水・土壌・地盤・海洋環境の保全

瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律について

 第204回国会において制定された瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律(令和3年法律第59号。以下「改正法」という。)は、令和3年6月9日に公布され、令和4年4月1日に施行されました。

改正法制定の趣旨

 かつて「瀕死の海」とも呼ばれるほどに水質汚濁が進行した瀬戸内海の水質は、瀬戸内海環境保全特別措置法(瀬戸法)に基づく対策をはじめとする様々な取組が奏功し、一部の海域を除き、全体としては一定程度改善しました。一方、一部の海域においては、ノリの色落ち等の水産業への悪影響が指摘されるようになってきたこと等を踏まえ、平成27年の瀬戸法改正では、「豊かな海」を目指すこと、施策について「湾、灘その他海域ごとの実情」に応じて行うこと等が盛り込まれました。

 環境省では、平成27 年度から水環境の状況等の分析・評価や底質・底生生物調査及び藻場・干潟の分布状況調査等を行うとともに、中央環境審議会水環境部会瀬戸内海環境保全小委員会の場において、最新の科学的知見の収集・整理を行いました。令和2年3月の中央環境審議会答申「瀬戸内海における今後の環境保全の在り方について」や、令和3年1月の中央環境審議会意見具申「瀬戸内海における特定の海域の環境保全に係る制度の見直しの方向性」を踏まえて改正法が検討されました。

 今般の改正法のポイントは、

①関係府県知事が栄養塩類の管理に関する計画を策定できる制度の創設

②自然海浜保全地区の指定対象を拡充し、藻場・干潟等が再生・創出された区域等も指定可能とする

③国と地方公共団体の責務として、海洋プラスチックごみを含む漂流ごみ等を含む漂流ごみ等の除去・発生抑制等の対策を連携して行う旨を規定

④環境の保全を、気候変動による水温の上昇その他の環境への影響が瀬戸内海においても生じていることを踏まえて行う旨を基本理念に規定

の4点です。

関係資料