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これらの課題を受け、平成16年夏からの約1年半にも及ぶ中央環境審議会等による審議、答申を踏まえ、平成18年6月に改正容器包装リサイクル法が成立・公布されました。
(1)見直しの基本的方向
改正容器包装リサイクル法は、平成18年6月9日に成立、6月15日に公布されました。
2.改正容器包装リサイクル法の概要
この基本的方向に基づき、容器包装リサイクル法の課題に対応することにより、容器包装廃棄物に係る排出の抑制及びリサイクルの合理化等を促進します。
1.容器包装廃棄物排出抑制推進員制度の創設
環境負荷の少ないライフスタイルを提案しその実践を促す影響力のある著名人の方やオピニオンリーダー等を容器包装廃棄物排出抑制推進員として環境大臣から委嘱を行うこととしました。
この推進員(愛称「3R推進マイスター」)には、容器包装廃棄物の排出の状況や排出抑制の取組の調査、消費者への指導・助言等を通じて、消費者のリデュースに関する意識啓発等について幅広く御活躍いただきます。
2.事業者に対する排出抑制を促進するための措置の導入
事業者における排出の抑制を促進するための措置として、レジ袋等の容器包装を多く用いる小売業者に対し、国が定める判断の基準に基づき、容器包装の使用合理化のための目標の設定、容器包装の有償化、マイバッグの配布等の排出の抑制の促進等の取組を求めることとしました。
また、容器包装を年間50トン以上用いる多量利用事業者には、毎年取組状況等について国に報告を行うことを義務付けることとしました。
<私たちにできること>
アクション1 買い物袋を持参しよう!
レジ袋など容器包装廃棄物を削減するため、マイバッグやふろしきを持参して買い物に行くことを一つの楽しみにしてみませんか。
アクション2 過剰包装を断ろう
買い物して気付くことは、ラッピングされた商品やフィルムに包まれた食品など、私たちの生活の身近にどれほどの容器包装があるかということです。レジ袋だけでなく、過剰に包装された商品はそれだけ容器包装ごみが多く出ることになります。私達の生活に本当に必要な容器包装は何かを考え、簡易包装化された商品や、昔ながらの包装を用いない量り売りの商品を選択してみませんか。
3.事業者が市町村に資金を拠出する仕組みの創設
容器包装廃棄物の分別収集は市町村が行い、リサイクルは事業者が行っていますが、市町村が質の高い分別収集(異物の除去、消費者への適正な分別排出の徹底等)を実施した場合、リサイクルに要する費用が低減され、当初想定していた費用(想定額)を下回ることとなります。
このように、容器包装廃棄物のリサイクルに係る社会的コストの効率化を図るため、実際に要したリサイクル費用が想定額を下回った部分のうち、市町村の分別収集によるリサイクルの合理化への寄与の程度を勘案して、事業者が市町村に資金を拠出する仕組みを創設しました。
各市町村への資金の拠出については、より効果的・効率的に容器包装に係る3Rを推進する観点から、市町村ごとの分別基準適合物の質やこれによるリサイクル費用の低減額等に着目して行います。
(4)リサイクル義務を果たさない事業者(ただ乗り事業者)に対する罰則の強化
特定事業者の役割・・・リサイクル義務の履行
容器包装(商品の容器及び包装自体が有償である場合を含む。)を利用して商品を販売する事業者や、容器を製造・輸入する事業者は、特定事業者としてリサイクル義務を負います。リサイクル義務の履行する方法として、指定法人((財)日本容器包装リサイクル協会)が、特定事業者からの委託を受けてリサイクルを実施しており、特定事業者は、この協会に委託料を支払うことにより、リサイクル義務を果たしたものとみなされます。
ただ乗り事業者とは?
特定事業者であってリサイクル義務を負っているにもかかわらず、リサイクル義務をきちんと果たしていない(リサイクル費用を払っていない、過少に払っている)事業者のことをいいます。
今回の改正では、このただ乗り事業者対策を強化するため、主務大臣からの命令があったにもかかわらず、リサイクル義務の履行を適切に果たさない場合の罰則が50万円以下の罰金から、100万円以下の罰金に引き上げられました。
このほか罰則では、容器包装多量利用事業者による排出抑制促進の違反について50万円以下の罰金が、事業者による定期報告・報告徴収の義務違反について20万円以下の罰金が新たに設けられました。
(5)円滑なリサイクルに向けた国の方針の明確化
ペットボトルが国外に流出
使用済みペットボトルは、原油価格の高騰や資源としての価値の高まりを受け、年間約20万トン(2004年度時点)が中国、香港等の国外へ流出しており、国内の円滑なリサイクルの実施に支障を来すおそれがあります。このため、容器包装廃棄物の円滑なリサイクルを図るため、「再商品化のための円滑な引渡し」を基本方針に定める事項に追加して国の方針を明らかにすることとしました。
これを受け、新たな国の基本方針として、
(1)市町村は、自ら策定した分別収集計画に従い、リサイクル施設の施設能力を勘案して、指定法人等に分別基準適合物を円滑に引き渡すことが必要であること、
(2)市町村の実情に応じて指定法人等に引き渡されない場合にあっても、市町村は、リサイクル施設の施設能力を勘案するとともに、それが環境保全対策に万全を期しつつ適正に処理されていることを確認し、住民への情報提供に努める必要があることを明らかにしました。
今後はこの基本方針に基づき、我が国における円滑なリサイクルを推進していくこととしており、この基本方針に即して策定された第5期市町村分別収集計画に基づく分別収集見込量の集計結果によると、指定法人引渡率は今後上昇に転じると見込まれています。
容器包装リサイクル法に基づく分別収集見込量の集計結果はこちら
(1)プラスチック製容器包装のサーマルリカバリー[平成19年4月施行]
市町村による分別収集の拡大により、今後の5年間でプラスチック製容器包装の分別収集量がリサイクル可能量を上回る可能性があることから、このような場合の緊急避難的・補完的な対応として、プラスチック製容器包装を固形燃料等の原材料として利用することをリサイクル手法として認めることにしました。
(2)ペットボトルの容器包装区分の変更[平成20年4月施行]
容器包装区分のうちペットボトルについては、現在「しょうゆ・飲料」を容れたペットボトルに限られていますが、それ以外の商品を容れたペットボトルにも再生利用に適したものが存在することから、新たにペットボトル区分の中に「しょうゆ加工品、みりん風調味料、食酢、調味酢、ドレッシングタイプ調味料」(ただし、食用油脂を含むもの、簡易な洗浄で内容物や臭いを除去できないものを除く)を入れたペットボトルを追加することにしました。
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