環境再生・資源循環

第2回大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会 議事録

1.日  時: 平成27年7月3日(金)

2.場  所: 日経カンファレンスルーム(6階)

3.出席委員: 酒井伸一委員長

       浅利美鈴、生亀孝志、石川龍一、太田博之(碓永委員代理)、

       遠藤守也、大迫政浩、大塚直、貴田晶子、小林幹明、近藤守、

       坂本知也、佐々木五郎、島岡隆行、鈴木武、田中誠夫、永田尚人、

       平山修久、森谷賢、吉岡敏明、渡邊泰至

       (計21名)

4.委員以外の出席者

(事務局)

 環境省 

鎌形廃棄物・リサイクル対策部長、山本企画課長、和田廃棄物対策課長、久保課長補佐、山田課長補佐、

生井課長補佐、大嶋係長、切川係長、大久保環境専門調査員

5.議  題

(1)大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針(素案)について

(2)災害廃棄物対策の進捗状況の周知のあり方について

(3)D.Waste-Netの役割や機能等について

(4)平時から災害時まで切れ目のない廃棄物処理システムの目指す方向性について

(5)各WGの状況について

6.配布資料

資料1 大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会 委員名簿

資料2-1 「大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針」の位置づけ

資料2-2 大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針(素案)

資料3 災害廃棄物対策に関する情報発信について

資料4 昨年度までの検討成果のとりまとめ(案)

資料5 災害時における災害廃棄物対策に係るアンケート調査

資料6 D.Waste-Netに期待する役割、機能等について

資料7 平時から災害時まで切れ目のない廃棄物処理システムに留意した検討の進め方(案)

資料8-1 技術・システム検討WGの進捗状況について

資料8-2 要処理量WGの進捗状況について

資料8-3 人材育成WGについて(案)

資料8-4 地域間協調WGの検討事項

資料9 ネパール大地震への支援について

資料10 大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会 開催スケジュール(案)

7.議  事

(久保補佐)

それでは定刻となりましたので、ただいまから「第2回大規模災害発生時における災害廃棄物対策検討会」を開催したいと思います。委員の皆様におかれましては、ご多忙のところ、また、この雨の中お集まりいただき、ありがとうございます。

 初めに、鎌形廃棄物・リサイクル対策部長よりご挨拶をさせていただきます。

(鎌形廃棄物・リサイクル対策部長)

廃棄物・リサイクル対策部長の鎌形でございます。今日は本当にご多忙の中、また、お足元の悪い中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

 今、廃棄物処理法と災害対策基本法の一部を改正する法律案を国会に提出させていただいており、現在、衆議院を通過いたしまして、参議院で審議中でございます。

 この法案は、本検討会で取りまとめていただきました、「巨大災害発生時における災害廃棄物処理に係る対策スキームについて」、をもとに立案したものでございます。私どもといたしましては、一日も早く成立いただいて、これに基づいてしっかりと災害廃棄物対策を実効性あるものにしていく、そういう体制づくりを進めていきたいと考えています。

 そういう意味で、既に全国で地域ブロック協議会等が動いており、そうした動きを加速していくことが、この法案を早期に成立させることの意義だと考えています。

 今日は、いくつか議題がございます。一つは「大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針」素案という形で出させていただきました。今後の本法律に基づく体制づくりの一つの柱になってくるものだと思いますので、忌憚のない御意見を賜りたいと思います。

 さらに、平時から災害時まで切れ目のない廃棄物処理システムの目指す方向性として、巨大災害廃棄物対策チームを発展させたD.Waste-Netのあり方などについても、御議論賜りたいと考えております。

 今日も専門的かつ広範な視点から、さまざまな御議論を賜れればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(久保補佐)

それでは議事に入ります前に、資料の確認をお願いいたします。お手元の議事次第に配布資料の一覧がございます。初めが、資料番号がついておりませんが資料1で、本検討会の委員名簿です。

 次が資料2-1、「大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針」の位置づけという資料でございます。

 次が資料2-2、大規模災害発生時における行動指針の素案、です。

 次、一枚紙になりますが、資料3で、災害廃棄物対策に関する情報発信について、です。

 資料4、昨年度までの検討成果の取りまとめ(案)です。

 資料5、災害時における災害廃棄物対策に係るアンケート調査です。

 次が資料6、A4横の資料が、D.Waste-Netに期待する役割、機能等について、です。

 その次が、資料7、平時から災害時まで切れ目のない廃棄物処理システムに留意した検討の進め方(案)です。

 ここから資料8のシリーズが4つ、8-1から8-4まで続きます。各種WGの資料ということで、4種類でございます。

 その次が資料9で、A4横カラーの資料、ネパール大地震への支援について、です。

 そして最後、資料10で、今後の開催スケジュール(案)です。

 ここから先は委員のみの配付となっております。参考資料が5種類。1つ目が参考資料1で、前回の議事録です。

 2つ目以降は、資料番号は書いておりませんが冊子が4種類で、1つ目が巨大災害発生時における災害廃棄物に係る対策スキームについて、2つ目がグライドデザインについて、3つ目が黄緑色の表紙の災害廃棄物対策指針で、最後の4つ目が縦書きの、法律の改正案参考資料です。

 以上、資料の過不足等がございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。

 また、ここから先はメディアの方、一般の方も含めまして、写真撮影、ビデオ撮影はご遠慮いただければと思います。

 続きまして、本日の委員の出席状況にまいります。お手元の資料1の委員名簿をご覧下さい。本日は大村委員、勝見委員、中林委員、牧委員の4名の委員から御欠席の連絡をいただいております。また、碓永委員の代理として、太田様に御出席いただいております。

 なお、この名簿ですが、上から2人目の石川委員と3人目の生亀委員が、五十音順で順番が逆になっております。大変失礼いたしました。お詫び申し上げます。

 それでは、これ以降の進行を酒井委員長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(1)大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針(素案)について

 

(酒井委員長)

それでは早速議事に入らせていただきたいと思います。資料のとおり多くの議事が用意されております。どうぞ、円滑な審議をよろしくお願いしたいと思います。

 前半部分は、災害廃棄物対策行動指針の素案の審議をお願いすることになります。前回、骨子案を提出いただきましたが、今回は素案ということで準備をいただきました。

 それでは早速、事務局から資料2-1、2-2について、ご説明をお願いいたします。

(和田廃棄物対策課長)

資料2-1、2-2に基づきまして、行動指針の説明をさせていただきます。その前に恐縮ですが、資料10をお手元に置いていただきまして、今後の審議の日程などから言及させていただければと思います。

 本日は第2回です。行動指針の素案についてという位置づけにさせていただいております。

 今日で行動指針に関する議論を一旦集約するという整理とさせていただいておりましたが、法律の審議状況や、更にもう一段深く議論を尽くしたほうが良いのではないかということもございまして、9月にもう一度、素案の次の「案」という段階で議論をさせていただいた上で、取りまとめる方向にしたいと思っています。

 それ以降のスケジュールにつきましては、第5回に向けて今年度の、いわゆる災害廃棄物処理に関する大所高所からの観点からストラテジーを取りまとめるということで、今年度帰結するという予定に変更はございません。

 それでは、資料の2-1からご説明をさせていただきたいと思います。前回も少し敷衍させていただきましたので、ポイントだけにしたいと思います。2-1は今回の災害廃棄物対策の関係での行動指針と、そして既に昨年3月に策定しております「災害廃棄物対策指針」の関係について整理してございます。

 1ポツが、いわゆる災対指針について、災害の規模にかかわりなく「切れ目のない災害対応」というキーワードと、より具体的な内容を記載するとともに、不断に情報収集を行って、その都度しっかり改訂などを行っていくという位置づけのものでございます。

 一方、行動指針、今回と次回でご議論いただくものについては、前回もご説明しましたが、大規模災害発生時においての基本的な考え方、そして対応方針を整理するものでありまして、地域ブロック単位での行動計画の策定というもののポイント、そして国による処理指針、いわゆるマスタープランの作成に当たって、国みずからが踏まえるべき事項というような点を盛り込んだものが、今回の行動指針に当たります。

 資料の2-2にお移りいただき、まず第1章、行動指針策定の経緯でございます。前回、骨子について御議論をいただいておりますので、御指摘をいただき変更したところや、骨子から大きく追加や変更を行ったところがどの辺か、というところをご紹介しながら御説明したいと思います。

 最初は行動指針策定の経緯ですが、こちらは、昨年度来からの議論の経過をまとめてございます。前回から特に大きな変更はございません。

 2ページ目、指針策定の目的ですが、先ほどの資料の2-1でございましたように災対指針との関係、②では適正、円滑、分別、再生利用などといった基本哲学を踏まえた上で、③で大規模災害時における"オールジャパンでの対応"という基本哲学のところを目的として掲げ、ここも大きく変更をしているところはございません。

 3ページ目、第3章ですが、こちらは対象となる大規模な災害の考え方と基本的な対応方針で、①は、まさに基本的な対応方針の哲学を、そして対象となる規模というのは概ねどういう基本的な考え方なのかというところを、①の丸2つのところで表現させていただいている次第です。

 発災後であれば、外形的に一番わかりやすいのは政令指定がなされることなのですが、その政令指定を待たずしても、発災段階でこういうものがいわゆる大規模な災害ではないかと想定できるような内容を盛り込んでございます。ここも前回と大きく変更はございません。

 ②は前回、特に大規模災害、非常災害、通常災害の定義がわかりにくいと各委員から御指摘をいただき、法令、法文上、どうなっているのかと御紹介させていただきました箇所でございます。改めて大規模災害の意味づけ、そこには災対法に基づく「著しく異常かつ激甚な非常災害」というところから始まって、いわゆる法律、廃掃法などの世界での非常災害というものを含めて、幅広い、大規模災害に至らないものを「通常災害」というキーワードで整理させていただいております。

 4ページ目、こちらも基本的な考え方ですが、特に大きな変更はございません。まさにオールジャパンでの対応を、改めて、というところです。

 5ページ目、行動指針の位置づけ、こちらは前回、いくつか御質問、御意見をいただいております。先ほどの資料2-1で具体的に言及しませんでしたが、行動計画を策定する主体がどういう定義になるのかという御質問がありました。フローチャートそのものについて、指針、行動計画、実行計画、処理実行計画など、いろいろ出てくるのだが、それぞれの位置づけ、役割について、フローチャートとは別に文章として盛り込んだほうがいいという御意見もありました。

 また、中林先生からこのほかにも数カ所ありますが、支援と受援の関係についても御指摘をいただきました。

 このページの、①、②で定義を丁寧に書きましたが、地域ブロック協議会として策定する行動計画について、都道府県、市町村がしっかりとそれとの整合性を図りながら、という前提で、②の後段になりますが、「受援計画」という言葉を少し前に出させていただきました。これは後からも出てきます。

 一方で、支援する側の観点ということで、両方の観点から内容を盛り込むべしとのことについて、改めて盛り込んでございます。

 この関係を受けて次のページ、先ほどのフローチャートの図も、下の都道府県と市町村のところの黒い太矢印が、一方通行ではなく双方向になっているような内容のところに整理をさせていただきました。

 次は7ページ、第2編、関係者の役割・責務について、まずは基本的な考え方というところで、こちらのページも特に大きな変更はございませんが、委員の皆様方からいただいた御意見の中では、基本的な考え方の中でも、大規模災害が発生した場合の、それぞれの関係者の責任と機能を明確にすべしということをいただいておりますので、そこにもございますように、基本的な考え方のところで内容に盛り込む形になってございます。大きく変更したというよりは、少し文言を整理しております。

 8ページにまいりまして、こちらは大規模に至らない通常災害に対して、今後、科学的、技術的な知見が重要だという御指摘もいただいておりますので、最後に、通常災害時における災害廃棄物処理に係る知見・教訓を踏まえた対応としていくことが重要という点を、改めて追加しているところでございます。

 第2章、9ページですが、地域ブロック単位で行う事項というところで、いただいた御意見のポイントを御紹介しますと、協議会のリーダーは誰か、被害想定は協議会独自に設定することになるのか、といったところが分かりにくい。災害対応力を向上させるための、人材のキャパシティービルディングをしっかり図ることが重要であるといった点。地域ブロック協議会は、色々な主体とのネットワーキングをしっかりやっていくべきだという観点。地域ブロック協議会自体の役割をもっと明確にしながら、一方では環境省が主体的に動くべきであるというご意見。そして再生資材の利用は、全国一律ではなくて地域特性を踏まえて、などといった御意見をいただいています。

 修正した箇所としては、③で、地域ブロック協議会等では、とあり、まず「平時から」というキーワードで始まりまして、地方環境事務所が中心となって、共通の認識となる被害想定を設定するであるとか、地域ブロック内の関係者それぞれの役割分担を明確にした上で、処理をしっかりと行っていく。また、人材育成プラットフォームとしての機能も充実を図るといった観点、そして継続的にネットワーク機能として維持していくことが望ましいといった観点、そして地方環境事務所の関係では、地方環境事務所が積極的にファシリテーター役を果たしていくということが重要だということ。そして、運営スキームというところのちょうど真ん中で、下水道分野の情報を環境省でつけ加えてございます。下水道では類似の、地域ブロックの連携の場が設けられているようなのですが、そこの具体的な取り組み、スキーム、ルールも非常に参考になるかと考えています。それも踏まえて、早急に環境省で、前回、複数の委員から御指摘いただいた、どういう運営をしていくのか、具体的なスキームについて、もう一段詰めていきたいなと思っています。

 また④では、地域ブロック単位での、いわゆる適正処理や再生資材の利用、そして利用先の観点で、最終処分される災害廃棄物についての、地域ブロック単位での処分先の確保の観点を追加しています。

 次のページにまいります。ここでは、例えば市町村が策定する計画と地域ブロックの行動計画との関係について。そして発災後に臨機応変に見直しなどを図っていくこと。同様に、「支援と受援」というキーワードの御指摘をいただいたところです。

 その関係では、⑧で内容を追加してございまして、地域ブロック協議会において行動計画を具体化するということで、役割を明確にした上で、構成する都道府県、市町村が策定するそれぞれの処理計画との整合を図りつつ、段階的に充実を図ることが望ましいと。さらに、いかに実効性を高めていくかというような視点も重要であるという事を、盛り込ませていただいたところです。

 また発災後については⑩ですが、連携協力などについて見直し、そして柔軟な対応を行っていく前提での見直しを行っていくことについて、改めて追加しているところでございます。

 次11ページ、国が中心となって行う事項ですが、委員から御指摘いただいたのは、特に要処理量の推計については技術革新などを十分に踏まえて、マニュアルを改めて整備しておくべきということでしたので、それについては③で盛り込ませていただいています。

 また、④については、再生利用の受入れ基準に合わせた選別技術を選択するべき、という御意見をいただき、④の3つ目の丸で、再生利用を促進するため、復興資材やセメント原料等の受入れ先の基準や品質等を整理し周知というところを、追加しております。

 続いて12ページ、先ほどと重複していますが、特にD.Waste-Netの関係や、業界団体グループとの連携が重要であるが、環境省がしっかりリーダーシップをとるべきであるということ。そしてネットワークを活用して、最新の科学的、技術的な知見について集積、分析していくというようなことが重要ではないかという御指摘をいただき、加筆いたしました。

 ちょうど真ん中の、発災時の機能というところで、環境省が集約した被災自治体等からの要望に可能な限り対応できるよう、技術的な助言や、D.Waste-Netの機能を維持するため、国立環境研究所や廃棄物資源循環学会等と連携し、必要な人材育成を実施するというところも、盛り込ませていただきました。

 そして、さらに⑥でも、さまざまな関係主体と協定を結んでおくということが非常に効果的ではないかといった御意見をいただきましたので、12ページの最後の丸になりますが、ガイドラインを作成して、災害協定等の締結を推進すると。その上で、実効性の高い協定となるよう、必要に応じて調整を行うという内容を盛り込ませていただきました。

 13ページ、こちらについては特に大きな変更はございません。特例措置の関係、国民への情報発信、提供の関係、事務手続きの簡素化などについて、柱立てがなされているところです。

 次が14ページ、ここからは第3編、地域ブロックでの行動計画の策定とそのための連携のあり方ということで、第1章が行動計画策定の必要性についてです。こちらについても、必要性のところは前回と特段、変更はございません。

次15ページ、第2章で、行動計画に盛り込む事項です。前回、ここでは特に、支援をする側、支援を受ける側の観点を、ある程度明確にした上で計画を策定すべきではないか、という御意見をいただいておりますので、②行動計画の位置づけで、2番目の丸ですが、行動計画の中に自らが被災したときにどう対応するのかという行動計画と、そして支援に回った場合にどのように支援をするのかという、2つの観点からの内容を記載することが望ましいと盛り込ませていただきました。

 また、民間事業者からの情報提供について、有害物質に関係する情報提供といってもそんなに簡単ではないという御指摘をいただきましたが、③の4つ目の丸の最後で、PRTR制度そのものを全面活用ということではありませんが、まずはこれを活用した上で、民間事業者との連携スキームがあるので、必要な情報を入手、積極的に情報提供をいただくことについて、働きかけを行うといったことを盛り込んだ次第です。

 16ページは、大きな変更はございません。⑤で地域ブロック内のネットワーク、そして合同訓練、セミナーの関係が⑥、⑦が対応状況の共有、最後が点検・見直しといった内容になっております。

 次は17ページ、地域の災害廃棄物関連計画等との連携ということで、これも先ほどと若干重複しておりますが、改めて重要であるということで、都道府県及び市町村が策定するそれぞれの計画と、地域ブロックで策定する行動計画との整合性の重要性について盛り込んでございます。

 次の第4編、18ページに移らせていただきます。大規模災害時の国のリーダーシップと発災後処理指針の策定です。まず18ページが基本的な考え方で、こちらも前回から大きな変更はございません。特にこれは、これまでの国会質疑の中でも、環境省から説明しているところでございますが、マスタープランに当たる指針については、おおむね1カ月以内に策定するということも、改めて盛り込んでいる次第でございます。

 19ページ、発災後の処理指針に盛り込む事項で、前回は委員からの御指摘で、どういう場所に対してどういう支援が必要になるのかという、ニーズがどこにあるのかということ、いわゆるマッチングを行う上で重要ではないかということもございましたので、①の国の役割の2番目の丸で、支援のニーズと、そして支援をする側のマッチングというものを、国が積極的に行うというような観点の趣旨を追加してございます。

 そのほかに、都道府県の役割、市町村の役割は大きく変更はございません。20ページの民間事業者の役割も、特に大きく変更はございません。発生量の推計のところも、特に変更はございません。

 ③について、御意見をいただいておりますのは、目標期間の設定が、いわゆる紋切り型ではなくて柔軟であるべきという観点で、そこには、地域及び災害廃棄物の特性に応じた柔軟な目標としての期間を設定する、という趣旨を盛り込んでいるところでございます。

 そして④ですが、ここは特例的措置になります。例として下に丸を4つほど書かせていただいております。あくまで例ということでありますが、そのほかに委員からの御意見として、生活環境アセス、いわゆるミニアセスにかかる手続きの簡素化、そして委託の事務手続きの簡素化、倒壊家屋の撤去などの点について、御指摘をいただきました。これは、この今後の特例措置の事例の中で対応していきたいと思っております。

 そして21ページ⑤、災害時のし尿、生活ごみ、専ら市町村が中心になるもの、⑥の適正処理の確保、⑦の処理フローの関係は前回と大きく変更はございません。

 そして最後になりますが、22ページで、ここも一連のフロー、分別、中間処理、鉄道・船舶による広域輸送、再生利用等、最終処分という一連の、最終処分に至るまでのスキームのポイントを盛り込んでございますが、ここも前回と大きく変更はございません。

 そして⑧の工程表の作成、進捗管理、最後の⑨の住民、被災者への対応についても、特に大きく変更はございません。以上、事務局からの説明でございます。

○質疑応答

(酒井委員長)

どうも、ありがとうございました。

 それではただいまの説明に対しまして、ご質問、あるいはご意見等がございましたら、ご発言をお願いしたいと思います。ではいつもどおり、ご意見がある方、ご質問のある方は、名札を立てていただけますでしょうか。

 それでは生亀委員から回していきたいと思います。生亀委員、どうぞ。

 

(生亀委員)

どうもありがとうございます。意見を申し上げる前に、我々日建連は大手ゼネコンの集まりなのですが、どんなスタンスで今回の災害廃棄物処理について臨んでいるかということを、まず簡単に申し上げまして、その上で、この行動指針に対する意見、質問を申し上げたいと思います。

 ご承知かとは思いますが、東日本大震災で、岩手県と宮城県で発生した災害廃棄物、およそ2,000万トンだったと思いますが、その半分は日建連の会員企業、大手ゼネコンが処理いたしました。ただ、それについてご存じの方はほとんどおりません。

 ゼネコンの社員でさえも、うちの会社はそんなことをやっているのかと言うぐらいですから、知らないことは当たり前だとは思っております。

 しかし、ゼネコンが災害廃棄物の処理を行った実績があることを自治体が知らないということにより、発注までに時間がたってしまうことがありえます。関係の方に伺いますと、大体3カ月か4カ月ぐらいは遅れたのではないかと言われています。

 これは東日本大震災だけではなくて、去年の8月、広島で発生しました土砂災害でも同じでした。そこでも東日本大震災ほどではないのですが、かなりの量の災害廃棄物が出て、地元業者で処理を受けていただくところが無く、どうするかということで、広島市にある日建連の中国支部に話があって、実績を紹介して、広島市の土砂災害の廃棄物処理を、日建連会員が受けたわけです。

 着手時期が遅れないように、ゼネコンで災害廃棄物処理をやっているということを、関係の方々に知っていただくということが必要と思っております。

 その上で、もし要請があれば、我々が持っている知見を事前にお伝えすることもできますし、あるいはまた、先走って申し上げますと、処理についての発注方式といったようなところも、平時のうちに協定という形で、何らかの形で決めておけば、いざという時に迅速に業者の選定が決まって、業務に着手することが可能になるのではないかと思っているわけであります。

 後で報告があろうかと思いますが、この委員会の技術・システム検討ワーキングで、廃棄物の標準処理フローの検討等をしているわけですが、そこに日建連の会員企業の社員が参加させていただいて、勝見委員の指導の下でデータの提供や、解析などの作業をさせていただいております。ゼネコンの一つの使命として、こういうことにはしっかり対応していきたいと思っているというのが、基本的なスタンスです。

 その上で、指針の中で、細かいことも含めて、2点だけ申し上げたいと思います。まず1点が16ページの⑤です。最初の丸で、地域ブロック協議会等を主体としてというので、1行目から2行目にかけて、「建設業協会、解体業組合等」。「等」が入っているからいいということがあるのかも知れませんが、建設業協会というと、例えば◯◯県建設業協会というのはほとんどの県であるのですが、中には建設工業会といっている場合もあります。ここは固有名詞に近い例示ではなく、何か工夫の余地はないかと思います。

 さらに、原案では、日本建設業連合会の支部がこれでは、読めないという問題があります。

 それともう一つ、20ページの上から数行目の民間事業者の役割で、我々の役割・責務ということで、読ませていただいているのですが、1つ目の丸の4行目が非常にわかりにくい表現になっており、具体的に我々は何をやったらいいのか、わかりにくくなっているということであります。

 4行目の最後には「委託を受けて処理を行う」だから、これは事業者が処理を行うということで、主語は事業者だと思うのですが、ただ、2行目に「一般廃棄物処理事業者だけでなく」云々、いろんな「事業者等の協力を得るとともに、これらの事業者と有機的に連携し」と、こうなってくると、誰がこういう人たちに協力を得て、この人たちとどういうふうに連携する、誰がというのもよくわからないので、整理していただいたほうがいいのかなと思います。

 それと、「有機的に連携」、「協力を得る」とありますが、ここは具体的な話になりますと、例えば元請けか下請けか、委託なのか再委託なのか、連携というと、JVを組むなど、実際のことを考えると、協力とか連携という言葉の中にはいろんなことが出てきて、具体的にどうしたらいいのだろうというのがわかりません。

 指針でそこまで書くのかという問題はあるかもしれませんが、そのあたりは具体的にはこうするのだという前提の上で、表現を工夫していただきたいなと思います。

 ちょっと長くなりました。以上、2点、質問というか意見です。ありがとうございました。

(酒井委員長)

生亀委員、どうもありがとうございました。

 引き続いてご意見をいただきますが、今の生亀委員の、この2点のご質問部分に関しては、先にお答えいただきましょうか。

(和田廃棄物対策課長) 

16ページの「建設業協会」というのは、固有名詞に極めて近いという点について不勉強でした。もう少し精査をします。

 同様に20ページのところも、主語が誰かというのと、連携というのは具体的に何かというところは、確かにわかりにくいところがありますので、ここはもう少し練ってみたいと思います。ありがとうございます。

(生亀委員)

よろしくお願いします。ありがとうございました。

(酒井委員長) 

どうもありがとうございます。

 それでは次、遠藤委員、お願いいたします。

(遠藤委員)

私も数点確認したいと思います。まず、9ページ、地域ブロックの責務の③「地域ブロック内の関係者それぞれの役割分担を明確にした上で」という文言がありますが、地方環境事務所が中心となってやる際に、農政局や地方整備局といった他省庁との連携を視野に入れているということで、次の⑦には記載されていますが、そういうイメージでよいのかということです。

 また、前回の委員会で、地方整備局、農政局等、さまざまな機関が関係業者に対する指示を出す際には、窓口を一本化して欲しいというお話を日建連さんがされていましたので、ごみ処理に関わる窓口の整理は、地方環境事務所が中心となってやるとか、そういったポイントは書いておいたほうがいいと思いました。

また,16ページ、地域ブロックの実効性を担保するために「合同訓練」を行うとあるのですが、ブロックとしての合同訓練というのは、実質的にできないと思います。各処理主体、基本的には市町村だと思いますが、そういったところできちんと訓練が行われるように、書いたほうがいいのかもしれません。

 3点目は発災後に地域ブロックの協議会を立ち上げ、どこが処理を受けるのか、どこに処理をしてもらうのかを決める場合があると思います。実際に市町村の担当者が地域ブロック協議会の主体である地方環境事務所に集まって会議を行うという事は、発災後は人がただでさえ少ない状況を見ますと現実的ではないと思います。将来,ネット会議とかそういったものがあるのかもしれませんが・・・。発災後の具体的な動きをイメージしたうえで、実行計画策定の調整が必要になるのではないかと思います。

 4点目は19ページ、市町村の役割というのが下段にございますが、やはり発災後、実行計画を作るのは都道府県の実行計画を踏まえながらというのは、少し時間的に間に合わないと思います。そもそも災害廃棄物処理計画を市町村は作りますから、それに基づいて、災害の現状を把握した上で実行計画を速やかに作成し、迅速な処理に向かって動き出すようなことを書いたほうが、市町村責務が明確になるのではないかなと思います。

 最後、21ページの⑦、「処理フローの作成」の収集・運搬のところですが、ここには「道路啓開」と書いてありますが、やはり,その後の中間処理などを踏まえますと、収集段階である程度の分別は非常に重要だと思っております。中間処理のところにも書いてありますが、道路啓開、がれき撤去に当たっては「できるだけ分別」ということを追記しておいたほうがよいと思いました。

 さらに、「金庫」、「思い出の品」というのが最後に書いてありますが、その前に、やはりアスベストですとか、劇物、毒物といったものや電気自動車も、重機を使って動かしますと感電する恐れがあることを経験しましたので、これら「危険物に配慮しながら撤去を行う」と収集・運搬に書き込んでいただきたいなと思いました。以上でございます。

(酒井委員長) 

どうもありがとうございます。引き続いて、小林委員、どうぞ。

(小林委員)

東京都の小林でございます。東日本大震災の際に広域支援を経験した自治体、さらには一地方自治体の立場として、いくつか細かいことも入って恐縮ですが、意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、最初に10ページの⑥ですが、「広域輸送の拠点や輸送システムの確保」、これは非常に重要なことだと認識しています。その際、輸送の主体が支援する側なのか、支援を受ける側なのかという整理は、もう一歩踏み込んだところで整理する必要がある重要な事項だと思っています。

 書き方の問題でもあるのかもしれませんが、その辺をあらかじめ決めておくというのも難しいのかもしれませんが、何か考え方を整理していただくと、ありがたいと思っております。

 2つ目が13ページの「関係者の役割」、「国が中心となって行う事項」の⑦、2つ目の丸で「人材育成プログラム」、これも非常に重要な事項だと認識しています。ただ、地方自治体によっては、こういった平常時の一般廃棄物の処理を、一部事務組合をつくって処理している場合に、区市町村本体に技術職がほぼいない場合が想定されます。ここは当然のことながら、一部事務組合等をも含んだ想定にはなっていると思いますが、文章の表現等を入れていただくと、皆さんは安心できるのかなと思っているところです。

 次が14ページ、「行動計画策定の必要性」、ここは、「災害廃棄物対策に係る課題」は「個々の自治体で取り組むべき課題」、そして「ブロック」ごとでと、並び立つ表現になっていますが、地域によって地方自治体の課題が変わってくるのだとすれば、やはりその地域の自治体の課題を踏まえた上で、さらにその上にある地域ブロックが連携して取り組むべき課題が出てくるのだろうと思います。こうしたことを踏まえ、文言整理をしていただければありがたいなというところです。

 さらに16ページの上から2つ目の丸で「最終処分場」のくだりがございます。私ども東京都も、東日本大震災、そして先般の伊豆大島における土砂災害の際、合わせまして20万トンほど、微力ではございますが、ご協力をさせていただきました。

 被災地の一日も早い復興というのは、いろいろな物を早く片づけるというのが重要ですが、徹底的にリサイクルと再利用をした上で最終処分場に搬入する、地域ブロック内での処分場の活用の協議も必要なのかもしれませんが、やはり徹底的に分別、リサイクルをした後、「平常時に搬入している最終処分場」の活用が、まずは第一義的にくるのかなという考えを持っているところです。

 したがいまして、この「最終処分が必要な」の前の部分に、「平常時に搬入する最終処分場」の活用を、まずみんなで考えていくというような形にしていただけると、ありがたいと思っております。

 あと2点です。19ページ、「発災後の処理指針に盛り込む事項」の、都道府県の役割です。1つ目の丸、「地域ブロック協議会等を通じ市町村との総合調整を行い」と。都道府県が「地域ブロック協議会を通じ市町村等との総合調整を」、これは少しやりづらいと思います。この市町村というのはブロック内の他県に所属する市町村ではないと思うのですが、都道府県の地域内の市町村であれば、直接調整をしたほうが早いのかなと。ここの考え方も含めて、考え方がわからないところが若干ございました。

 最後は21ページ、「災害時におけるし尿、生活ごみ」云々の部分でございます。最初の丸で、「し尿の収集及び処理体制の整備について、災害時には公共下水道の使用ができなくなることを想定」ということで、この辺は環境省さんと国交省さんとの絡みが出てきてしまうのかなと。余計なお世話なのかもしれませんが、やはりし尿の部分について、「発災後、初動時のし尿処理」に対して、被災者の避難生活の衛生確保に主眼を置いた書きぶりにしておいたほうがいいのではないかという提案です。以上です。

(酒井委員長) 

ありがとうございます。

 では引き続いて、近藤委員、お願いいたします。

(近藤委員)

今回の行動指針ですが、発災前にやっておくべきことと、発災後にやらなければならないことというのを、簡潔にまとめられていると思います。

 発災前にやっておかなければならないところに関してですが、例えば9ページや11ページに、「地域ブロック単位で行う事項」、「国が中心となって行う事項」というところの中に、「周知する」、「早急に行う」、「整理する」という言葉があります。行動指針の中に期限や期間を入れるのがそぐわないというのであれば、致し方ないとは思いますが、発災前にやることに対して、いつまでにという時間軸が欠けているような気がします。

 例えば「周知する」について、11ページの④、「再生利用を促進するため、復興資材やセメント原料等の受け入れ先の基準や品質等を整理し周知する」、これは昨年の技術ワーキングの中でも、ある程度整理がされているものであると理解しているのですが、その結果をいつごろまでにきっちりと出すのか、というスケジュール感、期限の目線が必要ではないかなと思いました。

 さらに、9ページ目の③、2番目の段落の最後に、「地域ブロック協議会の今後の役割や運営方法等を、環境省において早急に整理する」と書かれておりますが、この行動指針が出るときには整理された結果がここに載っているのかなと、私は理解したのですが、期限などをもう少し明記できるのであれば、書いていただいたほうがいいのではないかと感じました。以上です。

(酒井委員長) 

ありがとうございました。

 それでは引き続いて、坂本委員、どうぞよろしくお願いします。

(坂本委員)

今、近藤委員がおっしゃったことと関連するのですが、1点、気になったのは、4編に「発災後」ということが書いてある点。簡単に言うと、「平時」と「発災前」というのでしょうか。最初は「平時」というのを随分入れていただいて、確かに日ごろからやっておかなければいけない活動ということで、いろいろなことを入れていただいているのですが、「発災前」にどこまでやっておこうかということと、「平時」でやっておくというのは、よく考えるとどう違っていくのか。

 「発災前」、いわゆる「平時」に、いつまでにここまではやっておこうという行動指針であるのであれば、4編にわざわざ「発災後」を書かれていますので、それ以前が「発災前」と考えます。その中の「平時」というのはどういう時のことをいうのかというと、どこかで同じような気もしますね。

 12ページのように「平時の機能」と「発災時の機能」は、こういう機能を持たせましょう。と、この辺はわかりやすいのですが、「平時」にやるべきことと、「発災前」にやるべきことを、行動指針ではどういうふうに使い分けているのかなというところがわかりにくい。

 実際に行動指針として今から作業を進めていく時に、いつまでにここまでをやっておこうという事が指針にうまく埋め込まれるといいなと思いますので。「平時」の活動というのはこういうことをやりましょうよということであれば、「平時」という意味の使い分けができるのかなと。以上です。

(酒井委員長) 

お二方の委員から続いて、これをいつまでに、云々という、そこの話が出ておりますので。今の「平時」、それと「発災前」の整理ということに加えて、おそらくはこの行動指針の最終案がまとまるまでにというような、そういう項目も多分あるのだろうと思います。

 特に近藤委員が言われた、2つ目の「協議会の運営方法」の整理というのは、一定レベル、多分この指針の中である程度はやっておかないといけないと思いますし、その上に今回、下水道の紹介もしていただいているわけですから、そういったところは、おそらくはこの半年程度でやる仕事のイメージかと思いますが、やはり委員が共通イメージを持ったほうが良いと思いますので、先にこの点だけ説明してもらえませんか。

(和田廃棄物対策課長) 

明確に何月のいつまでということではないのですが、できるだけ早くと思っています。一つは行動指針ができ上がる頃までには、と思ってはいます。

 一方では、初めて公開したスキームでもあるので、まずはスタートし、その後に、メンバーの構成や、ウイングを広げたり、ルールもこういうふうに変えたりというところが、もしかすると地域ブロック毎に違うこともあると考えております。少なくとも行動指針をまとめるまでに、地域ブロック協議会での行動計画に関する議論等がスタートできるようにした上で、その後、地域ブロックの実情や地域の実情も踏まえながらチューニングしていくのが、委員の先生方がおっしゃったような意味に近いと思っています。

 もう一つ、重要な点は、「平時」と「発災前」のところ、強く書き分けていません。どちらかというと「平時」という言葉は、平時から備えをしっかりしておくというニュアンスで使っていて、「発災前」という言葉は、その前と後ろを時間的に完全に峻別するためのニュアンスで使っていたと思います。ここは整理をしたいと思います。

(坂本委員)

ほとんどが「発災前」だと思うのですね。

(和田廃棄物対策課長) 

ええ、そうですね。これを時間で切ったら同じことだと思うので、そこはわかりやすさのほうが圧倒的に重要と思いますので、よく整理したいと思います。

(酒井委員長) 

では佐々木委員、どうぞ。

(佐々木委員)

まず、9ページの④と、17ページの③のところも関連するのですが、地域ブロックで処分先の確保につとめるとあります。地域的な概念でブロックに1つあれば良いということであればいいのですが、これは誰が確保するのでしょうか。

 今までですと都道府県、市町村、それぞれの責任でやってきたわけですが、今度は地域ブロック単位でというと、地方環境事務所が確保するのかということになるのでしょうか。

 それで、17ページを見ていただくと、③に「市町村においては」というのがあって、いわゆる「仮置場の選定」とか、そういうようなものを確保するという、これは仮置場ということなのですが、また9ページに戻っていただいて、後段の「仮設の処理施設を設置する場合」等の記述がありますが、「候補地の確保に加え」云々という、この「協議する」のは別に構わないのですが、誰が確保するのということが、9ページは不明確だと思います。

 それに関連して19ページ、東京都、あるいは仙台市の委員の方も言われていたのですが、地域ブロックを通じてといったときに、例えば首都圏、関東事務所の管轄で言いますと、地域ブロックの中で市町村との総合調整を行うことが果たして可能かというと、やはり東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県という単位が、現実的ではないかと思います。

 地域ブロックでは、その情報を交換して調整をするとか、何か共有化をするとか、そういうことであるならばいいのですが、例えば東京都の方が地域ブロック協議会へ出て市区町村の人と調整をするということは、実際の問題としては不可能だろうと思います。

 逆に、市町村の役割でいうと、こちらは地域ブロックということではなくて、都道府県がつくったものに基づいてやりなさいということなのですが、実際に発災後にどのぐらいのタイムラグが出るかによるのですが、実際の動きというのは、市町村としてはやっていかなければならないわけで、その辺のことは少し書きぶりについてご検討をいただければなと思いました。

 これは本当に確認、「てにをは」の部分なのですが、12ページの最後の丸のところですが、「民間事業者との連携を強化」ということで、「ガイドライン」をつくっていただくということはいいのですが、「災害協定」という表現になると防災部局の所管になるので、これはおそらく災害廃棄物に関する協定と理解してよろしいのかと。それは確認です。以上です。

(酒井委員長) 

どうもありがとうございました。

 では続いて島岡委員、お願いします。

(島岡委員)

8ページ、⑦の下から3行目に「切れ目のない対応」というのがあります。これは今回の一つのキーワードだと思うのですが、その前を見ますと「通常災害時から大規模災害時までの切れ目のない対応」と、資料7を見ますと、タイトルが「平時から災害時まで切れ目のない」という言葉で、ちょっと使い方が違うのかなと思っております。

 通常災害から大規模災害、そして13ページにも「災害の程度に応じた切れ目のない」と言った内容の文章がありますが、災害の規模による切れ目のない対応であれば、少し疑問を感じます。通常と大規模では大きくフェーズ、様子が違って、切れ目がない対応というのは難しいのではないかなと思うわけです。

 私がイメージする通常災害というのは、例えば廃棄物量で言いますと数十万~数百万トン、先日の広島市の土砂災害で50数万トンとか、そういうイメージをします。大規模になっていきますと桁が変わりまして、阪神淡路大震災の1,500万トン、東日本大震災の3,000万トンをイメージするわけで、通常災害と大規模を切れ目なく対応できるのかと。数万から数百万トン程度の災害廃棄物の対応と、数千万トンの災害廃棄物の対応が切れ目なくできるのかなと、疑問を持つわけです。

 さらに、大規模災害については数千万トンと、この前身の検討委員会で算出しましたように、もう一桁上がった南海トラフ地震の3億5,000万トン、首都直下地震の1億1,000万トンでしたか、これもまた、通常災害と様子は大きく違うと思います。

 通常災害と大規模災害、大規模災害も数千万トン級と、数億トン級という我々がまだまだ経験したことのないような災害で、対応が違ってくるのかなと思うわけです。

 通常災害はおそらく自治体で対応できるのではないかと思います。そして私の考える大規模災害の数千万トンですと、地域ブロック内でどうにかできるのではないかなと考えるわけです。

 そして数億トンになりますと、それは地域ブロックではできずに地域ブロック間、「オールジャパン」というキーワードもありましたが、全国、総力を挙げて対応しなければいけないものではないかなと思うわけです。

 隣の9ページを見ますと、「地域ブロック単位で」ということでありますから、本当はもう一つ、「地域ブロック間で行う事項」、はたまた、この第2章の9ページの最後の行、⑤にありますが、「他のブロックに協力を要請する」、これがまさにブロック間かと思うのですね。

 そういう意味で、おそらく我々がもっと前もって慎重に検討しておかなくてはいけないのは、我々がまだ経験したことがない、しかも30年以内に8割以上の確率で起こるであろう、南海トラフ巨大地震のような災害への対応もきちんと考えておく必要がもちろんあるわけで、地域ブロック間の「数億トン規模で行う事項」のようなものも区別があっていいのではないかと思います。以上です。

(酒井委員長) 

では森谷委員、お願いいたします。

(森谷委員)

私どもの意見は前回の検討会で、資料5として、書面として提出してございます。その中で書いていたことと、今回、素案として出ているもの、どういう対応になっているかというのは、時間をいただいて点検しないといけないところもあるのですが、必要なところについては補足ということで、事務局にメモを出したいと思っています。まずそれが第一点です。

 そして2つ目は用語のことなのですが、「通常規模の災害」、「通常災害」、「大規模な災害」、「大規模災害」、そして「市町村」、「自治体」、「地方自治体」といって、その使い分けは意図があってされているのかと思いますが、可能な限り用語は統一していただいたほうが、間違いがないと思いました。

 15ページ、16ページで書かれているところについては、皆さんはおわかりになっていることで、あえて私が申し上げることではないとも思いますが、都道府県や市町村ごとの対応能力の差や、処理可能量の違いが中間処理や最終処分についてありますので、地域ブロックにおける検討というのは、こういうことも十分考慮して計画をつくらないといけないものと思います。

 20ページを見ていただきますと、これも必ずしも間違った表現ではないものの、あえて私が気になったので申し上げますと、20ページの民間事業者の役割で、「発生する災害廃棄物の多くは、平時は産業廃棄物として処理されているがれきや有害物質等であることから」とありますが、これは発生する災害廃棄物の多くは、性状としては、通常の産業廃棄物に近いということを言おうとされているものとして、私は理解したいと思っています。間違いではないが、もう少し丁寧な書き方がよろしいのではないかと思います。

 そして22ページは、中間処理のところで「混合状態で仮置場に搬入される災害廃棄物の分別・選別を実施」と書いてあります。読み方では、これは仮置場でそうするのか、仮置場でもするのみならず、場合によっては中間処理施設の敷地で選別もするのかと、いろいろあるので、ここはどういう想定をされているか不明な点があると思いました。

 そしてずっと戻っていただきます。私だけがこだわっているようなので、大変恐縮しているのですが、6ページの「災害時の廃棄物対策に係る計画・指針等関係図」であります。これにつきましては先ほど和田課長からご説明がありましたとおり、この本行動指針は「大規模災害発生時における」ものであるという観点から、①~③と整理していただいているのは、私は理解しております。

 そうした時に、それであればなおさら、17ページの②と③で都道府県や市町村の計画のことを書いています、「地域ブロック」、「都道府県」、「市町村」のところに上下方向の矢印がありますが、この矢印は、調整を必要とする、整合をとるという視点で書かれているとするならば、そういう言葉をここに書いていただいたほうが、読んだ人には丁寧ではないかと思います。

 そして都道府県等の「災害廃棄物処理計画」というのが白抜きで文字として書かれているわけですが、これは通常災害のみならず、大規模災害についてもそうであるという、それを両方カバーしているものと理解しますが、そのときに2つ、申し上げたいことがあります。

 1つは右側に、これは前回も申し上げたのですが、爆発したようなイラストで、「災害発生後」と書いていますが、都道府県等の部分では「大規模」という言葉は要らないのですか、というのが1つです。一番上、「処理指針」から繋がっていますので。

 そしてもう一つ、5ページ、③のちょうど3行目、「都道府県及び市町村は、国が策定する処理指針を踏まえつつ、平時に災害廃棄物対策指針に基づき策定する災害廃棄物処理計画」、括弧してその中で(廃掃法に基づく廃棄物処理計画あるいは災対法に基づく地域防災計画の中に記載も可)と書かれています。 ここを読んで私は思ったのですが、この6ページの絵の、色分けして青い世界と左の「廃棄物処理法」の世界があるのですが、この真ん中の「災害廃棄物対策指針」というのは、実は左にもっと張り出して書かれてもおかしくないのかな、つまり、「災害廃棄物対策指針」は通常の災害にも対応し、それは都道府県や市町村の計画の中でも災害廃棄物部分について扱うとするならば、この真ん中にある水色の「災害廃棄物対策指針」と囲っているところが、もう少し左にも伸びても構わないのかなと思うのですが。これは理解の仕方なので、回答していただければありがたいと思います。

 最後になりましたが、都道府県や市町村の災害廃棄物処理の計画については、広域処理の観点から災害廃棄物の移動をしっかりとできるように位置づけていただきたいですし、迅速に、そして市町村による処理委託においては、一定の条件のもとだと理解しますが、再委託を可能にすることも明確に記されていくことが必要であると思っています。以上です。長くなって恐縮です。

(酒井委員長) 

では渡邊委員、お願いいたします。

(渡邊委員)

私からは19ページ、先ほどから皆さんがおっしゃっていることと、まずは同じなのですが、都道府県の役割というところで「地域ブロック協議会等を通じ」云々というのがございます。宮城県の場合を申しますと、各市町村なり関係団体を含めた協議会を設置いたしまして、協議をしたという経緯がございまして、特に市町村とは密に会合を何度も開いて調整を行ってきたということがございます。そのため、現実には県単位なのかなと思います。

 とはいえ、地域ブロックで広域調整ということも必要だとは思いますので、その関係を整理していただければありがたいなと思います。

 その下の行には、「災害廃棄物処理の実行計画」というのがあります。おそらくこれでイメージされるのは、実行計画をつくって、その後、災害廃棄物を処理するということだとは思いますが、実際には、とてもそんな計画は待っていられないという状況になるということは間違いなくて、現実にも処理をしながら計画をつくったというようなこと、これもおそらく大規模災害が起きればそうならざるを得ないのかなといったようなことは、あるかと思います。

 その下に「地方自治法に基づき、被災した市町村から事務委託を受けた場合」ということで、「市町村にかわり都道府県が処理を実施する」という、あっさりと書いてあるのですが、実際にはどんな場合にその事務委託を受けるのかとか、受けるとしても、その市町村との役割分担、これをどうするのかといったようなことで、本当は事前に協議、調整すべきことが山ほどあって、実はそれが不十分だったというのが、反省点としてあるわけです。

 そういうこともあるので、事前の役割分担の調整みたいなことも、そういった観点も多少はあったほうがいいのかなと思っております。以上です。

(酒井委員長) 

はい、どうもありがとうございます。

 では鈴木委員、お願いします。

(鈴木委員)

事務局案のほうがいいのではないかという意味で意見を提出します。例えば最終処分場の確保を誰がするか、指針でもっと具体的に決めなければいけないのではないかという意見がありました。

 例えば最終処分場で考えた場合、我々がやっている海面処分場が使えるような場所も状況によってはあり得るわけです。そういうものをどう考えていくかというと、地域ブロック計画などで地域の実情を踏まえながら決めていくということになるのだと思います。そういう中で、指針でどこまで具体的に枠をはめるかということについてはバランスが大事になると思います。

 そういう意味では、指針を細かくきっちり決めるという方向にどんどん行くのがいいかというと、そうではないのではないかと思います。

(酒井委員長) 

非常に重要なポイントを最後に指摘いただきました。

 それでは一通り意見をいただきましたので、今日のところの意見に対して、事務局からご回答いただけるところはご回答いただく。あとは、次回、第3回でこの素案を案に固めるという方針を示していただいておりますので、まだ追加的な意見を出したいという委員もございましたが、次回までには十分やりとりをして、それを反映した案になるように、よろしくお願いをしたいと思います。

(和田廃棄物対策課長) 

概ねいただいた内容は御意見が多かったと思います。いずれもよく精査してということなのですが、いくつか重要な御質問もありました。

 まずは8ページのところで島岡委員から、「切れ目のない」というところですが、まさに災害の対応というか、災害のキャラクタリスティックスに切れ目がないという意味ではなくて、対応に抜けがあってはいけないというような視点であります。

 通常災害や、大規模災害、南海トラフ巨大地震になると、先ほどは巨大とかと若干言葉は分けられておられましたが、いずれの場合であっても、何がしかの対応、フレームワークはきちっと用意をしておくというような意味でありまして、災害が切れ目がないわけはないというのは、おっしゃるとおりですので、そのつもりでよく表現を考えたいと思います。

 佐々木委員からいただいたところも重要でありまして、最終処分場の確保で、地域ブロック内でというと、実は確かに2通りの意味はあって、地域ブロックという主体が責任を持ってそこの場所を探して、処分までというニュアンスにもとれるのですが、どちらかというと、ここの意味では場所、まずは重層的に、市町村の中、都道府県の中、地域ブロックの中でと、主体が何かという意味ではなくて、地理的な場所という、そのような重層性をあらわしたものと我々は表現していますということです。

  地域ブロック協議会の役割分担のところで、他省との連携も念頭にあるかとか、そして窓口一本化という、御意見に近いところもありました。こちらのほうもいきなり、例えば農政局のどこに入っていただいてというところを、ルール化してということではないのですが、なるべく、まずは緩やかに始まって、少しずつ広がりを持っていきながらと考えておりますので、その辺はスタートしてみてから少し重厚感を増していきたいと思っていますので、環境省の中だけで閉じてしまいたいとか、そういうような意図が最初から全面にあるというわけでは、特にありません。

 12ページ、「災害協定」のところは、「災害協定」の中に「災害廃棄物」の内容を入れていくというような趣旨でありますので、そこら辺はもう少し精査をしたいと思います。そういうニュアンスでありました。

 「一部事務組合」、「地域の問題を踏まえて」、「平時の活用」についても御意見をいただいております。小林委員からは、計画策定についての情報を踏まえてといただきました。

 16ページのところでいくつか御意見をいただいておりまして、まず小林委員から、たしか平時に活用している処分場をまず活用するのだという、こういう趣旨が非常に重要だというところ、ここは環境省でも非常に重要かなと思っているところであります。

 「合同訓練」も、地域ブロックとしての合同訓練というのは、それはなかなか容易なことではないというところは我々もよく理解しているつもりです。とはいえ、少しどういうチャレンジがあり得るか、モデル的にどんなことができるかというところを考えたいと思います。今、まさに並行して考えているところでしたので、そういう動きがありましたら改めてと御紹介させていただこうと思っています。

 19ページ、特に都道府県の役割の御意見が多かったと思いますが、地域ブロック協議会との関係が、確かに十分に表現できていないと思います。いわゆる相手側の県下の市町村に直接というのは、現実的ではないかなというところもありますので、そのあたりでの表現は、考えたいと思っています。

 市町村との関係では、これは佐々木委員からでしたが、情報共有ということであれば、むしろ積極的にやるべきということでしたので、そこはまさにそういう方向で考えていきたいと思っています。

 渡邊委員からありました、「実行計画」をつくって、発災後に処理実行計画になるわけですが、処理実行計画をつくりながら処理を行う、というところも当然のことながら出てくるということは、我々も確かにそういうところはあろうかと思っていますので、そういうことを念頭に置きながらの表現にしてみたいと思います。

 「市町村から事務委託を受けた場合」というところも、どんな場合に受入れるのかであるとか、そして受入れる場合でも、どんな役割分担なのかというところも、表現をもう少し充実したほうがいいかなと思っています。

 先ほど、生亀委員の御意見にはお答えしたので省略いたします。

 21ページでは、「公共下水道」のところで国交省との関係についてのご指摘をいただきましたので、精査したいと思います。

 遠藤委員から御意見をいただいたかと思いますが、「危険物」の取り扱いについては、内容が適切かどうかを精査したいと思います。

ではこちらの図表のところを、切川係長から。

(切川係長)

森谷委員からいただきました、6ページにあります「計画・指針等の関係図」ですが、下にあります都道府県、市町村が策定する実行計画については、通常の規模の災害であっても都道府県が実行計画をつくる可能性もありますので、大規模に限定しないという意味で、大規模を入れておりません。

 あと、もう一点いただきました、「災害廃棄物対策指針」を、「廃棄物処理法」のところに広げたほうがいいのではないかという御指摘に関しては、どういう表現が一番いいか、考えてみたいと思います。

(酒井委員長) 

はい、よろしいでしょうか。

(和田廃棄物対策課長) 

ええ。前回もそうですが、今回も非常に突っ込んだご意見をいただきまして、ありがとうございました。

(酒井委員長) 

今日ご意見いただいたポイントはいくつかあったかと思いますが、一つが「処分場確保」云々というところ、小林委員あるいは佐々木委員、そして鈴木委員から出たご意見は、それぞれごもっともなご意見であったと思いますので、ちょっと整理をしていく必要が多分あるのだろうと思います。

 処分場の活用の順序に関しましては、まず平時をというところは全くごもっともでありますが、その一方、実際、規模に応じて処分場確保というのは、この段階で決められること、決められないことがあるのではないかと。そこもごもっともですね。

 そういう意味で、少し今後の施設整備のあり方、あるいはそのときの処分場の共有のあり方というようなことを、少し知恵を絞っていくべき時期に多分来ているのだろうと思います。その点をどう考えていくかということが、指針で一回きっかけをつくるようにしながら、それでまた、指針できれいにこれが決まるものでは、これは多分ないと思いますので、少し時間をかけてやっていく。それが最後のこの図の、この指針の位置づけがどこまでどう張り出すのだという話になっていくのだろうと思います。

 今回、改正法が成功していただきましたら、次、廃棄物処理法の中で、基本方針の中に一定の骨子を、廃棄物対策の上に係る事項を盛り込んでいただくことになります。そのようなところでも、何をどこまで盛り込むかというところでの議論にも繋がっていく話かと思いますので、そういう整理で、処分のところはお願いできればと思います。

 そしてあと、その調整を地域ブロック、都道府県、市町村という、この3者の関係の中でどうやるのだというと、これも、そういう意味ではおそらく一義的に決めにくいところでもあろうかと思いますので、最低限の協議への考え方は何か、あるいは具体的にどうやっていけるのかといったことをそれぞれ聞いていただきながら、詰めていっていただければと思います。主にその2点をお伝えしておきます。

 それではこの行動指針素案に関しまして、今の審議を受けて、最後に何かご意見はございますでしょうか。よろしいですか。

 それでは今日は多くの議題がございますので、次に行かせていただきたいと思います。

(2)災害廃棄物対策の進捗状況の周知のあり方について

(酒井委員長) 

それでは続きまして、「災害廃棄物対策の進捗状況の周知のあり方」につきまして、資料3から5の説明をお願いいたします。

(切川係長)

それでは資料3の説明をさせていただきます。先ほど近藤委員からもお話しいただきましたが、災害廃棄物対策に関するこの検討会の下のワーキングで御議論をいただいた成果を周知していこうという取り組みの一つとしまして、シンポジウムを開催したいと考えております。平時からホームページ等でいろいろ情報発信をさせていただいておりますので、まとめてこういった形でさせていくという場として考えております。

 今、審議が進んでおります廃棄物処理法及び災害対策基本法の改正内容の周知、さらに御議論いただきました「行動指針」、そして「災害廃棄物対策指針」の周知。さらには、これまでのワーキングの成果というのを適宜発信していきたいということで、9月ごろにシンポジウムを開催したいと考えています。

 その際に、次は資料4になるのですが、これまでの成果ということで、環境省のクレジットで、これまでのワーキングの成果を報告書という形で出したいと考えております。アーカイブの検討ワーキングと、裏面にあります技術・システム検討ワーキング、これらについて、それぞれ1冊ずつ報告書をまとめたいと考えております。

 アーカイブのワーキングに関しましては、東日本大震災のことを中心に昨年度御議論いただきましたので、その成果としまして、地域だとか、災害の基礎情報だとか、意思決定のプロセスを分析した結果だとか、それぞれの重点としまして、宮古地区、大船渡市、石巻地区、あと仙台市の、それぞれの実施事項の総括や時系列取組表の内容、そして、それを踏まえた教訓の抽出といった内容を整理させていただくとともに、アウトプットとしまして今後の大規模災害への備えとしての提言なんかをまとめていくというのを考えております。

 技術・システム検討ワーキングに関しては、大きく3つの項目に関して議論をいただきました。それを章ごとにまとめたいと考えております。発災後の処理の進捗に応じた要処理量を把握するための手法と、今年度も要処理量ワーキングでもって引き続きご検討いただきますが、昨年度は地域特性の整理だとかというところに関して整理いただきましたので、その部分を報告書でまとめたいと考えております。

 2つ目が混合廃棄物の選別処理ということで、土砂がまじった廃棄物処理は非常に難しいということがありましたので、こちらの選別に関して、先ほどありました標準処理フローを成果としてまとめたいと考えております。

 最後は仮置場の情報の整理ということで、一次仮置場、二次仮置場でどのような環境対策を行ったのかだとか、どのような計画に基づいて運用されたのかといった内容をまとめて、今後の課題を整理していきたいと考えております。

 続きまして資料5。昨年度、都道府県、市町村において、どのような災害廃棄物対策がとられているのかに関してアンケートを行った結果を、まとめさせていただいたものになります。

 アンケートに関しては、すべての都道府県と市町村を対象に行いました。その次の2ページ目以降、図が幾つかあるのですが、それぞれ災害廃棄物の処理計画が今、どれぐらい策定をされているのかであるとか、その策定に当たっての課題、計画策定にあたって特に重要な災害廃棄物の発生量を推計するに当たっての課題に関する内容。

 後半に移っていきまして、仮置場の候補地だとか、それをどの程度やっていきますかという、まさに今ご議論いただいているような、用地の確保だとか計画策定などに関して、必要な情報に関して、今、どの程度で対策が進んでいるのかということに関して調査した結果を、ご報告という形で用意させていただきました。以上になります。

○質疑応答

(酒井委員長)

 はい、どうもありがとうございます。

 今後の周知、情報発信の方向性につきまして、ご説明をいただきました。事務局からの報告的な事項ではございますが、特段のご意見はございますでしょうか。

 はい、ではよろしければ、この方向で、どうぞよろしくお願いいたします。

(3)D.Waste-Netの役割や機能等について

(酒井委員長) 

次の議題に入らせていただきます。D.Waste-Netの役割や機能等につきまして、事務局からご説明をよろしくお願いいたします。

(大嶋係長)

それではお手元の資料6について、ご説明いたします。1枚目のスライドに、D.Waste-Net(災害廃棄物処理支援ネットワーク)の概要を記載しております。先ほどの行動指針の中でも記載がございましたが、有識者等の支援者グループと民間事業者団体グループからなるネットワークを構築し、自治体等を支援することを目的としたものです。

 本年度は環境省の災害廃棄物対策チームが実際の自治体からの要請の受理や、各グループに対する派遣要請等の事務局の機能を行い、主体的に取り組みたいと考えております。

 具体的な支援の中身については、次のスライド以降でご説明いたします。スライド2に、支援者グループと民間事業者団体グループに期待をする役割と、具体的な事項を示しております。

 まず、支援者グループにつきましては、平時には、①過去の災害における取り組みの整理・分析、②災害廃棄物処理に係る最新の科学的、技術的知見の整理、③自治体による事前の備え、災害廃棄物処理計画や人材育成等の支援、④さらなる課題など、現場からの要望の整理等を期待しております。

 一方、災害発生時には、①被災状況の把握や②現地での処理業務への支援、③処理実行計画等の策定支援等を期待しております。

 また、民間事業者団体グループにつきましては、平時には、①過去の災害における取り組み、ノウハウの整理、②災害発生時での処理を支援するための備え、③連携・協力体制の構築等を行っていただくことを期待しております。

 一方、災害発生時には、①被災状況の把握、②現地支援等を期待しております。

 こうした事項について実際に支援をしていただく仕組みにつきまして、スライドの3並びに4枚目に示しております。

まずスライドの3ですが、平時において、支援者グループ及び民間事業者グループに支援をしていただく際の流れについて記載しております。

 平時におきましては、自治体もしくは地域ブロック協議会から事務局である環境省に協力要請をいただきまして、環境省から支援者グループ並びに民間事業者グループに要請を行うということにしております。

 要請を受けて、支援者グループからは、例えば技術支援のための専門家の紹介や、アドバイザーの派遣等を行っていただく。また、民間事業者団体グループからは、災害協定の締結でございますとか、防災訓練への参画等を行っていただく等を考えております。

 スライドの4ですが、こちらは災害が発生したときの支援の仕組みをお示ししております。災害発生時には、自治体からの協力要請を環境省もしくは環境省の地方環境事務所が受けまして、その要請に基づき、支援者グループ並びに民間事業者団体グループからそれぞれ、専門家の派遣や各事業者団体の役割に応じた支援を行っていただくことを考えております。

 また、災害発生時には特に、事前に締結しておりました個別の協定に基づく現地への派遣や、各事業者団体の役割に応じた支援等を行っていただくことを考えております。

 スライド5には、具体的にこのような支援を行っていただく、D.Waste-Netのメンバーとして想定している者についてお示ししております。

具体的に支援者グループとして想定をしている者として、学識経験者並びに専門家、また、実際にその災害廃棄物処理に従事した経験がある行政機関の職員等を想定しております。

 支援者グループについては、個人もしくは団体に対してメンバーとしての任命を行うことを考えております。具体的に想定するメンバーですが、例えば国立環境研究所の職員の方や、廃棄物資源学会、地盤工学会所属等の研究者の方々、もしくは自治体の職員または職員であった方等実際にその災害廃棄物処理を行ったことがあるような職員の方を想定しております。

 また、民間事業者団体グループについては、例えば事業者団体として過去に災害廃棄物処理に貢献した実績がある者、もしくは、事業者団体として災害時に確実に災害廃棄物処理に関する業務貢献ができると考えられる者につきまして、団体としてメンバーとしての任命を行うことを考えております。

 具体的に想定するメンバーですが、一般廃棄物処理事業団体、産業廃棄物処理事業団体、建設業関係の事業団体、またはセメント、リサイクル、リース関係の事業団体等を想定しております。

 こういった方々に対して支援をお願いするに当たり、国としても何らかの支援を行っていきたいと思っておりまして、スライドの6枚目にその内容について示しております。

環境省としては、例えば災害廃棄物処理のエキスパートとしての任命や、災害廃棄物対策に関するエキスパート同士の情報交換・交流の場のご提供をしていきたいと考えております。

 また、特に支援者グループに対しては、災害廃棄物対策に関する最新の動向のご提供や、例えば学会等の枠を超えた交流の場の提供、また、環境研究総合推進費におけるテーマの重点化でございますとか、自治体への現地派遣、または技術支援に係るような費用、謝金等の支援等を行ってまいりたいと考えてございます。

 一方、災害発生時にも、現地の派遣でありますとか、技術支援に係るような費用や資金等の支援を行ってまいりたいと考えております。

 また、特に民間事業者団体グループに対しては、平時は、例えば関係する業界との交流の場の提供や、事業継続計画等の災害廃棄物対策の推進、また、自治体等が主催する防災訓練等への参加の支援等を行ってまいりたいと考えております。

 一方、災害発生時には、平時からの自治体との災害協定等に基づくような緊急随意契約等の実施等について、何からの支援ができると考えております。

 なお、その具体的な取り決めにつきましては、環境省と各D.Waste-Netのメンバーが個別に締結する協定書、覚書等に記載をすることを考えております。以上です。

○質疑応答

(酒井委員長) 

はい、どうもありがとうございます。

 今後のネットワークについてのご紹介をいただきました。どうぞ、ご質問、ご意見がございましたら、お願いいたします。

 では、浅利委員、どうぞ。

(浅利委員)

2点あります。まず1点目が、2枚目のところでも平時での、特に支援者グループの役割として、過去の災害における知見やノウハウの集約というのがあると思うのですが、発災時に支援に入って、終了後、速やかにできるだけ知見を、必要なものに関してしっかりと提出していって、知見を蓄積していくノウハウ、「蓄積していく」というあたりも、少し表現できそうでしたら、ぜひお願いしたいなと思っています。

 図が煩雑になるかもしれませんけど、今でしたら派遣しっ放しというようなイメージの図になっておりますので、そこをしっかり、国でもノウハウを蓄積していくような形に、是非していただきたいと。そこにアーカイブスの、昨年度の取り組みなども反映していきたいと思っているところです。

 もう一点が、先ほどのアンケート結果の中で自治体、特に市町村では廃棄物処理計画を「策定する予定はない」というところが32%で、これは今回の法律改正で随分改善されるのだろうとは思うのですが。

 やはりその背景として、人がいなかったり、知見がなかったりというようなことが挙げられておりますので、まずその平時の備えのところでは、技術支援の中に入るのだとは思うのですが、計画策定の支援などもあるのかなというふうに感じておりますが、これはここに含まれるのか。

 その場合、最後にありました、謝金の支払い云々というところもこの対象になってくるのかというあたり、ちょっと細かい話になるかもしれませんが、既に策定されているところとか、自己で独自に予算を確保されているところとかもありますので、そのあたりも整理をしていっていただけたらなと思いますので、お願いしたいと思います。

(酒井委員長) 

はい、ありがとうございました。

 では生亀委員、お願いいたします。

(生亀委員)

私のところは建設業団体として、災害発生があると、神戸のときも、中越のときも、当然東日本もそうですが、仮設トイレ、ブルーシート、事務所が流されたので、プレハブの住宅、事務所、または紙おむつ、水を調達してもらえないかというような依頼がいろいろなところから来て、かなり混乱してしまったことがありました。

 前回もこの場で申し上げたのですが、今般、災害対策基本法上の指定公共機関になったということで、その辺の情報とか指揮命令を一元化していただきたいということを内閣府にお願いいたしました。その結果、我々の経験からすると指揮命令系統は一元化して、建設業団体なので国交省を窓口にしてもらうということで、混乱を避けるようなことにしてもらっています。

 そういうことからすると、このイメージ図の、特に災害発生時の4ページのところが、混乱なく円滑にいろいろな支援ができるという意味からすると、指揮命令系統をどうするかということ。それと、この支援の内容というのは何なのかということ。

 もう一つの問題は、日建連の場合は、実働部隊は支部なのです。その支部が各ゼネコンの支社を統括、統括というか、現場を持っている支社が集まっているのが支部なので、いろんな要請は支部にしておいて、その支部で具体的な動きをするということにしています。

 この中には支部がないということなので、ちょっとこのイメージ図だけではうまく機能するのかどうか非常に不安でありますので、支援の具体的な内容を明確にしていただいて、誰が何を誰に要請するということの具体的な整理をした上で、個別にいろいろ協議させていただく必要があるのかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それと、細かな話でもう一点、5ページの「想定するメンバー」、「民間事業者団体」の下の黄色いほうですが、上から3番目の「建設・土木関連事業団体」は、今、我々は建築とか、土木とか、そういうのは統一して建設業ということにしていますので、あえて「土木」ということを分けないほうがいいのかなというふうに思います。

(酒井委員長) 

はい、ありがとうございました。

 では大迫委員、お願いいたします。

(大迫委員)

ありがとうございます。今、平成27年度において、環境省がまずは事務局的、ヘッドクオーター的な機能を担いながらやっていくというフレームワークが示されたわけですが、この中にも書いてあるとおり、平成28年度からは国立環境研究所の事務局への期待というところも書かれておりますので、私どもも前向きに捉えていければと思っております。

 やはり平成28年度以降、このフレームが実際の体制として持続可能な形で機能していくように持っていくには、まさに今年度、さまざまな議論と、また関係各位のそれぞれの当事者としての意識づけといいますか、そういったところと、具体的な役割、機能、そういったところを、協力して一緒に議論していく必要があろうかとも思います。今年度のプロセス自身が、来年度、私どもも主体的にかかわっていけるようなフレームづくりに繋がっていくということで、決意表明というわけではないのですが、ちょっと発言させていただきました。ありがとうございました。

(酒井委員長) 

はい、どうもありがとうございます。

 それでは貴田委員、お願いいたします。

(貴田委員)

既に計画というか、されているのだろうというふうに思うのですが、ネットワークの、特に民間事業者団体グループのところで、過去に何をされたか、どこで何をされたかということの、アーカイブがあると、非常に今後、地域とか、市町村とかで役に立つのかなという気がしております。以上です。

(酒井委員長) 

はい、ありがとうございます。佐々木委員、どうぞ。

(佐々木委員)

確認とお願いなのですが、2ページ、支援者グループのところで、平時の、いわゆる協力関係というのはどんどんやっていっていただいて、人材育成などもやっていただいて。

 発災した後ですが、状況を早く云々というところが、業務量の上のボリュームと下のボリュームが全然違ってくると思うのですね。ましてや、現地へ行って支援してくれというと、被災自治体からは、仕事を任せたいので、例えば最低1年間いて欲しい。そういったようなことを、ここでは想定していないのだろうと私は思います。

 この支援の内容のところをもう少し具体的にしてあげないと。これだけ見ると、スタッフがもらえるのだと、専門家が来るのだ、助かるなといって、ある部分、処理計画をお任せしますとなったら、その人はほかの仕事も当然やっておられるわけで、現地にずっといることも当然あり得ないだろうと思いますので、その辺のところはきちっと整理をしておかないといけないと思います。

 平時は研修会とかそういうことで機能していても、実際、発災したときに、誰か行ってくださいといったときに、実際、行けるような人が出てくるかどうかというのは非常に不安ですので、その辺は十分留意をしていただければと思います。以上です。

(酒井委員長) 

はい、ありがとうございます。森谷委員、どうぞ。

(森谷委員)

3ページの、「平時」の図の中で、「災害協定の締結」というのが民間事業者団体から、一つには地方環境事務所、一つには自治体に矢印があります。全国産業廃棄物連合会の状況を申し上げますと、47都道府県協会はそれぞれの県ごとに災害廃棄物の協定を締結しています。

 市町村と都道府県の産業廃棄物協会が協定を結ぶというのは今後のことになっていますので、これを実現するためには努力が必要であると、今思っているところです。

 一つ質問ですが、民間事業者団体から地域ブロック協議会に締結という矢印があります。これはそうすると、全国産業廃棄物連合会が、8つの地域ブロック協議会と災害協定を締結するということを想像するのですが、そういう理解でよろしいのでしょうかということです。

 そして最後に、その後の「発災時」のところで、これはこういうことがあるということをご理解願いたいのですが、ここでは地方環境事務所から民間事業者団体グループへ「要請」という矢印が斜めにあります。地方環境事務所の8つのブロックと、そして全産連の8つのブロックというのは、全く重なっているわけではありません。

 中央にある全国産業廃棄物連合会と都道府県との間には、地域協議会というのがありますので、私どもとしては、環境省の考えるブロックと我々のブロックとには違いある中で、こういうことを実行していくためには、平時からの全産連の地域協議会と地域ブロック協議会との上手な連携、そして、発災時にはそれを通じた協力ということを考えないといけないと思いましたので、情報として申し上げます。

(酒井委員長) 

はい、吉岡委員、お願いいたします。

(吉岡委員)

言葉の定義というか、解釈の違いだと思っているのですが、「支援者グループ」というのと、「民間事業者団体グループ」というこの2つの分け方なのですが、多分支援という意味では両方とも支援なのだと思うのですね。

 これを見ると、何か民間事業者団体のほうは契約に基づいて仕事としての支援というふうに見えて、左側の研究者であるとか、自治体職員とか、経験者のほうは、本当にボランタリー的な支援というイメージが出てしまいますので。そこの言葉の問題だけだと思います、この仕分けのというか、そこをちょっともう一度考えていただければと思います。

(酒井委員長) 

はい、ありがとうございます。

 それでは一通りご意見をいただきました。はい、では今、可能な範囲でコメントしておいてください。

(切川係長)

森谷委員からいただきました、全産連と地域ブロック協議会が個別に協定を結ぶかという件に関しましては、環境省本省と全産連と協定を結ぶということで、個別には結ぶというふうには考えていないということで回答させていただきます。

 貴田先生からいただきました、過去に、東日本大震災のときにいろいろな団体がどういった活動をされたかに関しては、昨年度、吉岡委員に座長をいただきましたアーカイブの検討ワーキングの中で整理いただいていますので、それはまたまとめてご報告させていただくようにしたいと思います。

(和田廃棄物対策課長) 

適宜、発言いただきましたご意見は、いずれもよく精査したいと思います。

(酒井委員長) 

はい。情報を一元化とか、今はまだお答えにくいところもあろうかと思いますので、この辺はまた確認、整理をしていただいてということで、お願いいたします。

(和田廃棄物対策課長) 

はい。

(酒井委員長) 

それでは今のあたりでよろしいでしょうか。はい、ありがとうございました。

(4)平時から災害時まで切れ目のない廃棄物処理システムの目指す方向性について

(酒井委員長) 

続いて次の議事に入らせていただきます。この後、議事の4番目以降は、今回から新規に検討する事項となります。特に、ワーキングの話をしていただきますが、その前に、先ほども話題になりましたが「平時から災害時まで切れ目のない廃棄物処理システムの目指す方向性」につきまして、まずペーパーをまとめていただいております。資料7の説明をよろしくお願いいたします。

(和田廃棄物対策課長) 

それではお手元の資料7を御用意下さい。今、委員長からございましたように、昨年度から設置されていたものプラス、今年度からスタートするものも含めて、WGがかなり今後インテンシブに動いていくことになります。検討会としても、今日の行動指針、WGのアウトプットなどに加え、検討会全体としての一定の取りまとめを年度末に行うことを念頭に置いております。

 まずは4つのWGが一定の戦略的な方向性に向かっていくべきだと思っており、その一定の戦略的な方向について少しまとめてみたという位置づけです。

 事務局で整理したものですが、まずは基本的な考え方ということで、「災害対応力の強化」というキーワードのもと、平時における廃棄物処理システム全体の強靭化を前提に、平時の取り組みを合わせた上で、廃棄物処理システム全体の強靭化を意識した、戦略的な検討が重要という考えです。

 今後の検討に当たっての留意事項ですが、大きく、処理システム全体の強靭化と災害対応力の強化があります。一つはハード的な検討。これは、施設整備について、環境省としても先生方からいろいろと御意見を頂戴したいという意味で、WGからアウトプットをいただきたいというもの。もう一つは、地域間協調、人材育成といった組織・人材の対応力向上という、ソフト面での強化というところの検討のアウトプットをいただきたいと思っております。

 大きくこういう前提で、最終的には中長期的にどのような施設整備を目指していくのかといった観点、そして、いわゆる地域間連携の促進、連携メカニズムの制度化・システム化ということが必要と考えています。

 自治体間の連携、人材育成について、政令市や中核市も参加しながら都道府県がサポートするというような重層的な対応を、いかに平時から構築しておくのかというところの重要性と、その意味で、平時の廃棄物処理計画をしっかりと位置づけて、活用を図っていくということが重要と考えています。

 国として適切に支援を行う、いわゆるキーとなる組織体としてD.Waste-Net、先ほども説明させていただいたネットワークの関係の活用、そして地方環境事務所の体制の強化、国環研、民間事業者の皆様方との連携強化という観点での重要性を、まずしっかり念頭に置きたいと思っています。

 そして、処理システム全体の強靭化に向けた全体像をあわせて検討して明確化していくという前提で、災害対応力の強化という意味では、まずは技術部門や人材育成の面での各WGの成果を、全体像の中にどうしっかり位置づけていくかということも、狙っていきたいと思っています。

 今後の進め方として、まずはシステム全体の強靭化に向けた全体像について、年度末、来年3月末をめどに、災害対応力の強化というキーワードでご提言を取りまとめさせていただきたいと思っています。あわせて各ワーキングにおいては、今申し上げましたような、ここが重点だというところを前提に置きながら、全体像についても十分留意した上で、ご検討いただきたいとお願いさせていただきます。事務局からは以上でございます。

○質疑応答

(酒井委員長) 

はい、どうもありがとうございます。

 今後のワーキングの議論にも非常にかかわる、総論的なところの整理をいただきました。どうぞ、ご意見がございましたらお願いいたします。

 それでは大迫委員からお願いいたします。

(大迫委員)

ありがとうございます。今、ワーキングでの議論の今後の方向性、範囲とも関係する重要な点だと思うのですが、まだ全体としての強靭化の、あるいは災害対応力強化の姿というのは、今後議論していくことが多くまだで明確でないとは思っています。

 そういうことは理解した上で、特にこの「施設整備」、ハードの面の検討において、今回の行動指針の範囲においては、通常の「廃棄物処理システム」の整備にかかわる強靭化に関しては、特にそこには焦点を当ててはなく、含んでいないと私は理解していて。以前のスキームの中には、そういったところの重要性も指摘はされていたのですが、今回の行動指針には入っていないと理解をしています。

 今、防災拠点でありますとか、先ほど最終処分場の今後のあり方に関しても近い議論が、さまざま意見交換されたというふうに思いますが、やはりこの「施設整備」における、通常の「廃棄物処理システム」において、どれぐらいの余裕とか、あるいはバックアップ機能とかそういったものを、どのように広域的観点で整備していくのかと。

 やはり災害廃棄物は一般廃棄物ですし、既存の廃棄物処理のスキームでありますと、市町村、都道府県とか、せいぜい都道府県のエリア内でしか、そのシステム整備の方向性をコントロールし方向づけしていくことは難しいわけではありますが、さらにこのブロック単位での調整といいますか、何らかの議論があり得るのか。

 あるいは、都道府県がこれまで十分にそういった広域的な調整機能を、ダイオキシン問題における広域化以降、何かそういった新たな視点での広域的調整機能というのはなかったわけでありますが、今後において、広域的な施設整備、技術・システムのあり方の議論というのは大変重要かというふうに思っておりますので、そういったところも、このワーキングでは難しければ、また別途、何らかの形で議論をしていきながら、最終的に全体のビジョンをつくっていくということが必要かなと思っております。以上です。

(酒井委員長) 

はい、ありがとうございます。では森谷委員、どうぞ。

(森谷委員)

質問をさせてください。「切れ目のない」というキーワードは、さっきの指針の中でも「通常災害から大規模災害まで切れ目のない」というコンテクストで使われているのですが、今回の場合は「平時から」とありまして、この「災害時まで」というのは、もちろん大規模災害も含み、さらに重点としては大規模災害だという理解でよろしいのですか。

(和田廃棄物対策課長) 

はい、そうですね。「平時」と入っているのは、平時の段階から備えとしてその施設の、例えば耐震性の強化、それはハード的ですが、どちらかというと、最近は広域化の動き、そういうような観点で「平時」という言葉を入れさせていただいています。

 そういうことが何に役に立つかといったら、通常災害に役に立つ場合もあるし、大規模災害の役に立つような場合もさまざまに想定されます。ターゲットにする災害については切れ目がないというか、全体をカバーするような思いで、平時の取り組みとして施設の耐震化などに対応していくというような意味合いで書いています。

(酒井委員長) 

先ほど、大迫委員からは、よく全体を見通していただいた、いいご意見をいただいたと思います。

 一つだけ、今回の「行動指針」も、今日書いていただいた、この「施設整備」の今後の大きな方向性と一定のリンクのあるところは、先ほどの処分のあたりを少し概念整理していけば、多分出てまいりますよね。

(和田廃棄物対策課長) 

はい。

(酒井委員長) 

ですから、そこはそこで、一定のリンクはありという理解で我々はおつき合いをさせていただくということで、大迫委員、そこの部分はそういう認識でお願いできればと思います。

(大迫委員)

はい。

(酒井委員長) 

ありがとうございます。

(5)各WGの状況について

(酒井委員長) 

それでは次、各WGの進捗状況につきまして、事務局から説明をお願いいたします。資料の8の関係でございます。お願いします。

(大久保環境専門調査員)

技術・システムワーキング及び要処理量ワーキングについて説明させていただきます。

 技術・システムワーキングは、昨年度より本委員会の勝見委員を座長として検討を行っており、昨年度は廃棄物の発生量から可燃物や不燃物などの要処理量を推計するフローや選別率の提案、混合廃棄物を処理するための処理フローの検討、その標準化と施設や機材の整理、そして、仮置場に関する必要設備、環境対策などの情報整理などの成果を得ることができました。

 今年度はこれらの成果を受けて、個々の検討についてより深度化を図るべく、もとの技術・システムワーキングを、処理技術や仮置場等の検討を行う、技術・システムワーキングと、災害廃棄物の発生量の推計に関する技術を検討する要処理量ワーキングの2つに分割して、検討を行うことといたしました。

 まず技術・システム検討ワーキングについて、資料8-1をごらんください。本年度の検討目的は、大きく4つ考えています。1つ目、平成26年度の検討成果を活用した処理計画策定手順の提示、2つ目が、津波堆積物の処理方法の整理及び処理計画策定手順の提示、3つ目が大規模災害を想定した各種の検討、そして、最後が災害廃棄物処理の進捗管理手法の提案です。

 本ワーキングは、昨年に引き続き京都大学の勝見委員に座長をお願いし、これに国立環境研究所の遠藤主任研究員、北海道大学の岸准教授、そして国立環境研究所の山田室長に参加をお願いしております。

 オブザーバーに関しては、今年度は検討内容に合わせて適宜ご出席いただくということを考えており、主に自治体関係者、日建連、廃棄物コンサルタント、民間事業者、特に運輸機関関係の業界等を考えています。

 主な調査検討事項について説明いたします。2ページ目をごらんください。まず1つ目の検討項目。昨年度の成果を活用して、どのように処理計画を策定していくのか、これを用いてどのような計画をつくっていくのかという手順、フローなどの検討を行い、示していきたいと考えております。

 あわせて、例えば防音設備の検討方法などといった技術的情報も加え、昨年度得られた成果に厚みを持たせて、計画策定時に活用できる資料の提示をしたいと考えています。

 2つ目の課題ですが、昨年度は東日本大震災における14処理区の処理システムの分析結果をもとに、混合廃棄物の処理フローの検討を行いました。本年度は、もう一つの大きな処理対象物である津波堆積物の処理システムの分析、そして整理、計画等の策定手順を示していきたいと考えています。

 3つ目の課題につきましては、昨年度取りまとめられた成果、提案を活用して、大規模災害、例えば首都直下地震等を想定した処理計画の検討等を行い、検討に必要な情報の整理、提案した手法の有効性や課題等を整理したいと考えています。

 あわせて、大規模災害時には被災地内において、例えば狭い地域で大量の廃棄物を運搬することも考えられますし、広域輸送については鉄道、船舶といった、東日本大震災でも活用したものを使用することから、こうした検討も行いたいと考えています。

 最後、4つ目の課題は、膨大な廃棄物が発生すると想定される大規模災害時には、処理の効率化を図るため、できる限りリアルタイムに近い状態で処理の進捗状況を把握し、これを処理計画の変更や、広域搬出計画等に反映していくことが重要と考えられるので、 東日本大震災におけるこうした事例を踏まえ、短期間で処理の進捗状況を把握できる手法の検討を進めていきたいと考えております。以上が技術・システムワーキングの検討事項になります。

 続いて、資料8-2、要処理量ワーキングについてです。今年度の検討課題は、こちらも大きく4つ考えており、1つ目は昨年度の成果を活用した発災前の要処理量推計手法の提示、2つ目が発災直後に国が災害廃棄物の発生量を迅速に推計できる手法の提案、3つ目は自治体が災害廃棄物の発生量を推計できる手法の提案や簡易推計ツールの検討、最後が災害廃棄物の質情報の推計量への反映手法の提案、の4つを考えております。

 本ワーキングにつきましては、本検討委員会の東北大学吉岡委員に座長をお願いし、廃棄物資源循環学会の貴田委員、国立環境研究所の平山委員、加えて岡山大学の藤原教授に出席をお願いしております。

 オブザーバーに関しましては、技術検討ワーキングと同様、検討内容に合わせて適宜ご出席いただくことを考えております。

 それでは2ページ目をごらんください。主な検討事項です。最初の項目につきましては既に技術ワーキングでご報告させていただきましたように、昨年取りまとめられた要処理量の算定フローや、選別率を活用して発生想定量を推計する手順を示していこうということを考えています。

 2つ目の検討課題は、東日本大震災においても被災後、比較的早い段階で、例えば航空機や人工衛星による写真撮影というのが行われていたということもありますので、こうした技術を使い、発災直後から比較的短期間で災害廃棄物の発生量を推計する手法が可能であるかどうか、といった点の検討を進めようと考えています。

 3つ目、これは一次仮置場、二次仮置場が設けられた後、岩手県、宮城県では主に計量器による実測値や、廃棄物の容積や比重などから算出される推計を用いての算出を行っております。岩手県や宮城県で実施された、こうした災害廃棄物の推計方法の調査を行い、各手法の精度、作業時間、課題等を抽出、検討していきたいと考えております。

 最後の検討課題が、本検討会において指摘を受けておりますように、腐敗性廃棄物、有害物質、危険物等のデータをどのように発生量に取り込んでいくか、これの検討もあわせて行いたいと思います。以上で資料8-1、8-2の説明を終わります。

(生井補佐)

続きまして、資料8-3、人材育成ワーキングについて説明いたします。まず本ワーキングの目的ですが、昨年度の検討会で、「災害廃棄物処理に係る対策スキーム」において、都道府県、市町村、各機関に求める役割・責務の基本的な方向について整理をいたしました。この対策スキームで示された各機関のあるべき姿を実現するため、人材育成の観点から具体的な方策を検討、実施するものです。

 次に、本ワーキングで検討する育成者のターゲットとしましては2つございます。まず自治体の廃棄物部局の実務リーダーとなる課長級を想定し、災害廃棄物対策において先導的役割を果たすことができるリーダーとして育成するものです。

 次に、リーダーの指揮のもと適切に業務を遂行できる人材として、廃棄物部局の経験年数5年以上の一般職員を育成したいと思っております。そこで、先ほど申し上げたリーダー及び一般職員に必要な技能・知識を整理し、効果的に習得できる研修プログラムの開発と、個々のプログラムの体系化及びその効果的実施方法を確立してまいります。

 また、本研修プログラムの受講者、災害廃棄物処理実務経験のある自治体職員について、特に知識と意欲のある方については、先ほどD.Waste-Netのご説明にもありましたように、支援者グループのメンバーとして活用するための方策を検討したいと思っております。

 さらに、研修とは別に、行政機関では得がたい専門的知識・スキルを持った人材を、D.Waste-Netの支援者グループのメンバーとして確保するための方策を確立しまして、すぐれた人材をD.Waste-Netへ供給するあり方についても検討したいと思っております。

 続きまして27年度の取り組み内容ですが、まず、既に自治体が策定した災害廃棄物処理計画をスクリーニングし、当該計画における人材育成のための取り組みについて、現状を把握後、人材育成に係る課題を整理したいと思っております。その中で、災害時に中心となって対応するリーダーの人物像について議論し、必要な知識・スキルの習得方法について検討したいと思っております。

 次に、地域ブロックや自治体が実施する図上演習、ワークショップといった参加型の先進的な研修事例等の内容、取り組み状況等を把握・整理するとともに、普及に向けた課題を抽出しまして、より実践的なプログラムとなるよう検討したいと思っております。

 さらに、これまでの結果を踏まえ、研修を修了した者や、研修を受ける必要がないほど十分に経験が豊富な者を確保・派遣するための方策について検討します。すなわち、研修終了時に認定された者が被災地域に中長期的に滞在して、実際に災害廃棄物処理にかかわる応援要員、アドバイザーとして派遣されるような人材活用の仕組みについて検討したいと思っております。

 続きまして本ワーキングの委員についてですが、国立環境研究所の平山先生を座長とし、地域間協調ワーキングの座長である浅利先生を委員としてお願いしております。また、自治体の防災計画に知見のある、宇都宮大学の近藤先生、自治体を代表として災害廃棄物の広域処理に知見のある、全都清の佐々木専務理事、東京都環境局の荒井さんを、委員としてお願いしております。

 さらに、本ワーキングの全体の顧問として、国立環境研究所の大迫先生にお願いをしております。

 オブザーバーとしては、岩手県と仙台市の担当者にお願いしており、東日本大震災の被災経験者として自治体職員に求められる能力について、ご意見を伺う予定でございます。また、日ごろ自治体向けの研修を行っていらっしゃる日環センターにもお願いしまして、効果的な研修についてご意見を伺いたいと思っております。以上で人材育成ワーキングの説明を終わります。

(切川係長)

続いて、資料8-4の地域間協調ワーキングのご説明をさせていただきます。本日の検討会でもありました、連携のあり方や、具体的な内容について、本ワーキンググループで御議論いただきたいと考えております。

2ポツの目指す方向性を見ていただきたいのですが、災害廃棄物対策・支援の体制としまして、この組織の役割に応じた関係者の連携のあり方を明確にしていくということが、大きな活動と考えております。さらに、その中でこのD.Waste-Net、今日、こういったものを期待しているということで示させていただきましたが、それをこれからどのように運営していくのか、またどういう方々に参加のインセンティブを感じていただくかといったものに関しても、この中で議論していきたいと考えております。

 さらにもう一つ、地域ブロック協議会、こちらも本日、いろいろと宿題をいただきましたが、こちらに関しては、まず地域ブロック間の連携の具体化を図っていくということを一つ大きな課題としつつ、この協議会を持続的に運営するための方策だとか、それに向けての地方環境事務所の役割だとかに関して、議論をしていきたいと考えております。

 ワーキングの委員としましては、浅利委員に座長をお願いしまして、中林委員に入っていただきます。さらに全国都市清掃会議の栗原さん、日本環境衛生センターの藤吉さんに委員として入っていただきたいと考えております。

 裏面のほうに検討事項を具体的に書いておりますが、こちらに関しては、本日の御意見を踏まえ、浅利座長とも相談しつつ、臨機応変に検討していきたいと考えております。以上で説明を終わります。

○質疑応答

(酒井委員長) 

はい、どうもありがとうございます。

 ただいまのご説明に関しまして、ご質問、あるいはご注意がございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。

 はい、それでは、活動はこれから本格化してまいると思います。それぞれのご担当、この委員、そして事務局を含め、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

○ネパール大地震への支援について

(酒井委員長) 

それでは、今日はもう一つ、ネパール大地震への支援につきまして、資料9の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

(和田廃棄物対策課長) 

資料9をご覧ください。環境省からネパール大地震への支援についての状況をご説明いたします。

ネパールでは、何回かに細かく分けて発災がありましたが、大きくは今年の4月下旬にマグニチュード7.8という大きな地震に見舞われた状況です。

 それを受けて、日本政府のみならず、先進各国を中心に、いわゆる緊急無償援助が既に行われていまして、次のページをご覧下さい。ネパールにおける地震災害に対する緊急援助ということで、専らJICAのフレームワークでありますが、日本からも緊急無償援助として2,500万円相当の緊急援助物資が送られました。さらには専門家の派遣による支援も行われ、医療、救助関係で、4月から5月中旬ぐらいまで、チームが派遣され、順次、援助を行ってきました。

 その過程で、今後の復旧、復興を念頭に置いた上でのがれき処理について、ぜひ日本の援助をお願いしたいということで、国連環境計画から特に支援要請がありました。

 3枚目、環境省におけるがれき処理の支援の概要というところにあるように、UNEP(国連環境計画)から環境省に、例えば東日本大震災の教訓などを踏まえながら、今回のネパール震災における発生がれきの処理について、一番わかりやすいのは、マスタープランづくりについてお願いできないだろうかという要請があったところでございます。

 今月以降、順次、復旧のモードに入るというところでございますので、これは日本だけではないのですが、さまざまな分野の支援が行われるステージに移りつつあるということですので、日本は是非、このがれき処理関係の支援を行っていきたいと思っています。

 特にその3ページ目の上の赤枠に、「損壊した建物から発生したれんがの再生利用を中心とする」というキーワードがあるのですが、今回のネパールの震災は特にれんが造りのものが、大きな横揺れで壊れてしまい、全部瓦解したという形になっているわけですが、できれば貴重な再生利用資材なので、分別して、次にもしっかり使えるようなことを念頭に置きたいということが、先方の政府からの要望であったところでございます。

 まさにそういう意味では、東日本大震災では、津波堆積物、災害がれき合わせて、全体の9割弱の再生利用を達成したところですので、いわゆるハイテク技術から、手選別に至るまで、さまざまなノウハウを蓄積してきたということでもございますので、支援要請に基づいた支援を行っていきたいと思っているところです。

 具体的にはマスタープランづくりということなのですが、まずは環境省も中心になりながら専門家の派遣などを、コンタクトミッションの段階から始まって、先方といろいろ情報交換をしながら、具体的な支援の内容に入っていきたいと思っております。

 これはたまたまネパールの話でありましたが、今後は、場合によってはアジア太平洋地域では、さらに災害がれきが発生するようなことに対して日本の支援ということもございますので、ある意味、蓄積してきたノウハウを活用するというようなことは、国際貢献という観点からも重要と考えているところでございますので、こちらについても進捗がございましたら、御報告したいと思っています。以上です。

○質疑応答

(酒井委員長) 

はい、どうもありがとうございます。

 ネパール支援のご紹介でございました。何か質問はございますでしょうか。

 量的な見通しというのは、まだ全く耳には入ってこられていませんか。

(和田廃棄物対策課長) 

性質上、れんがが多く、都市部はかなり片づけが進んだようですが、急斜面の地域、地方エリアの片付けが進んでいないというようなことはわかるのですが、トータルとしてどのぐらいの総トン数なのかという情報は入っていません。

 おそらく先方が知りたいのは、本当に選別できるか、どのぐらいの期間で終わって次の復旧のステージに入るかということです。先方も最大限の情報提供をいただけるということですので、そこで少しマスタープランなどを考えていくということになるのかなと思っています。

(酒井委員長) 

おそらく東日本、地方都市とよく似た、量的な発生のイメージ、通常の、1年間の発生量の10年分とか、多分そういうオーダーの話のイメージではないかというようなことは、少し意見交換で聞いたこともありますので、そのあたりは、また上手く日本の経験を生かしていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 はい、それでは本日用意いただきました議事は以上でございます。全体を通じて、何かご注意はございますでしょうか。

 よろしければ、議事のその他というところで、ご紹介をお願いいたします。

閉会

(切川係長)

本日の議事録ですが、原案を作成いたしまして、委員の皆様にご確認をいただいた後、環境省ホームページに掲載する予定ですので、またご協力をよろしくお願いいたします。

 また、今後のスケジュールですが、本検討会の中でご説明いたしましたが、次回は9月の上旬ごろに第3回の検討会を開催したいと思っております。後日、改めて日程及び場所等のご連絡をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(酒井委員長) 

本日はさまざまなご意見をいただき、どうもありがとうございました。

 それでは、第2回検討会はこれで終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

 

(了)