福岡県 筑後・佐賀平野 地盤環境情報 令和4年度

1.概要

(1) 地盤沈下等の概要
本地域の地盤沈下は、昭和45年に実施された国土地理院の1級水準測量で沈下の兆候が認められ、更に昭和48年~49年の測量で年間最大約5㎝の沈下が認められた。 昭和60年4月、 地盤沈下防止等対策関係閣僚会議において 「筑後・佐賀平野地盤沈下防止等対策要綱」 が制定され、 本県内においては、5市1町(久留米市、柳川市、筑後市、大川市、みやま市、大木町)が観測地域として指定されたことに伴い、 地盤沈下、 地下水位等の状況の観測又は調査を行うこととされた。
(2)地形、地質の概要
本県及び佐賀県にまたがる筑後・佐賀平野には、有明粘土層と呼ばれる沖積粘土層が分布しているが、含水比が高く極めて軟弱であるため、地下水位の低下による地盤沈下が生じやすい地質となっている。

2.地下水採取の状況

当地域における地下水揚水量は、平成8年度の地下水揚水量等実態調査によると約13.7百万 m3/年で、瀬高町が約29%、久留米市及び筑後市がそれぞれ約21%となっている。なお、用途別には工業用が41%、水道用が26%を占め、建築物用、農業用の順となっている。また、経年的には、いずれの用途についても地下水の採取状況は減少の傾向にある。

3.地盤沈下等の状況

本県では、 昭和60年から地盤沈下の観測を実施している。この観測結果では、有明海沿岸部の沈下が顕著であり、過去最大値で11.8cm/年(昭和62年2月)、 累計沈下量は、 最大値で88.5cm (昭和60年3月~令和5年2月) に達したが、最近では一部地域で隆起に転じているところが観られ、地盤変動は少ない状況である。

4.被害

5.対策

(1) 監視測定
水準測量は、福岡県では水準点206点、延長220㎞について、並びに国土交通省では隔年毎に水準点111点、延長159㎞について実施している。また観測井は、国土交通省により17井が設置されている。
(2) 地下水等の採取規制
筑後平野においては、地下水の採取規制は実施していない。
(3) 地盤沈下防止対策に関連した事業
筑後平野において、地盤沈下に起因して排水不良となった農地等では湛水防除事業が実施されている。

6.詳細情報

その他の「詳細情報」を、下記のエクセルファイルからご覧になることができます。