってきて、それで非常に問題が出て、地熱発電の熱水のひ素が1ppmや2ppmではないのです。20とか30というのもあるのです。ですから、それはとにかく地下へ全量還元するということになって、現状では全量還元をしている。
    したがって、地熱発電所の熱水を温泉旅館でうまく利用するということもいろいろあるのだけれども、なかなかそれはやられていないわけなのです。むしろ熱交換してやるとかということはある。だが、非常にもったいないではないかという議論も実は昔からあるし、これはごく一部ですが、地熱発電所の熱水というのはけい酸が非常に多いのです。1g以上入っているのがありまして、1g以上あると人間に対して、本当かどうか私は疑問に見ているのですが美容にいいなどという意見もあるのです。地熱発電所の熱水が利用されるということも全く皆無ではないのです。
    もう一つ心配は、今、50数万キロワットなのですが、国が考えている何百万という形になりますと、それだけの地下から出る熱水をとってそれを還元することになって、規模が非常に大きくなります。そうすると、還元熱水がどこに行ってしまうかということが非常に大きな問題になってくるので、この辺のところがどの辺までトレースされているのかというのはこれからの問題なのです。
    現状では地下還元した熱水が特に悪さをしているというデータは余り見られていないのです。しかし、大規模あるいは1つの地域で20万、30万をやるということになったときに、果たして現状みたいな地下還元方式がいいかどうかというのは我々もわからない。ですから、そういう問題になってくると、ほう素、ふっ素だけではなくて地熱発電所の熱水というものの地下還元の問題もあと数年、10年、20年先に大きな排水の問題として登場してくる可能性はあります。うまくいくかどうかはわからない。
    うまくいくということは、言ってみればうんと金をつぎ込んで施設で立派な処理をするということをやればいいのですが、そうすれば発電単価が上がってしまうわけです。ですから、そこのところがバランスになってくるから簡単にはいかないですね。なかなか難しい問題があります。
  • 須藤委員長 どうも解説をいただきまして、ありがとうございました。
  • 浅野委員 余計な話のついでに余計な話をすると、エネルギーなら何でも構いませんということの結果は、過去に田沢湖のクニマス絶滅の経験で経験済みのはずです。あの戦争の時期にはとにかく発電の確保が絶対で、軍の命令で無理やりに玉川の水を田沢湖に引き込んで水力をやったと現地で聞かされました。そういう苦い経験があるわけですから、今、またエネルギー確保のためなら環境への影響は何も考えなくても構わないという風潮は甚だ問題だと思います。私はもちろん中環審の地球環境部会の委員でもあるから温暖化対策の必要性はむろん重要であることはわかっています。
    どうしても再生可能エネルギーが必要なら金をかけなければならないことを理解するべきです。原子力発電がだめだとおっしゃって再生可能エネルギーで代替させればいい、というご意見があることはご意見としてはあると思いますが、それにはちゃんとかけるべき費用と時間が必要であることを忘れては困ります。それを考えないで、安くあげることができるからという議論はどう考えても納得できません。
    もっともこれは今日の本題とは何の関係もありません。
  • 須藤委員長 ありがとうございました。
    水のほうでも先ほど放射能を検討するというお話をしてくださったので、それまでにひとつ検討の課題に入れておいてください。
    では、森田先生、どうぞ。
  • 森田委員 もう一回ほう素のほうで。
    とりあえずほう素をどうしようかというのが一番。
  • 須藤委員長 最終的にはきょう、結論をそこに持っていきたいと思います。
  • 森田委員 一つだけ教えていただきたいというか確認をしたいのですが、ほう素型の温泉があって、それにある種の薬効があると考えられていて、そのときにほう素の濃度が高いほうが効いているのではないかという議論というのは、つまりお風呂の浴用としてのほう素の含有量に、ほう素がもし効いているとすると、高い濃度で使ったほうがいいとかということはないのでしょうかという話です。
  • 甘露寺委員 実は、温泉医学では、我々がやっていた40~50年前は成分が効くんだという感覚だったのです。ところが最近では、成分よりも温度効果、温度が42度なら42度で10分間入浴する、20分間入浴するということにより、いわゆるヒートショックプロテインといって熱たんぱくが出てくるのです。そういうものによって、例えばストレスとかいろんなものの調整作用があって体の中のバランスが調整されるというので、熱効果のほうを今、非常に取り上げているのです。
    ですから、ほう素も1g/L程度で効果があるとは考えない。むしろほかの成分、今、一番はっきりしているのは炭酸ガス、それから塩分なのです。塩分は体につくと保温効果になるということと、体内の深部体温なども下げない効果があるということがわかってきて、カルシウム、マグネシウムとか2価とかあるいは3価になればなるほどいいという議論もあるのです。どこまで本当かというのは私はわからないけれども、一応今のところ保温効果といったことから出てきて、神経痛とかいろんなことの議論になっているわけです。ですから、一般的に成分だけを取り上げてやるのは炭酸ガス、あるいは硫化水素もあるがこれは濃度が高くなるとかえって害があるからいろいろ問題があるのです。
    私などはむしろ温泉というのは今の熱効果と、まず重要なのは温泉地へ行くことによっていろんな環境要素が人間に、いわゆる非日常的な体験と言っているのですが、そういうことをやることによって人間のストレスとかそういうものがかなり変わってくるわけです。温泉地へ行くことで人間が健康を取り戻す。ですから、病気を治療するということではなくて、健康増進とかそういった方向を温泉ではより高めていくと私は考えています。
    今、お医者さんもそういう方向で議論をやっています。これだけ薬や療法が出てくると、温泉で糖尿病を治すなどというのは現実は無理なのです。明治、大正、昭和20年代ぐらいまではいいけれども、現状では余り成分に薬効を期待するのではなくて、温泉全体に行って人間がそこでいろんなことをやる、刺激を受けるというトータルの効果として人間をいいほうに持っていくと私などは考えています。
  • 須藤委員長 森田先生、どうぞ。
  • 森田委員 要するに、非常に薄い微量な元素、例えばほう素なども数ppmという濃度が効くとは確かに思えない。思えないのだけれども、1,000ppmのほう素は本当は効いているのではないでしょうかと言われたときにどう考えたらいいかということなのです。
  • 甘露寺委員 ほう素というのは一般論としては殺菌効果ではないのです。細菌というものの増殖を抑える効果はあるのです。
  • 森田委員 もちろん殺菌効果があるというのは、我々もほう酸水を目にかけたり、そんなことはもちろんありました。それはそうなのだけれども、要するにほう素には薬効はないと。
  • 甘露寺委員 今のところ我々が検討しているけれどもそれは出てこない。検討価値はあるのでしょうが、ほう素そのものは検討は余りされていない。
  • 森田委員 そのときに薬効はないのだからいいではないのと本当に言えるかどうか。
  • 甘露寺委員 そこまでははっきり100%は言えない。
    もう一つ、非常に難しい問題がありまして、今、先生がおっしゃったように微量成分とかそういったものを、我々は昔は単独でいろんな成分を考えていたのです。ところが今、生体や何かをやった薬や何かの連中に聞いてみると、メタロミクスみたいにいろんな成分が体の中でお互いに影響し合っていろんな作用となっているのだという形の考え方になってきているので、今、先生が言われたようなことも、そういう形の中で捉えれば1つのエレメントとしての要素はあるかもしれない。
    ただ、入浴して、例えば皮膚病がほう素が1gあれば治ってしまうというのは今のところはないと思います。むしろ体の中の、先ほど言った別の正常化作用あるいは保温効果といった形で体が元の状態に戻るということによって、免疫力とか抵抗力というのがより増加していくという効果のほうが本当だろうと私などは今は考えています。
    これもお医者さんがそう言っているので、私がやっているわけではありませんからわかりませんが。
  • 森田委員 ここの部分は、一言で言えばバブだけで十分だ。それ以外に何かあるのだとすれば、どこか旅館に行けばいいのだ、環境を変えることによって体の調子もよくなるでしょうというぐらいのもので、温泉には効果はないのだという。
  • 甘露寺委員 効果がないというのではなくて、人間というのはある程度正常ではない状態になっていることがあるわけですから、そういうものを正常の状態に戻すという効果は温泉にはあると思うのです。糖尿病を治すとか坐骨神経痛が治ってしまうという意味ではないのです。あくまでも症状の改善なのです。
  • 眞柄委員 注意しなければならないのは、ほう素が効くとかふっ素が効くということではなくて、ほう素が多い地下水はほかの成分がたくさん入っているということなのです。そこが大事なのです。
    それから、ほう素が入っている温かい地下水と、ふっ素が入っている地下水と一緒にある水は絶対にないですから。ほう素はほう素が多い地下水が、一般的に言えば食塩水、ナトリウム、あの辺が多い水ですから、そういう効果があるわけです。ほう素が効くのではなくて、逆に今、先生がおっしゃったように、冷めにくいお湯、冷めやすいお湯というのはあるわけです。
    私は自分の経験でいうと、ほう素のこの数字、私が知っている日本の温泉水のことを言えば、この水であればひ素は多分環境基準は超えないでしょう。実際は微妙なバランスにあるのです。
    ですから、むしろ本当に50mg/Lとかふっ素15mg/Lとかと決めるときには、こういう濃度の温泉水はほかにどういう成分があるのですかということを、かつてそういうことを議論したかどうかはわかりませんが、そういう性質を見せて、この性質の水だったらこの濃度まで希釈しても大丈夫、効能は落ちませんというアプローチが、もう一方で温泉を使おうとしているユーザーの立場に立てば、そういう見方も同時にしておく必要があったと思います。
    ここで土対法の話が出ていましたが、利根川の品木のダムで今、酸性の水を中和していますが、あれは上流から流れてくる温泉水のひ素を除去しているだけです。ですから、湧出している地下水から、どういう化学成分が日本に分布していて、それをどう規制しなくてはならないかというアプローチももう一方でやっておく必要がある。
    ですから、環境基準で環境測定点になっていれば、ほかの化学成分もはかっておられるわけですから、先ほどの温泉水のあれでもほう素をはかる、ふっ素をはかるのではなく、例えば電気伝導度がどれぐらいであったかとか、そういうデータがあれば議論がしやすいということだと思います。
  • 甘露寺委員 今、先生がおっしゃったように、ほう素とふっ素というのは、確かにほう素の多いところではふっ素がうんとあるということは間違いなく非常に少ない。
    もう一つ、一番怖いのは、ほう素とかふっ素とか今、先生が言われたいろんなほかの成分を持っている温泉というのは、一般的にいうと河川の上流域といいますか、火山の山のほうで、要するに水が少ないところで湧出してしまうのです。だから、薄める水がないところで出てきてしまうのです。利根川の河口みたいにうんとあるところで出てくれるのならいいのだけれども、その話は20年ぐらい前か厚生労働省から、先生のところから依頼されたのだと思うのですが、要するに負荷と川の沢水の関係を調べてくれという御依頼をいただいて、私はとてもできないとお断りをしてしまったのだけれども、実はその辺が非常に問題で、例えば1ppmの飲料水を考えたときに、1,000gのものがあって河川流用が1分間に100Lかあるいは500Lぐらいしかなかったら、あっという間にそれは使えなくなってしまうという問題が起こるわけです。ですから、その辺の問題も絡んでくるのです。怖さというのかそういうもの。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。
    大久保先生、どうぞ。
  • 大久保委員 今の問題とも絡むのですけれども、今までは自然湧出というのは人為的な手が加わっていないと考えてきたと思うのですが、それを取り出すと掘削許可と動力装置許可で取り出せるのですが、ただ、今のようなお話を前提といたしますと、開渠であれば途中で薄まるという話があったのですが、暗渠にすると薄まらない。そうすると、水の量が少ないところに暗渠で集めてくるということ自体が人為的要素と判断されるということもあるのかなという気がするのですが。
  • 須藤委員長 それでは、ここはまだ中間報告でもありますし、最終的にはもう少しまとめていただいた上で再度議論していきたいと思いますが、日帰り温泉のほうはかなり量も多いし、今のデータから見ると対象にせざるを得ないかなという印象もあるわけでございますが、最終的には全てデータがそろった段階でもう一度議論をしていきたいと思います。
    もう一つ重要な議題がございまして、資料7をごらんになってください。「暫定排水基準について」、先ほど北村課長からもお話がございましたが、我々が最終的に求められている業務というのは、暫定排水基準の考え方について検討し、ある程度の見通しを持っていきたいし、本年度中には結論は出ないにしても、そのような方向で結論を導くに近いところまでは行きたいと思っております。
    それでは、御説明ください。
  • 上西課長補佐 資料7「暫定排水基準について」でございます。
    1ページ「1.温泉排水に対するほう素、ふっ素の規制の経緯」をお示ししてございます。
    2ページ「2.自然湧出温泉の取扱いについて」でございます。
    自然由来かどうかにかかわらず有害物質として人に及ぼす影響は同じであることから、従前より排水規制の対象としているところでございまして、引き続き排水規制の対象とすることは適当ではないかと考えてございます。
    ただ、自然湧出温泉の場合、人が利用しない温泉水が環境中に流出しているということを考慮しまして、例えば区分をして自然湧出以外の温泉排水については自然湧出の温泉よりも厳しい暫定排水基準値を検討するということも一案ではないだろうかと考えてございます。
    ただ、自然湧出として取り扱うかどうかにつきましては、いろんなパターンがございますし、特例的な扱いの位置づけとなることから、限定的に運用することが適当ではないかと考えてございます。
    「3.暫定排水基準値について」でございます。
    「ほう素」でございます。
    ほう素濃度の高いA温泉につきましては、試算しますと平準化により平均的には100mg/Lぐらい低減できるということになります。
    循環ろ過につきましては、その導入により源泉使用量の削減による排水濃度の低減を期待できると考えてございます。
    したがいまして、A温泉施設について、改修に要する期間や低減方策の導入可能性、排水濃度の変動を考慮いたしまして、見直しを行うことが適当ではないだろうかと考えてございます。
    「ふっ素」でございます。
    ふっ素につきましては、処理技術の実証試験等を行っているところでございますが、導入にはさまざまな課題を有している状況でございます。したがいまして、全体として暫定排水基準値を下げることはなかなか困難ではないかと考えてございます。
    一方、ふっ素濃度が最も高いC温泉につきましては、自然湧出でございますので、それ以外の温泉につきましては、排水濃度は30mg/L以下である。このため、自然湧出とそれ以外のものについて区分をすると考えるのであれば、自然湧出以外の温泉における排出実態を踏まえまして、自然湧出以外の温泉について暫定排水基準値を下げるということも一案ではないかと考えてございます。
    3ページ「4.旅館業以外の温泉利用施設の取扱いについて」でございます。
    「日帰り温泉」公衆浴場のつきましては、施設規模、排水量、温泉水以外の水利用実態もさまざまでありますが、最大でほう素300mg/L以下、ふっ素で30mg/L以下となってございます。
    一方、そのレベルよりも高い濃度で暫定排水基準値が設定される場合には、仮に日帰り温泉を特定施設に追加したとしても、実質的な排水規制の対象となる施設がないということになりますし、また、温泉排水の処理ということを行わないにもかかわらず、特定施設の設置の届け出義務などが課せられることとなるということでございます。
    そのため、他の特定施設との公平性等の観点もございますので、そういうことを含めまして今後さらに暫定排水基準値の見直しを行う際に、特定施設として追加することについて検討することが適当ではないだろうかと考えてございます。
    「介護福祉施設・病院等」につきましては、実態調査では比較的小規模な浴槽が用いられて、温泉水以外の水利用比率も高いことから、一般的には排水濃度が低い可能性があると考えてございます。
    さらに調査を行い検討することが適当ではないかと考えてございます。
    「温泉スタンド等」浴用以外の利用につきましては、排水量が少ないものや常時排水が生じないものなど、環境中への負荷が相対的に小さいと考えてございます。
    以上でございます。
  • 須藤委員長 どうも御説明ありがとうございました。
    それでは、きょういろいろ議論してきましたが、そのまとめの方向をどう導くかという話でございます。委員の先生方からどうぞ御発言があればお願いします。
    浅野先生、どうぞ。
  • 浅野委員 2と3については異論はありません。2と3はこんなものだろうなと思います。
    問題は4です。日帰り温泉については、次にさらに暫定基準を厳しくするときに追加すればいいのではないかということですけれども、これには私は反対です。
    もともと旅館について今よりももっと厳しくすると考えているわけです。暫定基準をどうするかということについてまだ答えが出ていないわけではあるわけですが、旅館は厳しいが日帰りは全く野放しで、ということは全く不公平だし、仮に新たな暫定基準に抵触する施設がない、といっても、それでもアナウンス効果もあるわけですから、この際特定施設に入れておいて、将来暫定基準もなくなりますから準備をしておいてほしい、と言っておかなければいけない。また今までの、調査では確かに暫定基準を超える施設が余りないということなのかもしれないようですが、実際には超えているところはあるかもしれないわけです。また、本来の基準はもっと厳しいわけなので、どう考えたって公平性という点から見ておかしいので、これには私は納得できません。
    規制対象とすると行政の手間がかかるということはしようがないのではないでしょうか。行政はそのために存在するのだから、手間がかかるからといって文句を言われてもそんなことはどうにもならぬだろうと思いますし、将来の規制を考えれば今から温泉を使っている事業者の方々には当然、排水の水質についての環境配慮が必要だということをきちっと理解してもらうことが必要だと思います。
    ただ、公衆浴場全般ということになると、水道水だけでやっているところまで全部届けろとなるのは大変でしょうから、温泉法に基づく温泉水を利用するものに限るとやればいいわけでしょう。さらに規模要件を定めるなどして、限定をつけておいて届け出だけでもしてもらうとしておけば、今後立入調査もやりやすくなるわけでしょう。規制のてがかりが何もなければ調査もできないことになる。だからやはりこれはおかしいと思います。
    ただし、福祉施設・病院、温泉スタンドについてはしようがないかなという感じがします。実際に量も余り多くないようですし、そこまで今、一挙に広げるのは無理かもしれません。
    そこで、日帰り温泉に関して、当初からここで議論していたように特定施設に追加すべきだと思います。
  • 須藤委員長 ありがとうございます。
    方向性は、従来から大体そういう意向があって、この資料ではその結論に行きそうだという表現になっているのだけれども、調査も全部済んでいないこともあったりしてこう書いたのかもしれないのだが、最終的にはここの議論をして、次なりその次なりぐらいで大体の方向性を見出していきたいと思います。
    どうぞ御意見があったらお願いします。
    では、眞柄先生からどうぞ。
  • 眞柄委員 旅館業以外の温泉利用施設で、今、書いてあるのとはまだ別にタンクローリーでお湯を運んできて温泉として使わせている施設があるのです。
  • 須藤委員長 介護とか病院ではなくてね。
  • 眞柄委員 例えばゴルフ場のお湯だとか小さなホテル、大きなホテルではなくていわゆるホテルなどあるのです。そういう意味ではこれだけではなくて、もう少し違う見方で温泉水を使っている宿泊施設とか浴室等を有するものとか別の整理もしておかないと、これだと日帰り温泉と介護と温泉スタンドだけになってしまうので、違うものも少し考慮の対象にしておくことが公平性という観点からは必要だと思います。
  • 須藤委員長 結構量が多いのですね。
  • 眞柄委員 私が知っているところで何カ所か。私はゴルフをやりますが、ゴルフ場の浴室に温泉をタンクローリーで持ってきて使っています。特に温泉地に近いところが多いですね。すぐに運んできてしまうから。そういうことをやられると困るけれどもね。
  • 須藤委員長 それはそうだね。よく考えてみれば、タンクローリーで運んでくるのかパイプでつなぐのか、似たようなものですものね。
    森田先生、どうぞ。
  • 森田委員 公平性というのはすごく大事な概念だと思うのですが、そのときに温泉に効用があるのかというのは結構重要な感じがするのです。非常に長いこと私たちは温泉というのは体にいいのだと思っていて、その線上で、したがって温泉の旅館を含めて公平性を考えるときに若干の配慮が要るかなというのもあるのです。そこを本当は詰めておかなければいけないのだけれども、余り効かないのだとおっしゃられればそれはそれで割り切りができるのだが。
  • 須藤委員長 先生は特定の物質と相関がきちっとされていないということなので、総合的には効くとおっしゃっています。
  • 森田委員 そうは言いながら、現在の温泉は少なくとも適応症状とか検査した結果こうですということをとにかく張り出さなければいけないことになっていて、それをやっているのだが、実はあれは余り考えなくていいのですよと、本当にいいかどうかというのはちょっと判断をしなければいけないというのがまず一つです。
    もう一つは、仮にですが、やはり温泉は大事です、もちろん健康の問題もある、本当のことはよくわからぬが、ある種の観光資源として日本のおもしろい習慣でもあり大事だという観点に立って、相当そういうのも大事にしなければいけないのだという立場に立つとすると、もう一つは今までも暫定基準という形で温かく見守ってきたところもあるのですが、その線上でいくと例えば新規の揚水施設にだけはかけていって、既存のものはある程度緩やかな排水で運用することができるかもしれないということもある。
    指摘だけですが。
  • 須藤委員長 今までのは少し許したけれども、新しくやるときは一律いくという意味ね。
  • 森田委員 新しい揚水を始めるときは相当厳しいものを守っていただくというのはあり得るかもしれない。
  • 浅野委員 もともとこの提案は、暫定基準を全部やめるということではなくて、暫定基準の数字の見直しをしましょうと言っているだけで、ほとんど全ての施設がクリアできるぐらいのレベルで暫定基準をつくりましょうという話ですから、問題は日帰り温泉が従来は野放しだったので、ひょっとしたら日帰り温泉に引っかかるところが出てくるかもしれないということですね。旅館が厳しくて日帰り温泉はフリーというのはやはりおかしいと思います。もっとも旅館も全部一切規制を撤廃とすればそれで公平です。だけれども、今までは規制していたものを今後温泉の有用性に鑑みて規制はやめますなどということはあり得ないでしょうし、およそ世論が納得しないと思います。だったら公平性ということを考えて日帰り温泉野放しをむしろチェックすべきだと考えます。
    今のところ調べてみると、日帰り温泉で引っかかりそうなのもそう多くはない。日帰り温泉だったらなおのこと源泉かけ流しなどという看板をやめればいいわけですから、薄めてもらえば済むわけでしょう。それだけのことではないのですか。
  • 甘露寺委員 今、先生がおっしゃった非常に重要なことは、将来また考えると温泉を掘削して分析した後、こういう変なものを含んでいるものについては利用許可の段階でいろんなことを考えるということも、温泉法に入れられると思うのです。そういう方法も重要だと私は思っているのです。今、実態はそうなっているのだけれども、それをもうちょっと強くするということを私には考えられる。
    それから、日帰り施設は確かにおっしゃるようにおかしいのです。レベルを同じに扱うべきなのだがそれが扱われていないというのは確かに問題。ですから、極端なことを言うと今、市町村で掘るのですね。それで変なものが出てしまった。それは旅館には使えない。そうすると旅館のちょっと離れたところに日帰り施設をつくってそこで利用する。そうすれば旅館からそこに行ってやるというやり方もないわけではない。事実そういうシステムでやっているところも間違いなくある。
    ですから、そういう問題も含めて、私自身は、結論をはっきり何とも言えないのだが、暫定基準をある程度厳しくする方向はしようがないのではないかと考えているのです。
    もう一つは、それと同時に、先ほど言った教育の問題もあるし、問題は各事業場だけで処理をする、事業場単位でやっているのではなくて、全部まぜ合わせたものを処理できるようなシステムを将来へ考えていかなければいけないだろうし、地熱のほうとの絡みもあるのだが地下還元というとこともある程度話の中に出てくる可能性がある。ひ素がだめだから地下還元しているわけですから、温泉などで変なものが地下還元するというのは、これは浅いところでやられたら出てしまうからまずいが、将来これからの技術的なものの進展、内容によってはそういう問題が出てくると思います。
    自然湧出の問題なのですが、とある先生から指摘されたのだけれども、自然湧出といって湧いていますね。人間がとっているのだが、温泉というのは実は下から出てくるだけではなくて地下を通って川のほうへ流れている分も結構あるのです。それは川が伏流水と同じように温泉も一種のそういう話になって、今、おっしゃったのですが、そういう問題も実はあります。
    ですから、例えば草津温泉などはあれだけの量があると上に出ているだけではなくて、ほかのところへ行っていろんな川を通って流れているということは、さる先生から言われた。そういうことは調べているのかと言うから、そこまではやっていないのではないですかとお答えしたのだが、自然湧出というのはそういう問題があります。
    自然湧出というのは定義が非常に難しいので、我々もどうやっていいかというのは、今のところ掘削許可を得ていないものをという形に一応なっているのです。では川の中で1mか2m掘ってそこへコンクリート層をつくってやっているのも自然湧出なのです。現実は掘削ではないのです。自然湧出したものを井戸側にためているのだという話で、それは自然湧出で掘削の許可をとっていない。これは昔からそういう格好で出ているのはやむを得ないからそうなっているのです。そういうところも結構あるのです。ですから、この辺のところも非常に難しい問題もあります。
    温泉水というのは、昔は自然というか地下を流れてどこかへ行ってしまったほうがはるかに多いわけです。現在は地下に流れている部分を人間がくみ上げてこちらへ持ってきてとっているわけです。そういう状態なのです。ですから、とってもある程度流れている分はある。これはいろんな先生方が温泉の保存状態を説明するときの絵に、上にとって採取するのと地下を流れる分と絵を描いて説明をしております。ですから、まずそういう考えが一般論としてはあると考えた方がいい。流れていってしまったのは、どこかでとまってしまうのではなくて、当然河川のほうへ薄まって入っているということでございます。
    ただ、我々が神経を使わなければならないのは、あくまでも人為的に何かをやったときのいろんな問題というのが一番問題になるわけですから、それに焦点を当ててやっているわけです。厳しい環境の先生は、底質とかそういうものが、ひ素にしても何にして少しずつ上がっているという指摘もあるし、いろんなことをおっしゃる先生もいるわけですから、私自身がやってみてこれは難しいな。一筋縄どころではないね。
    できたら先ほど先生がおっしゃったように、温泉の採取量を余りとらないで使う方向を打ち出せるというのが一番でしょう。今のところどんどんまだサキュレートしたと環境省のデータではなっているが、湧出量というのは上がっているのです。ですから、戦後の昭和20年~30年代というのは1分間に1,000tなかったと言われているのです。今は量としては1分間で3,000tぐらいになっているのですが、かなりとっているということは間違いないので、とっているということは先ほど言ったほかのところに流れていってしまう分を全部稼いでとっているわけですから、そういう点ではいろいろ考えなければいけない問題が出てくるというわけです。
    私自身はある程度暫定基準は厳しくする方向でやむを得ないかなと今のところ考えております。
  • 浅野委員 自然湧出の温泉のくみ上げを問題にするのが温泉法であり、ここは要するに特定施設から公共用水域に水を出す場合の排水基準の話をしているだけですから、それはそれで割り切って議論をしなくてはどうにもなりませんね。ですから、その限りにおいては何であれ、自然湧出であったって何であったって、特定施設から出るということだけが水濁法の関心事ですから、その中で規制をするときに規制の数字に手心を加えるかどうかの話をしているだけのことではないでしょうか。
  • 須藤委員長 それはまた別問題ですね。
    どうぞ。
  • 平沢委員 皆さんの御意見はよくわかるのですけれども、これだけ回数出て引っかかるのが、もともとの出てくるほう素とかふっ素の濃度は規制できないですね。なおかつ、出てきたものを処理技術といっても処理するのは合理的な技術はないと思うと、今の暫定基準のままで見て、基本は処理ではなくて源泉のくみ上げ方とか希釈の仕方だとか、そういうところで何とか下げていくという努力が必要だと思います。だから、人為的に制御できないものは苦しい。
  • 須藤委員長 希釈だって処理ですよ。
  • 平沢委員 それはわかります。
  • 浅野委員 希釈で済ませるということはもともと邪道だけれども、ここはしようがないと言っているだけなのです。工場でもそれをやっていいといったら総量規制などというのはそもそも成り立ち得ないことになる。工場等で総量規制をやっているということは希釈はだめだということなのです。だけれども、温泉に限っては目をつぶりましょうというわけだから、それ以上のことは何も言う必要はないのではないですか。今、先生がおっしゃったことは矛盾しているような気がします。
  • 平沢委員 要するにもともとの濃度が、例えばほう酸を添加していっているならあれだと思うのですが。
  • 浅野委員 別にもともとの濃度を下げることがそんなに悪いことではない。くみ上げなければいいのです。それだったら使わなければいいということになるのではないでしょうか。
  • 須藤委員長 ほかのものだって出てくるのだったらくみ上げないほうがいいですよ。
  • 浅野委員 土壌だってそうですよ。自然由来の土壌汚染について、その場所にあるのならそれは文句は言えない。
  • 平沢委員 例えば今、掘っているものが急に濃度が上がってしまった場合どうするのですか。
  • 浅野委員 それはしようがないでしょう。それは使う以上はコントロールして使う以外にないと思います。
  • 須藤委員長 そうしたらほかのところを掘ったほうがいいのではないでしょうかね。
  • 平沢委員 それは使わない。
  • 浅野委員 人間がやる以上しようがないのではないでしょうかね。
  • 平沢委員 どうもそれがいつも個人的には消化できない。
  • 須藤委員長 先生は化学物質の除去とか化学工学のプロセスをおやりになっているから。
  • 平沢委員 除去ができないのも。
  • 須藤委員長 それは私も同じですから理解しているのですが、ほかの方法を当然。
  • 平沢委員 それはわかります。それはしたいと思います。
  • 須藤委員長 例えば循環ろ過をやると、ろ過をやったからとれるわけではないし、希釈は水量を少なくやって、ほかの雑排水が多ければ当然濃度も下がるわけだし、このデータを見るとちょっと下がればそれで。今の基準は結局暫定基準ですね。暫定基準をもともとの一律の排水基準にしたら相当大変ですね。そのときは処理が要るかもしれない。そのときにはここにいる先生方やほかにもっといるかもしれないが、処理技術ができるかもしれない。永遠にできないとも限らないですね。
  • 平沢委員 暫定というのは基本的に一般規制をクリアすることを目標にしていますから、そこはなかなか難しいなと思ってしまう。
  • 須藤委員長 先生方にも、環境省から予算出しているところなので、ぜひ挑戦していただいたほうが。原理的に絶対無理ですか。そんなことはないでしょう。
  • 平沢委員 すごくお金をかければできると思います。だけれども、それは合理的なという決まりがあるので、それ以上は今は出ないと思います。私の意見です。
  • 須藤委員長 わかりました。
    先生、どうぞ。
  • 眞柄委員 温泉というのは大概において、先ほどお話があったように河川の上流部にあるわけです。問題は温泉旅館なりから出てくるところではなくて、環境基準点で環境基準を満たしていれば、あるいはそこまで温泉水を運んできて環境基準点よりも下に出せば水量が多くなっているから、というのは、処理の方法あるいは温泉排水の公共用水域に与える影響を軽減するという意味で、ずっとダイバージョンして環境影響が出ないところまで出してというこのは、処理の方法として対象にはできないのでしょうか。
  • 須藤委員長 それはあるでしょう。ダイバージョンをする方法だから。
  • 浅野委員 ただ、特定施設という概念で。
  • 須藤委員長 出たところですね。
  • 浅野委員 だが、運んでいってパイプでやった場合にどうするか。それも特定施設になるかどうか。
  • 眞柄委員 特定施設に入れるかどうかというのがまだ明解ではないですね。
    ですから、こういうものは場合によればある程度河川流量とか希釈水量が期待できるところまで持ってきてというイメージがあったのは、例えば長野あたりで水力発電所がいっぱいあって枯れ川になっているその先に流せば大丈夫だ、途中までの間は危ないというのがいっぱいありますね。信州あたり、あるいは魚沼側のあちらのほうなどは。そういう場合にケース・バイ・ケースで県庁で御判断ができるような部分を制度の中に入れられないのかなという印象は持っています。
  • 須藤委員長 ほう素は有害物質なので、本来だったら水量に関係なく規制をしなくてはいけないのです。それを我々は認識しておかなければいけない問題であって、今は50tとか100tとか言っていても、それも一種の暫定という扱いにしなくてはいけないので、最終的には水量関係なしにやるべき問題ですね。有害物質等の項目ですね。
    そんなところで、異論はまだあるのかもしれませんが、大体の方向は、暫定排水基準は下げられる方向が見えてはきているが、それを幾つにするかというのはもう少し調査が進んでからということにしておきたいと思います。
    それから、大体きょうの御意見ですと、日帰り温泉利用施設は大量にあるし、業務の件数も多いわけですから、この辺は同等の扱いにしていきたいということで、後でやりましょうというのではなくて、一緒の扱いにしましょうかという御意見が多かったというところで、大体の合意を得られたと思います。
    あとは温泉の効用やらさまざまな、我々に関連する知っておかなければいけない問題、あるいは地熱発電所に関連する問題等、これからの環境行政で自然再生可能エネルギーの開発の中でもこういう問題がまた多分出てくるので、水環境行政がさらに幅広く展開をしなければいけないのかなという印象を受けたのですが、きょうは温泉排水に限っておきますので、大体こんなところがまとめられるかなという気がいたします。
    北村課長、これぐらいのところでよろしいですか。どうでしょうか。
  • 北村課長 きょうはいろいろ御議論をいただいてありがとうございました。
    そもそもここは暫定排水基準の数値をどうするかという議論ということでやってきておりまして、それと一緒に今、一番大きく受けとめているのは、特定施設の追加という話をお伺いしているところですが、ここになりますと、ふっ素、ほう素の話とまた別の問題も発生してきますし、それを追加するのが先ほど眞柄委員からもお話があったように、ほかの施設もあるのではないかということもありますので、課題としては大きいものと理解をいたしております。
  • 須藤委員長 行政としてはそちらのほうが大きいですね。
  • 北村課長 内容的にも政令改正という、排水基準は省令ということもございますので、そういうことでも事柄としては大きいと思いますので、よく勉強してまいりたいと存じます。
  • 須藤委員長 大体委員の先生方からの意向がそういう方向なので、その辺を目指して行政のほうも追加できるということで、今度一緒に合わせて幾つということは言えないと思いますが、排水基準は500mg/Lを300 mg/Lにするのか100 mg/Lにするのか、いろいろこれからもう少し調査することによってあり得ると思いますので、それは無理のない程度のところで、でも、一律の排水基準にすぐに行くというわけにはなかなかいかないということは一つの結論でございます。ということで、どうぞ行政のほうもひとつよろしくお願いをしておきたいと思います。
    それでは、大体予定した時刻になったと思いますが、ほかに全体を通して何か特にございますか。
    なければこれをもってきょうの第7回の検討会を終了させていただきます。
    どうもありがとうございました。

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