平成11年1月29日
1.土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針の策定の経緯
(1)これまでの経緯
土壌汚染については、昭和50年代後半に国の試験研究機関跡地等の土地利用転換時に
問題となる例が生じたことから、環境庁において、市街地土壌汚染に係る暫定対策指針を
とりまとめ、昭和61年2月に関係各省等あて送付した。その後、土壌環境基準の制定に
伴い平成4年に同指針を改定した。さらに平成6年の土壌環境基準の改正を踏まえて、
平成6年11月、「重金属等に係る土壌汚染調査・対策指針及び有機塩素系化合物等に係る
土壌・地下水汚染調査・対策暫定指針」(以下「平成6年指針」という。)を策定し、
適切な土壌・地下水汚染の調査・対策の実施に努めるよう、環境庁水質保全局長より
都道府県等に依頼している。
(2)今回の指針及び同運用基準の策定について
その後、浄化技術等に関する新たな知見の集積や、地下水の水質汚濁に係る環境基準
(平成9年環境庁告示第10号。以下「地下水環境基準」という。)の設定等に伴い、
平成6年指針の拡充・整備が必要となった。このため、環境庁においては、「土壌・
地下水汚染対策技術検討会」(座長:村岡浩爾大阪大学工学部土木工学科教授)を設置し、
検討を行ってきた。今般、その検討結果に基づいて、平成6年指針を全面的に改定し、
「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」及びその細目について「土壌・地下水汚染に
係る調査・対策指針運用基準」を策定し、通知する。
2.今回の改定の概要
(1)名称を「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」とし、主要な事項を取りまとめ、
その細目を運用基準とした。
(2)対象物質に共通する総論を創設するとともに、対象物質の性状に着目して「有機
塩素系化合物等」を「揮発性有機化合物」と名称変更し、また、農薬5項目(有機燐、
1,3-ジクロロプロペン、チウラム、シマジン及びチオベンカルブ)のうち、
1,3-ジクロロプロペンを揮発性有機化合物に、それ以外の4項目を重金属等に分類した。
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| 平成6年指針 | 本指針 |
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| |第1章 総論 |
|重金属等に係る指針 |第2章 重金属等に係る調査・対策 |
| カドミウム、シアン、鉛、六価クロ| カドミウム、シアン、鉛、六価クロム|
| ム、砒素、水銀、アルキル水銀、 | 、砒素、水銀、アルキル水銀、 |
| PCB及びセレン | PCB、有機燐、チウラム、シマジン、 |
|有機塩素系化合物等に係る指針 | チオベンカルブ及びセレン |
|[1] 有機塩素系化合物等 |第3章 揮発性有機化合物に係る調査|
| ジクロロメタン、四塩化炭素、1,|・対策 |
|2−ジクロロエタン、1,1−ジクロ| ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2|
|ロエチレン、シス−1,2−ジクロロ|−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエ|
|ロエチレン、1,1,1−トリクロロ|チレン、シス−1,2−ジクロロエチレ|
|エタン、1,1,2−トリクロロエタ|ン、1,1,1−トリクロロエタン、 |
|ン、トリクロロエチレン、テトラクロ|1,1,2−トリクロロエタン、トリク|
|ロエチレン及びベンゼン |ロロエチレン、テトラクロロエチレン、|
|[2] 農薬 |ベンゼン及び1,3−ジクロロプロペン|
| 有機燐、1,3−ジクロロプロペン| |
| 、チウラム、シマジン及びチオベン| |
| カルブ | |
| | |
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(3)地下水環境基準の設定に伴い、重金属等に係る地下水汚染について指針の対象とした。
(4)土壌・地下水汚染の調査・対策の進め方について、第1章総論で、その契機、目的及び
主体に応じて、{1}地下水汚染契機型、{2}現況把握型及び{3}汚染発見型の3つに
場合分けし、それぞれの場合ごとに調査の進め方等についての考え方を示した。
(5)公有地等管理者又は都道府県等の指導を受けた事業者等が自主的に調査を実施した
結果、土壌・地下水汚染が判明した場合には、汚染の拡散を防止する観点から、
その旨を都道府県等に連絡することが望ましいこととした。
(6)簡易測定法によるスクリーニング調査も目的に応じて使い分けるよう示した。
(7)対策については、重金属等に係る手法として、封じ込めに加え、対象物質の除去
(重金属の分離又は化合物の分解)を位置づけた。あわせて、対策の選定の考え方、
複合汚染の場合の留意事項等を示した。
土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針−概要版[PDFファイル]