環境再生・資源循環

第3回大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会 議事録

1.日  時:平成27年9月11日(金) 13:30~16:00

2.場  所:TKP東京駅大手町カンファレンスセンター ホール22G

3.出席委員:酒井伸一委員長

 浅利美鈴、岩佐健吾(生亀委員代理)、石川龍一、碓永信幸、

 大迫政浩、大村啓、貴田晶子、荒井和誠(小林委員代理)、

 坂本知也、佐々木五郎、島岡隆行、鈴木武、

 田中誠夫、永田尚人、平山修久、森谷賢、渡邊泰至

4.委員以外の出席者

(事務局)

環境省

和田廃棄物対策課長、切川係長、大嶋係長

5.議  題

(1)大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針(案)について

(2)D.Waste-Netの発足について

(3)廃掃法の基本方針に盛り込む事項(骨子)について

6.配布資料

  資料1 大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討委員会 委員名簿

  資料2 大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針(案)

  資料3 D.Waste-Net(災害廃棄物処理支援ネットワーク)の発足について

  資料4 廃掃法の基本方針に盛り込む事項(骨子)について

  参考資料1 第2回大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会 議事録

参考資料2 巨大地震における災害廃棄物に係る対策スキームについて―制度的な側面からの論点整理を踏まえた基本的考え方―(平成27年2月 巨大地震発生時における災害廃棄物検討委員会)

  参考資料3 巨大災害発生時における災害廃棄物対策のグランドデザインについて (平成26年3月環境省巨大地震発生時における災害廃棄物検討委員会)

  参考資料4 災害廃棄物対策指針(平成26年3月 環境省廃棄物・リサイクル対策部)

  参考資料5 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案参考資料

  参考資料6 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 基本方針

  参考資料7 災害廃棄物処理システムの全体像における人材育成面の位置付けについて(案)

7.議  事

(切川係長)

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「第3回大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会」を開催いたします。委員の皆様にはご多忙のところお集りいただきまして、誠にありがとうございます。

 昨日、茨城県鬼怒川で堤防の決壊により甚大な被害が発生し、また本日宮城県でも、大和町、大崎市において川の氾濫が発生している状況です。河川水害としては数十年に一度レベルの大水害と思われ、相当数の家屋が浸水しております。

 本日、政府調査団が派遣され、環境省も被災自治体の支援体制を強化するため、関東地方環境事務所、東北地方環境事務所にそれぞれ現地の災害廃棄物対策の本部を設置し、災害廃棄物の適正かつ円滑、迅速な処理の実施に向けて、情報収集等を行っているところでございます。被害の全貌がわかってきましたら、委員の皆様にご支援、御助言いただくことが出てくるかもしれません。その際はご協力よろしくお願いいたします。

 それでは、議事に入る前に資料を確認いたします。お手元の次第に配付資料の一覧がございますので、ご確認をお願いいたします。

 資料1が、本検討会の委員名簿です。

 資料2が、大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針(案)です。

 資料3が、D.Waste-Net(災害廃棄物処理支援ネットワーク)の発足についてです。

 資料4が、廃棄物処理法の基本方針に盛り込む事項(骨子)についてです。

 資料5が、今後のスケジュールについてです。

 続いて卓上資料です。

 参考資料1が、第2回検討会の議事録です。

 参考資料2が、巨大地震発生時における災害廃棄物に係る対策スキームについてです。

 参考資料3が、巨大災害発生時における災害廃棄物対策のグランドデザインについてです。

 参考資料4が、災害廃棄物対策指針です。

 参考資料5が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案の参考資料です。

 参考資料6が、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の基本方針。

 参考資料7が、災害廃棄物処理システムの全体像における人材育成面の位置付けについて(案)でございます。

 参考資料は委員のみに配付しております。会議終了後回収させていただきますので、卓上にお残しください。

 資料の過不足等はございませんでしょうか。過不足等がございましたら、事務局にお申し出ください。

 ここからはカメラ撮りはご遠慮いただきます。一般の傍聴者におかれましても、写真撮影、ビデオ撮影はご遠慮いただき、携帯電話の電源もお切り願います。

 続きまして、本日の出席状況です。勝見委員、遠藤委員、大塚委員、近藤委員、中林委員、牧委員、吉岡委員はご欠席でございます。

 また、生亀委員の代理として岩佐様に、小林委員の代理として荒井様にお越しいただいております。

 それでは、これ以降の進行を酒井委員長にお願いしたいと思います。酒井先生、よろしくお願いいたします。

(1)大規模災害発生時における災害廃棄部対策行動指針(案)について

(酒井委員長)

 それでは、第3回の災害廃棄物対策検討会を始めさせていただきたいと思います。

 先程、切川係長から、昨日来の鬼怒川等での被害の状況等ご報告がございました。緊張感を持って審議を進めさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 前半が行動指針(案)、後半が廃棄物処理法の基本方針に盛り込むべき事項、この2点が本日の主たる審議内容でございます。

 それでは最初に、大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針(案)につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

(和田廃棄物対策課長)

 お手元に、資料2「大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針(素案)」をご用意させていただきました。青い文字と赤い文字に分かれておりますが、赤い文字が追加、追記したもの、青色が削除したものになります。

 前回までにさまざまな御意見をいただきましたので、御意見をどのように踏まえて、どのような修正をするのかを中心に御説明させていただきたいと思っております。全体を網羅的に説明するわけではありませんので、あらかじめ御承知おきいただければと思います。

 1ページ、第1章「行動指針策定の経緯」です。赤文字が「参考資料1」から「参考資料6」までありますが、これは本日の資料の番号という意味ではなく、この後に、例えば参考資料1であれば、国土強靭化基本計画の本体をこの取りまとめの後ろに付けるという想定ですので御承知おき下さい。

 この後、数回にわたって出てきますが、③の真ん中あたりで、「大規模な災害」となっているなど、用語の統一について御指摘を受けたかと思います。大規模災害の関係、通常規模の災害の関係、非常災害の関係といったものについて、以後網羅的に統一しており、定義は3ページにございます。この段階から統一する箇所だけここで御紹介をさせていただきます。

 1ページ目の後半にある赤文字は、法案の成立を追記しており、事実関係の整理です。

 2ページの最初に「特別区や一部事務組合を含む」という箇所があります。これも、一部事務組合も読めるようにという御意見を踏まえて追記しています。

 それから、真ん中の「分別、再生利用等」の間に「選別」という用語を新たに加えています。

 ③に参りまして、1行目「災害廃棄物対策指針に加えて」ですが、後ほどフローチャートにも出てきますように、災害廃棄物対策指針の中のフレームワークということでしたので、「災害廃棄物対策指針の中で新たに」という表現にいたしました。

 以降、「改正法案」を「改正法」と直しておりますので、ご承知おき下さい。

 3ページ、3章の大規模な災害の考え方と基本的な対応方針で用語整理を行っております。①から「大規模災害」の定義、②で、同じく「大規模災害」の定義に加えて、「通常規模の災害」、「非常災害」というキーワードにつきましても、定義をもう少し丁寧に記述させていただきました。

 次は5ページ、「行動指針の位置づけ」です。

 ①の4行目に「(第40条)等の今後の策定・改訂の参考となる」と、追記させていただき、その上の条文の関係について、改訂・策定に当たってよすがとなる観点の位置づけであるということを明確にさせていただきました。

 次に赤い文字で書いてある箇所は、法律を正確に記述した箇所です。

 ②は、多くの委員の皆様方から御意見をいただきましたが、特に地域ブロック協議会の運営に関して、どういう組織がキーエンティティーになるのかということで、「地方環境事務所が中心となって」という記述を、ここだけでなく、その後ろにも盛り込みました。

 都道府県の部分については、「また、市町村における......(計画に基づくマニュアルや手引き等を含む。以下同じ。)の策定を支援する。」ということですので、都道府県は市町村に策定支援を行うということを明確にしたこと、それから、次の段落の下から5行目が赤い文字になっていますが、市町村については、特に「生活環境の保全と公衆衛生の確保を図る観点から」ということが際立つ内容にしています。

 最後の行では、人材確保に加えて「人材育成」というキーワードも追加してはどうかという御意見がありましたので、追加しています。

 6ページに参りまして、1行目、2行目で、「支援を求める際にはその必要量の見積もり方法や要請方法、受け入れ体制等を記載した受援計画を策定」といった観点を追記しています。

 ③の最後の部分は、「国が処理指針を策定する前に、処理計画に基づく実行計画を策定した場合は、処理指針との整合性を踏まえつつ」と、国が処理指針を策定する前に、処理を開始してはいけないという趣旨ではないという旨を明記しました。

 7ページのフローチャートには、「災害廃棄物対策指針」という真ん中の一番大きな箱が、基本方針と関係があるということと同様に、平時から直接的に都道府県や市町村の計画策定にも作用するという観点を入れています。

 矢印を双方向に向けている部分は、相互に整合性を図り、上ができてから下ができるということだけではないというニュアンスの内容に修正しています。

 第2編の8ページ。ここでは用語の統一をしており、「中間処理施設」というキーワードや、⑥で、「発災前」というキーワードは「平時から」というキーワードに修正をさせていただいております。

 9ページ、⑦では、「切れ目のないように行われるべき」のところで、対応そのものは不連続な側面があるのではないかという御意見を踏まえ、少し書き方を修正させていただき、どのような規模の災害であっても必要な対応が行われるべきで、災害規模によって対応の抜け落ちがないようにという趣旨に文章を書きかえました。

 10ページ、第2章「地域ブロック単位で行う事項」です。ここは、③の地域ブロック協議会の役割などで、先ほども申し上げましたが、環境省の地方環境事務所が中心的な役割を果たす、と冒頭に書いた上で、「関係省庁間の連携」というキーワードや関係省庁間の地方支分部局との連携について、あわせて書かせていただきました。

 地方環境事務所の役割としては、ファシリテータ役という観点から、協定締結を含めた主体間の連携強化、技術情報の提供などについてしっかり対応すべきだといった観点を追加しました。それから、下から6行目、「地方環境事務所が一元的な窓口機能を担い」という点についても御指摘がございましたので、追記しました。

 11ページ目、④では、発生時の災害廃棄物の再生利用を極力実施するため、「地域ブロック単位で」というところですが、「単位で」という書き方では、地域ブロック自体が責任主体のように見えてしまうという御意見がありましたので、地域ブロックの中でまずは再生利用それから「最終処分場の場所を探す」という意味で「域内で」という表現に変えさせていただいています。

 続きで、次の段落の「円滑かつ迅速な廃棄物の処理のため」ですが、「まずは各地方自治体が平時に搬入している最終処分場の活用を検討する」ということと、その上で「不足する容量」について、「地域ブロック単位でその処分先の確保も進める」という点を明記しました。

 ⑥では、「各輸送主体の受援必要性や支援可能性も勘案し」というところをもう少し具体的に入れたほうがいいという御指摘をいただきましたので、追記しました。

 ⑧の3行目では、「策定することが求められていることから、各地方自治体の特徴を十分に整理した上で」と、行動計画の策定に当たってはさまざまな地域その他の特性を踏まえるという観点で書いています。

 その上で、12ページでは、「地方環境事務所が中心となって策定した行動計画に記載される広域的な連携協力の範囲や内容に基づき」と修正しました。

 13ページ、第3章「国が中心となって行う事項」では、③にある4つの○のうち赤い部分、「災害廃棄物の搬入割合、仮置場への搬入率、再生利用率の考え方の定義」を統一するなど適切に対応させることが重要だという観点で、キーワードを整理しています。

 ④の1行目、「有効な組み合わせに関する検討を推進し」ではスケジュール感が分かるようにというご指摘がありました。しかし行動指針では書きにくいところもあるため、少なくともタイミングに関係なく速やかに対応を準備しておくべきという観点で、「検討を推進し、得られた成果を災害廃棄物対策指針等に盛り込み、適宜関係者に周知」という内容を加えました。

 14ページは用語の修正だけです。

15ページ、上から2つ目の○のところで、災害協定なのか、災害廃棄物協定なのかというところの混乱が若干あったので、「既に締結されている災害協定における災害廃棄物関連の記載事項」と用語を整理しました。その上で、「官民間協定締結のための地方自治体向けガイドラインを作成し」という内容を加え、「ガイドラインが策定されてから協定を締結することになるのか」といったニュアンスにとられないよう、ガイドラインの記載を後ろに移動させていただきました。

 ⑦人材育成、ネットワーク化では、技術的なノウハウが蓄積されている一部事務組合を加えさせていただきました。

 16ページ。前のページからの特例措置と連動しますが、赤い文字で4行を加えております。これについても、円滑な実施を行うために特例的措置が活用されるためには、地方自治体が策定する災害廃棄物処理計画等に盛り込む観点と、訓練等によって手続の確認がしっかりと行われて、自治体において特例的措置が効果的に活用される方策について周知を行うという内容について追記しました。

 17ページ。上から4行目「個々の地方自治体で取り組むべき課題を踏まえた上で」ということでありますので、行動計画の策定には、ケース・バイ・ケースというか、地域特性などが非常に重要であるという観点を追記しています。

 18ページ。行動計画に盛り込む事項、①の2つ目の○で、全国規模の団体だけではなく、地方支部や各地域のさまざまな業界も加えて協議することを追記しています。5つ目の○では、地方環境事務所がさまざまな情報を集約するという観点や、発災後の情報集約に向けて通信手段の確保について検討を行うという観点などについても御意見をいただきましたので追記しています。

 次が19ページ、④です。これは記載順番の変更で、ブルーで削除している部分をこのページの一番下に移しています。検討順番に当たるかと思います。④の4つ目の○、災害時における災害廃棄物の処理の拠点、再生資材の利用先の確保についても、ブロック域内をまず基本に考えた上で、地方自治体が平時に搬入している最終処分場の活用を検討し、不足する容量について地域ブロック単位での確保について協議するという内容で書いています。下から2番目の○では、運搬ルートについて具体的な内容を記述させていただきました。

 20ページ、⑤では、建設業界の委員から御意見をいただいた点、正確を期すということで名称などを修正いたしました。⑥の合同訓練、セミナーの実施では、3つ目の○で、「地域ブロック協議会等に参画する地方自治体等がそれぞれ実効性のある防災訓練等を実施できるよう支援を行う。」として、ブロック単位だけではないとしています。⑦の最初の部分は、2番目と3番目の○で重複していましたので削除いたしました。

 21ページ。ここは、さまざまな関連計画等との連携ですが、④に「地域ブロックでの行動計画の見直しを適宜行う。」ということもあり得るべきという御意見をいただいきましたので追記いたしました。

 23ページ。第4編、国が策定すべき指針のひな形、いわゆるマスタープランに盛り込むべき事項です。

 第2章の①、「処理の推進体制」、「都道府県の役割」で、複数の委員から、「地域ブロック協議会を通じ」という箇所はあまり現実的ではない場合も想定されるという御意見をいただきましたので削除致しました。

 24ページ。最初の上の○「都道府県と緊密に連携し、都道府県が作成した災害廃棄物処理の実行計画を踏まえ」となっていましたが、ここは平時ではなく発災後のことで、内容を少し勘違いした感がございますので、事務方で修正させていただきました。「民間事業者の役割」では事業者が具体的にわかりにくいという御意見がございましたので、建設業者、解体業者、セメント製造事業者及び交通インフラ事業者と分けて書かせていただきました。また、災害廃棄物の多くは、性状としては通常の産業廃棄物に近いと、今少し表現を正確にいたしました。

 25ページ。④では、法律の特例の内容を具体的に記述しました。下から2番目の○、「その他の特例的措置」では、環境省に関連する法律として、家電リサイクル法、自動車リサイクル法を書かせていただき、他省庁にまたがる法律についてはもう少し精査をしてからという御意見がございましたので、「等」と整理をさせていただきました。⑤は先ほどもありましたが、生活環境の保全と公衆衛生の確保の観点についてしっかり書く必要があるという御意見をいただきましたので、冒頭に書かせていただいています。

 26ページ。有害廃棄物、危険物等について、もう少ししっかり分けてという御意見がございましたので、特に処理フローにあった内容については、⑥の「種類別の処理方針等の決定」という箇所に有害廃棄物、危険物などを記載しました。一番下は、アスベストや有害物質を含む廃棄物、消火器などの危険物、感電の恐れがある廃棄物なども、際立った留意事項ということで明確に盛り込ませていただきました。

 27ページ。仮置場について、特に国有地の情報を発信したり、使用許可に関する手続についてあらかじめ周知をするという記述について御意見をいただきました。

 それから、仮置場と中間処理の両方にまたがるところで、仮置場の段階で選別をする場合もあれば、混合状態で持ち込まれた上で、中間処理で選別する場合など、さまざまなケースがありますので、仮置場では「混合状態で仮置場に搬入された場合」と記述するとともに、中間処理でも最初の○に同様の内容を加えております。下から2つ目の○、鉄道・船舶の関係では、特に輸送の各段階での仮置きのルール策定が重要であるといった点について御意見をいただいております。

 最後のページでは、冒頭で焼却灰について可能な範囲での再生利用について明記し、既に出てきましたが2番目の○で、「公共関与による最終処分場を最大限に活用した上で、不足する場合には」という内容にしております。

 ⑧では、最初の○でこれまでの①から⑦の検討をもとに、優先順位や目標期間を踏まえた処理全体の工程表を策定すべきとの御意見もいただいておりましたので、追記しております。

 ⑨、⑩は例えばコールセンターの設置などに関する御意見もいただきましたのであわせて盛り込んでおります。

 以上です。

○質疑応答

(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。これまで、2回の審議で頂戴した御意見に、極めて丁寧に対応していただき、最終案をご提示いただきました。

 御意見のある方、名札を立てていただけますでしょうか。

 それでは、生亀委員の代理、岩佐様からお願いいたします。

(岩佐様 生亀委員代理)

 2つございます。まず1点目、少し細かいのですが、24ページでは、「民間事業者の役割」の2つ目の○で「建設業者」、10ページの②の3行目は「建設事業者」とあります。特段の使い分けはされていないと思うので、統一されたほうがよろしいかと思いました。

 2つ目は、24ページの「民間事業者の役割」の2つ目の○で、「建設業者、解体業者は、損壊家屋の解体とその解体廃棄物や津波堆積物等の処理について」とあるのですが、特に別立てにして解体廃棄物とか津波堆積物を言う必要はないのではないか、例えばその上の○の「災害廃棄物処理に協力する」という表現でも良いのではないかと思います。若干、解体廃棄物と津波堆積物を主体に処理を行うようにも読めなくもないので、そこは特に別立てしなくていいのではないかと思いました。少し工夫をしていただければと思います。以上です。

(酒井委員長)

 ありがとうございます。石川委員お願いします。

(石川委員)

 17ページ、「行動計画策定の必要性」ですが、②に「段階的に充実を図る」と書いてありますが、いつまでに計画を策定し、どのように内容の充実を図っていくのかという全体のスケジュール感が見えないと思います。もしおわかりでしたら、どの時期までにというのを、お教えいただければありがたいと思います。

 もう1点は、18ページの①の1つ目の○のところで、「連携・協力体制」という言葉が幾度となく登場していますが、その具体的な中身として、指揮命令系統が明確になっていることであるとか、情報収集・伝達のルートがきちっと確保できているというようなところとか、どこか1箇所盛り込む事項はこのあたりがよろしいのかと思います。そこで具体的に示していただいたほうが良いと思います。以上です。

(酒井委員長)

 大迫委員、お願いします。

(大迫委員)

 24ページの「民間事業者の役割」で、東日本大震災の発災後におけるさまざまな役割の中で、自治体の計画策定や事業の進捗管理の支援に関して、コンサルタント事業者の方々が大きな役割を果たしましたが、そういった側面での記載がないので、ここに入れるべきかどうかを考えていただきたいと思います。

 14ページにD.Waste-Netの記載があり、そこでは、発災時の機能として、支援者グループが処理実行計画策定の支援を行うことになります。後ほどの資料3でも出てきますが、日本廃棄物コンサルタント協会は、支援者グループの有識者という観点でD.Waste-Netに入っておりますが、民間の方々の集まりですので、ボランタリーなのか、あるいは対価に対する事業として役割を担うのかが曖昧なままに整理されていることが、今後コンサルタントの方々が発災時に機能、役割を果たしていく上で、障害になることが危惧されます。

 例えば市町村が廃棄物処理を行う上では、事務費の中でコンサルタント料は補助金の中から出るわけですが、例えば県が全体の実行計画を策定する場合は曖昧のように思います。東日本大震災の際には、その支援という形でコンサルタントも岩手県などで活躍されましたが、コンサルタント業界の方々にしっかり良い仕事をしていただくためにも、そういったことの整理を是非ともしていただきたいと思います。以上です。

(酒井委員長)

 貴田委員、お願いいたします。

(貴田委員)

 24ページの「民間事業者の役割」の中で、これはセメント協会の方がオーケーであればということもあるのですが、確かに東日本大震災ではセメント業界への搬入が有効であった事実はありつつも、実態としては、セメント原料として入れるものには限度があるので、かなりの部分を、原料としない形で再生材をつくられたとも聞いています。もちろん、災害廃棄物処理への協力はぜひお願いしたいところですが、今、4割近い廃棄物の搬入量があるということなので、限度はあるのではないのかと感じています。

 それから、28ページ、「再生利用」の上から3つ目の○、「焼却灰についても可能な範囲での再生利用を行う」ということですが、災害廃棄物の焼却灰のみということではなく、通常の一般廃棄物処理施設からの焼却灰も含むと考えてもよろしいのでしょうか。焼却灰全般についてこのような考え方をするのかという点について確認です。以上です。

(酒井委員長)

 小林委員代理、荒井様、お願いいたします。

(荒井様 小林委員代理)

 6ページ目の、4行目、5行目に「支援計画も策定しておくことが望ましい」とありますが、災害廃棄物対策指針の中でも、災害廃棄物処理計画には支援の計画もまとめなさいと書いているので、わざわざ「望ましい」と書かずに、「策定するべきである」または、「策定する必要がある」などの言い回しのほうが良いのではないかと思ったのが1点。

 10ページ目、③の2段落目、「なお、地域ブロック協議会等は...維持していくことが望ましい。」という表現がありますが、「維持していく必要がある」という表現のほうが行動指針にとっては良いのではないかと思います。

 11ページ目の⑥、大島の被災でもそうでしたが、東日本大震災では支援する側が輸送主体を担ったほうが円滑に処理できた経験もあるので、「輸送ネットワークを構築すべく、関係する地域ブロック間で連携し、各輸送主体の受援必要性や支援可能性」というところも、地域ブロック間を越える輸送を行う場合は、どちらかというと支援側が主体となって輸送ネットワークを構築するとか、そういう表現のほうが良いのではないかと思います。

 28ページ、「最終処分」、できるだけ最終処分をしないようにするのですが、その際に「被災地域内の処分場」とあります。これが、11ページ目に戻るのですが、平時から民間の最終処分場を使っている場合もあるので、被災地内の処分場や公共関与の最終処分場を最大限活用するのではなく、まず平時に使っているところを活用する、ということが抜けているのではないかと思いました。以上です。

(酒井委員長)

 島岡委員、どうぞ。

(島岡委員)

 貴田委員と同じ質問ですが、28ページ目の焼却灰の再生利用についてです。焼却灰のセメント原料化の利用についてはきちんと明記されております。確認ですが、ここでは粒状態の焼却灰、アグリゲートとしての焼却灰の有効利用を認めるものかどうかということ。同時に、一般廃棄物焼却灰にも再生利用の道を開くことを意味しているのか、この点について確認させていただければと思いました。以上です。

(酒井委員長)

 永田委員、お願いいたします。

(永田委員)

 非常に細かい話で恐縮ですが、2点ほどコメントさせていただければと思います。

 19ページの下から2つ目の○で、運搬ルート、輸送手段等ということで、陸路、鉄路、海路という3種類が書かれています。11ページ、15ページの真ん中ぐらいには「広域的な輸送ネットワークを構築し」とありますが、3種類あるのであれば、「各種の輸送ネットワーク」というぐらいに書いていただくとありがたいなというところが1点です。

 27ページの下から3つ目の○、貨物輸送のところで、「あらかじめ想定した輸送の核となる駅」とあって「駅」という文字が出てきます。これはおそらく、貨物の駅や貨物ターミナルのことだと思いますので、旅客の駅と混同することが無いように修正していただければと思います。以上です。

(酒井委員長)

 森谷委員、お願いします。

(森谷委員)

 質問が1点、お願いが1点あります。

 まず質問です。3ページ、非常災害の定義を今回書いていただいているわけですが、ここで出ている通知は、今年8月に出された通知のことでしょうか。それは本日の資料のどこかにあるのでしょうか。後で教えてください。

 もう1点お願いというのは、私もどのように反映していただきたいか、先ほどから考えていたのですが、15ページから16ページの「国が中心となって行う事項」のうち⑧の「特例的措置を検討する」の部分です。16ページに「手続き等を確認しておくことが重要である」と書いていただいているわけですが、手続といったときに、平時に一般廃棄物を異なる市町村間で移動するときの手続があります。かつてアイデアとして、あらかじめ市町村同士でお互いに協定を結んでいる場合には、災害廃棄物については平時の手続を簡素化しようという話があったように覚えております。それはもちろん市町村間で話がまとまればということだと思いますが、そういうことも大事だということを、どこかで触れていただけるようご検討願えないかと思います。以上です。

(酒井委員長)

 渡邊委員、お願いします。

(渡邊委員)

 24ページ。民間事業者のセメント製造事業者について、東日本大震災では、セメント工場に運んで処理を行った事例がございました。結果としては、動脈系の施設を活用したのはそこだけだったのですが、実現はしなかったものの、例えば電気事業者にも処理を検討していただいていました。そういった経緯もあるので、大きな炉を持っている事業者は処理の可能性があると思っておりますので、少し幅広に捉えるようにしたら良いのではないかと思いました。

 これは指針に入れるという話ではないのですが、発生量の推計では、国も、県も、市も発生量の推計を行っており、あるときは環境省の数値を使い、あるときは県の数値を使うといったことをしていました。今後、その取り扱いや、整合を、何かの機会に整理しておいたほうが良いと思っております。以上です。

(酒井委員長)

 今いただいた意見の中で、セメント関連について、貴田委員、渡邊委員からそれぞれ24ページの記述について御意見をいただいたわけですが、今回、セメント協会から坂本委員にご出席いただいていますので、ここの記述について何かコメントがございましたら、ご発言をお願いしたいと思います。

(坂本委員)

 先ほどから言われておりますように、民間事業者がたくさんある中で、あえてセメント製造事業者と書かれていることについて、私は問題無いと思いますが、皆様方から見ると多少異質に思われるのであれば、他の民間企業のあり方等も含めて議論頂く余地があると思います。

 貴田委員のご指摘のとおり、セメントをつくる中での災害廃棄物の活用なので、セメントの生産量以上の廃棄物を処理することは当然できません。ただ、東日本大震災のさまざまな事例を見ると、セメントへの廃棄物処理と並行した土工資材活用等、活用の度合いがかなりあったという1つの実績があります。セメント工場は全国にございます。各ブロックや自治体と協力して行くためのガイドラインに、セメント業界としてしっかりやってくれということであれば、それらの活用例も参考にすべく記載をしていただければと考えております。

 建設業者も、そのような役割を担えるので、民間企業の実例があれば同様に扱っていただければ良いのではないかと思います。

(酒井委員長)

 今の点は、主たる民間事業者の役割はこういう形で整理されているということの範囲で、事務局で判断をして書き入れていただければと思います。セメント協会の坂本委員がこれで差し支えないということであれば、この方向で記述いただいても何ら問題はないと個人的には思いますが、ここは相談をさせていただきたいと思います。

 では、相当の意見をいただきましたので、この段階で可能な範囲について事務局にお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。

(切川係長)

 初めに、貴田委員と島岡委員からありました焼却灰の再生利用についてですが、東日本大震災では、災害廃棄物2,000万トン中の2割は可燃物で、そのうちの3割が焼却残渣でした。この焼却灰の受入先に困りましたので、そこに関して積極的に再生利用をしていきたいという意味での記述であるため、島岡委員の御意見にありました、個別にどのように処理するのかに関してまで踏み込んでいない記述になっております。

 もう1点、森谷委員からありました通知は、去る8月6日に出した通知ですが、それは今回の資料には入れておりませんので、改めて配付させていただきたいと思います。

(和田廃棄物対策課長)

 私から若干追加させていただきます。

 多くの御意見をいただき、事務局でも、引き続き検討する必要があると思っています。

 17ページ、「段階的に充実を図ることが重要である」という点に関して、石川委員からいただきました、「スケジュール感をもう少し書いてみては」というご指摘はごもっともです。一方で、まず年内を目途に、この行動指針をしっかりと周知した上で、各ブロックに行動計画の策定に移っていただくことを考えております。各ブロックで温度差もあるので、まずは行動指針をしっかり出すということで整理をさせていただきたいと思います。

 御質問以外の部分については、主旨と違うところは特にございませんでしたので、酒井先生ともご相談しながら、事務局で記載したいと考えております。

(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。

 それでは、1点だけ、大迫委員から指摘があったコンサルタントの役割についてと、24ページの民間事業者への書き入れをするかについてですが、基本的には事業者として一定の役割を果たしていただかなければならないので、今後より力を発揮いただけるような方向で記述することになろうかと思います。ここはまた事務局と相談をして、最終案を固めたいと思いますが、そういう理解でよろしいですね。

 これまで3回にわたってこの行動指針の審議をいただきました。多くの御意見をいただき、かつ、その御意見に対して、事務局側では、特に地域ブロックとは何かという点に関しては相当踏み込んで、今回、地方環境事務所の役割を含めて書き込んでいただきました。そういった意味では、意見はほぼ出尽くしたかと思っております。今日いただいた御意見も、微修正は必要ではございますが、大きな異論はなかったという認識でおります。

 最終案の取りまとめは、事務局と相談をさせていただきますので、御一任いただけますでしょうか。

(全員の合意)

 今後、最終案の取りまとめを進めさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

(2)D.Waste-Netの発足について

(酒井委員長)

 それでは、次の議事に入らせていただきます。2番目の議事「D.Waste-Netの発足について」でございます。説明をお願いいたします。

(切川係長)

 資料3「D.Waste-Net(災害廃棄物処理支援ネットワーク)の発足について」、御説明させていただきます。

 第2回検討会の中でも御説明させていただきましたが、このD.Waste-Netは、国が集約する知見・技術を有効に活用し、各地における災害対応力の向上につなげるため、その中心となる関係者の人的支援ネットワークをつくるというのが主たる目的です。主な構成メンバーは、有識者の方々、地方自治体の関係者、関係機関の技術者、関係業界の団体等で、環境省が中心となり、一般廃棄物処理事業者や産業廃棄物処理事業者に加え、幅広い関連業界も含めた民間事業者団体の役割分担等について整理し、協力体制をつくっていきたいと考えているものです。

 平時、発災時、それぞれ資料中に記述してある役割を果たしていただきたいと考えており、一番下にありますように、9月16日、来週の水曜日に、D.Waste-Netを発足したいと考えております。初期のメンバーとしては、この「大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会」の有識者の皆様方に加え、東日本大震災で貢献いただいた民間事業者団体に入っていただくこととしております。発足式では、構成メンバーの方々に環境大臣名で任命証書を発行させていただく予定です。

 2ページ目に、任命証書をお渡しする団体の方々を書かせていただいております。

 以上で説明を終わります。

○質疑応答

(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。この件で何かご質問ございますか。

(坂本委員)

 坂本です。先ほどのガイドラインにありましたように、環境省が示されているのは、28ページの復興事業などさまざまな災害廃棄物の活用をして、廃棄物をなるべく出さないで震災後対応したいということだと思います。

 例えば支援者グループのさまざまな技術を持ち出し、民間団体の中でも、今回の事例を参考に、例えば単に焼却して最終処分場を使ったというようなことではなく、今回の東日本大震災や阪神淡路大震災を参考に、災害廃棄物の効率的な処理への活用や、最終処分量をなるべく増やさないような復興方法や活用があったのではないかというような切り口の検討を、例えばこのD.Waste-Netを使ってもう一回レビューしていく。そうすると、さっき渡邊先生がおっしゃっていたようなことにも繋がるのではないか。

 せっかくのチャンスであれば、本件において、そういうことにも繋げて行けるネットワーク、組織ができると良いのではないかなと考えています。

(和田廃棄物対策課長)

 重要なご指摘をタイムリーにいただいたと思っております。事務局にて、今後の進め方のよすがとさせていただければと思っております。

(酒井委員長)

 ありがとうございます。

(3)廃掃法の基本方針に盛り込む事項(骨子)について

(酒井委員長)

 それでは、次の議題に移らせていただきたいと思います。

 今回から、廃棄物処理法(廃掃法)の基本方針に盛り込む事項(骨子)につきまして審議をいただきます。まずは資料4の説明をお願いいたします。

(和田廃棄物対策課長)

 それでは、お手元の資料4をご用意いただければありがたく存じます。「廃棄物処理法の基本方針に盛り込むべき事項(骨子)」で、本日は骨子をお示しさせていただいて、次回、盛り込むべき事項として、今日いただいた御意見をもう少し肉づけした上で、今一度御議論をいただければと思っております。

 先ほどの資料2のフローチャートの中に、今回の廃掃法改正の中で災害廃棄物に関連する号が新しく1本立ったことになりますので、基本方針の中に盛り込むべき事項をぜひ御議論いただければと思います。

 まず基本方針の位置づけです。既に御承知の先生が多いかもしれませんが、廃棄物処理の一連の関連で、「総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」が廃掃法の中での定義になっております。

 現行の基本方針にも、例えば、廃棄物処理の広域的な連携体制の構築、余裕を持った焼却施設、最終処分場の関係、災害廃棄物などの保管をするためのストックヤード、これら一連の施設の整備についてなど、大規模災害に関する記述が一部既に盛り込まれております。8月6日に施行されました廃掃法の改正では、災害廃棄物の処理に関する章を1つ置きますので、そこに盛り込むべき事項ということになります。

 2.が今申し上げた平成27年法改正の内容ですが、上から4行目、今まで四号までしかなかったのですが、基本方針の第五号として、「非常災害時における前二号に掲げる廃棄物の適正な処理に関する施策の推進等についての事項」が新たに加わりました。この前二号が何に当たるかというと、第三号と第四号、(参考)と書いてある部分に、第三号については廃棄物の減量その他その適正な処理についての施策の推進といった観点の基本的事項、第四号が処理施設の整備の関係の基本的事項、このいずれについても、非常災害時における基本的な方針という視点で見たときに、どのようなことを基本的な方針にするべきかという部分について第五号で盛り込むことになっています。

 これを受けまして、本年2月に取りまとめた、廃棄物関係の対策スキームの内容を基本にした上で、3.にあります基本的に盛り込むべき事項(骨子)を、ご用意をさせていただいた次第です。

 なお、第2回検討会の資料7、この検討会としての最終的な取りまとめを、来年3月に行うに当たっての基本的な考え方について少し議論をさせていただいたところですが、検討会の方針も踏まえた上で、以下の観点について追加すべき事項があれば御意見をいただきたく思います。以後はポイントの説明だけにいたします。

 今日は、大きく3つのポイントから御意見をいただきたいと思います。1点目は、平時の取り組みとの有機的な統合といった観点で、平時の取り組みと、発災後の一連の事柄についての連続性といった視点、2点目が関係機関との連携。これが2つの大きな柱と考えているのですが、さらに、その他盛り込むべき事項がございましたら、ぜひ忌憚のない御意見をいただきたいと思います。その上で、平時の取り組みにあわせて廃棄物処理システム全体の強靭化の具体的検討事項について、今後の検討を踏まえた上で、基本方針ではなく、この検討会として今年度末にまとめる予定の提言に盛り込むといったことも考えておりますので、基本方針に沿うような形で、少し広めに御意見をいただきたいと思っております。

基本方針なのか、今年度、検討会が取りまとめる予定の提言にするのかについては、事務方のほうで整理をさせていただければと思っております。

 今後のスケジュールですが、今日いただいた御意見というよりはこの資料そのものを10月1日の中環審の部会においてご報告する予定でありますので、御承知おきください。次回の検討会は10月20日となっておりますが、改めて事務方で用意する、盛り込むべき事項の基礎にできればと思っております。

 1ページ、骨子のキーワードだけご紹介させていただきますと、(1)「災害廃棄物対策に係る基本的考え方」ということで、「平時の処理から切れ目のない対応が必要」という観点で、適正処理に加えて円滑・迅速な処理。さらには再生利用もしっかり行うべきという観点。役割分担を明確にした上で、綿密な連携、計画策定等の事前の備えに万全を期すべきだといった観点。それから、災害対策基本法に加え、さまざまな指針、行動指針などとの整合性を図ることが重要である。

 (2)が各主体の役割といった点で、市町村について、これまでもさまざまな観点から御意見をいただきましたが、一般廃棄物についての処理を行う責任主体であるといった点を前提にした上で、強靭な廃棄物処理体制の整備であるとか、国の処理指針及び都道府県の実行計画も踏まえるべきといった観点。

 都道府県については、事務の一部を市町村から委託を受ける可能性があることも踏まえた上で、処理計画の策定、域内の実行計画を速やかに策定するといった観点に加え、域内の処理全体の進捗管理に努めること。

 それから、都道府県、市町村に共通するものとしては、さまざまな指針などとの整合を図りながら、災害廃棄物処理計画を適宜、的確に策定または変更するといった観点を入れさせていただきました。

 次が国です。国は「司令塔役」というキーワード、全国、地域ブロック単位での連携体制全般にわたってしっかりと司令塔役を果たすといった観点、発災後には処理指針を策定するわけですが、その前に本日御議論いただいた行動指針を策定しておくといった観点、それから、国による処理代行といった観点も念頭に置くべきといったことで入れさせていただいております。

 技術開発の側面、地域ブロック単位での取り組みについては、「地方環境事務所が中心となり」といったキーワードも入れさせていただいております。

 「事業者、専門家」といった観点では、さまざまな事業者、研究機関等の専門家というところで、技術や知見の集約、自治体における計画策定や国民への情報発信といった点においても重要な役割を果たしていただくといったことを盛り込んでいます。

 (3)施設の整備のあり方。これはハード的なものですが、平素より処理の広域的な連携体制を念頭に置きながら、地域ブロック単位で余裕を持った焼却施設や最終処分場、がれき等を保管するためのストックヤード等の整備が重要であるといった点、さらには、処理能力の余裕の観点から、先行投資的な視点、自ら保有する施設を最大限活用するという前提のもとで、さらには地域間協調に向けて一定枠の処分容量を大規模災害時における備えとして共有活用するといったことも重要であるということを挙げさせていただきました。

 あくまで事務方での整理でございますので、これをキーワードに、幅広く忌憚のない御意見をいただきたいと思っているところです。

○質疑応答

(酒井委員長)

 どうもありがとうございます。それでは、廃棄物処理法の基本方針に盛り込むべき事項ということで、骨子を提示いただきましたので、各委員から、この骨子に対し御意見をいただき、それを持ち帰りまして、事務局と原案作成、そして次回10月20日、先ほど和田課長から案内がございましたが、再度提示をさせていただきまして内容を固める、そういう手順で進めさせていただきたいと思います。

 それでは、浅利委員から順番に参りたいと思います。

(浅利委員)

 細かな点になってしまうかもしれませんが、別紙の骨子(案)の中の(1)の3ポツ目で、平時から市町村、都道府県、国等ということで並んでいるのですが、今回は特に地域ブロックとか協議会の役割が入っているかと思いますので、そこも触れていただいてもいいのかなと思いました。

 他に関しては、特に最終処分場の件に関してもかなり踏み込まれている印象を持ちましたので、ここの肉づけを期待したいと思っているところです。

(岩佐様 生亀委員代理)

 日建連では災害廃棄物部会を設置していますので、その委員に1度見ていただいて集約をして、環境省にお送りさせていただきたいと思います。

(石川委員)

 環維協の石川です。最後の(3)の「災害に備えた廃棄物処理施設の整備のあり方」ということで、せっかく地域ブロックの枠組みの中での議論が進むということでありますから、そういった中での設備の余力、更新の計画、中期的な計画をブロック単位で共有して、またそのブロック間の調整を図っていくというような視点が入ったらいいのかなという気がします。

(碓永委員)

 神戸市の碓永です。私も3番の「災害に備えた廃棄物処理施設の整備のあり方」の中で、市としましても、こういう形で、先行投資及び自ら保有する施設を最大限活用するという視点で災害廃棄物に取り組んでいきたいと思っておりますが、当然、平時からもその備えをしていくことも大切だと思っておりますので、そのあたり、国も財政的支援という形で何か考えていただけたらありがたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。

(大迫委員)

 十分精査してから、また追加があればとは思うのですが、当面頭に浮かぶところで言うと、1ページ目の都道府県の箇所に関して、都道府県が市町村間のさまざまな調整や、民間事業者との調整をする中で、災害時の実行計画を速やかに策定するということかと思います。「実行計画を速やかに策定する」という中に意味合いが入っているのかもしれませんが、関係機関の連絡調整を積極的に図りながら計画をつくっていくというところがあれば、さらに都道府県の役割が明確になっていくと思います。その後の進捗管理のところでは、「関係機関と連携して」という言葉が入っているわけですが、計画づくりからそういったことがわかるような形にしたら良いと思います。

 それから、2ページ目の「事業者、専門家」というところが括弧でくくられているわけですが、先ほど行動指針の議論のときには、処理の実務を担う事業者ということの中での位置づけで整理がされている部分が中心だったかと思いますが、ここで事業者と専門家が1つにくくられている中で、もちろん技術やさまざまなものの研鑽によって、日ごろから体力を整えておくことは重要なわけですが、もう少し事業者と専門家を分けた整理があるのではないか、今回の行動指針の整理を踏まえて工夫ができないものか、今すぐに具体的にはコメントできないのですが、そのように感じました。

 これは災害対策に係わる部分の基本方針の盛り込みですが、この処理法の実効性をより高めていくという意味で、人材確保や人材育成などを災害廃棄物対策に特化した形で書くのではなく、もしかしたら廃棄物処理法の全体の基本方針の中で何か書ける部分があれば書いていただきたいなと思います。以上です。

(大村委員)

 愛知県の大村です。基本方針の骨子としてはこういうことかなと思います。先ほども言われたように、(3)の「災害に備えた廃棄物処理施設の整備のあり方」というところですが、骨子に書くことではないと思うのですが、今既存の施設で、単なる耐震構造にするとか、そういうのが交付金の対象から外れているとか、そういうものがあるので、今後こういうものが決まってくればそういうところの財政支援もしっかりやっていただきたいなと思います。以上です。

(貴田委員)

 貴田です。この行動指針にも、国の役割というか、地域ブロックを国としてどんと強く押していくというところは非常に意気込みを感じておりますので、この骨子の、2ページ目の地域ブロック単位での「連携・協力体制が重要であるため」という文章は非常に良いと思いますが、この中で、行動計画の策定は、ブロック会議というか、地方環境事務所がつくるということでよろしいのですよね。もしそうであれば、それは非常に期待したいところであります。

 1つコメントですが、その前の「災害廃棄物の再生利用に係る技術開発を促進し」というところで、少し細かいことかもしれないですが、ここの文章はひっくり返して、災害時においても廃棄物の再生利用を推進していくことが重要であるから技術開発を促進するという文章のほうが良いのではと思います。

 通常感じていることですが、例えばローカルな意味で、災害廃棄物には生木や柱材などが結構あるのですが、これらが有効利用されるためには、近くにリサイクル施設などが無ければ利用ができない、運ばないといけないということもあって、例えて言えば、災害廃棄物の有効利用を考えられるような平時のリサイクル施設の設置を促すようなことがどこかにあったら良いと思います。これも、都道府県、市町村、国なのか、よくわかりませんが、そういうものがあったら、平時の対応として、再生利用の考え方として期待したいと思います。

 3番目の施設整備のところで、「地域間協調に向けて一定枠の処分容量を大規模災害時における備えとして共有する」ことについては、これまでには考えられてこなかったことだろうと思います。産廃にしろ、一廃にしろ、県境に廃棄物処分場があったりするときに、自治体の調整というのは、いわゆる連携ということではなくて、対立軸で行われることが多いので、こういう視点を書いていただくのは、今後の自治体あるいは産廃行政において必要なのでは、良いことではないかと思います。以上です。

(荒井様 小林委員代理)

 骨子の1ページ目の(1)の丸ポツ2の観点。災害時における公衆衛生の悪化の防止、生活環境の保全という点と再生利用。もう一つは、復興したときに最終処分場がなくなってしまっても困るので、災害であっても、なるべく最終処分場を使わないという観点も必要ではないかというのが1点。

 2点目は細かい話ですが、(2)の都道府県の役割で、行動指針には、都道府県は市町村の災害廃棄物処理計画の策定を支援する、ということが書いてあると思うので、ぜひそういう記載も入れてはどうかと思います。

 2ページ目の(3)の丸ポツ1個目の最後のくだりで、地域ブロック単位で余裕を持った焼却施設や最終処分場、ストックヤードを整備するということですが、これを整備する主体は市町村、場合によっては、東京都などの最終処分場を持っている都道府県だと思います。地域ブロック単位でと言われると、環境省がこういった施設をつくってくれるのかなと理解してしまうのですが、実際には市町村が施設を整備することになります。その上で、地域ブロック単位で連携できる体制づくりをするとか、そういう事ではないかと思いました。

 これは期待しているのですが、上のポツで、「発災時には、地方環境事務所が要となり、災害廃棄物対策について被災自治体等の支援を行う」と書いてありますので、市町村の能力が足りなかったら都道府県が支援し、さらに地方事務所が都道府県を支援する。そのために、地方事務所がしっかりした体制と組織、なおかつ災害廃棄物処理のスキルの維持向上を平時から取り組んで、都道府県や市町村から頼られるような存在となることが必要ではないかと思います。以上です。

(坂本委員)

 さまざまな内容が非常に良いと思っています。骨子はこういうことだと思うのですが、処理法という中で、例えば平時の切れ目のない対応ということに対する骨子と、それに対する法律の埋め込み方をどういうふうにされるのか、何となくしっくりこないなという気がしています。骨子自体は、ガイドラインとしてはこういうことだと思うのですが、骨子と法の関係と言いますか、これを法として骨子にどう織り込んで、法律としてどういうふうに表現するのか、ということが気になりました。

 (2)の主体の役割について、個人的には、国に書いてあるブロック単位というところ、環境省の検討では地方環境事務所が中心になるということですが、都道府県とこの辺の関係を少し明確な形にされたらどうかと思いました。

 それから、整備のあり方について、これも官の処理場だけを考えると、こういうふうなことが考えられるのですが、民の設備においてどのような連携、骨子なのかというと、若干温度差があると思います。以上です。

(佐々木委員)

 骨子としては良いのではないかと思いますが、気がついたことを何点か言わせていただきます。

 まず、(1)の「切れ目のない対応」について、精神論としては非常にわかる、骨子ではこれでいいだろうと思うのですが、ぜひ具体化をきちっとしていただきたい。実際、切れ目のない対応というのはどういうことか、訓練か、人材育成か、何なのかというのを少しきめ細かに具体化していただければと思います。

 (2)の「市町村は」というところで、「災害廃棄物の処理に努める」、これは当然のことですが、都道府県と国のところに、例えば自治法に基づく事務委託や、法律に基づく代行規定があるので、「災害の規模に応じて」であるとか、市町村に対して、こういう場合はどうというようなことを、少し触れておく必要があるのではないかと思います。

 「都道府県及び市町村は」等と言って、先ほどの行動指針のポンチ絵の中でも矢印が双方向になったところがあるのですが、そういった意味で、計画があるから、ここはお互いに整合性を図るということになっているのですが、現実には発災後は相互に連携することも大事なので、そういう観点も必要ではないかなと思いました。

 それから(3)ですが、上のポツは、施設の余裕とか、最終処分場の事前の準備というところも勿論ですが、災害廃棄物処理というか、施設の強靭化ということは環境省も1つのコンセプトで出しておられると思います。例えば焼却施設を整備するときに、災害に強い施設にしたいということも交付金にうたわれていますので、そういった観点も基本方針にあったほうが良いのではないかなと思います。

 最後に、3.11東日本大震災のときにも、できるだけ再生利用をしていく方向性が出されたと思うのですが、この基本方針に入れるべきかどうかはわかりませんが、そういったものも一応押さえとしてあったほうが良いのかなという気がいたします。以上です。

(島岡委員)

 私は十分読み込めていませんけれども、1点気づきましたのは、例えば2ページ目に「ブロック単位」という言葉が数カ所に出てくるわけですが、「ブロック間」についてどこかに記載すべきではないかと思います。災害の規模にもよるわけですが、ブロック間での連携が必要だと思います。

 それから、感想に近いですけれども、基本方針ですからこういう書きぶりになると思うのですが、例えば計画策定をして事前の備えを確実にする。先ほどの行動指針を見ましても、国、ブロック、県、市町村が連携して整合性をとってということですが、市町村レベル、県レベルでも十分に計画が策定されていない中においては「言うは易し」だということで、もう少し強力な義務づけ、例えば、法令化を行うようなことがないと、なかなかここまでは行かないとの印象を持ちます。

 (3)も、整備しておくことが重要であるとか、望ましいと聞こえてしまいますが、ブロック単位で各市町村が、災害時のことを配慮した最終処分場の容量確保や、焼却能力を持った施設をつくるのかどうかは、これもなかなか疑問だと思います。もう少し強力に、例えば、設計要領の中に何割分は災害時の容量として確保するという記載も必要ではないかと思うのです。水道の給水量は確か、実際に人間が使う量プラスアルファの水を消火用として考慮して送水量を決めたと思うのですが、そういうことも含めてやっていかないと難しいと思います。

 これは方針ですので、この程度で良いかと思いますが、最後の2点については、実際に具現化していくときに、周辺の整備がないと達成できないということで、感想を述べさせていただきました。以上です。

(鈴木委員)

 まず、(1)のポツの3つ目ですが、ここにアンダーラインで「役割分担を明確にし、綿密な連携を構築する」と書いてあり、これは大事なことだと思います。一方で、日本ではいつもこういうことを書いているのですが、現実には、大きな地震が発生すると、予測困難な出来事が起こったり、リソースが全然足りなくなったりするわけです。そういう中で綿密でなければならないということを金科玉条にする傾向が日本ではあるので、こういうことは大事だとしながらも、大事な骨格的な部分だけをしっかりやって、ほかは流動的、あるいは極端なことを言えば事前に措置をしないと、そこまで書くかはわかりませんが、そういうような心構えを持ってまとめる必要があるのではないかと思います。

 それから、(3)のところですが、ここには事前の対応が書いてあって、例えば、処分場で一定の余力を持つことができるのであれば、それはそれで良いと思いますが、その余力で全てをカバーすることは多分できないわけです。したがって、想定し切れなかったような事態になった場合には、事後対応で速やかに対応する、そのための準備をしておくということを入れないといけないのではないかと思います。

(田中委員)

 神戸市みなと総局の田中です。私は、港湾管理者、海面に最終処分場を有しているという立場から、この委員会に参画させていただいております。

 そういった観点から、これまでも意見を述べさせていただきましたが、資料の中で(3)の廃棄物処理施設の整備のあり方については、非常に関心のあるところでございます。この2つのポツに書かれていることは、いずれも重要なことであるというのは共通の認識だと思っておりますが、以前の検討会でも申し上げましたように、海面にかかわらず最終処分場を確保するというのは結構なお金と時間がかかるものですので、このように確保しておくことはもちろん必要ですが、時間的な余裕、あるいは、先ほどもほかの委員からもございましたように財政的な支援がないと、なかなか事前にそういった備えを持っておくのは現実として難しいのではないかと思っております。

 1つ実例で申し上げますと、今私どもは、大阪湾でフェニックス事業を行っておりまして、これは広域処理の1つの進んだ形と思っておりますが、この2期事業が神戸沖では既に70%ぐらい埋め立てが終わっており、そろそろ次の事業を計画しなければいけないなという話をしておるところです。

 その中で、当然、一廃、産廃の将来の処分容量は確保するわけですが、災害廃棄物の分はどう見込むかという議論がございます。当然見込むべきではないかという意見があるわけですが、その部分についてはなかなか国費の導入も難しいと国から言われております。これは国土交通省の所管とは思いますが、現実の議論になると、ここに書いてあるような理想論的なものだけでは物事が進まないということがございます。何かと難しいことはあるかとは思いますが、そういった点について、この3番の考え方をもう少しこの委員会で前進させられるような形にしていただければと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。以上です。

(永田委員)

 なかなかコメントするのが難しいところですが、(3)の整備のあり方ということで、事前にストックヤード等を整備するのは非常に重要な視点だと思っております。そういう意味で、ここまで環境省で書き込まれるというのは非常にありがたい話だなと感じています。

 先ほど行動指針にも輸送ネットワークについて言及されていたわけですが、これは国交省さんとの連携になると思いますので、広域的な輸送ネットワークの確保に向けて、事前の調整であるとか、十分リダンダンシーを持った計画を調整していただければなと思っております。以上です。

(平山委員)

 国立環境研究所の平山です。4点ございます。

 まず1点目は、先ほどの佐々木委員と少しかぶりますけれども、「切れ目のない対応」の「切れ目のない」という言葉のコンセプトが明確になっていない、要は曖昧になっているのではないかという点、それにあわせて、災害対応に関しては中長期的に考えることも必要だと思います。そういったことも「切れ目のない」に入っていると思うのですが、中長期的、戦略的に対応を進めていくことも基本方針の中に表現としては入れ込んでいただければありがたいと思います。

 2点目が、(1)の3つ目のポツの「事前の備え」というところです。次の2ページ目の「事業者、専門家」のところにも出てきていますが、「計画策定等の事前の備え」と書いていますけれども、計画策定は事前の備えの第一歩のことなので、必ずしも計画策定というのをここに書き出す必要はないのではないかと感じます。

 3点目が、(2)の1ポツ目の上から4行目ですが、「強靭な廃棄物処理体制の整備」とあります。これは防災の分野の話ですが、今内閣府等々で国土強靭化政策が進んでいますが、防災の専門家の間では「強靭化」という言葉は誤訳だと言われております。現在、内閣府のいろいろな資料にも「国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)」という形の書き方がありますので、「強靭化」という言葉を使われるときには今後配慮をいただければと思います。

 4点目は、大迫委員と同じ観点で、今検討会での報告はないのですが、参考資料7にある人材育成ワーキングで、災害レジリエントな廃棄物システムを実現するために、人の観点から検討しています。ですので、この基本方針の中にもぜひ人材育成をいれて頂ければと思います。先ほど大迫委員が、ここに入れるのか、あるいは全体で入れるのかの検討もあるとおっしゃられましたけれども、それも含めて検討いただければと思います。以上4点です。

(森谷委員)

 大きく2点申し上げます。

 今、平山先生がおっしゃられたことの一部補足かもしれません。まず、これまでつくられている基本方針のつくりとの関係もあってこうなるのかもしれませんが、先ほどの行動指針でも議論したように、「平時には」というのと「災害時には」というのを常に頭に入れながら基本方針も書かれてみてはどうかと思います。

 それは何かというと、先ほどの平山先生のお話にもあったとおり、計画策定等の事前の備え、これは平時です。発災後には関係者の間で綿密な連携をとるにはどうしたらいいのかが次に大事です。

 「発災後の」という話は、民間事業者の立場からすると、2ページ目の「事業者、専門家」のところでも出てきているわけですが、一例を申し上げると、計画策定時では例えば特例措置や、先ほど私が申し上げた市町村間の廃棄物の移動については書かれると思うのですが、実際にそういった措置を発動するときには、市町村も、民間事業者も、あらかじめ届出書をどうしたら良いのか、届出書を受理したらどう処理したら良いのか、事前に市町村間で協議して移動させるのはどうしたら良いか、そういったことを実際に行うためには、事前訓練みたいなものがあってしかるべきではないかと思っているからです。これが1点目です。

 2点目は、都道府県と市町村とのことです。皆さんご存じのとおり、広島市内で起きた水害と、それよりも先立って伊豆大島で起きた水害がありますが、市町村は人的、技術的な面での能力の違いとか、離島であるか、人里離れた山奥かということで、地理的な困難性があります。それが現実の姿ですので、都道府県が市町村とどう協力し合うかというところは随分重要なことだと思います。ここで書かれていることはどれもこれも、市町村という言葉で市町村ごとの差がなく書かれています。市町村の現実を十分考慮して、さらにはそこに結びつく民間事業者の役割も考慮して、各主体の役割を意識すべきと思います。以上です。

(渡邊委員)

 私どもの経験上、ここに書いてあるような事前の備えということで大事だと思っていることが何点かあるのですが、まず仮置場を確保しましょうというのがありまして、ストックヤードという言い方にして入れておられる。また、災害廃棄物は産業廃棄物に非常に似ていますので、市町村との連携なり他県との連携、また民間との連携は必要だろうという思いでおります。また人材育成も必要だろうということで、おおむねこの骨子に入っているのかなと思っています。

 実際の処理の段階では、最終処分場は虎の子ですので、これを大事に使うという観点での再生利用は、さっき荒井さんがおっしゃったとおりだと思っております。処理の順番もあって、域内処理は大事にしなくてはいけない。これも書かれていることだと思います。

 法制度の面を考えてみますと、私どもの課題を酌んでいただきまして、環境省に法改正や、特例措置を定めていただいております。それについては、死に体とならないような的確な運用が必要だろうと思っております。以上です。

(酒井委員長)

 どうもありがとうございました。全委員から御意見をいただきました。

 それで、次回に向けてという話になるわけでございますが、今日いただいた意見の中で少し確認しておいたほうがいい事項が1点、2点あろうかと思います。1つは、坂本委員から、骨子と法の関係、その部分は恐らくは法に基づく基本方針(骨子)ということですから、法との関係はそういう整理に尽きるかと思いますが、骨子の活かし方という趣旨であったと思います。その点、事務局からコメントいただける部分があればお願いをしたいと思います。

 もう1点は、平山委員から、「強靭化」という言葉が誤訳だ、防災分野ではナショナル・レジリエンスという指摘でした。具体的にはどういう言葉を使おうとされているのか、ご紹介いただけないかと思います。先に平山委員からお願いいたします。

(平山委員)

 「強靭な」というのは、基本的に、欧米といいますか、アメリカの考え方でありまして、実際には災害のインパクトを小さくするといったことと、もう一つは回復力をしっかりと上げていく、両方の概念をあらわす言葉として、「レジリエント」あるいは「レジリエンス」という言葉が使われています。

 それを内閣府で「強靭化」という日本語で使われているわけです。私も全て片仮名がいいとは思っていないのですが、当初、漢字でということで「強靭化」という言葉を使われていたのですが、今年度の内閣府等のさまざまな文書の中では、「国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)」という形で使われてきています。強靭といったものが、施設が強いという意味で強靭な施設であれば良いのですが、その中に、災害に強い、あるいは回復力もきちんと保った形、そういったような概念をあらわすのであれば、「強靭化」という言葉に関しては、今後は少し考えていかないといけないと思っています。実際に防災のさまざまな学識の専門家等々も、「レジリエント」あるいは「レジリエンス」という言葉を使うほうが良いというような論文等もございますので、ご配慮いただければと思います。

(酒井委員長)

 今のご発言の中で、片仮名文字が良いとは思わないと言いながらそれを使っているということは、現段階で良い和文名がないのでしょうね。防災分野の方々が頭を相当ひねっても良い言葉が出てこないかと思います。そこはそれでやむを得ないとしても、より良い表現がないか、皆さんにまた知恵を絞っていただき、特に発言された平山先生に十分知恵を絞っていただいて、日本ですから良い日本語の言葉が出てくるように努力していただければと思います。皆さん、私も含めて、ここは努力をしていく課題ということで整理をしたいと思います。

 骨子の活かし方についてお願いいたします。

(和田廃棄物対策課長)

 ちょうどご説明しようと思っておりましたところでしたので、ありがとうございます。坂本委員の御質問について、2つの側面があると思います。

 1点目は、廃掃法の今回の改正に基づく新しく加えるべき内容について盛り込むということです。根本は廃掃法の改正にありますので、法律の体系の一環を成すというところは、1点制約が確かにあります。

 基本方針については、法律や政令など規則の直接的な条文ではありませんので、比較的やわらかく、法律用語でしか使えない用語になるわけではなくて、どちらかというと環境省の告示の内容ですので、若干は表現に幅があります。

 今日は骨子を、次回は盛り込むべき事項について案をお示ししたいと思っているのですが、その案を踏まえて、その案の確定ということとは別に、それをどう基本方針の中に盛り込むかという段階では、どのくらいの規模かわかりませんが、環境大臣の告示としての表現ぶりの整合性はとらせていただくことにはなろうかと思います。

 繰り返しになりますが、政令や規則というところまでは行っておりませんので、比較的やわらかめの、例えば「地域ブロック」という言葉も、法令的には入れられないわけですが、これは多分入れられるかなというつもりで我々頑張ろうと思っているところでございます。

(酒井委員長)

 法令上の整理に加えて、この骨子、あるいは骨子に基づいてできた基本方針、それに基づいた今後の政策、予算といったところへの反映は当然ある話ですね。

(和田廃棄物対策課長)

 例えば今の時期ですと、先ほどの財政的な措置も一例が出ましたが、これで全てが片づくというわけではありませんが、少なくとも財政当局に、例えば予算で説明をする、組織の機構定員の議論をするときには、例えば廃掃法の基本方針にどのようなことが書かれているのかということを活用するというのは大いにあり得る話です。そういうことも念頭に置きながら、今日いただいた意見も少し工夫してみたいと思っているところでございます。

(酒井委員長)

 どうもありがとうございました。それでは、今日いただきました意見に基づきまして、今回の廃掃法の基本方針に盛り込むべき事項の整理、次回の検討会に向けた準備をよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、今日の議事事項は以上でございますが、全体を通じて何か質問、御意見ございますでしょうか。

 特に無いようですので、事務局から追加の説明をよろしくお願いいたします。

(閉会)

(切川係長)

 本日の議事録は、原案を作成いたしまして委員の皆様にご確認をいただいた後、環境省ホームページに掲載する予定ですので、よろしくお願いいたします。

 今後のスケジュールについては、資料5をご確認ください。

 次回の検討会、第4回の日程は10月20日、13時30分から開催したいと考えております。場所は大手町にあります日経カンファレンスルームでの開催を予定しておりますが、後日改めて場所等のご連絡をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(森谷委員)

 第4回検討会で今後のあり方というのを書かれていましたが、これはどういうことをされようとしているのでしょうか。

(切川係長)

 先ほどの資料4の中にもありましたが、次年度以降、災害廃棄物対策をどのように進めていくべきなのかといった提言という形で今後のあり方を整理いただきたいと考えており、その骨子を第4回でお示しさせていただくことを考えております。

(和田廃棄物対策課長)

 いわゆるこの検討会としての取りまとめを一旦しておきたいなと思っています。例えば基本方針とは別に、さらにこの検討会としての取りまとめを年度末に行っておくことによって、次につなげていきたいという趣旨です。

(酒井委員長)

 本日多くの意見を頂戴いたしまして、どうもありがとうございました。

 それでは、第3回大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会をこれで閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

(了)