環境再生・資源循環

第10回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会議事要旨

日時

平成25年11月5日(火) 15:00~16:45

場所

JA共済ビルカンファレンスホール

出席委員

(委員)(五十音順)
浅野委員、伊規須委員、影山委員、川本委員、鬼沢委員、酒井委員、鈴木委員、田中委員、田辺委員、田和委員、春名委員、永田委員、福間委員、森田委員
(各事業所の安全監視委員会等の委員長等)
眞柄北海道PCB廃棄物処理事業監視円卓会議(以下「北海道監視円卓会議」)委員長、 松田豊田市PCB処理安全監視委員会(以下「豊田監視委員会」)委員長
(オブザーバー等)
日本環境安全事業株式会社(JESCO)
日本環境安全事業株式会社の事業所が立地する自治体(北海道、室蘭市、東京都、
江東区、豊田市、愛知県、大阪市、大阪府、北九州市、福岡県)
経済産業省
産業廃棄物処理事業振興財団

議事

  1. (1) 今後のPCB廃棄物の処理促進策(案)について
  2. (2) その他

議事概要等

  • 会議は公開で行われた。
  • 委員の交代について、事務局(環境省産業廃棄物課)より紹介があった。
  • 事務局より、今後のPCB廃棄物の処理促進策(案)について説明し、委員から意見があった。

主な意見等

  • (浅野委員)これまでの排出された地域での処理を続けた場合は処理が困難であることから、それぞれの施設での得意、不得意を考慮した処理促進策(案)であり、良いと思う。
    一点気になるのは、例えば車載トランスの処理では豊田事業所に相当のノウハウが蓄積されていると思われる。今後他の事業所で処理を行うに当たって、人的なことも含め、そのノウハウを水平展開する必要がある。
  • (眞柄北海道監視円卓会議委員長)日本全体でPCBを限られた期間で処理しなければならないという観点で、処理促進策(案)について、地域の方々の理解を得られるとは思うが、北海道監視円卓会議のメンバーはほとんどがボランティアで出席いただいている。
    今後期間が延びることになれば、北海道、地元としても円卓会議のメンバーに対する支援を強化していかなければならないだろうと思う。
     それに関して、北海道事業で言えば、室蘭地域の方々に、処理地域の方々の支援と協力は、これまでもいただいていたが、今回の案でありますと首都圏からものが来るわけなので、首都圏の地域から北海道への支援をこれまで以上にお願いしたい。
    もう一点、北海道監視円卓会議の委員の中には、これまでに把握しきれなかった廃棄物が顕在化し、処理期間が延びることがあるのではないかと懸念されている。環境省は、不明なものも含め的確に処理すべき量を把握し、期限内に処理が完了するような計画を立ててもらいたい。
    また、モニタリングのコストがかなりかかっている。これらについても他の地域からの支援をお願いしたい。
  • (影山委員)処理促進策(案)について、この方向でまとまるよう、ご尽力してもらいたい。前回検討会では、安定器の処理を北九州事業所や北海道事業所で集中して実施すると処理期間がかなり長くなるという報告であったが、今回の資料では期限までに処理可能であるとなっている。その見通しはあるのか。
    また、東京事業所では以前は設備の大幅な改造を行うという説明であったが、それほど大きな改造を行わなくても処理が可能となっている。設備の効率的な運用による成果と思われるが、一層の効率化をお願いしたい。
  • (川本委員)PCB廃棄物が他事業所で処理されることにより、処理に伴って2次廃棄物も発生する。今回の処理促進策(案)には、これらの2次廃棄物の処理まで含まれているのか。また、他の事業所から搬入された廃棄物が別の事業所で適正に処理が可能であるのか。
  • (田中委員)処理促進策(案)により処理期間が短縮されることになるが、それでもPCB廃棄物の保管期間は長くなるので、適正な保管を徹底する必要がある。 また、未届出あるいは未登録のものがあるとおもわれるが、資料2-1の2ページの点線で処理が可能と考えているのか。
  • (福間委員)PCB廃棄物の搬入に関して、保管量の上限見直しやマニフェスト写しの送付期間延長などが以前の提言に盛り込まれていたと思うが、その検討状況はどうなっているのか。また、非含浸物について、一定濃度まで洗浄したものは無害化処理認定施設の活用することも考えられていたと思うがその状況はどうなっているのか。
  • (環境省 塚本課長)他の事業所で処理を行う場合のノウハウの点について、重要であると考えている。北海道事業所のプラズマ設備が稼働した際には、北九州事業所の熟練した者に指導してもらった実績がある。今後、車載トランスの処理においてもノウハウの移転といったことに取り組んでいきたいと思う。
    現在把握し切れていないPCB廃棄物については、今後その量を把握し、期間内に処理を終わらせたい。
    引き続き、コスト削減を行い、環境省とJESCOが協力しながら取り組んでいきたいと考えている。
  • (環境省 鈴木補佐)これまで処理実績のあるものを他の事業所で処理することを考えていることから、トラブルは無いと考えている。唯一、東京事業所において粉末活性炭を処理することが挙げられるが、実証実験を実施し処理が可能なことを確認している。
    現在未登録・未届出のものを含め、資料2-1の2ページの点線で処理が可能と考えている。
    保管量の件については、1箇所に集中的にトランス・コンデンサが保管されるということによる懸念も意見としてあったことから、検討は進んでいない。また、無害化認定施設での非含浸物処理については、含浸物と混ざってしまって分離が難しいものもあることを考慮しての記述であったが、現時点ではまず含浸物について払い出しを行っており、非含浸物については現時点ではまだ検討していない。
    安定器の処理については、北九州事業所でのプラズマ設備の処理実績を踏まえ、年間処理量の見直しを行い、処理見込みの計画を修正した。
  • (環境省 塚本課長)円卓会議の件だが、ボランティアで各地域の委員の皆様が長年にわたって参加いただき、大変重要な提言も頂いていると認識している。今後どのような形で他の地域からの支援することが適切なのか、地元自治体とともに検討したい。
    また、モニタリングに関して苦労いただいているということは認識している。広域の関係者とも相談をしながら、地元の負担を軽減する観点から引き続き努力をしていく。
  • (JESCO 榑林事業部長)プラズマ設備の運転については、試運転の段階から北九州から北海道に来て貰い情報交換を行っている。
    車載トランスについても、事業所間で情報共有するようにしている。また、処理能力の発揮に向け、引き続き工程改善に努めていく。
  • (JESCO 矢尾板社長)当初の処理期間が延びることについては大変申し訳なく思っている。JESCO全体で、安定的に処理できるようになってきたので、日本のPCBをできるだけ早く処理するべく頑張ってまいる所存。安全確実な処理を肝に銘じ、地元自治体の皆さんのご支援、環境省及び委員の皆さんの指導を頂き、引き続き事業を進めていきたい。
  • (浅野委員)この法律は、廃棄物という縛りをかけているため、廃棄物にならなければ立入検査ができない。廃棄物といった縛りを外し、将来廃棄物になる可能性のあるものについて、届出義務といったことも考えられるのではないか。
    フロンの場合には法律改正を行い、大型冷蔵器の運転中のガス入れ替えを管理行為ととらえて把握し、解体時に知らなかったと言わせない仕組みになっている。
    当面の実態調査でかなり正確な情報が得られるのであれば良いが、困難なのではないかと思う。
  • (鬼沢委員)無害化認定施設が増加したということであるが、環境省から積極的に働きかけを行った結果なのか。どのような経緯で増加したか教えていただきたい。
  • (影山委員)低濃度PCBについては、中大型機器を含め使用中のものもあり、管理に大変苦労している。今後とも早期に処理が進むようにお願いしたい。
    焼却処理はいくつか施設があるが、中大型機器については洗浄処理がどうしても必要となる。洗浄処理、移動式処理といった仕組み作りを大至急お願いしたい。
    部材については、合理的な卒業判定という点も併せてお願いしたい。
  • (環境省 鈴木補佐)環境省より申請をお願いすると行った働きかけは行っていないが、機会がある毎に無害化認定制度があることを説明してきた。PCB処理については、実施しようとしても地域への説明といったところで申請が難しいという事業者もいると聞いている。環境省自ら、実証実験を行ってきたことから、それらのデータを提供し、地域の説明といった点で活用してもらうような側面支援を実施している。
  • (環境省 塚本課長)現在使用中のものについての実態把握は重要な課題と認識している。オブザーバー参加している経産省とも連絡を取り、情報を共有しながら進めている。今後、使用中のものについては政府関係機関との協力のもと、把握に努め、今後報告したいと考えている。
    低濃度PCBについても重要な問題と認識している。日本は過去30年間、PCBの処理に大変苦しんできた。環境省としては1日も早くPCBを日本からなくすという大目標に向かって全力で取り組む所存である。産業界においても一緒に検討を行っていただきたいと考えている。
  • (経済産業省 鈴木管理官)使用中のものも含めPCBの効率的な処理について、環境省と連携をとりつつ進めていきたいと考えている。
  • (環境省 塚本課長)処理促進策(案)を提示したが、本日の意見をしっかりと受け止め、監視委員会の方々、さまざまな関係者の方々に説明をし、ご意見を伺う場を設けたいと考えている。そうした中で今後どのような形で基本計画を取りまとめていくか検討したいと考えている。
    次回検討会では、各地域の意見も踏まえ、PCB処理基本計画案をお示しし、委員のご意見を伺いたいと考えている。
  • (永田座長)処理促進策(案)について、全体の方向性としては環境省の示した内容に沿って進めるという意見が多かったと感じる。これをベースにしながら、基本計画の原案を立てていく。