環境再生・資源循環

廃棄物処理法における廃石綿等の基準等について

廃棄物処理法における石綿含有廃棄物等の基準等について

1.石綿含有廃棄物等の定義

(1)廃石綿等の定義(規則第1条の2第9項)

廃石綿等とは、次に掲げる①~⑤をいう。
① 建築物その他の工作物(以下「建築物等」という)に用いられる材料であって石綿を吹き付けられたものから石綿建材除去事業により除去された当該石綿
② 建築物等に用いられる材料であって石綿を含むもののうち石綿建材除去事業により除去された次に掲げるもの
 イ.石綿保温材
 ロ.けいそう土保温材
 ハ.パーライト保温材
 ニ.人の接触、気流及び振動等によりイからハに掲げるものと同等以上に石綿が飛散するおそれのある保温材、断熱材及び耐火被覆材
③ 石綿建材除去事業において用いられ、廃棄されたプラスチックシート、防じんマスク、作業衣その他の用具又は器具であって、石綿が付着しているおそれのあるもの
④ 特定粉じん発生施設が設置されている事業場において生じた石綿であって、集じん施設によって集められたもの
⑤ 特定粉じん発生施設又は集じん施設を設置する工場又は事業場において用いられ、廃棄された防じんマスク、集じんフィルタその他の用具又は器具であって、石綿が付着しているおそれのあるもの

(2)石綿含有廃棄物の定義

石綿含有廃棄物とは、次に掲げる①及び②をいう。
① 石綿含有一般廃棄物(規則第1条の3の3)
工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた一般廃棄物であって、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するもの
② 石綿含有産業廃棄物(規則第7条の2の3)
工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた廃石綿等以外の産業廃棄物であって、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するもの

2.収集・運搬の基準

(1)廃石綿等

・ 廃石綿等の収集・運搬に当たっては、廃石綿等による人の健康又は生活環境に係る被害が生じないように行い、かつ、他の廃棄物等と混合するおそれのないように、他の物と区分して収集し、又は運搬すること。(令第6条の5第1項第1号)
・ 廃石綿等が飛散し、及び流出しないようにすること。(令第3条第1号イ(1)、第6条の5第1項第1号)

(2)石綿含有廃棄物

・ 石綿含有廃棄物の収集、運搬に当たっては、石綿含有廃棄物を破砕しないように行うとともに、他の廃棄物と混合しないように区分して行うこと。また、石綿含有廃棄物による人の健康又は生活環境に係る被害が生じないように行うこと。(令第3条第1号ホ、ト、第6条第1項第1号口、ニ、へ)
・ 石綿含有廃棄物が飛散し、及び流出しないようにすること。(令第3条第1号イ(1)、第6条第1項第1号)

3.中間処理方法

(1)廃石綿等

廃石綿等の中間処理は、特別管理産業廃棄物たる廃石綿等として埋立処分を行う場合を除き、溶融施設を用いて溶融する方法又は無害化処理の方法により行うものとする。(令第6条の5第1項第2号ト、 平成18年環境省告示第103号(平成4年厚生省告示第194号)第13号)

(2)石綿含有廃棄物

① 石綿含有一般廃棄物
石綿含有一般廃棄物の中間処理は、溶融施設を用いて溶融する方法、無害化処理の方法、又は、その他の一般廃棄物と混合して破砕し、焼却する方法により行うものとする。(令第3条第2号ト(2)、平成18年環境省告示第102号第1条)
② 石綿含有産業廃棄物
石綿含有産業廃棄物の中間処理は、溶融施設を用いて溶融する方法又は無害化処理の方法により行うものとする。(令第3条第2号ト(2)、第6条第1項第2号ニ、平成18年環境省告示第102号第2条)

4.最終処分

(1)廃石綿等

① 廃石綿等の最終処分は、埋立処分により行うこととし、都道府県知事又は廃棄物処理法の政令市の市長に許可を受けた最終処分場で行う。
② 廃石綿等の埋立処分を行う場合には、次によること。
 ・大気中に飛散しないように、あらかじめ、固型化、薬剤による安定化その他これらに準ずる措置を講じた後、耐水性の材料で二重にこん包すること。
 ・埋立処分は、最終処分場のうちの一定の場所において、かつ、当該廃石綿等が分散しないように行うこと。
 ・埋め立てる廃石綿等が埋立地の外に飛散し、及び流出しないように、その表面を土砂で覆う等必要な措置を講ずること。
 (令第6条の5第1項第3号ル、第7条第14号)

(2)石綿含有廃棄物

① 石綿含有廃棄物の最終処分は、埋立処分により行うこととし、都道府県知事又は廃棄物処理法の政令市の市長に許可を受けた最終処分場で行う。
② 埋立てを行う場合については、一定の場所において、石綿含有廃棄物が分散しないようにし、埋立地の外へ飛散及び流出しないよう表面を土砂で覆う等必要な措置を講じることとする。
(令第3条第3号チ、リ、第5条2項、第6条第1項第3号ヨ、第7条第14号)

5.処理マニュアル

 排出事業者のほか、収集・運搬業者及び処分業者等を対象に、廃棄物処理法に基づいて廃石綿等及び石綿含有廃棄物の分別、保管、収集・運搬、処分等を適正に行うために必要な具体的事項を順を追って解説したものとして、「石綿含有廃棄物等処理マニュアル」を作成している。
石綿含有廃棄物等処理マニュアル(第3版) (令和3年3月)