環境再生・資源循環

第2回 令和元年度災害廃棄物対策推進検討会 議事録

日時

令和2年3月3日(火) 9:30~12:00

場所

AP日本橋 Fルーム

出席委員

委員

浅利 美鈴    大熊 洋二    大塚 直

酒井 伸一    島岡 隆行    中林 一樹

牧  紀男    勝美 武     安富 信

吉岡 敏明    大迫 武浩

           (敬称略)

委員以外の出席者

(事務局)
 環境省

山本環境再生・資源循環局長、松澤環境省大臣官房審議官、名倉廃棄物適正処理推進課長、

水原災害廃棄物対策室補佐、鈴木災害廃棄物対策室主査、福永災害廃棄物対策室主査

議題

1 開会

2 議事 

(1)令和元年台風第15号・第19号における災害廃棄物対応

(2)災害廃棄物処理計画の策定状況及び策定促進に係る検討

(3)災害廃棄物対策に係る今後の検討

(4)技術・システム検討ワーキンググループにおける検討

(5)地域間協調ワーキンググループにおける検討

(6)災害時初動対応検討ワーキンググループにおける検討

3 その他  

4 閉会

配付資料

資料1
令和元年台風第15号・第19号における災害廃棄物対応
資料2
災害廃棄物処理計画の策定状況及び策定促進に係る検討
資料3
災害廃棄物対策に係る今後の検討
資料4
技術・システム検討ワーキンググループの検討
資料5
地域間協調ワーキンググループの検討
資料6
災害時初動対応検討ワーキンググループの検討
参考資料1
令和元年台風第15号・第19号における災害廃棄物対応
(令和2年2月7日資料、時点更新版)
参考資料2
災害廃棄物処理計画策定状況(令和2年3月末時点)
参考資料3
災害廃棄物対策に関して今後取組むべき事項とその進め方(案)
参考資料4
災害時の一般廃棄物処理に関する初動対応の手引き(本編)

議事

(福永災害廃棄物対策室主査)
 それでは定刻になりましたので、ただいまから第2回令和元年度災害廃棄物対策推進検討会を開催いたします。委員の皆様には、年度末のご多忙のところ、お集まりいただき、ありがとうございます。
 初めに、環境省環境再生・資源循環局長の山本からご挨拶をさせていただきます。

(山本環境再生・資源循環局長)
 皆様、おはようございます。本日は新型コロナウイルス対応という厳しい状況の中で、朝早くから委員の皆様方にはお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。傍聴者がいない形での開催ということになりましたが、昨年は台風15号・19号をはじめとして、非常に多くの広域的な災害に見舞われまして、その中でさまざまな課題も新たに提起されたということがございますので、そういった災害の対応、教訓をしっかりと振り返ることが重要だと考えまして、こういった時期ではありますが、開催と判断をさせていただきました。
 昨年の一連の災害におきましては、非常に広域的な災害だったということに加えまして、台風15号は風による災害ということで、大規模停電が生じました。あるいは、大量のビニールシート、農業用のビニールシート、ハウスのシートの処理が課題になったということもありますし、台風19号におきましては、大規模な氾濫による浸水が広域に起きたということで、本当に初動の難しさということが改めて言われました。稲わらも含めて、農業系の被害が多数出たということで、そういったものへの対応ということも課題になりました。それ以前にも、油の流出を伴った九州の災害もございましたし、そういった意味では、従来の備えに加えて、また、新たにいろいろなことを考えなければいけない災害というのが多く起こったと認識しております。
 そういう中で、今回の災害の対応につきまして、しっかり振り返ってまいりたいということもございますし、一方で、各ワーキングにおきましては、従来から中長期的なところも見据えて、継続的な検討を行っていただいておりますが、南海トラフ地震をはじめとした巨大災害に対する備えと、こちらも一方で、着実に進めていかなければいけないということで、その辺りの具体のシナリオを踏まえた検討も進めてきていただいております。
 それから、昨年の広域災害でも改めて思いましたけれども、ブロックを越えた広域的な連携ということも重要な課題でございますので、こちらもワーキングの中で具体的な検討を進めてきていただいております。
 それから、改めて初動対応の重要性というのが感じられたということで、こちらも初動対応の手引きをまとめていただくという形で整理をしてきていただいております。こういった事柄で、今年の災害に対する備えをできるだけ充実、強化していくという目の前の課題に加えまして、中長期的には、さらに巨大な災害が想定される中で、どうやって災害対応力を高めていくのかは、環境省としても非常に大きな課題だと思っておりますので、本日は委員の皆様方からの忌憚のないご意見を賜ればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

(福永災害廃棄物対策室主査)
 それではまず、資料のご確認をお願いいたします。
 お手元の次第に、配付資料の一覧がございます。配付資料につきましては、お手元のタブレットに保存されておりますので、ご確認をお願いいたします。
 タブレットには、資料1から6、そして、参考資料1から4が保存されております。こちら、タブレットの使用方法ですが、資料をクリックしていただいた後に、右側のバツを押してしまうと、全体が消えてしまいますので、画面を一度触れていただいた上で、左上の戻るで戻っていただければと思います。不明点がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
 また、議題2の(6)で参照いただく、災害時の一般廃棄物処理に関する初動対応の手引き、こちらでございます。こちらは机上に紙で配付をさせていただいておりますので、ご確認をお願いいたします。
 資料の不足ですとか、タブレットの使用方法等、ご不明点がございましたら、事務局にお申しつけをください。
 続きまして、本日の委員の出欠状況でございますけれども、目黒委員は、所用によりご欠席でございます。また、勝見委員は若干遅れるということで連絡を受けております。
 続いて、ご連絡事項がございます。
 先ほど山本からもございましたとおり、現在、新型コロナウイルス対応ということで、本日の会議の一般傍聴はなしとさせていただいております。傍聴を希望された方々に向けて、本日の検討会の様子を、奥のカメラのほうで撮影をさせていただきまして、後日、環境省のYouTubeのチャンネルがありますので、そちらで配信をさせていただく予定ですので、ご承知おきをお願いいたします。
 ここからは、環境省以外のカメラ撮りはご遠慮いただき、退場を願います。また、携帯電話の電源もお切りを願います。
 それでは、以降の進行は酒井座長にお願いしたいと思います。酒井座長、よろしくお願いいたします。

(酒井座長)
 どうも承りました。
 検討会の趣旨、山本局長からお話しいただいたとおりですので、その線に沿って、しっかりと議論をさせていただきたいと思います。どうぞ、委員の方々、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速、資料1から3までの説明を、続けてお願いいたします。その後、質問の時間あるいは議論の時間を設けたいと思います。よろしくお願いいたします。

(福永災害廃棄物対策室主査)
 それではまず、資料1について、ご説明させていただきます。資料1を説明するときに、参考資料1も適宜参照いただければと思うのですけれども、参考資料1は、2月7日に委員の先生方からご意見をいただいた資料でございまして、一部時点更新をしたものとなってございます。
 それでは、資料1をお開きいただければと思います。
 令和元年台風第15号・第19号における災害廃棄物対応ということでして、現在、気象庁のほうで、台風第15号は令和元年房総半島台風、台風第19号は令和元年東日本台風という名前がついておりますけれども、今回は第15号・19号ということでご説明をさせていただきます。
 まず、おめくりいただきまして、被害の概要でございます。これまでの災害における災害廃棄物の発生量及び処理期間を示しております。今回、令和元年台風第15号及び第19号につきまして、災害廃棄物の推計量がまとまりまして、215万トンということでまとめております。こちらにつきましては、補助金を利用している被災県の合計であり、昨年末、令和元年12月時点での数字となってございます。また、処理期間は、全体として2年間というところで、平成30年7月豪雨に匹敵する量になってございます。
 また、おめくりいただきまして、施設被害のうちの浄化槽の被害について、4ページ目にまとめてございます。こちらが令和2年2月25日時点ということで、被害額が40万円以上の施設ということで、廃棄物処理施設の災害復旧事業の補助金の対象となっている施設をまとめてございます。宮城県、群馬県、埼玉県の三つの浄化槽で被害があったということで、宮城県では、引込盤ポール周辺の土砂流出及びブロアモーターの流失、そして、下仁田町については浄化槽本体の流失と。埼玉県の皆野・長瀞下水道組合は、浄化槽本体の破損があったということで、いずれも復旧済みで、現在は稼働を開始しているというところでございます。
 続いて、2番目、災害廃棄物対策能力の向上というところで、現在対応している事項について、幾つか紹介をさせていただきます。
 まず1点目が、防衛省・自衛隊との連携ということでございまして、台風19号におきましては、防衛省・自衛隊と連携して、7県23市町村において、宅地や路上からの災害廃棄物の撤去活動を実施いたしました。写真でお示ししているのは、茨城県水戸市における撤去状況であり、それぞれ撤去前、撤去後の写真がございますけれども、自衛隊に協力をいただきまして、災害廃棄物の撤去を行いました。この撤去を行う際には、環境省本省・防衛省本省、そして現場における環境省地方環境事務所や自衛隊の間で調整を行って、効果的な撤去を実施してまいりました。
 一方で、今後、対応していくに当たっては、より円滑な、効果的な連携が必要だということでして、おめくりいただいたところにあります、防衛省・自衛隊と環境省との連携対応マニュアルをつくっていこうと考えております。こちらにつきまして、環境省のほうで防衛省と連携しまして、今後の災害に備える連携マニュアルの作成を進めております。こちらの策定に当たっては、自衛隊、地方環境事務所の現場対応者へのヒアリングを行いまして、実際、今回対応した中でどうだったかという検証を踏まえまして、今後の発災時、そして平時の関係者の連携のあり方を整理してまいりたいと考えております。
 また、災害廃棄物撤去に係る自衛隊派遣の前提というところですけれども、災害廃棄物の処理主体たる市区町村が、どうしても対応できないといった場合に、生活環境保全上の支障が生じる場合ということで、民間事業者等への移行までの緊急対応ということを原則としてございます。
 こちらの今後の予定ですけれども、今まさにこの現場対応者へのヒアリングを行って、台風第19号等での活動の検証、そして、項目の洗い出しをしていて、これからマニュアル骨子を作成していくところですが、年度明けになりますけれども、4月にマニュアルの案文を協議して、防衛・環境両大臣から公表という予定で、作業を進めているとこでございます。
 また、この連携対応マニュアルの項目の一例ということで、左下に挙げさせていただいておりますけれども、例えば、被災家屋からの災害廃棄物の排出は、ボランティア、NPO等、そして仮置場までの運搬は自衛隊ですとか、民間事業者が実施するといった役割分担をした上での連携を考えてございます。また、自治体毎に分別ルールは異なってまいりますので、その分別ルールを確認する際には、自治体職員にも同行や立会いをしていただく。そして、最終的には、市区町村の処理責任ということでございますので、速やかに民間事業者を手配して、また、広域連携することで、円滑に処理できるようにといったようなところを整理していきたいと考えてございます。
 続いて、おめくりいただきまして、人材バンク、災害廃棄物処理支援制度でございます。こちらは来年度から試験運用を開始する予定となってございます。これまで東日本大震災をはじめとして、さまざまな災害におきまして、災害廃棄物処理を経験した地方公共団体職員に被災地の支援を行っていただいてございます。支援員につきましては、災害廃棄物の収集、仮置場の管理運営、災害廃棄物処理の実行計画の策定、そして損壊家屋の解体撤去関係の支援など、現場の目線できめ細かく支援を行っておりまして、被災地の復旧・復興に貢献いただいております。
 そこで本制度、この人材バンクにおきましては、災害廃棄物処理を経験して、知見を有している地方公共団体の人材を「災害廃棄物処理支援員」として登録し、被災地方公共団体の災害廃棄物処理に関するマネジメントの支援を行うということを想定しています。
 右下が実際に支援を行っていただいた様子で、東京都からの提供写真なのでが、こちら制度の概要としましては、環境省から全国の地方公共団体の災害廃棄物処理を経験して知見を有している職員の推薦を依頼します。その後、地方公共団体の推薦を受けた職員を「災害廃棄物処理支援員」として名簿に登録しまして、その名簿に登録した方々から実際に災害発生時に被災した地方公共団体の要請によって、支援員を派遣いただくという制度となってございます。
 具体的な活動内容としましては、災害廃棄物処理の方針に係る助言・調整、そして、災害廃棄物処理の個別課題の対応に係る助言・調整といったものを考えてございます。また、処理支援員に対しては、研修ですとか、訓練といったものも含めて、最新の状況をお伝えしつつ、制度を回していきたいと考えてございます。
 また、おめくりいただきまして、住民啓発モデル事業ということで紹介させていただきます。こちらは、近畿地方環境事務所で、現在、自治体公募段階のモデル事業となってございます。こちらにつきましては、近年、右側の写真にありますとおり、被災家屋から排出された片づけごみが、路上とか、公園等に混合状態で積み上げられている状態が散見されております。そこに向けての対策としまして、住民ボランティアに対する広報が重要だということが挙げられております。
 一方で、市区町村においては、混乱の中で十分な対応がとれていないのが現状で、右側の写真のような事態が起きているのが現状でございます。このため、災害時だけではなく、平時からの市区町村による住民向けの災害廃棄物処理に関する広報手段ですとか、説明会、そして効果的な普及啓発といった取組を支援してまいりたいと考えております。
 具体的にどのような事業を行うかというと、事業概要をご紹介しておりますけれども、1点目が、災害に伴う廃棄物の住民搬出マニュアルの作成支援でございます。こちらにつきましては、一番住民に近い自治会と連携をしまして、発災時における地域住民と協働した廃棄物の収集方法の検討、そして仮置場の管理についてのマニュアルの作成を支援していきたいと思っております。
 2点目としましては、防災部局と連携した実践訓練ということでございます。実際、災害時には、廃棄物部局だけではなく、当然、防災部局との連携が重要になってまいります。そこで自治会単位での防災訓練におきまして、市の関係部局が連携して、廃棄物の収集運搬方法等について実践的な訓練等を実施するということを検討しております。
 また、最後3点目ですけれども、家庭内の退蔵品を災害廃棄物に見立てて、仮置場へ排出する模擬実験をやってまいりたいと考えております。こちらにつきましては、自治体単位で、実際に住民に協力をいただいて、住民宅において、退蔵品があるといったものを災害廃棄物に見立てまして、仮置場への排出の模擬実験を行うということで、実際、物を動かしてみるということと、退蔵品を処理するという2点を活用してのモデル事業でございます。実施に当たりましては、災害廃棄物排出用の仮置場を具体的に仮選定しまして、収集運搬の課題抽出も行うとともに、また、災害時には、便乗ごみが非常に多く出てまいりますので、その仮置場への便乗ごみ防止に対する認識の浸透を図ってまいりたいという形で、住民への啓発についても取り組んでまいりたいと考えてございます。
 続きまして、各県の処理進捗状況でございます。まず、台風第15号・第19号で発生した災害廃棄物の処理進捗状況について、全体の進捗感をお伝えいたします。
 まず、生活圏に9県79カ所の身近な仮置場につきましては、77カ所は撤去を完了しており、残ると言われておりました2カ所につきましても、1カ所は撤去完了、そして、もう1カ所も3月中を目処で撤去完了でございまして、左下の丸森町の町民広場、こちらは撤去を完了しておりまして、右側の柴田町の不二トッコン工場跡地というところも、今月中を目処で撤去完了という予定でございます。残る仮置場につきましては、今後本格化する損壊家屋等の解体廃棄物を受け入れつつ、順次、処理先への搬出を進めているという状況でございます。
 各県の量と処理期間を、次のスライドでまとめてございます。こちらの合計量が、冒頭で申し上げました、約215万トンということでございまして、こちらはまだ変動の可能性があるということで、ご承知おきいただければと思いますけれども、特にこの中で発生量が多い県につきまして、各県の進捗状況を次のスライドからまとめてございます。
 まず、宮城県の処理進捗状況でございますけれども、それぞれ処理フローと処理進捗状況、そして損壊家屋の解体状況を示しております。災害廃棄物の処理状況でございますけれども、宮城県では、現在、進捗率としては、2.9%ということで、損壊家屋等の解体につきましては、こちらは見方ですけれども、申請棟数が、実際、解体の申請があった棟数、そして、解体済棟数というのが、実際、解体が済んだ棟数、進捗率は、これを割った値で示しております。一番左の想定解体棟数というのが、今後、申請があるであろうという形で、市町村のほうで推計がされている棟数ということでご覧いただければと思います。宮城県の進捗率は52.3%という状況でございます。
 続きまして、福島県でございますけれども、こちらは災害廃棄物の処理状況としましては、処理が2.6万トンということで進捗率4.7%、損壊家屋は現在集計中で、県で集計中ということでございますけれども、申請の受付等は開始をされてございます。
 おめくりいただきまして、茨城県でございますけれども、こちら処理量としては、1.7万トンで、進捗率は15.8%、そして、損壊家屋等の解体については、12月末時点では、まだ申請棟数はなくて、解体済みもないのですけれども、案内等は開始されているというところでございます。
 続きまして、栃木県ですけれども、処理量は2.1万トン、進捗率は14.7%、そして損壊家屋等の解体の状況としましては、申請が1棟と解体済棟数はまだないという状況ですけれども、受付を順次進めているところでございます。
 続きまして、千葉県でございますけれども、処理量は3.4万トン、進捗率は11.0%、そして、損壊家屋等の解体の状況としましては、申請が127棟で、解体済棟数が7棟という状況でございます。
 そして、最後、長野県でございますけれども、処理量は2.4万トンで、進捗率は8.9%、そして、損壊家屋等の解体につきましては、申請が17棟で、解体済みはまだないという状況でございます。
 資料1の説明は、以上になります。
 続きまして、資料2の説明をお願いします。

(鈴木災害廃棄物対策室主査)
 それでは、続きまして、資料2をご説明させていただきます。スライドですけれども、ファイルナンバー02から始まるファイルをお開きください。
 資料2ですが、災害廃棄物処理計画の策定状況及び策定促進に係る検討ということでまとめてございます。
 1枚おめくりいただきまして、今年度、地域ブロック協議会活動実績ということで、一覧を掲載してございます。各地方環境事務所が中心になりまして、8つのブロックで協議会等を開催してございます。協議会本体に加えまして、幹事会ですとか、ワーキンググループ、セミナー、演習、訓練といったもろもろの担当者ベースでの事業を進めているということで、回数等を記載してございます。
 次のページをおめくりいただきまして、各地域ブロックにおけるモデル事業の実施状況ということで、件数等を記載してございます。こちらのほうが、災害廃棄物処理計画の策定に係るモデル事業と、それから、個別のモデルということで、図上演習ですとか仮設処理施設の設置検討・適正処理困難物等といった個別のものに分けて記載をしてございます。今年度、令和元年度ということで、合計24の事業を実施してございます。括弧内の数値が169ということで、自治体数が参加をしていただいたものということで、その数値を記載してございます。
 次のページ、おめくりいただきまして、4ページ目でございますけれども、災害廃棄物処理計画の策定状況ということで、令和2年3月末時点の数字をまとめてございます。棒グラフの一番右端になりますけれども、令和元年度末、令和2年3月末時点ということで、策定見込みの状況を含みますけれども、都道府県、青い棒グラフになりますが98%ということで、47都道府県中46都道府県が策定をしている状況でございます。オレンジ色の棒グラフになりますが、こちらが市区町村の策定率で、令和元年度末で52%、数にしまして903の自治体が策定をしている状況になってございます。
 5ページ目をおめくりいただきまして、今後、災害廃棄物処理計画の策定促進に向けたアプローチということで、まず人口カバー率のほうでございますけれども、先ほど、市区町村の方で903の自治体が作成をしている見込みだとお伝えしましたが、人口のカバー率で見ますと74%という状況になってございます。これをさらに詳しく見ていきますと、その下になりますけれども、中小規模の自治体の策定率がやはり低い状況だといったところで、赤い棒グラフになりますけれども、10万人未満の中小規模自治体がやはり策定率を今後伸ばしていく必要があるということで、環境省のモデル事業、それから都道府県との連携による自治体への支援を推進していく必要があるというものでございます。
 その次、おめくりいただきまして、災害廃棄物処理計画を策定していたところと、していなかったところでのGood Practice、Bad Practiceということで事例をご紹介してございます。
 6ページ目の事例でございますけれども、平成31年3月に処理計画を策定していたということで、10月14日の月曜日という早期に仮置場を設置いたしまして、分別管理も徹底をすることができたというところです。
 それから、処理計画上で記載をしていた協定を踏まえ、県の産業資源循環協会のほうに速やかに依頼ができ、仮置場の重機の手配もスムーズにできたという事例が挙がっております。
 7ページ目になりますけれども、こちらもGood Practiceということで、こちらはモデル事業をちょうど実施していたところでございまして、まさに処理計画策定中に被災をしてしまったという事例でございます。ただ、このモデル事業の中で、廃棄物処理施設の稼働停止時の対応について検討していたということもございまして、ごみ処理施設が被災したときにも、住民に排出抑制の周知を行いまして、処理施設復旧後に円滑に処理を実施することができた事例でございます。  それから仮置場の候補地についてもリストアップをしておりまして、県の産業資源循環協会の協定を活用しまして、仮置場の管理運営を早期に確保することができまして、仮置場の中で混合状態となることはなかったという事例でございます。
 8ページ目からは、Bad Practiceということで、処理計画が未策定であった自治体の初動対応ということでご紹介させていただきます。今回、処理計画を未策定ということで、仮置場候補地がやはり検討されていなかったということで、発災後も仮置場をなかなか設置することができず、全ての片づけごみを戸別収集することになってしまったという事例でございます。この戸別収集体制が確立できなかったこともございまして、市内の各所で、住居に近い場所で、混合状態になってしまいまして、路上堆積する事態が発生してございます。こちらは、やはり処理計画を策定していなかったということ、仮置場が確保できなかったということもございまして、こういった事例が発生してしまったと捉えてございます。
 9ページになりますけれども、こちらは処理計画を策定はしていたのですけれども、平成20年度に策定していたということで、その後、改定がなされていなかったということで、処理計画の運用がうまくできなかったという事例で、Bad Practiceということで紹介しています。こちらのほうも、やはり収集運搬体制が確保できず、市内の各所で住居等に近い路上、公園等において大量の片づけごみが混合状態で堆積してしまった事例です。一部の公園におきましては、2mを超える片づけごみがすき間なく積み上がる事態も発生してございます。こちらのほうは、堆積してしまった片づけごみを撤去するために、自衛隊ですとか、民間事業者の総力を挙げて撤去するという事態につながってしまったというものでございます。
 最後、10ページ目でございますけれども、今後の災害廃棄物処理計画策定率向上に向けた取組ということで、スライドのほうでもご紹介をさせていただきましたが、やはり台風15号・19号の中で、初動対応の遅れが、災害廃棄物処理計画を策定しないところで目立ったという事態が出てきております。今後、来るべき大規模災害の発生に備えまして、それから、第4次循環型社会推進基本計画の中でも、目標を決めてございますので、処理計画策定率の向上に向けて、引き続き取組が必要でございます。
 課題としては、やはり中小規模自治体へのアプローチということでございまして、特にマンパワーは限られているところですとか、そもそも危機感を持っていない自治体も見られますので、そういったところへの働きかけが重要となってまいります。
 今後の取組といたしましては、中小規模の自治体における処理計画の策定促進ということで、都道府県にリーダーシップを発揮していただくということ。それから、防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策ということで、環境省のほうで、モデル事業としてバックアップをしていくこと。それから自治体に対しては、災害対応において、処理計画が有効だと見られたGood Practice、それから、活用できなかった、または処理計画未策定ゆえに遅れが出てしまったというBad Practice、そういったものを示すことにより、処理計画の策定を促していくという働きかけをしていきたいと考えてございます。
 それからもう一つ、各都道府県、各市区町村の策定状況を公表するということで、未策定の自治体に対する策定状況を加速化する取組を進めてまいりたいと思っております。
 こちら、最後の策定状況になりますけれども、今回、参考資料という形でおつけしてございます。資料をお戻りいただきまして、12番の参考資料2ということになりますけれども、そちらのほうで全国の自治体の令和2年3月末時点の状況ということで、策定がされているまたは見込みを含むところもございますけれども、こちらのほう、丸印をつけた形で、参考資料を作成しておりますので、後ほどご覧いただければと思います。
 資料2の説明は以上になります。

(福永災害廃棄物対策室主査)
 それでは続きまして、資料3について説明させていただきます。まず、資料3の構成でございますけれども、前半部分が、2月7日も含めまして、これまでに委員からいただいたご意見をまとめてございまして、それと回答・対応方針をまとめております。後半部分では、2月7日にもお示ししました、今後の検討といったところでまとめておりまして、後半のほうで、今後の検討していく事項について、2月7日からの更新点を赤字でお示ししております。ですので、前半で回答・対応方針案とあるところにつきましては、後半の方で集約しておりますので、後半で説明をさせていただければと思います。
 それではまず、委員からこれまでにいただいたご意見を紹介させていただきたいと思います。
 3ページ目ですけれども、収集運搬体制の確保というところで、収集運搬について、D.Waste-Net団体への要請ルートに混乱があったため、整理してほしいといったご意見をいただいております。
 また、災害廃棄物処理計画の策定の際ですけれども、収集運搬に関するBCPを見据えるといったことは、処理処分施設の適正な維持とともに、市町村行政にとっては一番大事な事案の一つであるということで、その収集計画、こちらを平時、災害時それぞれステップ毎に何段階かシミュレーションしておくということが必要でありまして、処理先の検討とあわせて、収集運搬のBCPもセットで考えておくことが必要だということで、初動対応の手引きでもキーポイントになるといったご意見をいただいてございます。
 おめくりいただきまして、処理先の確保でございますけれども、こちら、平成30年北海道胆振東部地震の際に、産業資源循環協会が主体的に動いて、道ともうまく連携できたということで、そういった事例も情報共有してもらいながらやっていったほうがいいのではないかといったご意見をいただいております。
 また、仮置場の管理のところですけれども、そこまでは被災地でできますけれども、処理先の確保については、初動時に最初からできるかというところが問題としてございます。処理先によっては、分別方法が異なっており、二次仮置場をどうマネジメントするかが重要であるといったご指摘をいただいてございます。
 おめくりいただきまして、処理施設の被害関係ですけれども、浄化槽関係の被害状況、こちらにつきましては、し尿処理に係る連携も視野に入れた検討が必要ではないかといったところで、先ほど資料1でお示しをさせていただきました。
 廃棄物の最終処分場につきましては、点検マニュアルが策定されているので、活用いただくとともに、水害の視点での追記も検討していただきたいといったご意見をいただいております。
 続きまして、被災自治体の支援、そして、受援体制の構築ということでご意見をいただいております。平成28年熊本地震では、支援物資を関東・中部圏域から送り出したということで、後から考えると、近い九州圏内で問題なく調達できたということで、災害廃棄物についても、この資機材の供給能力に関するマップが必要ではないかというご意見をいただいております。また、支援者について、急に派遣された場合には、十分なインストラクションがなく、最初は手間取った事例もあるというご意見をいただいております。
 また、受援力不足が指摘されることも多いということですけれども、受援側では支援者に活躍してもらえる環境が整備されていたかというところで、受援の観点でのご指摘をいただいております。
 また、経験がなく得意ではない業務を行政が行い、さらに対応職員が不足するような状況はいろいろな分野で見られるということで、業者への外注ですとか、経験のある災害ボランティアへ依頼する事項など、仕事内容と実施主体の整理があるべきだということで、そういった役割分担があると、受援計画を策定する際にも、派遣された職員に対して依頼したい仕事を効率的に決められるのではないかといったご意見をいただいてございます。
 続きまして、地域ブロック行動計画の関係でご意見をいただいております。
 今回、長野県で、地域ブロック行動計画が発動したとお示ししておりましたけれども、こちらの関係で、処理期間が2年間となっているけれども、富山県と三重県の遠隔地に搬出していることにより、長期化しているのではないかというので、直近の近隣県で処理するなど、近距離の輸送で済むような体制を検討すべきだったのではないかといったご意見もいただいております。
 また、地域ブロックをまたぐ連携ということで、隣接ブロック、隣の県でブロックをまたぐ連携も検討するべきではないかといったご意見をいただいております。こちらにつきましては、地域間協調ワーキングの報告でも報告をいただきたいと思っております。
 続きまして、おめくりいただきまして、関係機関との連携でございますけれども、One NAGANOのスキームということで、支援が集中してしまうことで、他の被災自治体にどのような影響があったかといったご指摘ですとか、あと今回、関係省庁との連携が、さまざま進んできておりまして、農林水産省、国土交通省との連携スキームによって、災害廃棄物量はどうなるかといったところで、こちらにつきましては、補助金の対象になるので、災害廃棄物の発生量に含まれるということでございます。
 また、水害におきましては、大量に土砂が発生するということで、農地の土砂の扱いについてご指摘をいただいております。
 また、防衛省との連携マニュアルにつきましては、エッセンスということで先ほどご紹介をさせていただきました。
 続きまして、災害廃棄物処理計画の策定に関してご意見をいただいてございます。こちらは中小規模自治体につきましては、廃棄物担当が他の業務と兼務になっていて、人員不足であるということで現地確認もできず、対応が遅れると。こういった場合に、中小規模自治体で、どうやって処理計画を策定してもらうかといったところは考えていかなくてはならないということでご指摘をいただいております。
 処理計画の未策定率見通しは、先ほどご紹介をさせていただきました。
 また、水害の場合には、し尿が問題となることが多いということで、下水道BCPと、災害廃棄物処理計画の連携が重要であるというご指摘をいただいてございます。
 また、Good、Badの線引きが難しいということで、Good Practiceをより多く見せていったほうがいいのではないかといったご意見もいただいております。
 また、仮置場につきましては、選定の考え方ですとか、注意事項ですとか、望ましい仮置場も整理されておりますので、住民への広報手段とあわせて、整理をしてはどうかといったご意見をいただいております。
 続きまして、情報収集・集約・発信というところで、One NAGANOの取組につきまして、こういったGood Practiceの事例は、より積極的に全国に知らせるのがよいのではないかといったご意見ですとか、あと広報に関して、Bad Practice事例を整理して、広報戦略を検討するといったご意見もいただいております。
 また、災害時には、現場での情報共有が非常に重要になるということで、共有しながら相談できるシステムを構築できると、効率的な支援が可能になるのではないかといったご意見もいただいております。
 また、その他でまとめておりますけれども、冒頭、山本からもありましたけれども、8月の九州の大雨で、鉄工所から油の流出があったということで、農作物等が汚染されました。災害時の有害廃棄物の発生量推計等の検討が必要ということでございます。
 こちらにつきましては、紹介をさせていただきますと、島岡先生が座長の災害廃棄物発生量の推計精度向上のための検討会におきまして、有害物質が災害廃棄物と混合してしまうおそれにつきまして、南海トラフ地震を想定して、PRTR情報を活用したポテンシャルの整理を実施してございます。
 また、続いて、複数市町村・広域にわたる激甚災害の場合には、県が処理方針を策定し、各市町村に処理の方向性を示すことが、処理促進につながるというご意見ですとか、あと一般住民へのアプローチということで、先ほどのモデルの事業のようなところに入っていくべきではないかといったご指摘をいただいてございます。
 続きまして、2番目、今後の検討というところでございまして、こちらに先ほどいただいたご意見の対応も含めてまとめておりますので、紹介をさせていただきます。
 おめくりいただきまして、こちらは、まず機能した点と今後の展開ですけれども、主に赤字部分を紹介させていただきますと、防衛省・自衛隊との連携というところでは、このOne NAGANOのスキームを実現するためには、非常に多くの関係者のリソースが必要になりますので、今後、マニュアルを検討していく中でも検証していきますけれども、今後どのようなスキームが展開できるかといった検証を深めていきたいと思っております。
 また、行動計画の関係では、地理的な位置関係で隣接ブロックで処理することが効率的な場合に備えまして、地域ブロックをまたぐ広域連携方策について、関係者の役割ですとか、広域連携の手順等について整理を行いまして、横展開を図っていきたいと考えております。
 また、おめくりいただきまして、片づけごみ等の撤去でございますけれども、収集運搬体制の確保に関しては、多く意見をいただいてございましたけれども、まず、黒字のところも含めてですけれども、市区町村が、発災時の直営・委託の収集運搬車両の体制をきちんと把握した上で、平時から近隣自治体、廃棄物処理事業者、建設事業者等との支援協定を締結して、災害時に直ちに派遣支援を受けられるような体制を構築できるように支援していくことが重要だということと、あと支援側についても、まず先遣隊を派遣して、プッシュ型で支援ニーズをくみ上げることが重要であると考えてございます。
 また、赤字の部分ですけれども、今回の災害対応の検証を踏まえつつ、発災後の片づけごみの収集運搬の体制構築について、初動対応に資する手引きのほうで、拡充を図ってまいりたいと考えております。
 また、仮置場を設置せずにということで、路上堆積への対応ですね。こちらもご意見を多くいただいておりまして、片づけごみの排出量が多い場合には、戸別回収で対応し切れずに、路上堆積につながってしまう可能性が高いということで、お示しさせていただいたような、Good Practice、Bad Practiceを紹介して、きちんと平時から仮置場を検討することを促したいと考えております。また、戸別回収を実施する場合には、平時から収集運搬体制を検討しておくように、周知をするということで、お示しをしております。
 おめくりをいただきまして、仮置場の設置・管理・運営についてです。こちらにつきましては、まず、仮置場候補地の検討が必要であることですとか、あと管理人員の不足への対応についてご意見をいただいておりました。こちらもGood Practice、Bad Practiceの紹介ですとか、あと協定の締結を促進しまして人員確保に努めてまいりたいと考えてございます。  続きまして、おめくりいただきまして、広域処理を含む処理先の確保でございますけれども、まず、処理先の確保というところで、各県の産資協との連携が重要だというところですけれども、検討に当たっては、これまでにうまく連携できた事例を参照しつつ、検討してまいりたいと考えております。
 また、処理施設ですけれども、産業廃棄物の処理施設についても、処理可能量の精査を今後実施してまいりたいと考えております。
 また、都道府県域を超える広域処理の実施というところにつきましては、南海トラフ地震等を見込んだブロックをまたぐ広域処理体制について、地域間協調ワーキングにおいて検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 おめくりいただきまして、廃棄物処理施設の被災についてですけれども、まず稼働停止による対応につきましては、最終処分場も含めて、BCPの観点から点検マニュアル等を踏まえた検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、一番下のところで、し尿処理に関する浄化槽に係る連携というところにつきまして、こちらは下水道BCPとの連携が重要になってまいりますので、浄化槽との関係も含めて、関係機関と連携して検討してまいりたいと考えてございます。
 おめくりいただきまして、被災自治体支援体制の確保というところでございますけれども、まず被災経験のない中小規模自治体の支援といったところで、こちらにつきましては、初動対応の手引きをご紹介させていただきますけれども、また、自治体の災害廃棄処理経験者の人材バンクの整備に向けた検討も進めてまいりたいと考えております。
 また、多く意見をいただきました被災自治体側の受援体制の構築につきましても、内閣府防災と連携して、市町村の受援体制の整備強化を検討しておりますので、そちらを進めてまいりたいということと、あと受援計画を策定する際に、効率的に検討できるように、得意・不得意の分析を含めた関係者の業務の役割分担を検討していきたいと考えております。
 また、おめくりいただきまして、こちらが前回なかった項目として新たに立てておりますけれども、まず、D.Waste-Netの強化というところで、こちらにつきましては、D.Waste-Netメンバー間の連携強化というところで、今年度も分科会を開催しましたけれども、今後は、この収集運搬とか、広域処理といったテーマを立てて、分科会を実施することで、メンバー間の連携強化も実施して、支援体制の強化に努めてまいりたいと考えてございます。
 また、情報共有の円滑化というところで、現在、情報共有アプリの手配に向けた検討を進めておりますけれども、運用ルール等の検討を早急に進めてまいりたいと考えております。
 また、都道府県レベルでの支援体制の構築というところで、各県の団体とも連携しつつ、地域ブロック協議会レベルでの支援体制の構築も検討してまいりたいと考えてございます。
 また、その下、国際貢献ですけれども、アジア太平洋地域における災害廃棄物対策能力の向上というところで、インドネシアが今、かなり踏み込んだ検討を始めているというところでございますので、そういったところへの支援を実施するとともに、各国・地域での災害廃棄物対策の支援に関する災害廃棄物管理ガイドラインという国際ガイドラインの充実化を図ってまいりたいと考えております。
 また、我が国の知見の国際展開ということで、内閣府防災等の関係機関とも連携しつつ、被災国支援等を推進してまいりたいと考えております。
 また、おめくりいただきまして、関係機関との連携、そして、処理計画の策定・見直しというところでございますけれども、処理計画の関係では、初動対応の成否についてというところで、特に収集運搬体制の構築、そして仮置場の設置が非常に重要になってまいりますので、そこを中心にきちんと紹介をしていきたいということと、処理計画の実効性の向上のところでは、気候変動の適応の関係でもガイドラインをつくっておりますので、そういったものとも連携しつつ、災害廃棄物対策の実効性の向上を図ってまいりたいと考えております。
 あとおめくりいただきまして、情報収集・集約といったところで、情報共有アプリの手配ですとか、あとメディアに対する発信というところでは、地方環境事務所と連携して、地方紙に対しても情報発信を行うといった形で、幅広く情報発信を行っていきたいと考えてございます。
 また、最後、停電への対応というところでは、停電時の処理の継続ですとか、通信障害といったところもございますので、そういったところの対応について、検討を深めてまいりたいと思っております。
 説明は以上になりますが、あともう1点だけ、参考資料3に戻って開いていただければと思います。こちらが先ほどご紹介させていただいた資料の中に、取り組んでいるところなのですけれども、こちらが昨年で課題として挙げられていた事項、それについて、本年度何を実施したかというのを真ん中に整理しておりまして、一番右に今後取組むべき事項という形で、表形式でまとめております。こちらの今後取組むべき事項は、先ほどの資料3に集約はしておりますので、こちら参考資料ということでご覧いただければと思います。
 説明は以上になります。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。
 それでは、資料1から3まで、全体を通じて、ご質問、ご意見をお聞きしていきたいと思います。お聞きする前に、資料3の機能した点と課題というところで整理をいただいているわけですが、機能した点が項目としては5件、課題は39件、今数えたのですけれども、課題がべらぼうに多い数になっておりまして、今後、やはり課題のほうも、もう少し今後の対応を見据えた類型化や構造化をしていくという作業は必要になるのだろうと思います。ここまでのところで、大分努力をした点なのですが、そういうアンバランスが起こっておりますので、そこは念頭に置いて、ご意見を頂戴できればということで、冒頭、あえて発言をさせていただきます。
 それでは、どうぞ、ご質問、ご意見のある方、多分全員あるのだろうと思いますので、順番に、聞いていきましょうか。では、吉岡先生からどうぞ。

(吉岡委員)
 2点ございます。資料1のほうで、地方自治体の職員を中心とした人材バンクというところがありますが、これはD.Waste-Netと関係をどういう風に整理されているのかというのが、ちょっとよくわからないところがあるので、そこをご説明いただければと思います。
 また、この人材バンクで登録された人は、地方自治体のほうで推薦するということになっているのですが、その際に、その方のスキル、あるいはその方の実際に災害が起こったときに支援をする立場になったときの所属といいますか、そこのところで、出せる、出せないというのが出てきたりすることもあると思うので、その辺を今後どう整理されるのかというところを1点お聞きしたいということ。
 それと20年度の計画ができているか、できていないかというところで、処理がうまくいったか、いかないか、Badのほうに出ていることがあるのですけれども、この20年度の計画のクオリティといいますか、なぜBadになったのかというか、そこを少し整理できているのかどうかであります。計画があるにもかかわらず、たとえ20年と言えども、それなりの実効性は発揮できたのではないかなというのを期待しているところでありますけれども、そこがすべからくBadということにはならないだろうと思っているのですけれども、その辺がどうなっているのかをお聞きしたいと。また、それが今後、計画の作成を進めているところに、どういう風に反映できるのか、いま一度整理をしていただければと思っています。簡単に言えば、計画があるのにもかかわらず、なぜ、Badになったのかと。それをそうならないように、どう反映させていくのかというところ、ここをきちんと整理をしていただきたいという希望でありますけれど、その辺のことも含めてお聞きしたいということでございます。
 以上です。

(酒井座長)
 まず、ご意見を一通りお聞きしたいと思います。ほかにご意見のある方、おられますでしょうか。牧委員、お願いいたします。

(牧委員)
 2点です。1点目は、今回、非常に広域災害になったということで、簡単に言うと、環境省全庁の体制、人繰りとか、確か本部を立ち上げたとお伺いしていますし、他部局からも応援に来ていただいたとお伺いしていますので、環境省の体制、広域のところでどう人を回して、それがどううまくいったのか、そこのところの一つ検証が要るのかなというのが1点目です。
 2つ目は、退蔵品を使って実地訓練をするというのは、すばらしいと思います。その中で、ボランティアとの連携も訓練にあったらいいと思いますし、9月ぐらいになると、自治体で防災訓練がされるので、そういうところで、災害廃棄物の訓練をぜひやっていったらいいなと思うのと、自治体の災害廃棄物処理計画をいろいろ見させていただくのですが、ボランティアとの連携が書いていないところが多くて、そこのところはちゃんと書かないと、そこが分別する上での肝のような気がしますので、ぜひそういうところもと思います。以上です。

(酒井座長)
 ほかにありますでしょうか。
 大塚先生、お願いします。

(大塚委員)
 さっき冒頭におっしゃっていただいたこととも関係すると思うのですけれども、油の流出の問題について、油だけではなくて、もともとは有害物質をどこに貯蔵しているかということの情報をあらかじめ知っておくことが必要だという話は前からありますが、油までということになってくると、油は多分あちこちにあると思うので、大変だと思うのですけれども、今回、やはりその辺のどこに何があるのかということの情報をあらかじめ知っておく、自治体のほうでキャッチしておくことの重要性というのが、さらに認識されることになったのではないかと思いますけれど、さっき全部ちゃんと把握しているかわからないのですけれど、必ずしも出てきていなかったような気がするので、そこは1点気になりました。
 以上でございます。

(酒井座長)
 ほかにはいかがでしょうか。
 勝見先生。

(勝見委員)
 細かいことなのですけれども、資料3の16ページ目で、産業廃棄物処理業者の協会とも連携して、うまくされた事例もあるということで、大変いいと思うのですけれども、処理施設によっては、同じものを受け入れても、それぞれ施設の性能によって、受けられるもの、受けられないものという区別がありますので、ここでは処理可能量の情報を共有するということになっているのですけれども、この先には、どういう形で受け入れるかということも、当然だと思いますけれども、そういう情報も集めていただいたほうが、現場は混乱されないでいいのかなと思いました。

(酒井座長)
 ありがとうございます。
 大迫委員、どうぞ。

(大迫委員)
 何点かあるのですが、まずは全体的には、本当に丁寧に検証いただいて、整理いただいたと思っております。
 それで自治体にも、ぜひ検証していただくようなことを促していただくということが必要ではないかというのが1点目です。
 それから、浄化槽の被害状況のご説明があったのですが、この状況から読み取れることは、浄化槽は、下水道の集中型と比較して、やはり分散型は災害には強いという評価になるのかどうかというのは、担当の室ともいろいろとディスカッションしていただければと思います。
 それからもう一つ、吉岡先生からもあったのですが、この処理支援員の制度は、スペシャリストを確保していくということかなと思っていますが、今回、関東や中部でも、いろいろと広域ブロックの行動計画の発動による派遣がかなり大々的にやられて、そういった方々や、あるいは自治体毎の対口支援の中で支援される方々との役割分担をどうするのかということは、一度整理していただきたいということです。
 それから、最後、県のリーダーシップを発揮いただきたいということがありましたが、まさに本当にそうだと思っております。事務委託を受ける、受けないにかかわらず、やはりこういう広域甚大災害に関しては、処理方針を県が示していくということを位置づけていただくのもいいかなと思っていて、やはりそういったことが、各市町村の処理の方向性なり、認識を新たにできる良い機会になるので、処理方針をきちんと示していくということを含めたリーダーシップを期待したいというところであります。
 それから、県のほうも出先機関がある中で、情報収集をきちんと出先機関の機能を含めて位置づけていないところが多いので、そこをより強化してはどうかと。
 それから、あと情報のコミュニケーションに関しても、災害時のツールだけではなくて、今回のコロナの問題もそうですけれど、通常の廃棄物行政の中でも、日頃からウエブ会議で対応していくと、こういったときに、スムーズに、またコミュニケーションが図れるような、ちょっとした会議なども、すぐみんなが集まってやれるような、リモートでやれるようなこともあるので、そういうことも平時から進めていただくようなモデル事業なども考えていただくといいのではないかと思いました。以上です。

(酒井座長)
 ありがとうございます。
 大熊委員、どうぞ。

(大熊委員)
 ありがとうございます。質問は吉岡先生と同じように、20年の計画について、どんなことが書かれていて、どんなことが書かれていなかったために、そういう事態に陥ったのかと。おそらく仮置場の具体的な位置だとか、そういうところが記載されていなかったのかなとは思っているのですが、その辺の具体的なところの原因を教えていただければと思います。
 もう一つは意見でございますけれども、処理計画については、中小の市町村、これがほとんど作成されていない現実でありますので、ぜひ力を入れて、私どもも協力いたしますので、やっていきたいということと、ブロック毎の訓練を既にやられていると思うのですけれども、そこの中にも、中小の自治体の職員を呼んで、それで全体のブロックの中で、どういう風に対処できるのかという、ちょっと人数が多くなるのかもしれないのですが、ぜひそういったこともトライしていただければと思っております。
 以上です。

(酒井座長)
 ありがとうございます。
 安富委員、どうぞ。

(安富委員)
 情報発信という点と、もう一つあるのですけれど、21ページですかね。SNSとメディア対策というので、最近、大阪の勉強会で、Yahooからネットの実情というのを聞くと、旧来の新聞とかテレビ、例えば大手の新聞社とか、テレビ局の情報は、あまり若い子は見てないと。完全にGoogleとか、Yahooというのは、例えば、阪神淡路大震災となると、神戸新聞の何とかという風になって、旧来の情報の見方というのが随分変わっているのを聞いて、僕は古いメディアの出身なので、ちょっと驚いたのですけども、そこでポイントとなるのは、要するにネットで上に来る、上位に来るというのは、そのときのフレーズによって、随分違うのだそうですね。だから、例えば、災害廃棄物といっても、なかなか若い人たちは上げないですね。もっと簡単に言えば、災害ごみとか、ごみ、大変だ、みたいな、そういう風な発信の仕方も、SNSを見て考える時代にならないと、やはり今まで僕も新聞とか、テレビというのをやったり、地方紙ということもありましたけれども、そういうのも大事かなと思ったけれど、今、若い子というのは、ほとんどスマホで、若い子だけではなくて、一般の人はそうなので、そういうところというのは、やはりちょっと考えたほうがいいかなと思いました。
 もう一つは、これは旧来から言っていることですけれども、地域間協調ワーキンググループの中で、地方の方が来ていて、災害廃棄物処理の実情を聞くと、災害対策本部の中で、きちんとした役割を与えられていない。ひどい場合は、廃棄物処理の担当者が、災害対策本部に出席していないということが、まだ現状として、朝倉の方もおっしゃっていたし、そういうことを考えると、そこに環境省が主導で、もう少し頑張って、ごみの問題が大きいので、必ず災害対策本部の中には入ってくださいということを、もっとこれは上から言ってあげるべきだと思います。以上です。

(酒井座長)
 中林委員、お願いします。

(中林委員)
 2つです。先ほど、牧委員から環境省の検証という話がありましたが、同時に、環境省、農林水産省、国土交通省、この3省が連携しないといけないような事態が、ここ数年起きているわけですよね。言ってみれば、ワンチームジャパンがつくれるかどうかということも含めて、3省の連携のあり方についても、今回の19号ですが、その前も含めてかもしれませんけれども、きちんと総括をしておくということは必要なのではないかなと。次の巨大災害だと、必須の要件になるのではないかなと、3省連携というのが。そういうふうに思っているというのが1点です。
 それから、もう一つは、平成20年につくりましたというところなのですが、資料2のグラフで、この一番最初が平成25年ですから、当時でいうと優等生で、先頭切ってつくりましたというようなことだと思うのですが、その後の活用がなかったという、多分被災していなかったということと、それから11年経つと、多分担当者は全部入れ変わっているわけですので、継承自体が、大体計画があることの意味すら、意味というか、計画の存在すら、ひょっとしたら継承されていなかったのではないかなというようなことも思います。
 資料1の1ページに、災害廃棄物の量が出ていますけれども、その中で平成20年のときにあったのは、阪神と中越だけなのです。ということは、最近のGood Practiceも、Bad Practiceも含めて、全然その反映されていないという意味では、いわば、今、50何%までいったわけですけれども、28年以前のものというのは、例えば、もう改定しないといけませんよということをかなり強く、指導して、改定の場合にまさにGood Practiceが役に立つでしょうし、未策定に対してはやっぱりBad Practiceでこんなになっちゃうぞという若干おどしかもしれませんが、そういう展開の仕方というのが必要なのかなと思いました。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。
 島岡委員、どうぞ。

(島岡委員)
 中林先生のご意見と少し関連しますけども、台風15号・19号、特に顕著になりましたけれども、関連機関との連携ということでございます。つまり農林水産省、国土交通省、並びに地方自治体の各局と連携されたということで、私がいつも気になっているのは、環境省の補助金による災害廃棄物の発生量、フロー処理、実態を伺っています。それから最近では特例措置として一般廃棄物、災害廃棄物も産業廃棄物で処理ができるような仕組みもでき上がりつつあります。
 そういう意味で、農林水産省、それから国土交通省の管轄で処理された災害に伴う廃棄物の実態というものを明らかにすることが重要なのかなと。つまり、災害廃棄物も他省庁が処理される災害に伴う廃棄物も、行き先は多分に同じになってきますので、リサイクル施設や中間処理施設、焼却、最終処分場というのは行き先が同じになっていますので、他省庁の処理がどうなっているのかということも把握しておくことが早急に求められているんじゃないかなと思います。
 それから、災害廃棄処理施設の被災というのがありましたけども、最終処分場の被害実態があまり出ていないのかなと。施設としては中間処理施設に比べて、焼却施設等に比べて単純ですので、打たれ強いところはあるんですけども、最終処分場の設計というのは、例えば浸出水処理施設ですと、30年降水確率の設計でされていますので、今回の大雨のときはおそらく処理できずに、推測にしか聞こえませんけども、もう放流しちゃっただとか、それから内部処理をかけて堰堤を水が溢流しかけたとか、そういう処分場そのものが崩壊したり、壊れるということはなかったんでしょうけども、運営上さまざまな支障があったんじゃないかなと。それが現在も続いているんじゃないかなと、こう思うわけです。
 ということで、もう少し細かく最終処分場の被害実態と現状を把握、また知らしめていただければなと思います。以上です。

(酒井座長)
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの質問、ご意見、順番に取り上げて、事務局でご回答いただきたいと思いますが、質問でなかった点で、1つは進捗率なんですけれども、災害廃棄物の進捗率、過去の事例と比べて今の進捗率の数字はどのように見ればいいのかというところ。総括的で結構ですので、紹介いただければと思います。
 それから、解体の進捗率の母数を、申請棟数を母数にした進捗率で示されているのですけれども、これが想定の解体棟数と比べて今どんな立ち位置にあるのかというところは、今後考える上で紹介をしておいていただいたほうがいいかなと思います。
 それと、人材バンクですけれども、この制度を運営する主体はどこがどう今後マネージをされるのかということの方針についてご紹介をしておいてください。
 それからもう1点、大塚先生から有害物質の指摘があったのですけれども、先ほど南海トラフを想定してPRTR情報に基づくポテンシャル推定を行った、そのこと自身は非常に結構なことだと思いますが、今どういう知見が得られていて、何をしなければならないのかということを、どう認識されているのかということの説明をお願いいたします。
 それでは、お願いします。

(鈴木災害廃棄物対策室主査)
 それでは人材バンクからお答えをさせていただきます。
 まず吉岡先生からいただきました人材バンクとD.Waste-Netの関係性ということでご質問をいただいております。こちらD.Waste-Net単体というよりは、環境省の現地支援チームと一緒に活動することが多いかと思いますけれども、人材バンクのほうは地方公共団体の職員を対象にしているということで、やはりより現場に近い、例えば廃棄物部局であれば意思決定をされる幹部級のところにサポートに入る、または仮置場の運営をやっている所属課へサポートに入るといったところで、環境省現地支援チームのほうがいわゆる包括的といいますか、割と単体で支援をできることが少ないということもございますので、地方公共団体職員が現地に入る、現場に近いといったところで役割を考えているところでございます。
 あと登録ですけれども、推薦ということで、単純に推薦をしていただくだけではなくて、やはりそのときにどういった経験をされてきたのかですとか、どういった災害廃棄物処理事業をやってこられたのかといったところを同じく登録、様式のほうでお聞きするような形で考えているところでございます。
 それから大迫先生のほうからもいただきました、ほかの支援のスキームとして、例えば広域ブロックで考えている支援のスキーム等もございますけれども、やはりこの支援員制度は単体で動くというものではなくて、各自治体がつくっておられる災害廃棄物処理計画、それから地域ブロック協議会で定めている行動計画等もございますので、そことの連携を図りながら進めていくものだと捉えているところでございます。
 運用のほうは、これから推薦をいただいて、リスト化していくということもございますので、試験運用の中でいろんな運用面の課題等も洗い出しながら進めていきたいと考えてございます。
 あともう1点、酒井先生のほうからいただきました運営主体ということで、基本的には全国を対象にしているということもございまして、リストをつくる、そういったもろもろの主体については環境省が所管をするつもりでおります。人材バンクについては以上でございます。

(福永災害廃棄物対策室主査)
 続きまして、全体的にいただいたご意見について回答を申し上げます。
 まず吉岡先生からいただいたところで、処理計画策定済みだったけれどもうまくいかなかったというところで、大熊委員からもご指摘いただいておりましたけれども、やはり仮置場の選定が十分ではなかったというところと、収集運搬体制が事前にきちんと検討できていないといったところが今回の課題となってございます。
 策定率が上がってきているという状況でございますので、今後この処理計画の中身の実効性を高めるといったところに移っていかなければならないということで、おそらく批評等も検討していかなければいけないと思いますけれども、フェーズをそちらのほうに移すといった検討も始めなければいけないと認識をしてございます。
 あと牧委員からいただいたご意見としまして、環境省の人繰りの関係とか、今回の台風第15号・19号関係は環境省、本省もそうですし、地方事務所もそうですし、各自治体もそうですし、それぞれさまざまな観点での課題がありますので、これからおそらく記録誌で検証をしていくのですけれども、その中にそれぞれの階層での課題と、あとどういったことがあったか、どうしたらよかったかといったことを検討していきたいと思いますので、普段は自治体寄りな記録誌なのですけれども、本省はどうだったか、地方環境事務所はどうだったかといったところも踏み込んで検証できたらなと考えております。
 またボランティアの関係も非常におっしゃるとおり重要でして、環境省本省のほうではボランティア関係団体とやりとりしていますけれども、そこでの重要性といったものは処理計画にも入れていくようにといったところは地方環境事務所を通じて自治体にも周知していきたいと思いますし、近畿事務所の事例でボランティア関係も組み込めないかというような調整をしていきたいと思っております。
 また大塚先生と酒井先生からご指摘いただきました有害物質関係ですけれども、こちらはPRTR情報で、保管量は把握できないということなので、移動量等から、津波浸水域エリアの工場でどれくらい、化管法で把握できる物質に限ってなんですけれども、どれくらい量があるかを把握しまして、そこで災害廃棄物がどれくらい発生するかというのをマッピング化する作業を行っております。この地域においてはどれくらいの有害物質が発生しそうで、どれくらいの廃棄物量が発生しそうかというのが分かると、津波で浸水したときに、それが混合状態になるおそれがあるということで、そのポテンシャルを把握するマッピング化を行っております。
 一方、災害廃棄物分野だけではそこで止まってしまうところがありますので、省内の保健部ですとか、水・大気局等と情報共有しつつ、今後自治体に対してどういった対策をとるか、そして事業者に対してどういった対応をとるかといったところは検討を深めてまいりたいと考えてございます。
 また勝見委員からいただいたご意見につきまして、産廃業者の処理可能量を調査するというところですけれども、おっしゃるとおり、品目ごとに分けないと、焼却量でこれだけ空いていますといったところだけ調査しても実効性はありませんので、そこを細かく品目を分けた形での調査を行いたいと考えてございます。
 また大迫委員からご意見をいただきましたところで、先ほど人材育成関係はお伝えましたので、県のリーダーシップというところで、今回も各県で処理の実行計画を示して、県内各自治体の処理方針を示しているというところがありますので、やはり県はそういうところをちゃんとリーダーシップをとってまとめていかなきゃいけないんだよという認識を持っていただいた上で、環境省としては県がどうしても動けないときにサポートするといった形で被災自治体の支援をしていきたいと考えております。
 また出先機関の情報収集といったところも、我々が情報系アプリ等をやっていますけれども、それをもし展開できるようなことがあれば、共有をしていきたいということでございます。
 ウエブ会議も、まさに今、コロナ対応でさまざまなところで実施しておりますけれども、そういったものも災害廃棄物関係の災害時だけではなくて、平時も展開できたらよいなと考えてございます。
 大熊委員からいただいたところで、処理計画の話は先ほどご説明をさせていただきまして、ブロック協議会は基本的に都道府県と政令市レベルが入っている協議会でございますけれども、こちらもやはり中小規模自治体が検討していくことが重要だということでございますので、まず一部の事務所になるかもしれないですけれども、来年度分科会といった形で中小規模自治体を入れないかという話は事務所としている最中ですので、中小規模自治体のフォローも行ってまいりたいと考えてございます。
 また安富委員からご意見をいただきました情報発信のところです。まさに若者はワードをフレーズ的にヒットする、ヒットしないというので、ボランティアにアンケートしたときに災害廃棄物というワードが平時は知らないという方もいらっしゃったりするので、SNSの情報をサーチできるようなシステムもありますので、そこで何がよく使われているかといったところを例えばTwitter、Facebookとかで調べて、それを戦略的に使うといったところも検討してまいりたいと考えてございます。
 あと対策本部のところで、ここはやはり内閣府防災が非常に重要に関係してまいります。今、受援体制の関係では内閣府防災とも連携をしておりまして、その中で災害廃棄物対策が大きく位置づけられそうですので、そちらの観点から内閣府防災にもアタックをしていきたいと思っております。
 また中林委員からご意見をいただいたところで、農林水産省、国土交通省との連携というところで、関係省庁との連携は非常に重要になってきていまして、かなり手は広がっているところではあるのですが、今後それをうまく継続していくというところと、より自治体が使いやすいものにしていくというところは課題があるかと思いますので、特に農林水産省、国土交通省ですと補助金に関係するところかと思いますけれども、そこら辺は関係省庁との話し合いも進めつつ検討していきたいなと考えてございます。
 あと処理計画関係、継承ですね、そこの観点は非常に重要かと思いますので、つくったものをきちんと自治体の後任に引き継いでいただくこともやっていただきたいと思っております。
 あと、島岡委員からご指摘いただいたところで、関係機関との連携に加えて、災害廃棄物にはならない産業廃棄物といったところですけれども、こちらがボリュームをどれくらい確認できるかというのはあるのですけれども、農水省、国交省でも道路啓開ですとか、農地復旧の関係では産業廃棄物として処理しているかと思いますので、そちらのほうは関係省庁にもヒアリングをしてみたいと思っております。
 あと最終処分場の関係では、一昨年になるんですけれども、台風21号で近畿が被災したときに、台風21号の前ですか、フェニックスが被害を受けたということがありまして、近畿事務所のほうで今年度と来年度にフェニックスのBCP関係を検討しておりますので、最終処分場という観点ではそちらの検討状況も横展開をしていきたいと考えてございます。
 また酒井先生からご指摘いただきました、災害廃棄物処理の全体の進捗率というところで、お示ししたのが12月末時点ということで、まだ発災後からそれほど経っていないので、なかなか全体を総括するのは難しいという状況ではありますけれども、処理先は徐々に見つかりつつありまして、初動の混乱は脱してきている状況ですので、今後の課題としましては、ご指摘もいただきました損壊家屋の解体を円滑に進めていくことが重要と考えております。
 この中でお示ししているのは、想定解体棟数と申請棟数というところで、まだ想定解体棟数、を母数にとるのが本来は良いとは思うのですけれども、申請もまだ十分に出てきていない状況ですので、今回は申請棟数と解体済棟数からの進捗をお示しさせていただきました。
 以上になります。

(酒井座長)
 ありがとうございます。
 大迫委員から浄化槽の機能論的な質問がございましたけれども。

(名倉廃棄物適正処理推進課長)
 浄化槽関係ですね、おそらく今回は電気系統とか、ほかのところと一緒に崩れたとかというのはあるかと思いますけれども、下水道との比較というと、今回水害なので、なかなか評価が難しいところかなと。震災になりますと管路で結ばれている下水道はより不利、短い浄化槽のほうが有利だということになりますけれども、水害の場合は必ずしもそうとも言えず、あとは数の勝負になるので、何分の何とかということになりますと、何とも言いにくくなるかなというところはありますけれども、いずれにしても関係部署とも相談をしていきまして、今後どういうことができるかというのは、あわせて考えていきたいと思っております。
 浄化槽の場合、停電の場合も、例えば電気が来なくても流せばとりあえず嫌気槽があって、好気槽ということなので、嫌気槽での第一弾の酸化等はできることにはなっていると思っております。あとは殺菌できていると思いますので、とりあえず電気が来なくて動かなくてもある程度の水処理はできているということではあろうと思います。
 ただ逆に言うと、下水道は大規模なので電源車とかの手配で電気が早く復旧する可能性はあるかなと思いますけれども、そういうところはちょっと個別、個別で電気とかの事情によって評価は変わってくるかと思います。

(酒井座長)
 一通りご意見を頂戴して、事務局の考え方を聞かせていただきましたが、この1ラウンドお聞きいただいて追加でご意見がある委員の方、おられたらお受けしたいと思います。
 大迫委員、どうぞ。

(大迫委員)
 時間も押して恐縮ですが、人材バンクの件で推薦いただく範囲のことですけど、基本的には現役の方だと思うのですが、例えば60歳で退職されて外郭団体に行かれたりとか、いろいろとOB的な方、完全なOBというわけじゃないんでしょうけど、少し関わって仕事をされているような方まで広げると、より経験者も集まるのではないかということで、そういった方を例えば市、町、県が委嘱するという形で、範囲に入れていくことも検討していただくと良いのではないかと思いました。以上です。

(鈴木災害廃棄物対策室主査)
 ありがとうございます。今回検討する中でOBの方々をどうするかというのは当然議論に上がったのですが、やはりバックボーンといいますか、組織として送り出していただくということになりますと、地方公共団体から一旦離れてしまった方々を送り出すのはちょっとまだハードルがあるだろうということで、まずは地方公共団体に所属している方、それから地方公共団体の中でも1回定年をされて再任用という形で関わっていらっしゃる方もいらっしゃいますので、そういった方々は当然この人材バンクのリストの中に入ってくるとは想定してございます。

(酒井座長)
 じゃあ、よろしいですか。
 浅井委員、どうぞ。

(浅利委員)
 先ほどご発言があった内容と絡む部分だけ数点だけと思いますが、ちょうど昨日、近畿地方事務所で近畿ブロック協議会がございまして、今日お話のあったモデル事業の件等も議論させていただきました。一つ、先ほど産廃業者との処理可能量のやりとりということで、今年度近畿事務所のほうからも各府県にお願いして、業者への聞き取りをしてもらったんですけれども、回収率が3割くらい、かつ、すぐさまご協力をいただけるという回答はやっぱりなかなか少ないというような状況で、途中取り持っていただいた協会ともお話をしていましても、なかなか意義とか実態とか、実際どういうことをするのかというところが、まだまだ伝わっていないという状況が見えてきましたので、そこをしっかり各業界にも改めて働きかける必要があるなということを感じたというのが1点です。
 地方環境事務所、地域ブロック協議会を運営する中で、環境省の地方での動きという意味でもステータスが確立されてきているなというのはすごく感じておりまして、特に今回も住民啓発モデル事業ということで、地元の声も受けながら、いろんな提案が出てきていますので、ここはしっかり大切にしていっていただけたらありがたいなということを感じているところですので、密にやりとりをしていただきたいと思います。
 先ほど中小規模の自治体のお話もありましたが、近畿でも政令指定都市に限らず、小規模の自治体も幾つか声をかけて入っていただいたりしていますので、そういう事例はあるということで、そこをうまくいかに水平展開していくかというところをお願いしたいと思います。
 それから、住民啓発モデル事業の関連でいきますと、ここにはちょっと記載がないのですけれども、平時から有害危険物、特に最近リチウムイオンであったり、スプレー缶、カセットボンベの事故も増えているということで、これをあわせて防災というところの括りでも啓発事業をしていけないかという話も出ておりますので、ぜひその辺りも認識いただけたらなと思います。
 それから最後に、先ほど言いそびれた部分でいきますと、自衛隊、防衛省との連携マニュアルはすごく期待はしているのですけれども、ぜひここでボランティアとの、役割分担というとちょっと怒られそうなのですけれども、適材適所でうまく進めていく方法をこの機会にぜひ考えていければなと感じております。私自身も今回長野でボランティアとしても入らせていただいたのですが、やっぱり地域内の進度の違いであったり、ボランティアが余っているところと全然進んでいないところの差をすごく感じまして、タイムラインに沿って大体作業も見えてきているように思うのですけれども、地域内の進度の平準化に少し寄与できるような連携のあり方もあるのかなという、それぞれ目的が違うので、そこのところ、方向性をいかに合わせながらやっていくのかという課題に、ぜひ着手していただきたいなと思っていますし、貢献できればと思っています。

(福永災害廃棄物対策室主査)
 まず産廃施設の関係です。近畿事務所がそういうふうに聞いておりましたので、今回全国区でやっていくとなると、また更に課題が出てくるかなと思いますので、産廃業界団体ともきちんと連携して、その後近畿からきちんと情報を得つつやっていきたいなと思っております。
 また最後にありました自衛隊との連携のマニュアルですけれども、災害時のボランティアを所管している内閣府防災とも意見照会をしつつやっていきたいと思いますので、ボランティア関係もきちんと入れ込んでいきたいと思っております。
 以上でございます。

(酒井座長)
 産業廃棄物処理事業者の能力という話がございましたけれども、今日おそらく目黒委員が出席されていれば人材も重要であるが資機材の重要性を多分訴えられたのだと思うのです。そのときに今の話が関係するわけですけれども、産業廃棄物処理施設の重要性に加えて、やはり一般廃棄物としての対応という観点もこれは忘れてはいけませんので、再度一般廃棄物処理施設としての資機材というところはしっかりとテイクノートするようにしてもらえませんか。
 どうもやっぱり産資協の話に、どんどん流れているような印象を持ちますので、バランスが極めて大事な話だと思いますので、そこはよろしくお願いいたします。
 それでは、ここまでの資料1から3のところはよろしいでしょうか。
 ではあと、残りの時間、それぞれのワーキンググループの検討につきまして、それぞれのワーキンググループの座長からご説明をいただきたいと思います。それぞれ説明10分程度いただきまして、それに質疑を5分程度ということで、残りの時間を使わせていただきたいと思います。
 それでは、まず技術・システム検討ワーキンググループ、牧先生に座長を務めていただいていますので、よろしくお願いいたします。

(牧委員)
 それでは手短にご説明させていただきます。1ページをご覧ください。
 今年度は東日本、それから阪神の3年という期間で南海トラフ地震の災害廃棄物処理をする場合に、どういった対応が求められるのかということについて、四国ブロックでより現実的な状況を踏まえて検討いたしました。それで現実的な状況というのはどういうことかというと、1つは処理施設が被害を受けるということを踏まえる。それから、あと時間的発生量の推移ということで、解体は順番に進んでいきますので、初めにどんと全部を入れるわけではなくて、順次増えていくということ。それからあと産廃施設の利用。それから仮設焼却炉、それから広域処理といったことも全部踏まえて、より現実的なシミュレーションをやってみたということでございます。
 次のページをご覧ください。これは今年度のフローですので、見ていただいたらと思います。具体的に今年度やる上で一つ新たに検討したのは、津波浸水域内と浸水域外ですね。要するに熊本地震のように揺れだけで壊れているところと、濡れているところをしっかりと分けて検討しようということで、今までは一緒にしていたのですがそれを分けました。あまり時間もございませんので、詳しくはお話をいたしませんけれども、分けたことによって、一部損壊から出てくる片づけごみ量をしっかりと把握しようということで行いました。
 原単位はそこに書いてございますので、ご覧いただいたらと思いますが、ただ、誤解があるといけませんので1点だけご説明しますと、一番上の原単位の津波廃棄物・解体廃棄物117t/棟ですが、これは1棟から出るということではなくて、公物、要するに道路等も含めて、こういう計算をするという、そういう数字だとご覧をいただいたほうがいいかなと思います。
 それで次に、被災リスクということで、これが先ほどお話しいたしました被災をどういう風に考えているのかということでございますが、震度6強以上になると被害が出るということで、詳細は見ていただいたらと思います。
 あと停電可能性は、これは内閣府のほうで県単位の停電リスクが出ておりますので、そのデータを使って検討をしているということでございます。
 それから次に、発生量と処理量をどうやって計算をしたのかということですが、まずここで重要なのは、これ四国だけでございますが、7,000万トンの災害廃棄物が出るという、非常にショッキングなデータということでございます。
 それに対して、処理可能量ですが、震度6強のところは被災してますので、1.5カ月程度は動かないということも考えられますので、ちょうど1.5カ月程度は焼却処理に問題が出るという可能性があるということが、もう一つ課題となります。
 その次の6ページをご覧ください。まずは生活ごみ・避難所ごみから処理をして、その後、解体のものを処理していくという段取りで進めていくわけですが、下のグラフを見ていただきますと、被災の影響により通常の生活廃棄物が処理できないということで、紫の線がずっと上に上がっていっておりますが、これは何かというと、先ほど申し上げました施設復旧までは、全ての生活ごみ、それから避難所ごみ、一般のごみが処理できないので、溜まっていくと。それが復旧した上で処理をしていくということで、2カ月、まずは災害廃棄物ではないごみの処理で全て使ってしまうということが一つございます。ですので、2カ月間は災害廃棄物の処理はできないというのが一つ目の前提でございます。  それから次、7ページ目をご覧ください。それではどういう形で処理をしていこうかということになりますが、まずは先ほどこれはお話ししたところですが、産業廃棄物施設は使いますと。それから使うのはいつからかということですが、産廃施設も被災をしておりますので、1.5カ月後から使いますと。
 それから広域処理は発災から1カ月後から始めますということと、それから仮設焼却施設ですが、東日本と同量を四国だけで置くという、そういうシミュレーションでいきましょうということになりまして、8ページ目からが結果ですので、これについて詳しくご説明をします。今のはシミュレーションの前提でございます。
 これは一般の可燃ごみ、生活ごみ・避難所ごみ、片づけごみですが、先ほど申し上げましたように1カ月半は止まっておりますので、どんどんと増えていって、それから広域処理を開始して、それからあと一般廃棄物が動き始めますので、ずっといって、7カ月で片づけごみが終了するということになります。
 その次を見ていただきたいのですが、このグラフの読み方が若干難しくて、一番上の5と書いてあるこのラインが津波廃棄物の残存量です。ずっと落ちていきます。それから解体廃棄物もずっと落ちていきますが、この36のところに合わせています。申し上げているのは3年でやるということですので、36カ月でやるということで、お尻は合わせています。ですので、36カ月で終わるためには、まずは解体廃棄物4番のラインです。小豆のような色ですが、36カ月で終わるためには、このペースで公費解体を進めていかないといけないという、そういうことです。
 それから一番上の津波廃棄物については、これで終わるためにはこのペースで破砕処理をしていかないと終わらないという、そういうことで、お尻を合わせていますので、実質この角度ですね、津波廃棄物、解体廃棄物が実績から求めたものではなくて、36カ月でやるためにはどのくらいこういうことをやらないといけないのかという計算をしたとご理解いただければと思います。
 10ページは同じです。そうすると、おそろしいことになりまして、まず広域処理ですが、62万トンということで、1日当たり可燃物0.5トン、不燃物1.9万トン/日、これは東日本の船で運んだということにすると、船の量でいうと一日3,000t積みで8、9隻ですけど、当然積みおろしの時間は入っておりませんので、毎日8、9隻の船をどこかに着けて、それを運んでいくというのが、今回3年でやる上での前提ということになります。
 家屋の解体必要班数ですが、先ほどの3年のペースでおさめようとすると、1日2,779班で、熊本地震が840班ということですので、これは何度も申しますが、四国だけです。それからあと破砕処理ですが、61基ということで、東日本が22基ですので、3倍と。何度も申し上げますが、これは四国ということで、先ほど申し上げました被害を踏まえて、現実的な検討をしたわけですけども、実際、処理期間をどう考えていったらいいのかということについては、やはり考える必要がございますし、先ほどから広域処理と一言で申し上げておりますが、どこに持っていくのかというのは考えてなくて、とりあえず外に出すということですので、どこで処理をするのかということとか、今年度、四国でやったことを全国単位で分析をして、本当に3年でやろうとすると、どういうことになるのかということについて検討することと、あとは先ほど申し上げました産廃処理施設ですが、今回ほぼセメント工場を使っていますので、それだけでいいのかということと、それからあと解体です、これは目黒先生のお話とも絡むものかもしれませんが、2,779班はなかなか大変そうですので、あと広域輸送についての検討をしていかないといけないと。
 最後はあと火山も検討いたしましたが、火山については内閣府で検討しておりますので、それのモニタリングを踏まえつつ検討していきたいということでございます。
 以上です。

(酒井座長)
 ありがとうございました。
 それでは、どうぞご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。よろしいですか。
 本当、四国だけで衝撃的な数字ですよね、これは。そういう意味では、時間軸もちょっと変数で1回来年考えてみようかという、そういう方針ですね。

(牧委員)
 そうですね。これは最後36か月でやっていますので、9ページ等のカーブが東日本の実働とかで動かしてみると、じゃあどれくらいかかるのかとか、そういった検討が必要かなと。

(酒井座長)
 最後の最終処分量も気になるところですが、そこはまた聞かせていただければと思います。
 それから、最後にご紹介があった火山噴火の件、技術・システム検討ワーキングで受けていただいて、検討を進めていただけることには、まず感謝申し上げたいと思います。その中で火山噴火時の廃棄物処理に係る特異な事項ということで、一文入っているのですけれども、これは具体的にどんな特異な事情があって、あるいはどう対処するのかということに対して何か今のところ知見はあるのでしょうか。

(牧委員)
 事務局でお願いします。

(福永災害廃棄物対策室主査)
 火山の関係ですけれども、検討する中でワーキングにご意見いただいている中でありましたのが、まず避難ができなくて自宅で待機している家庭からごみが出てくる話ですとか、やはり収集運搬関係です。こちらにつきましては、噴火から数日間程度は緊急輸送道路も含めて通行不能になるということで、じゃあその収集運搬車両体制はどうするのかというところで、あと道路啓開の話も火山灰が置かれてしまいますので、それを撤去するのにどうしたらいいかといったところもご指摘としてはあります。
 また火山灰が混合化してしまった廃棄物です。その性状によっては変わってきますけれども、それをどうやって処理するかといったところは今まで知見がございませんので、そういったところも課題ということでご意見をいただいてございます。

(酒井座長)
 その辺の具体的なところを共有はしていただくようにしていただければ、次何を考えなきゃいけないのかイメージが湧くと思いますので、少なくともそこは頭出ししてください。
 よろしいでしょうか。
 牧先生、どうもありがとうございました。
 引き続きまして、地域間協調ワーキンググループ、浅利委員、お願いいたします。

(浅利委員)
 それでは資料5で地域間協調ワーキンググループの検討ということでご紹介したいと思います。
 1スライド目は目的、それから委員構成ということで、2スライド目に今年度の検討事項ということで、3つの検討内容をお示ししております。かなり異なる検討内容となっておりますので、簡単にご紹介いたしますと、まず検討事項1で、先ほどの牧先生の検討と並行するような形で、特にソフト面を中心として、地域ブロックをまたいで、どういう風に広域連携していくかという検討を行いました。
 それから検討事項2は、先ほど住民啓発等々のお話もございましたが、その前提となるような災害時の情報発信のあり方に係る検討。それから検討事項3は、これらの知見を国際的にも活かしていこうということで、国際支援に係る検討という、この3つの柱で進めております。
 次にいきまして、3スライド目が検討事項1の地域ブロックをまたぐ広域連携方策と派遣計画の対象ということで、災害の種類、昨今、同時多発的に広範囲で発生する災害が毎年のように起こっておりますので、ここにも適用できないとだめだろうということで、この大きな範囲の災害と、それから牧先生に呼応する形で南海トラフ地震、この2つを大きく対象としておりまして、その中でも特に赤で囲っております同時多発的に広範囲で発生する災害においては、職員派遣から処理までハード面も含めた広域連携の方策のあり方を検討いたしました。  それから南海トラフのほうはまだ考え始めたところではございますが、特に災害初動時を中心として、職員派遣や収集運搬車両の派遣といった派遣計画に関わる検討を行っています。
 4ページ目は今の説明と若干かぶるのですが、まず定義的な部分で地域ブロックをまたぐ広域連携とはどういうものか、それから対象とする災害ということで、先ほどお示しした2つの視点から考えておりますけれども、特に被害状況から判断して、環境本省が動くことが必要というようなものを対象としているというところの説明をしています。
 次、5スライド目のほうで、検討事項1の検討内容です。大きくは主にソフト的な部分の事務支援で、中身としては、技術的な助言支援、それから下半分になりますけれども、収集運搬の支援、処理支援、それから倒壊家屋等の撤去支援、この辺りのマネジメントも含む支援を、この中の広域連携の内容として検討しております。
 それから次にいきまして、6スライド目が関係者の役割、広域連携の手順ということで、昨今の支援状況も踏まえまして、動きを整理してみたというのが6スライド目の図になっております。上のほうで見ていただいても結構ですし、下のほうで見ていただいても結構ですが、左のほうが被災するほうです。つまり、支援を受ける受援側の図になっておりまして、右のほうが被災していない支援する側という形になっております。オレンジ色が被災した地域の環境事務所、それから右の緑のほうが環境本省と、そしてそれを支える形で一緒に、ともに動く形の、支援する、被災をしていない地方環境事務所という、この国を中心とした動きの整理をしております。
 それから左の受援者側のほうから見ていただくとわかりやすいかと思いますが、まず被災した地域の地方環境事務所が①被災した市区町村の支援ニーズを把握するという、この①から⑧の順番に流れていく形になるのですが、まずは被災地域内をよく知っている地方環境事務所が市町村にどんなニーズがあるかということを把握すると。それを受けて②ということで地域ブロックをまたぐ広域連携を要請していく。次、環境本省が要請を受けまして、③ということで支援自治体、民間事業者に支援できるかどうかの照会・調整を行い、④ということで、その結果を被災した地域の環境事務所に伝達をすると同時に、ほかの所管する地方環境事務所と情報共有を行う。そこで各者のやりとりを行いまして、次、支援側のほうに戻りまして、その結果を被災地方環境事務所を通じて都道府県に伝達し、そこから各自治体に伝達事項が流れていくという、このような形で調整をしていきましょうということになっています。
 若干時間が経つかもしれませんが、その後、⑦ということで広域処理に係る助言も行い、それを受けて今度は支援に入ってきた被災地域外からの地方環境事務所の方々とともに関係者と密に連絡をして被災ブロックの支援を行っていくという、実態も踏まえてこのような手順で進められるのではないかという交通整理を行ったというのが、この6枚目のスライドになっております。
 それから次のスライドが、特に南海トラフ地震を想定した災害廃棄物の処理のタイムラインということで、特に政府全体の動きも念頭に置きながら、どういう動きをとっていくことになるかということを整理しております。
 この左の下のほうに赤で政府全体の動きに合わせて人員派遣等は原則72時間以降としておりますのは、72時間以内は基本的に人命救助優先ということで、基本的にそこに配慮して、当然足を引っ張らないような形で。ですが、初日から災害廃棄物に関する動きも出てくるということで、この右の点線以降、上に書かせていただいておりますとおり、環境省としても政府全体の動きは横で眺めながらも、支援に向けた各種調整は72時間待たずして先行して実施するという、そのような整理になっております。
 そうして見ていただきますと、初日から各種災害廃棄物への対応が必要になる。そして2日目から具体的な周知だとか、動きも必要になってくるという、このような整理を行っております。もし大きな、重要な点で抜けている点等がございましたら、ご指摘いただければと思います。
 8スライド目にいきまして、これは先ほどの牧先生のお話とも関連する部分になるかと思いますが、南海トラフが起こったときに、まずブロック単位でどういう被害かをポンチ絵で整理しております。
 それぞれのブロックに四角で吹き出しがございますが、この内容というのは左の上のほうにございますとおり、①が災害廃棄物の発生予測量、それから②がそれが平時の年間の一般廃棄物の処理量と比べて何年分になるかという、被害の大きさのイメージをしていただくための数字、それから③が一般廃棄物の焼却施設の被災する可能性のある割合という、そのような数字をここにプロットしております。丸の大きさが概ね、その災害廃棄物の発生量を意味しておりまして、こうやって見ましても、先ほどの牧先生に焦点を当てていただきました四国ブロックというのが相当被害の程度が高そうだということが見ていただけるかなと思います。
 これを念頭に派遣の考え方を考えてみましたというのが、9スライド目になっております。四国ブロックにおきましては、人的支援、収集運搬支援、あらゆる支援を最大限する必要があるということが明らかであるということです。
 それから、左のほうに吹き出しをつけております中部ブロック、近畿ブロックにつきましても被害は大きいのですけれども、全体のことを考えますと、収集運搬支援に注力しつつ、一部の自治体には人的支援が必要であろうと考えておりますので、これは個別に丁寧に見ていく必要があるかなと思います。
 一方で関東ブロック等々に関しましては、自ブロックで対応していく、さらに場合によっては他の支援も検討していただくという、そのゆうな役割分担になるのかなというイメージをつけたというところでございますが、ここは可能性とか優先順位等々というようなこともあわせて考える必要があるのかと思いますので、国全体の動きとあわせて検討が必要というところです。まずもっての試行ということで、考えてみましたというのが、こちらの図になります。
 次のスライドが、より具体的に環境省ですとかプレーヤーを想定したときに、この受援ブロックに対する支援の割り当て、これも四国ブロックのみを考えた状況でございますが、こういう考え方ができるかなということで、試行的に考えてみたものになっております。
 四国ブロックも大きく分けまして、津波被害が甚大な地域と津波被害がない、もしくは少ない地域というので上下に分けさせていただいております。特に津波被害が甚大な地域におきましては、人的支援としても実務経験が豊富な方、それから環境本省の管理職級でいろいろな判断ができる方が乗り出していく必要があるのかなということを書かせていただいております。
 一方で津波被害がない、もしくは少ない地域におきましても人は必要ですけれども、先ほどの人材バンクにある方や、先ほど出ていましたOBの方等々、実務経験のある方が環境省ともやりとりをしながら入っていただくということになるのかなということを記載しております。
 右のほうの収集運搬支援等も上のほうは、先ほどからございました自衛隊等々の方々との連携も必要になるのかなという、そのような整理をしているというところでございます。
 次、11スライド目からは検討事項2ということで、検討してまいりました。情報発信のあり方に関する検討ということで、メディアに精通されている安富委員にもご尽力いただきまして、いろいろまとめてきたところでございます。
 まず11スライド目はGood Practiceの整理ということで、平時、それから災害時、両方アプローチができるだろうということで、この平時と災害時の両方の事例を集めてまいりました。災害時につきましては、災害初動時における課題、それに対して工夫した点、効果等々を、具体的な写真等を使ったツールも含めて蓄積をしておりますので、何らかの形でこの辺りも自治体の方々と共有できたらいいんじゃないかなと思っております。
 この左の下のほうの写真は災害時のときのGood Practiceということで、これは愛媛県の西予市の事例でよかったでしょうか、支援する方々が毎朝、朝礼をして進度ですとか、今日のやるべきことを情報共有して、先ほどのボランティア等との横の連携も試みましたという事例です。
 それから右のほうは平時の事例ということで、これは堺市ですけれども、ほかにも自治体が計画を立てられてから住民向けに分かりやすいリーフレット等をつくっておられるという状況がありますので、その辺りの素材集めをさせていただきました。ここには掲載がないのですけれども、それ以外にも例えばごみカレンダーに災害時にどうするかということを記載されていていたり、あと防災訓練の中でブースを設けて災害廃棄物の情報発信をされたりトイレの使い方を発信されたりいう事例も出てきておりますので、こういうものをしっかり他の自治体にも知っていただく必要があるのかなと思っております。
 12スライド目からは災害時の情報発信の中でも今皆様からご意見をいただきました災害ボランティア関係のアンケート調査の結果をお示ししております。ただ、調査対象者にございますとおり、基本的には社会福祉協議会の団体としてのご意見と、あと災害ボランティア経験のある個人なのですが、どちらかというとランダムにいろんな経験がある方というよりかは、このJVOADという災害ボランティア支援ネットワークを通じて聞いておりますので、比較的通なボランティアの方々と言っていいんじゃないでしょうか。そういう方々の意見になっていますので、そこは注意が必要かと思います。
 とはいえ、結果を見ますと、やっぱりまだまだアプローチしてきていないなというようなところが見えております。例えば、13スライド目のほうにアンケート結果の一部、まだ速報レベルで十分に精査できていないところもあると認識しておりますけれども、災害廃棄物の分別・排出等に関して困ったことでは、災害時にどこまで分別したらいいかわからなかったとか、色をつけている部分をご紹介いたしますが、災害廃棄物の分別方法がわからなかったという声がやっぱり多いです。それからどこに出したらいいかわからなかった。結局、分別方法も、流れもなかなか十分には理解していただいていないということですので、ここの周知というのはやはりもう必須であるかなと思いますし、また表の中では下のほうにありますが、便乗ごみですとか、不法投棄的なものに関してもルールの徹底というのがやっぱり十分にはできていないというところで、住民の方に寄り添いつつも、やはりしっかりルールをもって運用していくという、たゆまぬ努力が必要と思います。ここがボランティア関係との連携部分になります。
 最後になりますけれども、検討事項3ということで、国際支援に係る検討、14スライド目でご紹介したいと思います。これも5年近く経ちますが、東日本大震災を受けて我が国のノウハウをしっかりと国際支援にもつなげていきたいということで、活動させていただいております。まず英語のガイドラインを作成後、各国も基本的には災害廃棄物、国がリーダーシップをとりつつも、各地方自治体でやるというのがほとんどの国のベースですので、そこに届けるためには現地語化しなければいけないということで、今インドネシア、それからタイ、ネパール語まではいっております。その後また拡大していこうと思っておりますが、ただただ訳すだけではなくて、現地の事情にもできるだけ合わせていこうということで、現地にも赴きまして、我々の考え方の周知とともにワークショップ等を実施いたしまして、現地化すべきポイント等をその中で洗い出している。かつ、簡易ではありますけれども、いざ起こったときに、すぐさま使える最低限の計画づくり、こういうものもワークショップを通じてさせていただいております。  特に2つ目の四角にございますとおり、今、特にアジア諸国それから島しょ国、力を入れておりますが、中でもインドネシア政府がかなり前向きに検討されておりますので、そこはかなり包括的に力を入れてやっていこうと考えております。残念ながら再来週予定されておりました災害廃棄物関係のワークショップ、それからスリーリンクスの中での特別セッションは、一旦流れることになったのですが、スカイプを通じたコミュニケーションであったり、現地で画像を撮っていただいて、国のナショナルレポートをしていただくというようなことも調整をしているというところでございますので、またできましたらぜひアクセスして見ていただきたいなと思います。
 最後に15スライド目ということで、地域間協調ワーキンググループにおける今後の課題、今述べてきました中で課題満載なのですけれども、一応幾つかピックアップいたしまして、今後の検討の方向性を整理したというのが15スライド目になっております。
 まだまだいろいろとご意見を頂戴できる部分があるかと思いますので、後ほどいただければと思いますが、大きく分けまして、同時多発的に広範囲に発生する災害への対応の検討、その中でも上に書いておりますのは災害の種類に限らず広範囲な対応が必要な部分の一般論的な部分と、あと下半分が南海トラフ地震、先ほど四国の全力投球が必要だと、それ以外のところも必要だというところで、ここを具体的にどういう風にしていくかという辺りの検討のポイントを挙げさせていただいております。
 それと同時に災害時の情報発信のあり方ということで、先ほどご紹介いたしましたGood Practiceも徐々に出てきておりますし、一方でボランティアにちゃんと情報が渡っていないという課題も明らかになっておりますので、どんどん手を打っていけるように具体的な検討を進めたいと考えております。
 以上が地域間協調ワーキンググループからの進捗と課題のご報告となります。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。
 それではどうぞ、ご質問、ご意見、お願いをいたします。いかがでしょうか。
 特によろしいですか。
 両ワーキングとも今年は南海トラフ地震を念頭に置いて検討を進めていただいているわけですけれども、中長期的には最も留意すべき対象であるということはもう言うまでもないことです。昨年経験した、いわゆる広域同時水害という事象、これは年々おそらくは直面する話であろうということで、やはり南海トラフとともに少し大局的に考えるべき重要な対象であると。あと首都圏直下とか、そこに先ほどのような火山爆発が併発するような、想定するパターンを幾つか念頭に置いていただきたい時期にそろそろ来ているのではないかという点です。その辺りのところはワーキングの中でどのような議論をされているか、紹介可能なところがあればやっていただけたらどうかと思うのですけれども、まず地域間協調、どうでしょうか。

(浅利委員)
 ありがとうございます。先ほどでいきますと3スライド目のところで対象とする災害のパターンということで、同時多発的に広範囲で発生する災害というのは、かなり意識をして整理してきているところかなと思います。これに実績を含めて考えた流れというか、手順というのが6スライド目には当たりますが、これはどちらかというと情報伝達の仕方に留まっていますので、具体的にそこに資機材とか、職員数とかをどう乗っけていくかというところの検討は、今後詰めていく必要があるのかなと認識をしております。
 一方でこれを南海トラフのような規模のものに水平展開というか、そのままは応用できないというのも見えてきたのかなと思っていますので、そこはちょっと別口で考えなければいけないかなと思います。
 それ以外に考えられる災害のパターンというところまでは、いろいろとそのたびにジャストアイデアで出てきているのですけれども、整理には至っていませんので、そこは次年度以降といいますか、他のワーキングとの関係、それから政府の考えられている他の災害のパターンとあわせて可能な限り検討したいと思います。

(吉岡委員)
 先ほどのワーキングの話も含めてなのですが、非常に衝撃的な数字が出てきて、南海トラフを想定すると、酒井委員長からも出た同時多発的というところを含めると、地域間連携のところは支援と受援という形の構図になっているときに、おそらく全部が受援も支援もなく、自立しないといけないという部分も相当出てくるのではないかなと思うのです。そのときに地域間連携の中でどういう風に、それぞれが自立しないといけないというスタンスを盛り込んでいくのかというのは、結構大事な視点かなと感じているところなのですが、今どういう議論になっているのか、あるいは今後その辺を考えられるのかどうかをお聞きしたいと思います。

(浅利委員)
 ありがとうございます。まだそのような事態はありうるという話は出てきているいますが、そこまでいっていないというところがあります。
 一方で、各地域ブロックの中でもそういう検討も並行して進められていて、行動指針の見直しもされていると聞いていますので、そこともしっかりやりとりをした上でどういう検討をしていかないといけないのかを考えて、行動計画の見直しも含めて考えていかないといけないという認識です。

(酒井座長)
 そういう意味で3ページで紹介いただいた、対象の構造がこういう構造の整理ではなくて、南海トラフがある意味究極の事象としてあって、吉岡先生が言われたような自立的な対応を求められるという事象で、周囲に内陸型、例えば首都圏直下とがあって、あと同時多発災害や水害というところが、内側にあるような整理をしながら、経験を蓄積していて備える。そういう絵じゃないかと思うのですが、これはちょっと逆のような気がしていて、南海トラフが内包されるような絵になっているのですけども、これじゃないだろうという風に思うのです。

(浅利委員)
 おっしゃるとおりだと思いますので、最後のほうの9スライド目の各ブロックの考え方、ここを意識しながら整理したらいいのかなと感じました。

(酒井座長)
 そうですね。だからある意味で、究極の同時多発の深刻な絵がこの絵で、だからそこは頭に置いて、技術・システムもしっかり検討しましょう。もうここの戦略は全然間違いじゃないと思うのです。だからそこを次、経験値として今の同時多発をどう考えていくかという、そういう構造でつくり上げていっていただくと、どんどん毎年の検討が進化するということになるんじゃないかという意味で申し上げたので、よろしくお願いいたします。
 中林先生、どうぞ。

(中林委員)
 南海トラフということで、津波と津波外という分け方をされているのですけども、最大級の被害想定だと、建物被害240万のうち3分の1が火災なんですよね。それから首都直下でいうと3分の2が火災なんですよね。だから火災後の焼けた跡というのは、言葉は悪いが野焼きした後のごみをどう処分するのかということについても、少し検討しておいていただけると、首都直下にはすごく役に立つのではないかと思いますので、それは南海トラフでも同じだと思うのですけれども。よろしくお願いします。

(酒井座長)
 大塚先生、どうぞ。

(大塚委員)
 すごくよくお考えいただいて、私はこの辺、必ずしも関わらせていただいているわけではないので、素人的な発想ですけれども、非常に一般的な感覚として持っているのは、今までかなり日本は災害を受けてきていますけど、不思議に東京はあまり受けていない。ただ、東京がやられて、環境省がやられてしまったときに、国全体に関して、どこが対応するのかという辺りは、どこかでお考えになっていると思うのですけれども、盲点になっているんじゃないかなと思っていて、その辺は大丈夫ですか。
 いろいろな最悪のケースを考えなくちゃいけないのですけど、必ずしも最悪ではなくて、たまたま今まで運がよくて東京がひどい目に遭っていないだけという感じがしているものですから、そのときは十分な対応をお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

(酒井座長)
 答えにくいとは思いますが。

(名倉廃棄物適正処理推進課長)
 首都直下の想定の中で、国全体としてのことは検討しようとしているという段階なのかなと考えておりますけれども、実際問題、どの程度のことを想定するかというので、首都直下を受けたときに、どこをヘッドクオーター的に使うかということも含めて考えていかないといけないとは思っているのですけれども、まだ決定的にここをこうしようというようなところまでいっているわけではございません。

(中林委員)
 省庁BCPはつくられているわけですよね。環境省のBCPというのは、首都直下対応で実施計画の中の一部としてつくられているはずですよね。

(名倉廃棄物適正処理推進課長)
 おそらく埼玉とか立川とか、そういうような形の想定はあるとは思うのですけれども、そもそも人がどうなるのかとかいうことも含めて、どこまでのことを想定しないといけないのかというようなことだろうと思いますので、その辺りどこまで考えられるかということだと思います。

(中林委員)
 以前に政府BCPに関わっていたときに、政府の首都直下実施計画が全省庁のBCPをもって充てるということになっているので、一応どこで何をどうするかということや、あるいは職員はどれくらい被災するかということを含めて検討されていると思うのですが、それで実際に、業務はどうなるかということまで含めたご指摘なのかもしれませんので、と私は受け止めました。

(山本環境再生・資源循環局長)
 私も担当の審議官をやっていたときに、省庁BCPはあります。ありますが、実際のシナリオに即して本当に実行的かという点でいろいろな問題点があって、それはブラッシュアップを重ねているところです。その上で環境省がやらなければいけない国としての災害廃棄物対応をどうするのかというところは、そこはまだ十分踏み込めていないというのが実態かなと思いますので、大きな課題だと思っております。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。
 若干時間が押しておりまして、次、初動対応の検討ワーキングのほうのご紹介と審議ということをお願いしたいと思います。
 中林先生、お願いいたします。

(中林委員)
 それでは資料6でございます。時間もありませんので、簡単に進めさせていただきたいと思います。
 1ページ目をお開けください。初動対応検討ワーキンググループの経緯と概要になりますが、実はこのワーキンググループの前身である会議体で平成30年度に一般廃棄物処理に関する災害時初動対応の手引き(案)というのをつくってございました。令和元年度はこれをベースにして災害時の一般廃棄物処理に関する初動対応の手引きとして取りまとめて、公開しようと。そして運用に向けていこうということで、この検討ワーキンググループを立ち上げて、検討を継続し、かつ取りまとめたということです。
 四角囲いの中の下のほうに3つ、この元年度何をやって取りまとめたかということですが、有識者等に対する初動対応検討ワーキンググループをそのメンバーで立ち上げて検討をしました。さらに市区町村に対する初動対応のモデル検証ということで、幾つかの自治体等を含めて検証し、かつ全国の地方公共団体、それから関係団体への意見照会を行い、これらを通して、公開用に取りまとめたものが災害時一般廃棄物処理に関する初動対応の手引きというものです。
 委員の皆様に紙ベースで現在のところのまとめた案を第1版ということでお手元に用意させておきましたので、後ほどご覧ください。
 では、スライド2ページ目に移りたいと思います。目的ですけれども、本手引きは災害時初動対応を円滑かつ迅速に実施するために平時に検討しておいて、災害時に参照するということを目的として、災害時の一般廃棄物処理に関する初動対応の手順及び平時に事前検討すべき事項を中心に取りまとめてございます。 本手引きとそれから災害廃棄物処理計画、先ほど現在において市町村で約半分くらいまでいっているということだったのですが、災害廃棄物処理計画というのは、初動対応の処理から最終的に完了するまでの必要な事項を網羅的にまとめた計画ですけれども、発災して被災してしまうと、災害廃棄物処理実行計画をつくることになる、その基礎になるということですが、まだ半分の市区町村が策定していないという現状ですので、未策定の市区町村にあっても、これを活用することで、災害時、明日かも分からないわけですけど、その初動対応に少なくとも一歩、二歩、迅速に進めるように、災害時の初動対応に特化をして、まとめたということでございます。
 そういうことで3の使い方ということですけれども、市区町村を対象として、2つの用途を想定しています。1つ目は災害時に被災市区町村の円滑かつ適切な災害廃棄物処理の初動対応に資するガイダンス文書として、2つ目が平時に災害時初動対応の検討事項の事前検討を進めるということ。それとともに災害廃棄物処理計画の策定、あるいは、作ったけれども、見直しをしていない自治体もこれから出てくると思いますので、そうした改訂、充実に向けてのガイダンス文書としても活用していただきたいということで検討してまいりました。
 3ページ目をお願いいたします。目的、対象ですけれども、対象とする組織は今申し上げました市区町村ですが、特に中小規模の処理計画策定の割合が低い市区町村を念頭に置いて説明、あるいは記載事例等を整理しています。
 それから対象とする災害ですけれども、非常災害を対象とするということで、大規模な地震災害、あるいは水害を念頭にして整理をしました。
 対象とする期間ですけれども、被災後の初動対応ということですが、初動期から応急対応前半にかけて具体的には概ね2週間から3週間程度を目安として検討してございます。今回第1版ということでございますが、市区町村への普及を進めていきたいと。普及状況を踏まえて内容の具体化・詳細化等を継続的に検討し、改善していければということでございます。
 4ページ目をお願いいたします。災害時に発生する一般廃棄物ですけれども、処理計画を作っていない自治体を対象にしていますので、そもそも被災すると、どういうごみが出るのかというところから書き起こしております。平時の生活ごみ、家庭し尿のほかに被災することによって発生する片づけごみなど、あるいは避難所ごみ、あるいは仮設トイレを含むし尿の処理、それら全てが初動対応の対象になりますということでございます。
 5ページをお願いいたします。手引きの構成ですけれども、全体で本編とそれから参考資料の2本立てで用意しております。本編は第1章で先ほど申しました目的、対象、それから災害時に発生する一般廃棄物の類型を記載しています。第2章は災害時に参照するための災害時初動対応、そしてそのために必要な事前に検討しておくべき事項ということで第3章を整理させていただいています。
 参考資料は手引きの事前検討等に役に立つということで、様式集ということで、こういう風に様式集を書き上げていってくださいと。そういう少し手足をとるような形でつくって、その記入事例もつくり、また過去の参考事例ということで、Good Practice、Bad Practiceを含めて展開、少し整理をいたしました。
 6ページをお願いいたします。手引きの概要ですけれども、第2章、災害時初動対応ということですが、災害時初動対応をこの上のほうにあります1)から5)の対応活動に分類し、縦軸が時間列ということになりますが、その時間で何をやるのかということを整理して初動対応で時間の流れに沿ってどんなことを対応しなければいけないのかということを整理し、これに基づいて説明を加えるということで進めてございます。
 7ページです。1)から5)までの中のこれは4)災害廃棄物の処理体制の確保というところの記載の事例ということになります。仮置場の確保、それから災害廃棄物の回収方法の検討、収集運搬車両の資機材、それから人員の確保、それから住民ボランティアへの周知、仮置場の開設ということで、ポイントを整理しながら書き記す。こういう形で1)から5)まで整理していくということを進めていきました。
 次の8ページをお願いいたします。第2章の全体の災害初動対応を迅速かつ的確に進めるということが前提なのですけれども、第2章の1)から5)に対応して、特に手引きの3章で具体的にどのような対応をし、それが参考資料の様式集のどの様式に対応していくのということが立体的に読み取れるような整理を工夫しながら検討していきました。
 それでは9ページをお願いいたします。こういうような取りまとめをするのに当たりまして、今年度行った1つがモデル検証でございます。素案をつくった段階で、それをもとに今回ワーキングのメンバーにも入っていただきました板橋区と福岡県朝倉市を対象として、モデル検証をしていただくと。それを受けて改善する、訂正、構成を変更するということを進めました。平時の検討と災害時の初動対応の演習と。特に板橋区は被災していませんので、その演習を中心にやっていただいて、そこからの知見を踏まえて修正してございます。
 モデル自治体の会議を2回実施させていただいたのですが、ここには平時に廃棄物処理をしている職員はもちろんですけれども、災害時の対応に連携が必要な防災部局あるいは道路部局などの関係部局にも2回とも参加していただいて、初動対応あるいは仮置場を確保することの重要性を含めた検討をしていただきました。
 10ページです。今年度のもう1つの状況がこの意見照会ということで、全国の自治体、特に市区町村、それからD.Waste-Net初動・応急対応団体に意見照会をさせていただいて、全国の自治体からは147区市町村、21都道府県から回答をいただき、こうした回答結果をベースにして手引き案の修正等をして案に仕上げていったということでございます。また、D.Waste-Netの団体の意見交換会も開催させていただいて、非常に貴重なご意見をたくさん採用させていただきました。とりあえず今年度公開用にまとめたのが、先ほどの参考資料4にまとめているものでございます。
 11ページ目、次年度ですけれども、この手引きの普及にまずは努めようということで、市区町村向けの説明会、それからモデル演習という形で、処理計画の未策定の自治体等に少し手にとってみる、やってみる場を実施できないかと。
 それから先ほどの議論でも出てきましたが、し尿処理でいうと下水道BCP、あるいは人員の問題とか庁内体制の問題でいうと、やっぱり受援計画等が大事になってくると。内閣府あるいは国交省でBCP、あるいは内閣府で受援計画のガイドラインの検討も進められているということで、そことの連携も含めて本手引きをより広範に活用していただけるような検討も進めていこうと思っています。
 また手引きを一層充実するために今日も議論になり、たくさんの知見を整理していただきましたが、昨年度の台風15号・19号などにおける初動対応の振り返りを通して、Good PracticeもBad Practiceもありますが、それらをもう少し詰めて記載内容の充実とか、様式例の追加、補正等も進めていければと考えて、来年度取り組んでいきたいと思っております。
 今日の報告は以上にさせていただこうと思いますが、これをもってとりあえず世に出るということになりました。ありがとうございました。

(酒井座長)
 中林先生、どうもありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明にご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。
 ご参加された板橋区や朝倉市の方々の印象といいますか、あるいは意見といいますか、どのようなものであったか、ちょっと簡単にご紹介いただければなと思いますが。

(中林委員)
 板橋区は区独自に少し事前の取組等をやっているようでして、ただ、今回こういう形で手引きが出てくると目標も見えるし、いいのではないかということ。それから朝倉市は被災されているのですけども、もう既に人事異動でそのときごみ処理を担当していていた人は異動してしまっていることも含めて、やはりこういう手引きが既に処理計画を持っているところでも人事異動した新しい所員が来たときに、いわば処理計画を右に置いて、この手引きで初動対応をどうできるのかということをチェックしていただくようなことを通して、先ほどもありました20年の計画はあったんだけど、止まらないようにしていくという意味では経験をつなぐということにも大事な役割を持つのではないかなと。そのような観点からいろいろとアドバイスをいただいたということです。

(酒井座長)
 どうもありがとうございます。これまでの災害における初動対応の課題を踏まえまして、こうやって手引きを絵として整備をいただきました。深く御礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、12時5分前になっておりますけれども、その他ということで事務局のほうから何かございましたらお願いいたします。

(福永災害廃棄物対策室主査)
 本日の議事録は、原案を作成し、委員の皆様にご確認をいただいた後、環境省ホームページに掲載をする予定でございますので、よろしくお願いいたします。

(酒井座長)
 議事録はそうですけれども、動画の修正はききませんよね。

(福永災害廃棄物対策室主査)
 すみません、動画はそうですね、ちょっと掲載方法も含めて確認した上で連絡をさせていただきます。

(酒井座長)
 手順の確認はされるのですか。

(福永災害廃棄物対策室主査)
 省内の手続があります。確認してまいりたいと。また連絡をさせていただきます。

(酒井座長)
 そのまま出されることに意味があるのでしょうから、そこは委員の方々もそういうことでご了解をよろしくお願いいたします。
 それでは全体を通じまして、最後に何かご注意はございますでしょうか。
 なければ、どうも本日はさまざまなご意見を頂戴いたしまして、どうもありがとうございました。事務局におかれましては、今回の意見を踏まえて、また成果の取りまとめをよろしくお願いいたします。
 それでは、本日、令和元年度の災害廃棄物対策推進検討会を終了したいと思います。
 本年度も熱心なご議論、どうもありがとうございました。