環境再生・資源循環

食品廃棄物等の発生抑制の目標値検討ワーキンググループ | 第2回議事録

平成23年11月1日

  • 森下リサイクル推進室長 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第2回食品廃棄物等の発生抑制の目標値検討ワーキンググループを開催をいたします。
     私、環境省リサイクル推進室長の森下でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
     委員の皆様方には、お忙しい中、早朝よりお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。今回の本ワーキンググループの事務局及び議事進行は、環境省側が務めさせていただきます。なお、今回の座長につきましては、中央環境審議会廃棄物リサイクル部会食品リサイクル専門委員会座長の石川先生にお願いをいたします。
     本日お見えになられます予定の先生がちょっと何名かまだいらっしゃっておられませんけれども、もうじきいらっしゃると思いますので、会議の進行を進めさせていただきたいと思っております。
     それでは、これ以降の議事進行を石川座長にお願いをいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 石川座長 おはようございます。朝、早いところ、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
     今日はヒアリングということで時間が詰まっておりますので、早速始めさせていただきたいと思います。
     まず、配付資料について、事務局のほうから確認と取り扱いについてご説明いただきたいと思います。
  • 森下リサイクル推進室長 それでは、お手元の資料をご覧ください。まず、議事次第、A4の1枚紙で配らせていただいております。その議事次第に配付資料一覧を掲げてございます。
     それから、今日の資料でございますけれども、この議事次第のほか、ワーキンググループの委員名簿、それから本日の業界団体ヒアリングの進め方になります資料1、それから業界団体からご説明をいただきたいポイントのほうを整理した資料2、それから各業界団体からのご説明資料をいただいております、その資料3-1から3-6まで。それから参考資料1として第1回ワーキンググループの議事録、参考資料2として定期報告の業種別集計結果、参考資料3として業種細分類等のアンケート調査の概要をお配りしてございます。
     また、これまでの合同会合、ワーキンググループの資料をハードカバーのファイルにまとめまして、お手元にお届けさせていただいておりますので、必要に応じまして適宜ご参照いただければと思っております。こちらのハードカバーのファイルですが、事務局で毎回お預かりをいたしまして、その都度更新をし、次回ワーキンググループにまた配付させていただくように考えておりますので、お持ち帰りにならないようにお願いをいたします。もし資料に不備がございましたら、お申しつけいただければと存じます。
     資料について若干補足の説明をさせていただきます。まず、資料1でございますけれども、本日の業界団体ヒアリングの進め方になります。各業界団体ごとに30分程度の時間をとりまして、冒頭に事務局から団体の簡単なご紹介を行いまして、その後に団体からご説明を20分以内でお願いをして、最後に意見交換を行うという流れで行いたいと思っております。
     それから、資料2の業界団体からのヒアリング事項(案)ですけれども、この内容で説明いただくべく、業界団体の皆様方にはお願いをいたしておりますけれども、当然のことながら業種業態等さまざまな違いがございます。必ずしもこの資料に沿った説明内容とはならないケースもあるということは、あらかじめご承知おきをいただければと考えております。
     資料参考資料2をご覧ください。こちらは定期報告の業種別集計結果でございますが、これは前回ワーキンググループで、業種別の発生量につきましてご質問がございましたので、今回、それを資料として配付をさせていただいております。集計表では、27業種別の食品廃棄物等の発生量に加えまして、その発生後の取り扱いの内訳として、再生利用、熱回収、減量、再生利用以外、処分の別に集計をいたしております。こちら処分と申しますのは、有効利用されずに廃棄物として処分されたものというものでございます。
     発生抑制の数値でございますけれども、それぞれ各事業者が異なる発生源単位をもとに算出した発生抑制量、こちらのほうは単純に積み上げた形の数値になってございます。したがいまして、現状参考扱いの数値として考えておりまして、その旨付記をさせていただいております。
     続きまして参考資料3でございますけれども、こちら、業種細分類等のアンケート調査の内容です。前回のワーキンググループで座長一任という形になっておりましたけれども、現在記載してございます14の業種の皆様方に対して依頼をさせていただいておりまして、11月中を目途に分析結果を取りまとめるという予定にいたしております。その結果ですけれども、年末あるいは年始に開催されます第4回ワーキンググループでの検討の材料とさせていただきたいと考えております。
     また、本日の資料につきましては原則すべて公開とさせていただきたいと存じます。ワーキンググループ終了後には、発言者名を示した議事録を作成をいたしまして、各委員及び本日ご説明をいただきます業界団体の皆様方に配付をいたしまして、ご確認をいただきました上で、委員及び団体ご担当のご了解のもとに、公開をさせていただきたいと存じます。
     以上です。
  • 石川座長 どうもありがとうございました。
     何か説明その他についてご質問ございますでしょうか。ご不明の点ございましたら。
     よろしいですか。
     それでは、議事に入りたいと思います。今回、業界団体からの食品廃棄物の発生の仕方であるとか、業種別の発生抑制の目標値をつくろうとしているわけですが、それに際して特性を踏まえて何か留意すべき事項があるのか、また、重要な取り組みがあるのかどうか、そういうことについてご紹介いただきたいとお願いしております。
     ヒアリング先の業種については、先ほど事務局から説明があったとおり、座長一任ということになっておりましたので、相談の上、発生量が多いか少ないか、業種や業態の特性がどうなっているかということを総合的に判断して、選ばせていただきました。
     まず最初に、資料にありますとおり、日本加工食品卸協会からお願いしたいと思います。
     それでは、よろしくお願いいたします。
  • 森下リサイクル推進室長 団体からご説明される前に、簡単に事務局よりご紹介をさせていただきます。
     日本加工食品卸協会でございますけれども、食料・飲料卸売業に分類される業界団体になります。こちらの業界でございますけれども、非常に多岐にわたるということでございまして、本日ご出席いただいております業界の方々から、業界全体を説明するのは非常に困難であると伺っております。あらかじめご承知おきをいただきたいと考えております。
     こちら、食料・飲料卸売業ですけれども、27業種中でも食品廃棄物等の発生量は必ずしも多くはございません。ございませんが、前回ワーキンググループでは、業種の特性から発生量に規則性が認められず、業種の細分化を実施しても、なかなか強い相関が得られない業種というふうに判断をされているところでございます。こうした特殊事情につきましてご説明いただくとともに、どのような形で発生抑制を行っているか等のお考えをいただければと考えてございます。よろしくお願いいたします。
  • 日本加工食品卸協会 それでは、社団法人日本加工食品卸協会のほうからご説明を申し上げたいと思います。
     私ども団体の概要につきましては、この用紙のファイルの中に入っておりますので、ご覧いただければと思いますが、主な活動内容といたしまして、加工食品流通全般の近代化、効率化及び流通構造変革に伴います加工食品卸売業の構造改善促進に関する調査研究、あるいは研修・普及啓発事業ということで行っているわけでございますが、特に環境問題に関する調査研究事業といたしまして、食品リサイクル法あるいは改正省エネ法に関する普及啓発といったことを、こうした私ども食品リサイクル法へのガイドラインという冊子をまとめて、業界会員の卸に法律の概要について説明し、普及啓発を図っているところでございます。
     それでは早速でございますけれども、業界ヒアリングにおける発表事項に進めさせていただきまして、まず第1でございますが、発生抑制についての基本的考え方と業界としての取り組みというところの中で、業種業態の違いによる食品廃棄物等の発生に与える影響について述べさせていただきます。私ども、業界の食品廃棄物についての特性といったものについて、ご説明を申し上げたいと思います。四角の中を読んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
     当業界、加工食品卸売業は、そのほとんどが食料・飲料卸売業でございますが、以下の理由によりまして、企業間で食品廃棄物等の種類あるいは量に大きな格差が生じております。
     1つが、企業によりまして主力の取り扱い品目というのが異なります。つまり、企業によって取り扱っております商品の特性というのがかなりばらつきがあるということでございます。加工食品と言いましてもいろいろなカテゴリーがございます。常温の加工食品、冷蔵食品、冷凍食品、またお酒、お菓子といったカテゴリーがあります。
     それから2番目に、物流センターの種類というのがいろいろございまして、特に最近は小売業様の専用物流センターの運営を私ども加工食品卸売業者が受託するといったケースがございます。その際に、小売業さんのフルライン供給システムというものを受託するわけですので、青果、特に野菜のような処理加工したものを運ぶというものが多うございます。そういった際に発生する端切れ等について、私ども運営を受託する加工食品卸売業者のほうに、食品廃棄物の排出責任が伴うというケースがございます。
     それから3番目といたしまして、乾物あるいはびん缶詰といったプライベートブランドを、自社の企業内部で製品を製造している場合がございます。工場部門といったものを内部組織として内包しているという場合でございます。さらには小売事業部門を持っている卸売業者も中にはあるということでございます。
     私どもの資料の6ページでございますけれども、その内訳といたしまして、卸売業の部分と、それからその他食品製造メーカー部門です。それと小売りという形で、加工食品卸売業者の食品廃棄物の内容を小分類で分けた場合には、特に卸売業で発生する原単位というのは極めて低いということでございまして、メーカー部門あるいは小売部門で発生する原単位のほうが多いということで、こういった私ども定期報告を提出しております7社あるいは6社といったところの数値を分析をいたしますと、本業の食料・飲料卸売業における発生原単位というのは極めて低い数字になっているという実態を、まずもってご認識をいただきたいと思っております。
     また2ページのほうに戻らせていただきまして、そういった意味で、企業単位では食品廃棄物等の排出量を一概に比較できないと思っております。そのため、品種によりまして処理業者、特に再生利用業者を1社に絞り込むことができずに、焼却処理をせざるを得ないというのが散見されておるところでございます。
     当業界の会員企業であります加工食品卸売業では、以下の商品が食品廃棄物等の排出の原因となると思っております。
     1つが出荷見込みと実際の荷動きに差が生じまして、商品が物流センター内に滞留し、その後転売等ができなくなったために発生するというものがございます。これは直接的に自社で海外から輸入したといった商品も含まれます。
     2番目は、小売業様の納入鮮度基準というものがございますが、この基準に合わない在庫商品の発生によるものがございます。それから、小売業様からの返品のうち、転売できない商品、メーカーさんにも返せないといったものがございます。ただ、これらの商品の中には、可食である場合と不可食であるというものが混在するということでございます。
     それから、次に当業界の会員企業から発生いたします食品廃棄物の特徴について、2点申し上げます。
     加工食品は、ご存じのように食品部分というのと、それから容器包装部分というのが不可分でございまして、処理施設の選択や、また処理費用の負担増といった原因にもなっています。
     それから、食品廃棄物等の種類が非常に多岐にわたりますので、油、水分、塩分、香辛料、こういったいろいろな多いものを分別して処理をせざるを得ないというのが、この大きな特徴でございます。
     次のページでございます。業界ごとの食品廃棄物等の発生量の把握の方法の事例でございますが、私ども食品リサイクル法の届け出を行いました7社の定期報告を見てみますと、すべての会員企業がみずからの実測ではなくて、処理業者さんからの重量報告によるものであることを認識しております。私ども協会の会員企業は約140社ほどあるわけでございますが、そのほとんどが同様に数値を把握していると思っております。また、処理業者もそのほとんどがトラックスケールによる測量であるということがわかっております。
     なぜそういうことかといいますと、先ほど前段で申し上げました、やはり加工食品ですので、食品部門と容器包装部門というのは不可分であるということで、実際的にはなかなか計量が難しいということが背景にあると考えていただければと思います。
     3番目、業界ごとの発生抑制の取り組みと特徴という点でございますが、当業界の会員企業における主な食品廃棄物等の発生抑制の手法でございます。1つには、仕入れ業務におきます商品発注数や頻度の調整による、在庫の適正化というのがございます。これにつきましては、自動発注管理システムといったものを導入して、自動的に人的な介在をせずに行っている企業もございます。
     それから社内販売による発生量の削減ということも行っております。これは、社員や物流センター内のパート社員等が対象でございまして、コンプライアンス上、社外、一般の消費者、生活者には販売はいたしておりません。あくまでも内々的のことでやっているシステムでございます。
     それからアウトレット商品あるいはわけあり商品ということで、かなり限定された商品を安い価格で小売業様に納品するといったことで、発生抑制をされているということもございます。
     それからフードバンクといったものを活用して、寄附行為ということで、当然ながら賞味期限あるいは消費期限の期限内でのことでございますけれども、寄附等で発生抑制をされているという企業も具体的にございます。ここに具体的な企業名も記させていただきました。
     次、4ページでございますが、発生抑制の目標値の設定方法に関する意見・要望ということでございますが、特定肥飼料等の製造量につきましては、やはりそれぞれ再生利用事業者の処理事業者へのヒアリングということを重ねて行っておりますので、それで数値化を行っているということで、大変手間暇がかかっているということでございますので、これを何とかできないかという声は、私ども会員卸のほうからいただいております。
     また、定期報告そのものの様式、形態自体につきましては、特に私どものほうでの異論は出ておりません。現状のままでのよろしいのではないかと考えているところでございます。
     それから業種の考え方ということでございますが、当協会会員企業のほとんどは食料・飲料卸売業でございますが、冒頭に述べさせていただきましたように、企業によりましてかなり主力取扱品目というのが違いがございます。したがいまして、小分類単位での集計数値というのは、そういう意味では粗過ぎるかなと。逆に細分類単位となりますと、逆に細か過ぎるかなというような感覚を持っております。
     例えば小分類単位での集計でございますと、いわゆる飲料メーカーさんというように一般消費者の方々が考えるような、メーカーさんの販社企業様がございます。このメーカー販社企業様が、小分類の定義によりまして、私どもと同じような食料・飲料卸売業に分類されているということがございます。これは当協会会員企業の業務内容とは全く異質なものでございまして、これは特に別にしていただければなと思っております。これら企業につきましては、私どもの会員企業になってはおりません。こういうところからも、ぜひ細分類単位の業種を一くくりにするというのも、どうも現実に合わないのではなかろうかなと思っているところでございます。
     先ほど食品リサイクル法に基づく定期報告の業種別集計結果というのが別表でいただいておりますが、この定期報告の報告者数を見てみましても、平成21年度が62社でございました。私どもはその中に6社、7社という数でございますし、その6社、7社から出ている発生量というのは1,300トンぐらいの数字でございますが、この62社での合計の発生量は4万2,000トンということでございますので、随分私ども以外のところで発生しているというところの認識を新たにしておりますので、そういった意味で、この業種の考え方というものをぜひ見直していただければと思うところでございます。
     次に5ページでございますが、業界自主基準の策定の可能性についてでございます。当協会会員企業は、企業として複数の業種にまたがる場合もございますので、自主基準の中でも、特に再生利用等の率の目標値を1つに絞るということはかなり厳しい、困難ではないかと思っております。
     また逆にそれを細分化して設定するのも、その母数を考えるとなかなか現実的ではないのかなという思いもございます。自主基準を作成するということであれば、法規制の定める率に可能な限り近づけるというような記述をしていただければ適切であろうかと思うところでございます。ぜひご一考いただければと思います。
     最後に、その他、発生抑制の目標値の設定に当たりまして、業界として関係者の皆様に対するご要望ということでございますが、行政に対する提言として言わせていただきますと、前項のとおり、業種の分類等をかんがみますと、当協会会員企業に限っては、目標値設定の可能性はあると思いますが、食品リサイクル法のパンフレット等でよく記載のございます食品卸売業の再生利用等の実施目標70%という記載は、ぜひ一考の余地があるのではなかろうかと思っているところでございます。やはり食品卸売業といいますと、中身がかなり多種多様にわたりますので、そういった意味で一律的な目標というのはかなり厳しいのではなかろうかと思っております。
     それから、その食品廃棄物等となる商品の特性を考えてみますと、熱回収の基準の見直しを検討していただいてはいかがかなと思っているところでございます。
     この2点をぜひ提言として、私どものほうからお願いしたいと考えておるところでございます。
     以上、説明とさせていただきたいと思います。
  • 石川座長 どうもありがとうございました。
     それでは、ご説明いただいた内容に関しまして、ご質問、ご意見がございましたら、いただきたいと思います。いかがでしょうか。
     鬼沢委員、どうぞ。
  • 鬼沢委員 今、ご説明いただいたように、業界に入っている企業さんが非常に他種多様であるということから、それぞれのところで工夫をされ、減らしていらっしゃるんだと思いますが、進んでいるいい情報がほかの企業さんに伝わるような情報提供や意見交換をしたり事例を調べたりということは、何かされていらっしゃるんですか。
  • 日本加工食品卸協会 はい。今日も実務をやっていらっしゃる企業の方にも来ていただいているんですが、こちらは日本アクセスの方なんですけれども、ここでは実際にループといったものも完成させておりますので、こういったことについて、私どもの会報というのが年5回ほど発行させていただいているんですが、そういった情報をそこに載せまして、こういうふうにやっていらっしゃる企業もございますといったことも、事例として紹介をさせていただいております。
     また、こういった強権発動のためにガイドラインをつくっているんですが、この中にほかの菓子業界の事例等についても写真入りで紹介をしたりというふうなことで、いろいろ皆様方に事例は紹介させていただいいるつもりでございます。
  • 鬼沢委員 それについて、参考になったとか、何か同じような形でやってみたら非常に減ったとかいうことの結果はまだ得られてないですか。
  • 日本加工食品卸協会 まだ、残念ながらなんですけれども、ようやく私どもも定期報告というものがやっと態勢がとれるようになってきて、数値化もやっとここ1年、2年できるようになったというのが、今の現状でございまして、やってみて、かなりそういった意味で私どもの業界の内部のこの問題についての問題点、課題といったものがかなり浮き彫りになってきたかなと思っているところでございます。
  • 石川座長 よろしいですか。
     それでは、ほかにご意見、ご質問がございましたら。
     百瀬委員、どうぞ。
  • 百瀬委員 日本チェーンストア協会です。
     この中で、実はサプライチェーンという考え方で、チェーンストア協会の主たる会員企業にはスーパーがありますが、メーカー、それから卸売業、スーパー、消費者というサプライチェーンの中で、どう食品再生資源を減らしていくのかというところで、例えばメーカーと卸売業の関係、それから私ども小売業との関係が、かなり発生抑制の要因の中に可能性としてあるんじゃないかと思います。サプライチェーン全体として食品廃棄物を減らしていこうというような試みが、現在されているのでしょうか。
  • 日本加工食品卸協会 今、製・配・販連携協議会といった協議会が生まれまして、その中で納品条件の緩和といったことが、メーカーさん、卸、小売りの間で真剣にやはり語られるようになってきていると思います。特に、今、委員のほうからお話があったような問題について、返品の削減といったことで、3分の1のルールといった取引慣行が私ども業界にはあるかと思うんですが、そういった見直しの議論というのも前向きに始まっているのではなかろうかと、大変力強く私どもは思っているところでございます。
  • 石川座長 よろしいですか。
  • 百瀬委員 はい。
  • 石川座長 ほかに。
     じゃあ、伊藤委員。
  • 伊藤委員 2ページでございますが、真ん中の四角の部分で、食品廃棄物等の排出の原因ということをご説明いただき、1番、3番に転売ができなくなった商品とございますが、主な理由として期限の問題と考えてよろしいでしょうか。ほかに、何かありましたら教えていただけますでしょうか。
  • 日本加工食品卸協会 ご質問の内容ですが、転売不可になった商品が鮮度基準が過ぎたものですかという内容と認識しております。そういったものもございますけれども、中には小売業様同時の留め型じゃないですけれども、例えば小売業さんの名前が入っている商品とか、そういった独自に販売している商品、これについては、さすがにAというスーパーさんの商品の名前がBというスーパーさんの店頭に並ぶというのはおかしいことですから、こういったものは転売できないと。そういったものが期日切れということになった場合は、もう廃棄、もしくはリサイクルの対象になるということで、ご認識いただきたいと思います。
  • 石川座長 よろしいですか。
  • 伊藤委員 はい。すみません。量的には、期限の問題と、その留め型というかオリジナルのもの、どちらが多いんでしょうか。
  • 日本加工食品卸協会 その分類ごとに量をはかっているというところまでちょっと行けていないものですから、何とも言えませんけれども、総量を考えたらば、期日切れのほうがまだ多いのではないかと考えております。
  • 伊藤委員 ありがとうございます。
  • 石川座長 ほかに。じゃあ、牛久保委員。
  • 牛久保委員 よろしくお願いします。
     4ページで、分類の仕方で、小分類の集計では粗すぎる、細分類の単位となると細か過ぎるというお話ですけれども、日本加工食品卸協会さんとしては、例えば細分類の中でもグルーピングして、こことここをまとめていけば、ある程度数値の整合性がとれるとか、何かそのようなお考え的なことはおありかどうか、ちょっとそこだけ。
  • 日本加工食品卸協会 特に先ほど申し上げたメーカーさんの販社的なところ、ここがかなりボリュームがどうも多そうということも感じておりますので、そういったメーカー販社さん的なものというのは、この細分類にもないんですね。それから商社の数値も私どものこの卸のところに入っているんです。
     したがって、そういった分類は少なくとも分けていただいたほうがよろしいのではなかろうかと思っておりまして、細分単位のこの業種的なことというのは、やはり私どもの加工食品卸業には実は全部入っているんですね。扱っているのはほとんど入っているんです。だけど、その最も多いであろうメーカー販社さん、あるいは商社さんというのがないものですから、これを何かどうにかして分けられないかなという思いはございます。
  • 石川座長 よろしいですか。
     ほかに。酒井委員。
  • 酒井委員 先ほど百瀬さんの質問に答えられた返品ルールの点なんですけれども、納品条件の緩和に向けていろいろと考えられているということですが、ちょっと具体的に納品ルール、このルールがやはり非常にごみの発生につながっているんだというところを、具体的にちょっとご指摘していただけませんか。
  • 日本加工食品卸協会 私どもも返品の実態調査といったことを3年に1度全国規模でいろいろやっていまして、小売業さんから私どもの卸のほうに戻ってくる率が、最近一番直近時での返品率というのが、たしか0.52%だったと思います。
     これは年々やる度に数値が下がってきていまして、やはり取引慣行の是正というのは、かなりの部分でご理解をいただいてやってきているのではなかろうかと思うんですが、前、これは食品ロスの検討会でも牛久保先生のほうからもご指摘いただいたんですが、これはやはり率で考えるのではなくて、それは額で考えなきゃいけないと。それだけ加工食品のボリュームというのは大きいということで、そういう意識をするようにというようなことをご指摘もいただきまして、私ども、そういったことで、今、取り組んでいるところなんですけれども、返品もやはり何としてもそれを下げなきゃいけないということで、取引慣行のガイドラインにも、その返品の問題というのはうたわれているわけですけれども、その原因となるものというのはやはり幾つかあるかと思います。
     その1つとしては、3分の1のルールというのがありまして、この3分の1のルールというのは、メーカー・卸で3分の1、小売業さんで3分の1、生活者が処理するのに3分の1というふうな区別が基本的にあるんですけれども、やはりカテゴリー別にその小売業さんの基準というのがかなりばらつきもあるので、できれば物流のハンドリングを合理化・効率化するために、カテゴリー別には統一したものをつくっていただければなという思いが1つございます。
     それからメーカーさんにはぜひ安全係数を、1というものが最大になるわけですから、その1を目指して、できるだけ科学的根拠に基づいて、1に近づけるような努力もしていただきたいということで、メーカーさん並びに小売業さんと我々の物流のオペレーションといったことで、3者でできる限り食品ロスにつながるような返品というものを削減できればと思っているところでございます。
  • 石川座長 よろしいですか。
     じゃあ、片山委員。
  • 片山委員 どうもご説明ありがとうございました。
     1点だけ質問させていただきたいんですけれども、ご説明の中で、卸売業の中でも、いわゆる商品を中間で流すところと、途中で加工するところと、あと販社的な、そういう大きく3つぐらいのくくりがあるのかなと承ったんですけれども、そうすると、そういうくくりであれば、発生抑制の原単位というのはつくれる可能性があるというふうに理解できるんでしょうか。例えば加工は全くしないで、センター業務だけというところであれば、可能性はありますよというようなことでしょうか。
  • 日本加工食品卸協会 いや、私の申し上げたのは、食品卸売業や食品・飲料卸売業といっても、数字でお見せしたように、大きな原単位の違いがありますので、それを1つでくくって原単位、発生抑制の目標値を決めるということは、かなり無理があるのではなかろうかということで、やはりやるのであれば細分してつくったほうがいいのではなかろうかと思っているところです。
  • 石川座長 鬼沢委員。
  • 鬼沢委員 先ほどの食品ロスの3分の1ルールがあることで食品ロスがどうしても出てしまうというところ、前からやはり議論されていますが、それを有効に使うためにも、フードバンクの利用というのがもっと広がっていいんじゃないかと思うんですけれども、今、ご説明いただいたところではまだ2社しかないということで、これが広がっていかない理由、あるいは広がるために何かクリアできればもっとこれを広げていけるとかいうことは、そちらで考えていらっしゃるんでしょうか。
  • 日本加工食品卸協会 これは私どもで認識しているという意味で「等」ということで、必ずしも2社ということではないかと思いますので、もっと詳しく調査すれば、そういうことをやっている事例もあるかと思うんですが、ということでご理解していただければと思うんですが。企業さんによって、このフードバンク等について、食品ということで、必ずしも全面的にこういうふうな制度を活用しようというよりも、やはりちょっと保守的なところもあるようには聞いております。
  • 石川座長 そろそろ予定の時間が来ておりますので、まだご質問、ご意見ございますかもしれません。その場合、事務局に送っていただければ、まとめてもう一度、お手数ですがお問い合わせさせていただくこともあるかと思います。よろしくお願いいたします。
     それでは、次のヒアリングに入りたいと思います。日本フードサービス協会からご説明をお願いいたします。
    (説明者入れかえ)
  • 石川座長 すみません。1つ間違えました。全国清涼飲料工業会です。申しわけございません。
  • 森下リサイクル推進室長 それでは、全国清涼飲料工業会の方々がご入室なされる前に、若干のイントロダクションをさせていただきます。
     全国清涼飲料工業会ですけれども、清涼飲料製造業に分類される業界団体になります。この工業会におかれましては、清涼飲料製造業を代表してのご説明をお願いをしているところでございます。清涼飲料製造業の食品廃棄物等の発生量ですが、27業種中8位と比較的多いということですけれども、一方、再生利用等実施率は約91%となっておりまして、再生利用が非常に進んでいると承知をいたしております。
     前回ワーキンググループでは、発生量と密接な関係を持つ値に強い相関があり、かつ有意と認められる業種と判定されましたが、カバー率のほうが9%というふうに低く、業種の細分化もできないという状況にございます。今後、目標値を設定していくためにどのような業態で細分化を行えばいいのか、具体的にはお茶、コーヒーなど、製品別に分けるべきか、例えば原料が国産か輸入、そういったことで分けるべきかといったくくり方につきまして、さらにまた今後発生抑制のためにどのような取り組みを行っているかについて、お考えをいただければと考えてございます。ありがとうございます。
     それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
  • 全国清涼飲料工業会 おはようございます。ご紹介いただきました、全国清涼飲料工業会専務理事の公文でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
     ご案内の全国清涼飲料工業会ですけれども、全国の約400社の会員で成り立っております。うち100社弱がいわゆる企業会員ということで、残り300社程度は中小の組合会員ということになっております。そのうち販売比率ということでは、いわゆる企業会員、大手100社弱のところで九十七、八%の販売、中小は300社集まって2%強というバランスになっております。
     それからお手元の資料で、先ほどご紹介のあった140社ベースのデータとは別に、私どものほうでは自主行動計画として、日本経団連と一緒にトータルの廃棄物削減をということで加盟しておりまして、そこには大手32社、製品の販売量のカバー率は62%というところで1つの指標を持っております。今回の農水省さんのお調べになったものとは異なるデータになるんですが、こちらのほうで大手だけを見ていきますと、最終的な処分量――これは食品だけではないですけれども――99.8%ということで、再資源化率99.8%というところまで進んでおります。
     今日、拝見したデータを見て、ちょっと九十一・何%というのは愕然としていたのですが、大手と中規模のところで、これでいきますとかなり処理のところに差が出ているなということを、今日、びっくりしております。ただし、やっている内容というのは、各社、もうおわかりのように極めてシンプルな構造の業種でございますので、水平展開というものをこれからよりやっていかなければいけないなと朝一からちょっと身を引き締めているところであります。
     それで、生産量のほうも簡単に申し上げておきますと、直近で年間1,870万キロリットル、これが生産量です。販売の生産者金額、いわゆる出荷金額でいきますと3兆6,000億円。リットル数はイメージできないと思うんですけれども、1,870万キロリットルというのを500ミリリットルの容器に置きかえますと、1日1億本です。500ミリリットル換算で370億本ぐらいになります。こんなマーケットで五十数万トンの廃棄が出ているということになっております。
     それでは、アンケートのほうは極めてシンプルで申しわけございませんでしたけれども、ご質問があればお答えさせていただきます。
     まず1番目、業種業態の違いによる食品廃棄物等の発生に与える影響ということで、私どもはあまり業種業態の変化というものがありません。後ほど出てきますけれども、分類についても小分類イコール細分類ということで、清涼飲料業は清涼飲料業界、製造業ということになっております。
     それで、食品廃棄物の発生ということで考えていきますと、ここで記載のとおりでございます。工場ごとというよりは、そこでつくる製品が何なのかということで分かれてまいります。大きく残渣の発生するものといいますと、茶かす、コーヒーかす、それから果汁の搾りかすということになりますけれども、果汁については、大手では基本的に濃縮液を購入してというところが多くなっておりまして、中小、特に原材料産地に近いところ、それからあまり私どもの会員に入られてはおりませんけれども農協さん、ここら辺がこの搾汁というところについては行っておられるということになります。
     ということで、その工場で、今、今期何をつくるかということで、この廃棄物の状況というのは変わってくるものでありまして、特定のミネラルウォーター専用工場ですとか、それから炭酸飲料専用工場、こういうところではもう基本的にほとんど食品残渣は出ないということになりますけれども、ほかの工場では何をそのときつくるかということで、これは変わってくるということですので、特に立地だとか、そういうことに影響されていることではないということに基本的になっております。
     それから、2番目の把握の方法、これはもう皆さんとあまり変わりませんが、トラックスケールでの計量、はかりを使う場合もあります。それからちょっとこのマニュフェスト伝票は計量とは違いまして、集計のときにこの伝票と使っている、計量したものをということで紛れ込んでしまいましたので、カットしていただいて結構かと思います。それから最後にあります専用コンテナ、これの積載量による大まかな把握ということで、1コンテナ当たりどれくらい入っているから、トータルこれくらいというちょっとざっくりした計算の方法というのも出てまいりました。
     3番目で、業界ごとの発生抑制の取り組みと特徴ということでございますが、これも若干発生抑制と排出抑制と、どの時点で考えるのかということで混同しているところもありますが、ご了承いただきたいと思います。茶かす、コーヒーかす、こういったものは排水処理汚泥と一緒に嫌気発酵させてエネルギー源に変換をしております。その結果として、廃棄物の排出容量を削減する、嫌気性処理というところでございます。
     それから搾汁製造工程で発生する余剰物の低減とあります。これももうかなり限界まで来ていると思うんですが、搾汁工程で若干熱を加えるとか、それから入れるものを裁断して細かくして入れる。こういったことによって得られるもの、100入れたもののうち99が搾汁として得られるとか、そういうプロセスがあるようでございます。ただ、これにつきましてもほぼ限界まで来ていて、これは廃棄物を減らすというよりも、どれくらい1つの原料から製品になれるものをとれるかという、もう仕事上の大きなミッションでございますので、これはとことん進めているということでございます。
     それから、安定的なライン稼働による不良品の削減。これはもうおわかりのとおり、ロスを削減するということです。
     それから、若干これも異なりますけれども、有価販売先の開拓をしていこうということ。
     それから、生産計画、出荷精度向上への取り組み強化とありますが、これにつきましても一般食品と違って、我々茶葉とかコーヒー豆とか、若干の生産計画の狂いでも、別にすぐ古くなって廃棄しなければいけないとか、そういうものではございませんので、これも多少影響はあるということでございます。
     続きまして、定期報告の報告内容の変更についてということですが、私どもはもう従来から、生産量について販売キロリットルで報告をいただくということを続けております。それから食品廃棄物量につきましても、大手についてはその自主行動計画での報告ですとか、それ以外のところでも、中規模程度のところまでは今回の農水省さんの調査と報告義務のところでやり始めていると。それからかなり小規模なところにつきましても、処理工程の中で必ずその重量をはかっているということですので、特段大きな負荷はかかってこないということになります。
     それから、業種の考え方につきましても冒頭申し上げたとおり、わが業界につきましては小分類イコール細分類、これ以上分類できないということになっております。ただし、これも先ほど申し上げましたとおり、最後のほうとも一緒になりますけれども、目標設定をする際に、清涼飲料としてトータル原単位をどうするんだと言われますと、これについてはもう答えが求めようがありません。それぞれの、お茶ならどうするんだ、コーヒーならどうするんだということであれば、目標設定はできないことはないと思います。できないことはないですけれども、今現在どこまで下げるんだという指標については考えが全くありません。コーヒーとかお茶を原料を減らして薄く煮出してというようなことでもやれば、それは減ってくるんでしょうけれども、それはもう製品の味ですとか価値観に大きく影響するところなので、単純にそんなことはできない。バージンとそれから二番せんじのものを混ぜるとか、これもやはり同様にできないことだと思っております。
     そうなりますと、どうしたらいいのか、かなり厳しい研究が必要になるんだろうなと思っております。もちろん、それができれば原価にも反映してくることになるし、いいことだとは思うんですけれども、現状ではなかなか見つからない。むしろ濃くしておいしくして差別化しようというような動きの中ですので、難しい問題はずっとここにあるだろうなと思っております。
     それで、単一カテゴリーでもそういうことなんですが、トータルのということになりますと、このカテゴリーミックスでございますので、おわかりのとおり、何が売れてくるのか、それがわからないと、トータルの原単位がどう変化するかというのは、我々、出しようもないし、それが予測できるようですと、こんなすばらしいことはないと思っておりますので、トータルというのは極めて難しいだろうと。その原単位目標をそれぞれ異なるカテゴリーをつくっている工場ですとか会社に求めても、ちょっと意味のないものになるだろうなと考えております。設定するのであればカテゴリー後と。ただし、その目標設定は現在ではBAUで出す、トレンドで出すぐらいしかちょっと見当がつかないというのが実情でございます。
     ちなみに残渣の対象となるコーヒー、それからお茶、果汁ということで、生産量ベースではお茶が全体の約30%です。コーヒー飲料につきましては15%、果汁飲料は8%。その他がミネラルウォーターですとか炭酸飲料とか、残渣発生のほとんどない商品群ということになっております。
     私どもからはご説明以上で終わらせていただきます。
  • 石川座長 ありがとうございました。
     それでは、ご説明に対してご質問、ご意見ございましたら、いただきたいと思います。いかがでしょうか。
     じゃあ、私のほうから一つ教えていただきたいのですが、ご説明いただいたとおり、製造工程から出てくる、いわゆるかすのようなものの発生抑制は極めて困難だというのは良く理解しました。
     私は清涼飲料というのはなかなか定番をつくるのは難しいというのか、当たるのが難しいと伺っていまして、新製品がたくさん出ると聞いています。そのときに、当たったときに供給責任がありますから、ある程度つくってから市場に出す。ところが当たるのが非常に少ないので、結果的に場合によっては出荷もされずに、返品ですらないというもの、行き場のない製品がたくさんあると伺っていまして、これはサプライチェーンの問題と考えてもいいんですけれども、そういうものについて今日はご説明がなかったんですが、いかがでしょう。どのくらいあって、それは減らせるものなのでしょうか。
  • 全国清涼飲料工業会 申しわけございません。それがどれくらいになるかというのは集計をしておりませんが、ないことはないと思います。ただ、液体でございますので、排水処理、汚泥処理のほうへ回っていくということで、こっちの食品残渣に大きく影響してくることはあまりないと考えております。そういう意味では返品も、液体であるがゆえにここに引っかかってこないということになると思います。量は、ちょっとおっかなびっくり今度集計してみます。すみません。
  • 石川座長 いかがでしょうか。
     何か。酒井先生。
  • 酒井委員 発生抑制とか排出抑制のほうなんでしょうが、この嫌気発酵のところですけれども、これは、今、約50万トン程度の発生の中で、どこにどう勘定されている数字になるんでしょうか。平成20年度ですと、53万トンのうち再生利用が38万トン、原料が9万トンという計上で全体の数字は拝見させていただいているんですけれども、嫌気発酵というのはどこでどう勘定されていますか。
  • 全国清涼飲料工業会 申しわけありません。この資料も私どもの出している資料じゃないので。
  • 酒井委員 そうですか。
  • 全国清涼飲料工業会 ええ。それから、どこまでその嫌気性処理で使っているとか出ておりませんけれども、基本的にはコーヒーかすはおおむねこっちのほうへ回ってくると思っていただければ。
  • 酒井委員 なるほど。嫌気発酵の後、そのガスはガス発電利用される。
  • 全国清涼飲料工業会 工場内で、もう使ってしまうと。
  • 酒井委員 工場内でのガス発電利用ということですか。
  • 全国清涼飲料工業会 はい。
  • 酒井委員 先ほどの経団連の最新の率と違うというところのお話も含めて、ちょっとその辺の数字の違いのところは、あとまた事務局のほうに1回お知らせをしていただけませんか。
  • 全国清涼飲料工業会 はい。私のほうでもちょっと差が大き過ぎるので、検討してみたいと思っております。
  • 酒井委員 はい。嫌気発酵がどこにどう勘定されているかちょっと教えてください。
  • 全国清涼飲料工業会 はい、わかりました。
  • 石川座長 いかがでしょうか。ほかにございますでしょうか。
     鬼沢委員、どうぞ。
  • 鬼沢委員 今、お茶とコーヒーと搾りかすという3大ですが、例えばお茶がこれ以上この比率がアップしたとしても、今、発生処理されていることで何ら問題は発生しないですか。今の状態でそのまま、このお茶の割合がすごく上がったとしても、そのまま処理されるということでしょうか。
  • 全国清涼飲料工業会 ええ。率的にはもう全然問題ないと思っています。とにかく99.8%という現在のレベルをこれ以上落とすことはなくできるということで目標設定をしておりますので、問題はないです。
  • 鬼沢委員 じゃあ、別に比率が変わろうと、それは何ら影響はないということですか。
  • 全国清涼飲料工業会 そうですね。お茶につきましては、発生量の問題は、それは量が増えれば増えますけれども、今、再資源化のほうでかなり幅広い手法ができておりますので、もうコンクリートからボードから何から、全部茶葉を使ったものが行くようになっておりますので、そこら辺は問題はないと考えております。
  • 石川座長 じゃあ、牛久保委員。
  • 牛久保委員 2点ですけれども、先ほどの嫌気性発酵の事例というのは、実際上稼働している数というのはそう多くはないと思うんですけれども、量的に多いからトップのところにこれが出てきているというふうに考えてよろしいんですか。これはトップに出ているので、非常にここは売りの手法であるというふうに私どもは思うんですが。
  • 全国清涼飲料工業会 ええ。わが業界というのは、ビール業界と基本的にかぶっているところがございます。ビール業界のほうでの麦かすの再商品化といったら、汚泥とともにこちらの嫌気性の処理に入れるというのが、普通の飼料と肥料とかを出すのと並行して進めるものだと思っていますので、量的な把握についてはまたあわせてご報告させていただきたいと思っていますが、参加している数社というか、もっと多くですか。
  • 全国清涼飲料工業会 そうですね。経団連自主行動計画に参加していますので、先ほど申し上げた32企業からの報告事項の中に、大半は嫌気処理をやっているという報告を受けているので、代表的な取り組みということで、今日、ご報告を申し上げたというところです。
  • 牛久保委員 ありがとうございます。
     もう一点ですけれども、ここの発生抑制の目標値の設定の基本的方針の中に、事業者への過度の負担は避けると。要するに企業の業績その他を圧迫するようないわゆる目標値を設定することは、我々としては当然望むべきではないし、業界としてもそうだと思うんです。ちょっと私の理解度が悪いのかもしれませんけれども、先ほどありましたように「薄くなると」というお話がありましたよね。ですから、例えばそちらとしては、そういうようないわゆる業種業態を含めて、圧迫をしないような原単位の部類なりとか手法なり、何かそういうご提言があったら、ぜひともこちらにお届けいただければと思うんです。
  • 全国清涼飲料工業会 今現在、どうしたらいいかという提言までは全然たどりついておりませんけれども、基本的にそれぞれ各社、配合比率と製品のブレンドというものを持っておりまして、そこに影響を与えるような原材料を抑制せよというようなお話が出てきますと、これはもう業界挙げて大反対をさせていただくことになると思うんですけれども、今時点で変更ができるとだれも言っておりませんので、議論にもなっていないのが現状でございます。
  • 石川座長 いかがでしょうか。もしよろしければ次に移ろうかと思いますが。
     それでは、どうもありがとうございました。
    (説明者入れかえ)
  • 石川座長 それでは、次のヒアリングに移りたいと思います。
     次は日本フードサービス協会ということになります。よろしくお願いいたします。
  • 森下リサイクル推進室長 それでは、協会の方がお席に着席されるまで、ご紹介をさせていただきます。
     この日本フードサービス協会様ですが、飲食店、持ち帰り、配達飲食サービス業に分類される業界団体でございます。日本フードサービス協会におかれましては、飲食店、持ち帰り、配達飲食サービス業を代表してのご説明を期待させていただいております。
     飲食店の食品廃棄物等の発生量ですが、27業種中9位と比較的多く、再生利用等実施率が31.2%と低い状況でございます。こちらはサプライチェーンの下流ほどいろいろなものがまざってくるということがございますので、再生利用等も難しいという点もあるのかと思っておりますけれども、さらなる努力も期待をされるというところでございます。
     前回ワーキンググループにおきまして、発生量と密接な関係を持つ値に強い相関があり、かつ有意と認められる業種となっておりまして、カバー率も75%と比較的高い状況です。飲食店に関しましては、持ち帰りを含めましてさまざまな業態がございます。例えばファストフードといった現状に適したくくり方を検討するという方向性もございます。さらに今後発生抑制のため、どのような取り組みを行っていくべきかについてのお考えもいただければと思っております。
     では、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 日本フードサービス協会 おはようございます。私は社団法人日本フードサービス協会を代表しましてご説明をさせていただきます。所属はモスフードサービスということで、ファストフードの会社のチェーンの環境対策のほうをやっておりまして、今日は業界があまりにもいろいろな業種業態がございますので、全部のことをすべて把握しているわけではございませんけれども、自社の取り組みを中心とか、わかる範囲の中で、会員社の皆さんのほうからヒアリング調査した範囲の中で、お答えできるところをお答えさせていただきたいと思っております。
     まず、表紙にありますとおりに、外食・中食産業ということで、合せて30兆円規模ということでございまして、その中で国民の食生活の外部化ということの傾向の中で、我々の産業が非常に発展をしてまいったというところでございます。その内容としては、セントラルキッチンとか協力会社さんに調理の前半過程をお願いをして分業化、集約化ということで、さらに展開を進めてきたというところがチェーン店の取り組みという形になっております。
     ただし外食産業は、皆さん生活シーンでもご存じのように、多くの個人商店さんがたくさんございまして、この30兆円の中での外食、その大方は個人の専業店さんというところが多いわけでございまして、そこら辺の大きな理解を今まで果たしてこられたということも大きな流れであろうかと思っております。
     その中で、我々外食産業はいくつかの業種業態があり、いろいろなサービスやメニューの差別化を図ってくるなかで、消費者のニーズにこたえるようなビジネスモデルをそれぞれ多岐にわたっていろいろな工夫をしながら行ってきたというような経緯がございます。
     単品メニューのファストフード、それから多様なレストラン事業とか、そういったところでも廃棄物の種類や量も異なっておりまして、同業種の中でも、後でご説明しますけれども、分業化のあり方などもいろいろ異なっているところもあるようでございます。特に店内調理の割合が高くなってまいりますと、当然店内での調理残渣等も増えてまいりますので、発生量が多くなってくるというような仕組みになっていようかと思います。あるいは外部委託でセントラルキッチンや外部委託の工場さんのほうにお願いをして、残渣の発生中心がそちらのほうで行われているというような現況もあるかと思います。
     そういった中で2つほどお話をさせていただきたいと思っておりますが、その前に、その後の参考資料を簡単に説明させていただきたいと思います。こちらのほうが、非常に短期間で恐縮なんですけれども、環境委員会というのを日本フードサービス協会の中では実施をしておりまして、38社程度集まっております。その中から35社に、前回、委員の皆様からご質問いただいた件を中心にヒアリングをさせていただきまして、まとめさせていただいております。
     ちなみにこの35社につきましては、年間売り上げ推計2兆円ということで、市場シェアとしては約8%といった内容になっております。それも必ずしも全体をあらわしているということではないのかもしれませんが、ご参考にしていただければと思っております。
     続いてめくっていただきまして、食品廃棄物の内訳ということで、ご質問の中にどういったところでどんなものが発生しているかというご質問があったかと思いますけれども、業種業態別にちょっと並べておりまして、その中で食べ残し、それから調理残渣、それから廃食油、それからその他の部分としてどのぐらいの程度割合で、どういったところで発生しているかということを担当者のほうに確認をして、ざっくりなところもございますし、かなり細かく精査して探していただいているところもあろうかと思いますが、全体的な傾向は見てとれるかと思っております。調理ミス商品とか、仕込品の廃棄であるとか、閉店時の余ってしまった食材であるとか、バイキングの残しであるとか、そういったものがいろいろなシーンでいろいろな業態の中で出てくるかと思っております。
     私の会社で言いますと、ファストフードでございますけれども、ファストフードだとお客様は単品メニューでご注文されますので、食べ残しが非常に少ないと。また、調理くずというのもが、野菜くずとかが多いといったことでありますけれども、カット野菜で入ってくると片やその野菜くずが、ファストフードの中でも少なくなるということで、同じ業種業態の中でも、やはりチェーンマネジメントといいますか、そういったところで違いが出てくるというようなところがございます。
     続きまして、それ以外のところでは発生はないのかということを質問させていただいてみますと、やはりセントラルキッチンやあるいは在庫倉庫、あるいはテストキッチン、あるいは配送のためにケータリングセンター、こういったところでも発生していますよというようなお答えをいただいております。
     弊社の場合ですと、やはり倉庫在庫といったもので、残念ながらキャンペーンを打って残ってしまった商品とか、そういったものが残念ながら生じてしまいます。これは全体量の発生の中で2%から3%ぐらいが当社の事例なんですけれども、ただし先ほども申し上げましたように、コーヒーかすや野菜くずというのがファストフードのものでございますので、発生抑制という観点からしますと、割合程度は少ないんですけれども、こちらのほうにやはり力点を置くという活動になるというような、これは各社各様いろいろ違うかと思いますけれども、そういったことがあります。
     続きましては、計量方法について次のページに記載してございますが、こちらもやはり推計をしているというところがかなり割合程度としてはございます。私どもの場合もサンプルの計測を中心としております。自店で計測していただいている場合もございますし、こちらの下に書いてありますように、リサイクルの委託業者さんに計測をしていただいているというような場合もございます。
     この中身についてはいろいろ分かれておりますけれども、1つの傾向としては、例えば直営店ですと、一家号令で本部のほうが各店に計測のものを配って、統一した基準でという形ができようかと思いますけれども、フランチャイズチェーンということで、加盟店さんを抱えているチェーン店さんなどは、一つオーナーさんが1回入って、オーナーさんの先にまた店長さんがいらっしゃるという指示系統になっておりますので、そこら辺のところもいろいろなばらつきが生じてしまうというところもあろうかと思います。
     またリサイクル業者さんの制度についても、残念ながらドライバーさん個人のばらつきということが生じてしまうというところもありまして、それを何百店、何千店ということで計算をして集計しているという実態があろうかと思っております。
     続きましては店舗以外の計量方法ということで、こちらはセントラルキッチンや工場、これは先ほどほかの業界さんでもお話がありましたように、トラックスケールとかそういったもので量っていらっしゃるところ、それからサンプルをケース1個何キログラムということで量っていらっしゃるところ等がございます。
     時間の関係で次にまた参ります。5.のところです。発生抑制の取り組み、これは各社さまざまに取り組みを進めていらっしゃるということを改めて回答いただいて感じているところでございますけれども、まず、売り上げ予想の精度向上ということとか、あるいはレストランですとガロニの変更等々行ったりとか、さまざまな取り組み。それから先ほど少しご指摘がありましたフードバンクとか、そういったところに提供するというような取り組みを進めていらっしゃる会社さん、チェーン店もございます。
     ただし、先ほども申し上げましたように、例えば加工品を使う使わないといったところは、各社のコストの戦略であるとか、手づくり感を出したいとか、そういったいろいろな商品の訴求といいますか、消費者のニーズといいますか、生活スタイルに合わせていくといいますか、時代に合わせていくというような、いろいろなニーズの中でオリジナリティーを出して社会的に受け入れていただくというのが我々の商売ですので、そういったビジネスモデルやブランド、それから商品政策と非常に密接な関連をしているというところが、いろいろな発生抑制とその発生といった部分にいろいろ絡んでくるところだと思っております。中には分別とか計測といったものを非常に徹底されて、現状の把握とか発生原因を明らかにされて、発生抑制の取り組みにつなげていらっしゃるというような企業さんもございます。
     次は飛ばしまして、8ページ目について、定期報告書の記入ということなんですけれども、我々一般的にこの分類で参りますと、業種分類で言いますと飲食店というところが主流になろうかと思いますけれども、他の業種データとまとめて報告をされていらっしゃるところは意外とございます。70%がほかの業種とまとめて報告しているということで、公開されています定期報告書の分類でも、その他食料品製造業ということで、自社で工場を持っていらっしゃったりとか、セントラルキッチンを持っていらっしゃるところは、そこに登録をして分けていらっしゃるところもありますし、私どももそうなんですけれども、倉庫在庫ストック商品というのは基本的に店舗の売り上げと連動するので、店舗売上を原単位として、チェーン全体を分母に持ってくるということで、発生抑制やリサイクルを全体で考えていこうというような、会社さんの考え方としてそういう管理をされているというところもございまして、ここら辺については分かれております。
     その理由について、次のところに書いてありますが、今、私が申し上げたようなこと、売り上げと連動している、業態が非常に多く困難だと。これは何と言っているかといいますと、皆さんが飲食店をご利用されたときに、その店舗は1店舗ではなくて、ほかの業種業態を1つの会社でやっていらっしゃる。
     例えば、レストランもやっていながらケータリングサービスもやっていらっしゃるだとか、非常にたくさんのものをやっていらっしゃるような会社さんがいらっしゃいます。特に最近はM&Aとかも進んでおりまして、非常に業種業態が一緒になるということも現実的には起こっておりますので、その中で把握方法が非常に困難になってきているというようなところもございます。そこら辺のところを1本で報告をせざるを得ないというような担当者の現実としてあるといったところもあろうかと思います。
     続きまして、この定期報告書の変更に対する議論というところでございますけれども、まず有価取り引きについては、手前どもの産業としては大きな有価で取り引きされているというものは、定常的に多量的にあまりは存在しないとは認識しております。ただ廃食油などは、市況によって飼料原料とか、そういったものに流れていくということは歴史的に昔からありますので、そういったものはあろうかと思いますけれども、大きなウエートを占めるものということでは、特筆するものはあまりないのではないかと思っております。
     それでもテークアウト分とか、それからご指摘のあったコーヒーかすとか、これは発生が抑制できないといった部分の食品残渣というものについては、例えばコーヒーショップですとコーヒーかすしかほとんど出ませんで、こういったものには減らしようがないといったところもありまして、それを適正・正確な目標を設定すると考えたときに、数値に変動があるので、配慮が必要であると考えるのか、やはり変えるべきではないというところが非常に意見として混在しています。中には前提となる数字の把握方法に推計が相当入っているので、出てくる数値もあまり意味がないのではないかといった意見も、中にはございます。
     続きましては関連性の要因ということで、ここら辺が申しわけございません。農水省さんから今回のご質問の趣旨をご説明すると前後でちょっとアンケートをとっておりますので、ご趣旨に沿った答えになっていないところがあろうかとは思いますけれども、ちょっとご了承いただいて、逆にこういった現状を把握というか見ていただけたらという観点で列挙されているということで、ご理解いただきたいと思います。
     一番上の四角のところにも書いてありますように、非常に多種多様な意見が寄せられておりまして、1つの事例で申し上げますと、レストランをご利用されるときに何百円というようなレストランもございますし、使っていただく時間帯とかによっては何万円というようなところもございます。そういったところでは、やはり客数ということになるんですけれども、残念ながら客数をきちんと何人ということでとらえられる業態と、レジ客数と言うんですけれども、1つのお客様が何人か来られても1つのレジカウントという形でとっていらっしゃるところもございます。そういったちょっと店のオペレーションに関連してのところですけれども、そういったこともございますので、そういった現状があるということでございます。
     私どもの会社でもレストラン事業というのをやっておりますけれども、例えばランチをやっているお店、同じお店であったとして、同じメニューぞろいだったとしても、ランチをやっていますとどうしてもバイキング形式になると。そうするとやはり食べ残りが多くなってくると。逆にこのディナーレストランを一緒にランチもディナーもやってまいりますと、今度はディナーのほうの食品残渣、いわゆる現場で加工調理をしている部分が多くなってくるということで、同じ業種業態の中でも、そういった発生量というものがメニュー戦略とかその市場とかロケーションとか、そういったさまざまな要因によって変わってくるというような、非常に複雑な状況もあろうかと思っております。
     最後に12ページの10.のところの行政への要望ということで、さまざまに書いてございますので、時間の関係もございますので、皆さんのほうで一読していただければと存じますけれども、非常にリサイクルを一生懸命頑張っていたりとか、発生抑制を頑張っているところ、前にも議事録を読ませていただきましたけれども、そういったところが数字的に評価をされてくるという制度をやはりつくっていただきたいなというところが1つと、それからデベロッパーさんの協力というのは非常に大切で、きちんとやはりごみ置き場に出してはかって計測をして、テナントさん側に報告していただけるというようなデベロッパーさんもございますけれども、中にはもう出しっぱなしみたいなところもあって、なかなかお店のほうもオペレーションの中で計量できないということで、やはり相互の協力の中でここら辺の管理をしていきたいなというふうにも思っております。
     それから、よくやはり全体的に言われていますのが、近隣に登録再生利用事業者がないということで、チェーン店としては全国に規模を持っておりますので、そういった中で、一定の地域だけでなくて、全国的に幅広く再生利用事業登録者ということを置いていただいて、受け入れ体制を整えていただければというご意見もございました。
     ちょっと駆け足でご説明してまいりましたけれども、一応現状としてそんなところをご説明させていただきました。ありがとうございました。
  • 石川座長 どうもありがとうございました。
     ご説明いただいた内容に対して、ご質問だとかご意見がございましたら、いただきたいと思います。
     じゃあ、菅先生。
  • 菅委員 大変おもしろい、大変興味深いことを教えていただきました。ありがとうございます。
     教えていただきたいのは推計のやり方なんですけれども、4ページの3番で、店舗で測定なさっておられると。それを、例えばある日を調べたら、それを営業日で掛けて、さらに店舗数を掛けるというやり方なのか、それこそ売り上げで膨らますというやり方もあるでしょうし、人数で膨らますというやり方も、いろいろなやり方があると思うんです。どんなのが一番メジャーなやり方だと考えていらっしゃるんですか。
  • 日本フードサービス協会 どれが一番メジャーかというのはちょっとわかりませんけれども、私どものところでやっているところとしては、やはり一番最初のやはりデータがそろわないようなときの場合については、曜日を決めて、例えば平日、それから土曜日、日曜日のピークのときとか、そういった顕著な数字を拾って、どこかの店舗、サンプルをとって、それを伸ばしていくというやり方が一番現実的だと思います。
     その次のステップとして、ある程度サンプルが整ってきたところでは、今度はある程度サンプル店舗数をきめて全日はかっていくと。その次の段階としては全店ではかっていくというような形を踏んでおりますけれども、これは各社さん各様で、いろいろな現場の事情とかいろいろあろうかと思いますので、多岐にわたるかと思っております。
  • 菅委員 そのときに、何かルール化というような可能性はあるんでしょうか。非常に難しいのか、今、おっしゃった例えば平日、土、日で典型的な店舗を選ぶというやり方もあるでしょうし、ランダムに選ぶというやり方もあると思いますけれども、そういう何かガイドラインというか、こういうのが共通にできる、共通にできるのが一番いいと思うんですけれども、何かそういう可能性というのはありますでしょうか。
  • 日本フードサービス協会 農水省さんのほうでもガイドを出されていると思いますので、それに準拠しているところはかなりあるかと思います。あとはやはり各社さんの事情という形でしかちょっと申し上げられないところです。
  • 石川座長 よろしいですか。
     じゃあ、百瀬委員。
  • 百瀬委員 質問が2つあります。先ほどのお話では、計量について企業によって今のところは精度はまちまちであるということなんですね。
  • 日本フードサービス協会 こちらに出してきていただいているところの企業さんについては、相当高い精度でわかっていただいているところがあるかと思います。逆に、まだまだ取り組み始めたばかりというようなところもあるかとは思います。
  • 百瀬委員 あともう一つですが、ショッピングセンターなどの飲食店とデベロッパーとの関係というのがあります。先ほど、卸売のところのサプライチェーンという関係などでもそうですが、企業間での協働での取り組みがあります。スーパーマーケット、モール、ショッピングセンターですとか商業ビルの中にテナントとして入っている飲食店で、年間100トン以上出しているところは結構あると思います。そういったモール、ショッピングセンターでも、スーパーマーケットが入っているところ、もしくはスーパーマーケットがデベロッパーだったりオーナーだったりするところについては、自社の定期報告が必要なので、テナントの食品廃棄物も一緒に計量し、一緒にリサイクルをするというようなところもあります。ショッピングセンター全体での報告と、飲食店の企業としての報告が、どういう状況なのかを教えてください。またリサイクルの協働などもできれば教えてください。
  • 日本フードサービス協会 はい。当然リサイクル率を上げていかなければならないので、私どももやっていますけれども、委員さんに入っているお店、それからほかのところに入っている店については、やはりデベロッパーさん側のほうに窓口になられる方、あるいは各店にお問い合わせをさせていただいて数値報告をいただいたりとか、あるいは向こうさんから定期的に報告が来たりというような形で、その数字については盛り込んでおります。
  • 百瀬委員 ということは、発生抑制への効果ということとは少し違いますが、リサイクルへの取組みなどは1つのエリアであったりとか、1つの施設であったりとか、そういうところの協力で向上するということは十分に今後考えられます。
  • 日本フードサービス協会 ご指摘のとおりで、その地域とか非常に限定された中で効率的に回収するということが、特にファストフード中心でそうですけれども、少量多店舗という排出形態の場合については、やはり集中して効率的に回収するということが経済的にもいいわけで、環境負荷も下げるということで、そういった取り組みを進めていきたいとは思っております。
  • 石川座長 ほかに。
     じゃあ、伊藤委員。
  • 伊藤委員 今後のことになるかもしれませんが、発生抑制の手法につきまして、ドギーバッグを導入するような文化風習の今後の醸成というか、そういうお考えというのがあられるかどうかと。今回の部類で業種は違いますけれども、私が思うに一昔前の結婚式なんかは、結構持ち帰りが日本では行われていたと思うんですけれども、そういうベースのある国ですので、そういう可能性というか規模というか、その辺がありましたら、教えていただきたいんですけれども。
  • 日本フードサービス協会 ドギーバッグについてはいろいろご提案もいただいたりとか、実際に行っていらっしゃるところもあろうかと思います。ただ、どうしても引っかかってきますのは衛生問題ということで、持ち帰った場合のお客様が万が一何かあった場合について、責任ということもございますので、そこら辺が自己責任という形でやればよろしいかと思うんですけれども、なかなかサービス業でございますので、そういったところは非常に微妙なところがございます。そこら辺のところを消費者の方と事業者の方がお互いに、これはほんとうに非常にこつこつした取り組みといいますか運動だと思います。こういったものを積み上げていくということが重要じゃないかなとは考えております。
     すみません。それで私、1枚目の最後のところのご説明するのを忘れておりまして、以上のようなご説明で、業種業態で非常に多岐にわたっているということの現状の中で、業界全体の努力目標といいますか、指標といいますか、そういったものはあってもいいかなとは思っておりますけれども、当然そういうふうな形になると、上のところ下のところということが出てまいりますので、そういったところに向かっていく活動として、2番目として、それがあった上で、各社が自社の現状を見すえて、現状で取り組めることをきちんと把握をして積み上げていって、その数字を上げていくと。発生抑制についても取り組んでいくということを、インセンティブを絡めながらやっていくことが、望ましいのではないかと思っております。すみません。
  • 石川座長 追加のご説明をいただきましたが、いかがでしょうか。ほかに何かございますか。
     じゃあ、鬼沢委員、片山委員。
  • 鬼沢委員 4ページにあります店舗での計量方法のところで、リサイクル委託業者による計量というのもあり、そうしていらっしゃるところも多いと思うんですが、委託業者による計量をしているところのほうが発生抑制があまり進まないとか、いや、むしろ進むとか、そういうことの何か統計みたいなものは見ていらっしゃるんですか。
  • 日本フードサービス協会 特にそういった統計はございません。
  • 鬼沢委員 ずっと同じ値だとかいうこともわからないですか。
  • 日本フードサービス協会 ちょっとそれはないですね。
  • 片山委員 どうもご説明ありがとうございました。
     2点あるんですけれども、1つは、2ページの外食企業別店舗での食品廃棄物の内訳の中で、10番のFF持ち帰り米飯/回転寿司のところで、その他が92%というのと、あと27番の喫茶で、その他90%のがあるんですけれども、これはわかればということなんです。これはいわゆるお客様に提供される前の原材料の段階で出るのがほとんどですよという理解でよろしいのでしょうか。
  • 日本フードサービス協会 ご指摘のとおりだと思います。コーヒーのほうは、いわゆるコーヒーかす残渣を、これはいわゆる調理残渣でもなく食べ残しでもないという理解で、その他というふうにくくっているんだろうと理解しておりますが、すみません。
  • 片山委員 あと11ページのところで、目標値の策定に関する関連の強い要因の中で、売上高、客数、その他いろいろある中なんですけれども、これ、例えば売上高で相関がありますよというところが、比較的その業種の中ではまとまりが見えるのか、それともここを見るといろいろ書かれているんですけれども、売上高が妥当だよというふうに言っている業種は、例えばある程度は固めることができるというのはあるんでしょうか。
  • 日本フードサービス協会 まだ、業界の中でそこまでの詰まった議論調整をしておりませんけれども、やはり聞こえてくる声としては、売上高ということが分母というのは大きなところかと思っております。
     ただ、先ほども申し上げましたように、客数という部分で単価が非常に違いのものを持っていたりとか、それから多業種にわたっていたりとか、いろいろなそこら辺の状況がございますので、一緒くたに外食全体をくくるというのは非常に難しいかなとは思っております。
  • 片山委員 ありがとうございます。
  • 石川座長 いかがでしょうか。ほかに。
     じゃあ、牛久保委員。
  • 牛久保委員 先ほどの計量のところとも関連しますし、12ページの一番最後のところに、今、発生抑制は当然のことながら水分は加味していないわけですけれども、水分の議論がここにありますので、ちょっとその辺に関してなんですけれども、計量をやはり精密にするということは、今の状況だと業者任せが多いとすると、水分を非常に含んだままの状態でやるということ。例えば実際に水切りの行為、そういうもののデータ収集も当然必要だと思いますけれども、実際にやられている行為としては、何かそういう実例的なものというのはあるんでしょうか。
  • 日本フードサービス協会 ここには記載されていない部分かと思いますけれども、コーヒーかすとかのリサイクルに当たっては、やはりなるべく水分を落として運びたいというところがあるようで、コーヒーかすなどでも、やはり夏場ですと運んでいる間に発酵してしまったりとかそういったものがあって、そのコーヒーかすなどをバットに置いて、いわゆるすぐにごみ箱には入れずに、ある一定時間ごみ箱のバットを受けに置いて、下に水分を落下させて、自然落下ですね。これだけでも随分水分率が下がるというようなこともあって、あまりどうしてもお金がかかったりとか、設備スペースをかけたりするということになると現場は抵抗がありますので、そういうことじゃなくても、簡単な水分を除去するような方法というのはあるのではないかなと思われます。
  • 牛久保委員 ここで言うと、パブだとかビアホールみたいなところは食べ物と液体を一緒にしてしまうとか、そういうところもあると思います。今のようにコーヒーかすだとか、野菜系のものであれば当然今の物理的な自然。ですから、もしある程度データをそろえていただけるようであれば、実際にそういうものをはかっていただいて、やはりどれだけ水分を切ることによってインセンティブが生まれるのかということは、ひとつ、もしはかっていただけるようであれば、協会の中でご検討いただければ思います。これはお願いごとですが、よろしくお願いします。
  • 日本フードサービス協会 はい。検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
  • 石川座長 ほかにいかがでしょうか。
     特にございませんようでしたら次に進みたいと思いますが、よろしいですか。
     どうもありがとうございました。
    (説明者入れかえ)
  • 石川座長 それでは次に、全国水産加工業協同組合連合会からのご説明をお願いいたします。
  • 森下リサイクル推進室長 全国水産加工業協同組合連合会様ですけれども、こちら、水産食料品製造業に分類される業界団体でいらっしゃいます。全国水産加工業協同組合連合会におかれましては、水産食料品製造業を代表してのご説明を期待させていただいております。
     水産食料品製造業の食品廃棄物等の発生量ですが、27業種中10位と比較的多く、再生利用等実施率のほうですが、こちらは約81%となっておりまして、主に再生利用が行われているというふうに承知をしております。
     前回ワーキンググループにおきまして、業種の細分化を実施することによって強い相関が得られる可能性がある業種と判断されておりまして、今後業種の細分化を経て、改めて相関を見るということとなります。水産食料品ならではの業種業態を踏まえ、留意すべき事項があれば、ご説明をぜひいただきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 全国水産加工業協同組合連合会 今、ご紹介にあずかりました、全国水産加工業協同組合連合会事務局の参事をしております佐々木と申します。よろしくお願いいたします。
     簡単な資料をご用意させていただきました。水産食料品製造業と一口に言いますけれども、1枚目の資料をご覧になっていただきますと、先ほどちょっと言われました細分類に分けただけで7種類あります。
     それの中で主な主要な製品といいますと、例えば缶詰であれば、皆さんご存じのツナ缶なりサバ缶なりイワシ缶に代表されるような水産の関係の缶詰。それから海藻加工業といいますと寒天とかのり、それから最近スーパーでよく見られる味付けのめかぶ、もずく等の加工製品。練り製品であればかまぼこ、ちくわ、揚げかま、魚肉ソーセージ等従来からあるような製品群。塩干・塩蔵でいきますと、一般に言われている開き等に代表されるような干し物、丸干し、めざし等です。それから荒巻ザケとか塩ザケというのは塩蔵品。
     冷凍水産物というのは、地方の産地で水揚げされる魚をそのままいろいろな用途に分けて冷凍するというような業態になっております。それを利用した加工なり、それから輸出というような形に流れていきます。
     冷凍食品製造業、これは調理食品的なものを冷凍して、スーパーなどで出ているものが代表的なものですけれども、業務用に冷凍水産食品ということで、外食関係等に納入されている部分です。
     それからその他の水産食料品製造業ということで、上の部分に入らないものが全部ここに含まれるんですけれども、代表的なものとしてはここに載せたように干しするめ等の素干しです。煮干し、燻製品、かつおぶし等の節類、塩辛、つくだ煮、水産漬物、調味加工品というような多岐にわたるような形になっております。
     事業所数としては、4人以上で約7,000で2008年の漁業センサスの中では水産加工業全体で約1万という格好になっていますので、3人以下が約3,000ほどあって、全体としては約1万事業所があると。出荷総額では約3兆3,000億円程度の規模の業態になっております。
     全国水産加工業協同組合連合会の関係でいきますと、全部を網羅しているわけではないんですけれども、いろいろな方が全国水産加工業協同組合連合会には加盟されております。主体としては塩干・塩蔵、それから冷凍水産物、その他の水産食品、特に節類は全国水産加工業協同組合連合会のメンバーの方が多い業種です。全体3分の1の3,000社強が本会のメンバーになっております。規模的には中小零細というか、ほとんど小規模、零細業者が中心になっています。
     2枚目に行きまして、皆さんご存じのものなんですけれども、これは水産加工品が、実際にどんな形で利用されているかの資料です。魚の中でも、例えば頭であれば、今回の食品廃棄物に入る部分もあるんですけれども、頭の利用としてはDHAとかたまりじょうゆの発酵の原料に使うとか、内臓についても、かつおであれば酒盗、それから卵巣ということで、これは魚卵ですね。いくら、たらこ、かずのこ、これはみんな塩蔵の加工品です。骨の利用としては中骨缶とか一時話題になりましたけれども、骨を利用したスナック。それから一部カルシウムパウダーをつくられているところもあります。
     魚の利用としては、魚肉のほうの利用として開き、塩干関係、漬け魚、節類、缶詰とここに出ているような形。それから魚以外でも、残滓の利用では魚かすということでフィッシュミール、魚油を利用したEPAなりDHAの抽出、カニではキトサンを利用したりとかされています。海藻の利用としてはのり、つくだ煮等、イカの関係ではここにあるようなするめいかとか塩辛、それから乾燥珍味、貝類としてはこういう乾燥品なり、あと調味加工品なども結構あるんですけれども、そういうエキス分を抽出したものという形で、多種多様に利用されている実情になっています。それで一企業の中でもこれらを複合してやられているところ、特にある程度の規模が大きい加工業者さんでは幾つかを複合して、実際には操業されているという実態になっています。
     それで、今回言われています食品廃棄物の関係なんですけれども、3枚目を開いていただきまして、業種業態の違いによって食品廃棄物発生をどうするかという格好なんですけれども、実際上、水産物、特に魚類の場合は使う原料、それから出来上がる製品の姿によって、相当食品廃棄物の量が違っております。この3の資料でいきますと、左側がこれは原料と、それから実際に食品になるパーセンテージになっています。
     例えば、ラウンドであれば当然100%の原料ですと。それからセミドレス、これは頭はついていますけれども、えらと内臓をとった状態で原料として供給される部分です。こうなると、ラウンドから比べれば10%から15%程度除かれた形になっています。それからドレスということで、特に輸入魚には多いんですけれども、頭と内臓もすべてカットした状態で日本に入ってきていますと。こういうのを利用して使った場合は、丸から比べてやはり3割以上の少ない量になっております。それからもっと進んでフィレという状態で来ますと、やはり半分近いような歩どまり率ということで、原料自体がそこまで違っていますと。
     それから、これを利用した製品ということで右側に書いてあります。例えばサケ類ですと、よく昔からある荒巻ザケということで、頭から、それからしっぽまである程度塩蔵にして、年末によく見られるような商品であれば、廃棄する残滓部分というと大体丸から見て10%から15%程度。ところがセミドレスということで、輸入のサケを利用して荒巻をつくった場合には、もうほとんど廃棄する部分がない形で、一部そういう夾雑物があるぐらい。魚から自体はほとんど廃棄する部分がないというような状態になっています。
     逆に同じ塩蔵でも、スーパー等で定塩の塩ザケということで切り身で売られている部分。一般に加工業者からは、切り身というよりはフィレの状態で量販店なりに納入されるんですけれども、これの状態で行くと大体35から40、要するにそのもの自体は大体60%前後ありますので、捨てる部分というと35から40ぐらい廃棄されますと。ただしこれはあくまで丸からですので、これがドレスからつくった場合というと、逆に10%程度の廃棄物しか出てこないという格好になっています。
     同じようにサバで行きますと、昔ながらの青切りということで、塩サバ、関西以西では結構今でも食べられていますが、これについてはもうほとんど開きというか、頭もついて、内臓・えらを除去しただけで塩蔵した商品です。これも塩蔵の塩サバということでやっています。サケと同じように、丸からの換算ですと大体10から15%残滓が出ますが、一般に量販店で塩サバというとほとんどフィレの状態で売られていますので、こうなった場合には捨てる部分というのが大体35から40%ぐらい。左側のフィレで大体60から65というのは歩どまり率ですので、それを除いたものが残滓として出るという形になっています。
     イワシとかアジでも同じように、そのまま頭つきなりしっぽのついたままでの製品というと、やはり残滓が相当減りますと。ですからいろいろな細分類された業種があるんですけれども、やはり一番ポイントはどんな原料を皆さんが使うか、それからどういう製品形態にするかで、同じ細分類の中でも大きく残滓の発生率が違っているという実情になっております。
     また、残滓の利用としては、現状ほとんど有料で副産物として販売されております。利用としては、頭の部分というのは、食用としてはDHA等有効成分の抽出なりを行います。それから冷凍して養魚用の餌料になるとか、もしくはミールとしてやはり養魚用の飼料に回すような形が主体になっています。
     内臓等については同じように使う中で、どうしても高たんぱく品のミールが得られないものについては、魚かすということで肥料に回されるという部分が多くなったりはしておりますが、基本的には捨てる部分というのは、完全に廃棄されるというよりは、副産物として有償で販売されているという実態になっています。
     特に世界的にミールの需要というのが、養殖の高まりの中で大きくなっていますので、そういうミール自体の単価がここ数年で相当高くなりました。ですから養殖用の餌料を考えた中でも、こういう残滓の有効利用が重要となっており、いろいろな企業なり専門の業者の方がやはりこういうものを利用して操業しているというのが実態になっています。
     それで、その後のIV、V、VIについては、今、申し上げたようなものがビジュアル的に出ているんですけれども、IV番につきましてはこういう塩蔵サケのの中でも荒巻ということで、これは、今は贈答用で使いやすいように切り身状態になっていますけれども、中身としてはほとんど内臓とえらをとった状態でつくられています。逆に定塩フィレということで、右下のものについてはこれで量販店に行って、量販店である程度切り身に切られたり、これを既に加工業者さんで切られて出荷という部分もあります。横は必ずしも塩蔵じゃないんですけれども、漬け魚になった切り身というような状態です。
     それから5枚目というのが、これはサバです。左側が青切です。昔からの塩サバという格好で出されている状態。それから逆に右側というのが一般の量販店で、関東近辺でも売っている定塩のフィレということで出されているものが右側になります。やはり残滓の発生率というと、青切とそれから塩サバフィレではやはり4倍ぐらい差がでるという格好になっています。
     それから6枚目はホッケなんですけれども、ホッケの開きということで、これはもう残滓発生率2割というような形になっています。それから下のものは切り身状態という格好で、センターカットでやったもの、切り身でやったものというのは残滓が3割から35%出るような形になっています。ただし、この輸入のしまホッケというのが、これは下のものなんですけれども、実際には輸入される状態はドレスという形で入ってきていますので、ほとんど廃棄する部分はしっぽの先端部分なり、整形した残りということで、ほんの数%出るだけの量になっています。
     こんな形で、水産食料品製造業における食品廃棄物というのは、こういう生産量に比例して発生してきます。当然製品として出る残りが食品廃棄物等という格好になっていますので、どうしてもこの発生抑制をするということは、もう生産そのものを減らすような形になってしまいますので、やはり加工業者さんにとってはなかなかそう簡単に生産抑制というのは難しい状態にあります。
     また、現在発生しているこういう食品廃棄物というのは、一部は食用にも利用されるほか、先ほど申し上げたような漁業用餌料、魚粉、魚かす等の業者に有償で販売されています。実際に販売という形をとりますので、当然計量はその都度されております。ほとんどがトラックスケール、あとコンテナ的な格好で量って引き渡される格好になっております。それぞれそれを使う業界というのがもう確立されて形になっていますので、やはりそこの方々が使う原料としてはこういう残滓というのが必要不可欠なものとなっております。
     特にかつおぶしとか、同じような魚種を大量に生産する地域というのがあります。かつおぶしでいきますと焼津、鹿児島の枕崎、山川地区というのは、ある程度同じような業者が百数十軒集まって、その地域だけでかつおぶしの原料使用量が3万トン、4万トン近くなるような地域になっています。そういうところについては、やはりまとまって処理できるようにということで、加工組合が中心になって残渣等を処理する共同処理施設をつくって有効に活用されています。
     特に焼津では、魚の頭から骨まで、それから排水も処理をされて、フィッシュケーキみたいなものを乾燥させて肥料までつくるという取り組みの中で、ゼロエミッションを目指した取り組みをされています。
     また、抑制の関係でいきますと、水産食料品製造業というのは、生産コストに占める原材料費の割合が非常に高い業態になっています。多分高いところは4分の3近くが原料で占めるようなコストになっていますので、やはり製品歩留を上げる、廃棄する割合をなるべく少なくするというのが当然コスト削減にはなりますので、そういった努力はもう日々されている。特にフィレにおいても、従来は三枚おろしの格好だったんですけれども、加工機械の発達等によりセンターカットということで、骨もつけたまま二枚に下ろしをして歩留率を上げるとともに、見ばえもよくするという加工をやっております。
     それから一方製品の返品等による廃棄ですが、組合員さんに聞く限りでは、やはり直接量販店さん等に納入されている方というのは少ない業態なものですから、問屋さんにお渡しすると。何かそういう部分があれば、基本的には値引き対応で皆さん処分をされている。よくスーパーで終了間際になると安く販売されるような形があるんですけれども、多分納入している側からは特によほど何か理由があれば値引き対応という格好で、返品がほとんどあまりない形になっています。また、工場在庫なり、特にそういうものがあれば、当然在庫期間が長くなったものについては、アウトレット商品とかわけあり商品ということで販売されて、捨てるというのは当然コストに跳ね返ってきていますので、皆さんそんな余裕がない状況の中で何とかそういう有効利用をされております。
     それから今後の発生抑制の目標値、こういう形でつくれるのかという格好なんですけれども、今まで述べたように、製造業自体、細分化を見ても多種多様で、同一の業種であってもそういう使用原料や製品形態によって廃棄率が大きく違っていますので、同一の業種であってもなかなか一定の目標値を定めるというのはとても困難な状態に現状なっております。
     それから特に輸入という形で、中国等でいろいろな骨とりの魚まで出ている格好の中では、そういうものも最終製品として、例えば切り身とか漬け魚で出ても、ほとんど捨てる部分がない方もいらっしゃれば、丸からつくられて6割ぐらい廃棄物が出る、残滓が出るという方もいらっしゃるので、なかなか細分化したからといって出てこないというのが実情なっています。
     それからもう一つ、加工業者さんの意識として、主産物以外の発生物、食品に利用されていないもの、廃棄物等という位置づけにはなっているんですけれども、皆さんの意識としては有償で売っているということもあって、産業廃棄物という意識はあまりないという業界になっています。何とか今後そういう再利用率をやはり今以上に何とか高めて、無駄をなくすという努力は皆さん当然されているんですけれども、そういう減らす努力は当然していくんですけれども、抑制する数値目標をつけてそれに向かってというのは、なかなか目標値自体ができづらい業界だと思いますので、よろしくお願いします。
     簡単ですが以上です。
  • 石川座長 どうもありがとうございました。
     それではご説明いただきました内容に関して、ご質問、ご意見ございましたら、いただきたいと思います。いかがでしょうか。
     鬼沢委員。
  • 鬼沢委員 従業員が3人以下の中小零細が大体3,000社強あるというお話だったんですが、ほとんどの残滓が、今、有料で引き取られて販売されているということだったんですが、その3人以下の小さなところでも、業種が固まっていなくても、ちゃんとそれは、今、有償引き取りされていらっしゃるんですか。
  • 全国水産加工業協同組合連合会 大体、地域地域、3人以下の方でも周りには結構同じような加工をされている地域になっていまして、やはり専門のそういう集荷業者がいらっしゃって、キロ当たり3円とか4円とか、そんな形でいっぺんに販売にされる。確かに同じような業種なり部位がまとまってあれば、ある程度もう少し値段はとれる。特にカツオなんかで組合が集荷している部分というと、キロ12円ぐらいで集荷されて、製品をつくって販売されていますので、そことは大分評価の開きが出てくるんですけれども、そういう零細のほんとうに数人でやられているところでも、大体地元の集荷業者さんが回って集荷をしてまとめて、そういう魚粉なり魚かすをつくられているというような格好がほとんどだと思います。
  • 石川座長 ほかに、いかがでしょうか。
     片山委員。
  • 片山委員 ちょっと教えていただきたいんですけれども、3ページのところで、ラウンド、セミドレス、ドレス、フィレというふうにあると思うんですけれども、傾向的にやはりそのフィレの状態を求められるお客様が今は増えてきているという理解でよろしいのでしょうか。
  • 全国水産加工業協同組合連合会 末端はやはりそうだと思います。やはり家庭で出るごみの量なり、特にこういう魚関係ですと、ごみの収集日に合わせていろいろなごみが出ると、においの問題とかで使いづらいという部分もあって、やはり切り身とか、なるべくごみが出ないような形での消費者への提供というのは増えているんだと思います。
  • 片山委員 そうすると、例えば魚1匹から出る量を考えた場合には、いわゆる製造段階というか上流のほうで加工して、それを再利用していくほうが、ごみ全体としては減るというか、なくなる傾向にあるという理解でよろしいんですか。
  • 全国水産加工業協同組合連合会 そうですね。おっしゃるとおりだと思います。特にミールなんかも鮮度的にいいもののほうが高たんぱくのミールができたりとかしますので、やはりまとめて川上のところで一括処理していったほうが、その後の輸送経費とかを考えればいいのかなとは思います。
  • 片山委員 ありがとうございました。
  • 石川座長 じゃあ、菅委員、どうぞ。
  • 菅委員 すみません。1点だけなんですけれども、工業統計、西暦末尾0、3、5、8は一応全数調べていますので、実は推定しなくても3人以下は正確にわかると思います。ここはたまたま2009年は西暦末尾がそうじゃないので、従業員4人以上ということになっていますので、それ、わかりますよというだけの単にコメントなんですけれども。
  • 全国水産加工業協同組合連合会 わかりました。ありがとうございます。
  • 石川座長 ほかにいかがでしょうか。
     じゃあ、牛久保委員。
  • 牛久保委員 ざっくりとで結構なんですけれども、原材料の輸入比率と、その入ってくる形状、魚体によって違うかもしれませんけれども、その海外依存というのはどの程度と読めばいいですか。
  • 全国水産加工業協同組合連合会 はっきりした資料というのは特にないんですけれども、実際には量販店等で並んでいる魚ベースで行くと、やはり半分以上は輸入の魚というようなイメージなんだと思います。
  • 牛久保委員 輸入形態的に主なものは。例えばここのさっきの3分類でありましたけれども、ラウンドか、セミドレスか、ドレスか。または切り身まではあまりないかもしれませんけれども、どの辺の部分が一番多いと見ればよろしいんですか。
  • 全国水産加工業協同組合連合会 魚種的にサケなんかはほとんどドレス状態で入ってくるのが多いです。一部荒巻をつくりたいという要請の中でセミドレスというのは一部ありますけれども、それはある程度特殊な部分で、ほとんどはドレスで入ってきています。
  • 牛久保委員 要するに魚の大きさにもよりますよね。
  • 全国水産加工業協同組合連合会 そうですね。サバなんかは原料として入ってくるのはほとんど丸で入ってきます。ただ、中国等でフィレ加工されたものが結構入ってきていますので、その量がやはり相当な量にはなってきております。
  • 牛久保委員 どうもありがとうございました。
  • 石川座長 ほかにいかがでしょうか。特にございませんか。
     じゃあ、百瀬委員。
  • 百瀬委員 この平成21年の実績というところの、食品リサイクル法に基づく定期報告の業種別集計結果というのを見ますと、思ったより再生利用率が高くないのですが、81%と書いてあるんですね。先ほどおっしゃられたところでは、かなり再生利用率が高いというイメージを受けたのですが、いかがでしょうか。
  • 全国水産加工業協同組合連合会 本会の組合員さん自体がある程度特殊というか、全体に覆ってない部分もあるんですけれども、公表されている水産関係のものを見るとほとんど九十数%、100%近い方がほとんどなんです。特に塩干・塩蔵なり、その他の食品の関係だと思うんですけれども、そちらでは結構多いんです。
     それで、確かにここに81%とかいう、2割ぐらいという形なんですけれども、ちょっとその辺は我々でもなかなかわからない部分なのか。特に缶詰とか水産練り製品関係でも、練り製品関係も原料自体は冷凍の輸入のすり身を使われているので、地場の小魚を使う以外はなかなか廃棄する部分というのは少ないと思いますし、ちょっとこの辺が8割というのは、イメージとしては随分再利用率が少ないと思います。
  • 百瀬委員 そう思います。それで、またちょっとこれはローカルな情報ですが、県によってはいわゆる「魚あら」、そういう食品廃棄物の処理もしくは再生利用をする工場がないがために、焼却しなければいけないというところがまだあります。ですからそういった地域の企業が、「魚あら」を多分そのまま焼却という形で報告しているのかなということを想像してしまうのです。ほぼ全量リサイクルしているという業界の認識と、実際の報告数値の乖離を調べていただくと、廃棄物の発生量やリサイクル数量について正確に把握でき、発生抑制にも繋がるのではないかと思います。なぜ業界では九十うん%、もう100%近く利用しているはずだとお考えなのに、この定期報告では80%なのかというところ、このあたりの差は結構な量になりますね。
  • 全国水産加工業協同組合連合会 そうですね。おっしゃるように、イメージとしては大分違うような気がします。これが、今、農水省のほうで少し細分類化したような形の中でちょっとアンケート調査されているのもお聞きしているんですけれども、多分イメージとしたら、水産缶詰とかいうところというのは、結構排水の関係で出てくるものがありますので、その辺がやはり大きいのかなと。
     うちの関係でも、ちょうど被災された岩手あたりで缶詰をやられている方がいて、ちょうど今回上京されていた時期があったものですからお聞きしたんですけれども、やはり1日30トン原料をつぶす中で、約8トンぐらいがもう排水というような形で、水溶性のたんぱくから何から一緒に出ますと。それが組合のほうで発酵処理されて、肥料向けにフィッシュケーキみたいな格好で出されているという話をお聞きしましたので、やはりその部分というのが再利用となっているのか、それが組合としてない場合は、やはり相当なお金を払いながら廃棄するような話も聞いていますので、その辺なのかなと。
     塩干・塩蔵で行きますと、皆さんそんなに冷凍の魚を利用する中で血水もそれほど出ませんし、あまりそういう部分がないんですね。ですから我々も地方を回る中で、それほど残滓として廃棄される部分というのはあまりないものですから、ちょっとこの辺は農水省さんのほうのそういうアンケート調査結果もお聞きしながら、ちょっと調べてみたいとは思います。
  • 百瀬委員 例えば地方によって再生利用されていない地域があるとしたら、それはもしかしたら行政による廃棄処分ということを言われているのかもしれません。大規模かまぼこ製造メーカーさんに食品リサイクルのルートをお勧めして、それでリサイクルするようになられたという例がありまして、その前までは確かに廃棄処分だったということをお聞きしていますので、地域にもよるのかなということを想像しました。
     ありがとうございました。
  • 石川座長 じゃあ、伊藤委員、どうぞ。
  • 伊藤委員 百瀬委員のおっしゃられていることは非常に重要かと思います。エコのものが売られていて、その飼料への需要が高いと。これを減らすと、また飼料会社が余計な水産物の漁獲というか、そういうのになってしまうかもしれないですし、例えば貝殻とかイカの内臓とかホタテのうろみたいなものとか、そういうのですか。ちょっとここを調べていただくのは、やはり大切かと思います。
  • 全国水産加工業協同組合連合会 そうですね。貝殻の関係は、やはりなかなか再利用というのは、今、いろいろなものに利用されつつありますけれども、おっしゃられるように出てくるような格好。ただ貝殻自体、加工業者というよりは、漁業者の方が一緒に処理されたりとか、加工業者さんでも特殊の地域の方がやられたりしていますので、その辺はちょっと確認したいと思います。あと、イカの内臓は意外と乾燥させて肥料に使われたりとかもありますし、ただ、ホタテのうろはやはりカドミウムの関係で、あれは産廃になっているとはお聞きしています。
  • 石川座長 どうもありがとうございました。
     そろそろ時間ですが、何かご質問ございましたら、あと1つぐらいお受けしたいですが。よろしいでしょうか。
     それでは、どうもありがとうございました。
    (説明者いれかえ)
  • 石川座長 それでは、次のヒアリングに移りたいと思います。
     次は日本植物油協会からご説明お願いいたします。
  • 森下リサイクル推進室長 それでは、日本植物油協会でございますけれども、動植物油脂製造業に分類される業界団体でいらっしゃいます。動植物油脂製造業は多岐にわたります。今回、日本植物油協会で業界全体をご説明していただくのはなかなか困難であるということをあらかじめご承知おきいただければと思っております。
     動植物油脂製造業の食品廃棄物等の発生量は、27業種中1位と非常に多いのですが、再生利用等実施率も約97.6%と非常に高くなっておりまして、これらの多くが再生利用に向けられていると承知をいたしております。
     前回ワーキンググループでは、業種の細分化を実施することによって強い相関が得られる可能性がある業種と判定されており、今後業種の細分化を経て、改めて相関を見ることとなります。動植物油脂製造業におきまして、その業界ならではの業種業態を踏まえて留意をすべき事項等がございましたら、現況も含めてご説明をいただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
  • 日本植物油協会 日本植物油協会、神村でございます。今のような紹介というのは、いささか私どもの自尊心を傷つける、すなわちまともなものをつくっているのに、廃棄物等であってリサイクルされているという言い方ですね。これは大変失礼極まりない発想であります。
     もう一つその前にお聞きしたいんですが、前回、相関係数が云々という議論が出ていますけれども、これはこの委員会で皆さんが了解された事項であって、今後あの考え方に基づいて議論を進めていくということなんですか。
  • 森下リサイクル推進室長 このワーキンググループですけれども、中央環境審議会、環境省関係の審議会と農水省さんの関係の審議会との合同の会合という形で委員会を置いております。その中で検討をいただいた方向を踏まえて、その方向に沿ってワーキンググループで実際に作業を進めて、また合同の委員会に検討事項を返していくということになっておりまして、そのまず第1回目の合同審議会が開かれておりまして、その中でこういう方向で検討してはどうかということで、そういう指示を受けてこのワーキンググループで検討していくということでございます。
     ただ、結論が既にもう決まっているということではございませんで、業界からいろいろご意見をいただきながら、このワーキンググループの中でさらにご議論をいただきながら検討してまいりまして、ワーキンググループとしての検討をまた合同委員会に返していって、そこで決定をするという段取りになっております。
  • 日本植物油協会 わかりました。釈迦に説法ですけれども、2つの変数の間に合理的に説明できる定性的な因果関係というものが確認された上で、初めて相関係数というのは意味を持つわけであって、統計に詳しい皆様方に申し上げるのは大変恐縮でありますが、初めに相関ありきという物の考え方というのは、そもそも議論の進め方として誤っておるというのが私の感覚でありますが、今日は植物油製造業につきましてご説明を申し上げますが、ちょっと私は冒頭にいささか自尊心を傷つけられていると申し上げましたが、これはもう私個人ではなくて、当業界がずっとこの10年以上傷つけられた状態で来ているということを、まず申し上げたいと存じます。
     この物の考え方について、趣旨については理解するし、賛同するというところは発生抑制に賛同するかどうかというのはちょっと別問題でありますが、できるだけ低利用のものを利用するということについて反対するものではありませんが、このヒアリングが言うように、産業実態を踏まえた議論というものをぜひお願いをしたいと期待します。
     法律の書き方にいささか不備があるんですが、現在「廃棄物等」というのは、ご承知のとおり主産物と主産物以外のものであって、食用に利用されないものをすべて廃棄物等に一元化しているわけですね。つまり食用に回らないものは駄目よという蔑視するような感覚で書かれているんですが、ただ、この副産物というのは日本標準産業分類によって規定されています。
     日本標準産業分類というのは、皆さんご承知のとおりでありますが、その産業を何という名称で呼ぶかという統計表象上の問題としてあらわしたものであって、産業実態をあらわすものではないわけです。その産業実態をあらわすものではないものを、ここで実効性のある法律の中で用いるということに、そもそも疑義があるということであります。
     先ほどからお魚のところでもお話がございましたけれども、副産物は主産物に付随して発生するものでありますし、そもそも恒常的なマーケットができて、そこへ供給するために意図的につくられている副産物もある。つまり、これは日本標準産業分類表による副産物ですけれども、これの発生を抑制するということは、そもそも副産物の市場を圧迫する、縮小をもたらすということであるし、同時に主産物の生産抑制を意味することになるわけです。ということは、これらの市場を満足するためには、輸入依存をどんどん強めなさいということを言っているのであれば、これは極めてゆゆしき問題であると言わざるを得ないわけであります。立法の趣旨というのは、あくまで無駄に廃棄されるものをなくそうということでしかないわけで、副産物の発生抑制まで、副産物を含めた廃棄物等抑制を求めるというのは、そもそも本法の趣旨には合致しないということであります。
     今日は申しわけないですけれども、皆さん方から要求された資料という形では整理してませんので、製油業の実態を知っていただきたいということでありますが、皆さん方は植物油製造業というと、入り口から菜種が入ると右からボトルに入った油が出てくると理解されているかもしれません。これは大きく間違いではないんですけれども、正解のごく一部にしか過ぎない。
     油脂産業というのは実は複合産業であります。まず、上にあるように、無価値の油糧種子、日本では大豆は食料と理解されていますけれども、世界的にあれはえさであります。しかもえさであっても、そのままで食べれば家畜は育ちません。腹を壊しちゃいます。菜種だったらもっとひどいです。菜種をそのまま焼いたり煮て食う人はいないわけです。これは全く無価値なわけです。それを油とミールに分解することによって、双方が非常に価値を持った製品になる。これが圧搾業、英語ではCrushing Industryと言っていますが、それをやる人たちをCrusherと呼びます。
     ミールは主としてえさです。そもそも大豆の圧搾というのは、えさをとるために始まったぐらいのものでありますが、日本で最初に大豆圧搾を始めた会社の名前は豆かす製造所でございました。ブラジルやアメリカやカナダの場合には、この上の圧搾業が産地、ないしは原料の集積所に立地しておりまして、日がなこれをやっておるわけです。それが便利なわけです。ここで出たものが粗油と言います。どす黒いすごい臭いを持ったものでありますが、これを買い受けて、食用にできるように精製するのが精製業であります。Refiningであります。
     つまり大きな生産地ではCrusherが原料の生産地ないしは集積所に立地する。Refinerは消費地に立地する。こういう住み分けができているわけですが、日本の場合は原料の集積所が港湾であります。したがってこれは同時に消費地に近いということなので、たまたま同じ敷地内に2つの工場をつくっているということであります。こういう産業をどう呼ぶのか。アメリカへ行けばCrusherとRefinerで分けられますけれども、結局日本標準産業分類で言えば売り上げの多いほうを主体として選ばざるを得ない。
     その次の表は、下のほうからご覧いただきますと、これはCrusherのレベルです。Crusherでは大豆ミールの価値が圧倒的に高いわけです。ところが、私どもはRefineの部分も入れておりますし、そのRefineの部分には外国から輸入した粗油を精製するのも入りますので、製油企業という形でとらえたときには圧倒的に油の売り上げのほうが高くなるので、植物油製造業という名前にせざるを得ないわけです。
     先ほどのこれでごらんいただいたらわかりますように、そもそももともと無価値のものを、価値をつけるためにつくり出しているのがミールと油であって、ミールが副産物ではないわけです。この話は過去にも環境省や農林水産省にもご説明をしたわけですけれども、なかなかご理解いただけず、そう言うならおまえらはミール産業と名乗れと、そうすれば油は食用だからこの対象から外れるからいいじゃないのかというちょっとひどい話もございました。
     その次の表は、これはミールのマーケットでありますが、国内には約400万トンのマーケット、ミール需要がございます。このところ、私どもの経済的事情もありまして、国内で大豆をつぶす量が随分減りまして、だけど400万トンの需要を満たすためには、えさ業界は輸入しなければいけないわけです。高い金を払って輸入をしているミールが、この法律では廃棄物等になっている。これは極めて大きな矛盾であると思います。お金を出して買っているんですね。
     その次の表は、世界で見てもミールというのは大きなマーケットを持った重要なものであるということを示しているだけであります。数字をご覧いただきたいと思います。
     私は最初に概念がおかしいと申し上げましたけれども、その次の表は、一番左側が製油業であります。製油業は、主産物1として油を製造しております。主産物2としてミールを製造しています。これは醸造業なんかでお使いになるとき、ミールという言葉はあまり不適切なので、脱脂大豆という言い方をしております。また、副産物としてこういうものの中に含まれているいろいろな有用成分を取り出して販売をしております。あるいは製油の残滓物を買って、こういうものをつくることを業としている業種もございます。廃棄物というか残滓、こういう結果としての残滓のうち、ほとんど98%ぐらいが再利用、有償物販売をしております。これは後で申し上げます。
     ところが、日本標準産業分類ではこういう分類になっている。廃棄物という分類はないんですけれども、油を主産物として、ミールを副産物としてある。この食品リサイクル法では、主産物と、副産物のうち食用利用にされるものは主産物に準ずるものとして、あとは全部廃棄物等となり、これの廃棄抑制を求めようというのが今回の動きです。これを減らすということは、一方でミールを輸入しなくてはいけないことになります。かつ、もとの油も減りますから、油を輸入しなければいけない。
     先ほど一番左に小さく書きました廃棄物、残滓物でありますが、どういうものがあるかということですけれども、主なものを書きますと、搾油工程でFM(Foreign Material、夾雑物)というのが出ます。これは油糧種子に混入しております小石や砂が木くずや他の種子の種。これは製造工程で出るいわゆる廃棄物ではないので、これは汚泥なり塵芥という処理をせざるを得ないわけです。
     製造工程で出ますのは、精製工程で出るソーダ油滓というのが非常に大きいものです。これは油の中で悪臭を発する、あるいは油の変質をもたらす遊離脂肪酸を苛性ソーダで中和する。要するに疑似石けんをつくり、これで取り出すわけです。その量でありますが、昨年が4万5,970トン。これは、これから遊離脂肪酸を採取していろいろなことに使われるということで、我々の工場内でやるもの、それからそういう業種に売るものも含めて、ほぼ全量が利用されております。先ほど含水率というお話がありましたけれども、これは遊離脂肪酸の濃度によって苛性ソーダの濃度調整で水を加えますので、実際の残滓物、つまりもとの原料からここに残っているものというのは約3割ぐらいと考えていただいて結構です。
     それから廃白土というのがあります。これは色を取るために活性白土というのを注入いたします。ただ、これは色をとるだけ。色というのはもうほとんど重量がないわけで、これに大量の油が付着します。これから我々の工場内でまた油をとって、その下にある廃油工程に入れますが、あるいはそれ自体を買い求めて、そこからいろいろな有用物をつくる方もいらっしゃいます。それを含めて100%が再利用です。これから投入した活性白土の量を引けば、製造工程で発生した残滓になるわけですが、これもおおむね3割、3分の1ぐらいと考えていただいて結構です。
     あと工程外で、工程の一部、上の廃白土からとれる油も含みますが、今、一番大きな問題は贈答品の返品であります。あるいは缶がへこんでいるというだけで返ってくるもの、ラベルが汚れているということだけで返ってくるもの、こういうものは食べられるんですけれども、食品に回すのはやめようねということで、工業油として再利用しております。一部処理能力のあるボイラーを持っている工場では、自治体の許可を得て燃料として利用しています。私はその燃料に幾ら、これに幾ら利用されているというのは持っていないんですけれども、これは極めて少ない量であります。
     これでご覧いただくと、ほかにも若干あるんですが、ソーダ油滓の引き算をしていただきますと437トン。これが植物油製造業界が現実に出している廃棄物であります。昨年、我々が利用した原材料は550万トンであります。そこから437トン、かつそのうち原材料由来のものはその3割ですから約100トン。これをさらに抑制せよというのは、現実的には難しいと思っています。
     伊藤委員は山崎パンでご勤務でありますが、同じ製造業といってもパン業界と我々とは全く違いまして、パン業界がお使いになる原材料は基本的に可食部ですね。私はずっといろいろ考えたんですけれども、卵を使えば殻が廃棄物として出るかなとか、ショートケーキのイチゴのへたぐらいが廃棄物かなとか。つまり、パンの製造業で出るそういう残滓というのは、不良品という言い方をしたら失礼ですが、やはりちょっとひねくれた形に焼けたパンとかカステラの耳だとかが主に廃棄されるのだろうと拝察します。私も山崎パンの工場に4回お邪魔していますけれども、品質管理が非常に厳しい会社であるということをよく存じていますけれども、それらは、廃棄物でも残滓でもないし、商品化できないものという位置づけでしかないんだと思います。
     一方、我々のように農林水産物を原料とする場合には、必ず食べられない部分があるわけです。それは先ほどのお魚のところでもおっしゃっていましたけれども、魚の廃棄物発生量を抑えようとすれば、身だけの魚を品種改良でつくるしかないんですね。そういう問題を、今、問われているんだということなんですね。ここで定性的な議論をしなきゃいけないと申し上げたのは、そういうことなんです。
     ということで、私どもとしては、まず基本的にはこの私どもの主要生産物であるミールを廃棄物等に含まれるということについては心外であるし、これを減らせということは、主産物の生産を減らせということになります。つまり油の生産を減らせと、ひっきょうそれは輸入依存を高めろと言っているのと同じことになります。
     それからミール以外の発生物でありますが、先ほど申し上げましたように、取引市場あるいはみずからの処理ができる態勢が整っていますが、こういうものにつきましては引き続き再利用に努めて、最終廃棄物にしないような最大の努力をしなければいけないと思っています。
     製造工程で出ます廃棄物発生抑制は非常に難しいです。というのは、これは原料の品質によるわけです。原料が十分に登熟していないものであって遊離脂肪酸が非常に多いとか、あるいはこの一、二年困っているんですが、カナダの菜種のクロロフィルが非常に多く緑色の油ができます。これで物をつくると緑色のマヨネーズ、緑色のマーガリン、てんぷらが緑色になる。これを除去するために廃白土の使用量を高めねばなりません。ですから多く投入しますと、当然ながらそれに付着する油というのも当然多くなるわけです。
     原料の品質は何に左右されるかというと、生産地の天候であります。天候は我々はコントロールができないわけです。我々にできるのは雨乞いかてるてる坊主ぐらいですね。したがって、実は廃棄物を抑えるというのも非常に難しい。
     よく言われるのが企業による適正生産、需要に見合って生産を抑制せよということであります。これはどこの企業だってやっていることですね。企業害悪説というのはかなりあるんですけれども、実は企業は一滴たりとも無駄にしたくないので、そんな無駄な廃棄物を出すはずがありません。レストランなんかでも、レストランで食べ残しが出るのはレストランのせいじゃないですね。食べ残しする人のせいです。そこのところの議論というのはきちっとしなきゃいけないと思っているんです。余計なことに申しあげましたけれども、いくら厳密なマーケット見通しをやっても、完璧に予定調和するということはあり得ないわけであります。業界レベルでやったらかなり近いものになるかもしれませんが、これは独占禁止法に抵触をいたします。この法律を独禁法の上位法に置くということであるならば、我々としては喜んで生産調整をやらせていただきます。
     ということで、先ほどから申し上げていますけれども、「廃棄物等」の発生抑制を求めるということは、国として輸入拡大をもくろんでいらっしゃるんですかという余計な邪推をしたくなってくる。世の中は雑菌だらけで無菌培養室ではないので、3Rということを金科玉条にされることは物によりけりだということですね。ほかの業種のことも、後から甘しゃ糖のことも私もよく存じていますけれども、それぞれが全部違うわけでありますから、今回と次回で数種の業種をお聞きになることでは不十分だと思います。ぜひこれを拡大して、お役所のお決めになったロードマップではなくて、この委員会として主体性を持ったご検討をいただきたいというのが私の願いになります。
     最初にちょっと失礼な言い方をしたんですが、我々の業界はほんとうにこれは「廃棄物等」と言われていることによって非常に自尊心を傷つけられております。今度、これを抑制せよということは、いよいよ産業縮小せよと言われているわけですね。皆さん方のご検討次第によって我々の運命が決定しますので、十分なご審議をお願い申し上げます。
     ありがとうございました。
  • 石川座長 ご説明ありがとうございました。
     ご説明の中でかなり重要な問題提起がなされていると私は思っています。多分法律上の環境面から見たときにどうするかといったときの、いろいろな分類であるとか廃棄物等の定義であるとかというのは、それなりの廃棄物政策としてはいろいろな必然性があって出てきたものと私は思っていますけれども、それを個別の業界、具体的には植物油の製造業のところに当てはめたときに、いろいろな問題が起こって自尊心を傷つけられているというふうなご指摘までいただいたわけです。
     私自身は、個人的には大豆ミールの発生抑制を求める結果になるとは全く思っていない。これは世の中の常識だと思います。そうは言っても廃棄物3Rというところから見たときには発生抑制は進めたい。そのときにどういう枠組みにして、具体的には大豆ミールが一つの明白な事例だと思いますが、個別の事情をどのように考慮するのか。もう一つは、そうは言っても時期によっては廃棄物になったりならなかったり、それが非常に不安定であったり、それから発生が非常に小規模で現実のモニタリングが難しいというふうな問題を持った、たまたま副産物になったり廃棄物になったりするものも現実にあるわけですね。
     これをどういうふうに分類していくのか、どういうふうにやるのが一番フレキシブルに全体として無理なく発生抑制が進むのかということを考えるのが任務かなと思っておりますので、そういう意味で、大豆ミールという一つの典型的な、廃棄物等なんだけれども、だれが考えても製品だと思うようなものをどう扱うのかというのは、非常に重要な事例かと思っております。
     それでは、ご説明いただきました内容に関して、ご質問、ご意見ございましたらいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
     じゃあ、酒井委員。
  • 酒井委員 先ほどのご説明の中で、この7ページのところでお示しいただいた表でございますが、この搾油工程Crusherからの夾雑物でございますけれども、この発生量というのはざっとどんな量になっているのでございましょうか。
  • 日本植物油協会 私どもの原料はほぼ100%海外から買っております。海外の輸出規格というのがありまして、FMは2%未満ということになっています。現実的には1.3~1.4%というところだと思いますので、今で言うと大豆200万トン、菜種230万トン、これにこの%を掛けた量がFMということになります。これは率直に言って雑多なものがまじっているので、再利用はもう絶対できないですね。
  • 酒井委員 200万トンと260万トンで460万トン、1.数%、5、6万トンというところでございますか。
  • 日本植物油協会 そうですね。
  • 酒井委員 これを現在は汚泥として、いわゆるこれは産業廃棄物分類の中の汚泥として処理をされているということでございますね。
  • 日本植物油協会 そうですね。
  • 酒井委員 はい、わかりました。
  • 石川座長 ほかにいかがでしょうか。
  • 日本植物油協会 ちょっとよろしゅうございますか。
     私どもは立法の過程からこの説明をしてきております。だけど、受け入れていただけなかった。平成19年の報告制度が出たときにも「おかしいだろう」と言いました。これは、もうどういう議論をしたかというのは全部克明に記録に残してあります。もうそのときは、法律に書いているんだからしようがないんだということでありました。でも、私は間違いは気づいたときに正すべきだと思います。ぜひ、お考えいただきたいと思います。
     あと余談になりますが、私が就職のために上京してきた43年前、銀座の町の中でもまだ残飯収集車が走り回っておりました。当時は世田谷とか杉並で養豚が行われておりました。しかし、臭い、汚い、うるさいで追いやられました。残飯養豚が成立する基盤がなくなりました。あるいは豚を飼う、あるいは家畜を飼うほうも変化をいたしまして、栄養管理をきちんとして配合飼料を定時的に与えるような飼養管理が成立をいたしました。残飯を与えると飼養計画に狂いが生じるんですね。ですから、受け入れる側の客体の構造変化というものも考えないと、発生者責任論だけでは片づかないと思っています。
     それから先ほど伊藤委員からドギーバッグのお話がありましたが、私も同じように思いますが、食品衛生法の規制上、やはり持ち帰っていただくということはなかなか難しいというレストラン業界の事情がありますけれども、じゃあ、その食品衛生法とのかかわりをどう考えるのか。同じ政府の中ですから、そういう立体的な検討というのは絶対に必要だと考えますので、この委員会の目的ではないとは思いますけれども、ぜひそういう検討が行われるということを期待したいと思います。
  • 石川座長 じゃあ、牛久保委員、どうぞ。
  • 牛久保委員 ちょっとお聞きしたいんですが、いろいろな議論がある中で環境負荷をどう減らしていくかということは、環境対策としては非常に重要なことであるという観点。それからこの議論がいろいろあろうと思うんですけれども、先ほどお役所に伺われたときに、それからご説明の中にも要するに油かすが先行している。それに付随して油が出てきたのでという話もございましたように、ミール産業としてのお考えというのはどういうふうに、例えばそういう働きかけだとか、そういう観点をどういうふうに反映されてきたのか、ちょっと私は経緯がわからないので教えていただければと思います。
  • 日本植物油協会 ちょっとご質問の趣旨があまりわからないので、我々は要するに油と......。
  • 牛久保委員 いや、副産物でこっちもメーンだという、要するに付加価値がありますということを、今、おっしゃられていると思うんです。ですからそこの観点から言うと、廃棄物というのはいかがなものかという議論が例えばあったとしたときに、協会として今までずっとそういうミールを取り扱ってこられた立場として、どういうお考えでそういうものを表面的に推進をし、またはどういう活動をしてきたかという具体的な事例があったら教えていただければということです。
  • 日本植物油協会 ミールというのは、もともと大きなマーケットが成立しているものであるので。
  • 牛久保委員 それはわかっています。
  • 日本植物油協会 特別に何か活動するということではなくて、とにかくつくられたものは全部売れていくという、それだけでしかないですね。あれですか。この法律に対する働きかけという意味ですか。
  • 牛久保委員 いやいや、一般論として、今、お聞きしているわけで、今、我々には問題提起をしていただきましたので、それはそれとして、座長もお話のように真摯に考えていかなくてはいけないということはあろうかと思いますけれども、それとは別に、今、言ったようにミールの取り扱いについて、非常に価値があり、今までのえさに対する貢献度も非常に大きい中でという一般論として、ちょっとお聞きしたかったということです。それは私の知識として。
  • 日本植物油協会 そもそも製油業が日本に立地している理由の1つは、できるだけえさの原料を確保するということがあります。これはもう昭和の初めころになりますけれども、農林水産省のいろいろな制度の中で産業的に一番早く進んだのは、実は畜産関係なんですね。当時からミールというのは非常に特別扱いをされてきまして、これをきちんと確保しなければいけないというのが、これはそもそも農林水産省の基本的な考え方でありました。
     したがって、我々としても当然ながら、全農も含めたえさ業界と大体どれくらいの需要見込みがあるのかということを踏まえた上で、それで大豆の圧搾量を決めていきます。油の需要量で決めるというよりは、特に大豆ミールの場合はミールの需要量によって大豆の圧搾量を決めていく。それは個々の企業が考えるわけですから、協会としてはそういう数字はつくれませんけれども、基本的には大豆の場合はミールの需要、そして輸入がどれくらいあるかということを含めて大豆の圧搾量を決めます。そうすると、油の発生量が大体決まりますから、今度は足りない部分を菜種であるとか、ほかのもので補うということで、今度、油の需要に合わせていろいろなものを搾ります。
     ただ、物によっては、例えば米ぬかのように減反政策も進んで発生量が少なくなってきた中で、どうやって確保するかということも大変難しくなってきているものもありますけれども、こういう米ぬかを搾った後の脱脂ぬかも、えさ市場には非常に受け入れられるものでありますし、あるいはあまりご存じないんですが、綿実油、綿の実の油の搾りかすなんていうのは、私はあまり詳しく知らないんですけれども飛ぶように売れるわけですね。そういうまさにミールマーケットをにらみながら我々の圧搾量を決めていく。そしてそれでも不足する分は油を輸入して、精製業として活動するという、こういう二面性をもってやってきたというのが実態ですね。
     先ほど、油とミールの売り上げ関係が突然逆転する資料を示しましたが、これは、今、申し上げたように、海外から粗油を買ってきて精製するというものがあるので、このミールの発生量と油の生産量というのは必ずしも連動しないですね。大体日本で250万トンぐらいの植物油マーケットがある中で、90万トン弱が輸入依存であります。ですからミールと油の市場規模はストレートには一致していないですが、ミールは、今、申し上げたように、飼料マーケットをにらみながら、どれだけのものを搾っていくかということを常に頭に置きながら、これまで運営してきたということですね。
     説明になりましたでしょうか。
  • 石川座長 よろしいですか。じゃあ、百瀬委員で最後にしたいと思います。
  • 百瀬委員 1つだけ。とても素朴な質問なんですが、廃棄物というのは処理するときにお金がかかるものを言うんですよね。だとしたら、価値があるものが廃棄物というのはおかしいかなというのが素人の疑問なんですが。ですからミールも製造物であり、有価値で流通されていて、油も有価値であって流通されているのであれば、それは副産物とか主産物ということではなくて、廃棄物という概念がそもそも当てはまらないと思います。ですから、もし法律上ミールが廃棄物であるということは、どこかに廃棄物という要件があるのかなとちょっと疑問に思ってしまうのですが、今日は専門家がいっぱいいらっしゃるのでちょっとお聞きしたいと思います。
  • 石川座長 これは質問というよりは、森下リサイクル推進室長に答えていただいたほうがいいかもしれませんね。廃棄物等の「等」のところですから。
  • 森下リサイクル推進室長 廃棄物処理のほうの廃棄物自身は、総合判断説という皆さんご承知のとおりだと思うんですが、個別幾つかの観点に照らして判断をするということになっていまして、その中で例えば有価で取り引きされるのか、市場価値があるのかどうか、いろいろなことが総合的に判断されるということになります。
     ちょっと勘違いされないようにということなんですけれども、食品リサイクル法には廃棄物ということではなくて、食品廃棄物等という言葉が定義されて使われていて、その廃棄物等の中には、例えば飼料等の原料として有償で取り引きされるものについても範囲に含まれているということで規定されているということでございます。
     また、今日、いろいろご意見もいただき、いろいろな業界からもお気持ちもいただいているところ、こういったことを踏まえて、今後どういう議論をしていくか、これはヒアリングが終わった後でまたこのワーキンググループで先生方、委員の皆様方にご議論いただければと思いますし、また引き続き業界からもご意見を頂戴していければいいと考えおるところです。
  • 石川座長 ありがとうございました。
  • 日本植物油協会 過去、2度そういう話をしてきていますので、3度目の正直というところで期待をしています。
  • 石川座長 それではもう予定の時間をちょっと過ぎておりますので、ここまでとしたいと思います。
    (説明者入れかえ)
  • 石川座長 それでは、次のヒアリングは日本甘蔗糖工業会にお願いしたいと思います。
  • 森下リサイクル推進室長 それではご紹介申し上げます。日本甘蔗糖工業会ですけれども、糖類製造業に分類される業界団体でいらっしゃいます。糖類製造業は多岐にわたります。こちら、日本甘蔗糖工業会で業界全体を説明するのは困難であるということをあらかじめご承知おきいただければと思っております。
     糖類製造業の食品廃棄物等の発生量ですが、27業種中2位と非常に多いということですが、一方再生利用等実施率も98.5%と非常に高くなっております。実態に応じて再生利用、熱回収、燃料等の手法を組み合わせて対応していらっしゃると承知をしております。
     前回のワーキンググループでは、発生量と密接な関係を持つ値に強い相関があり、かつ有意と認められる業種となっておりますが、カバー率のほうですが、39%と比較的低い状況でございます。このため、業種の細分化を行って改めて相関を見るということといたしております。こちらにつきましても先ほど同様、こちらの業界におきます業種業態を踏まえて、留意すべき事項があればご説明をいただきたいと考えております。
     よろしくお願いいたします。
  • 日本甘蔗糖工業会 日本甘蔗糖工業会の引田と申します。皆さん、お忙しいところ、説明の機会をいただきまして、ありがとうございます。
     私ども日本甘蔗糖工業会は、鹿児島県南西諸島の6つの離島で、サトウキビから砂糖を製造している企業の団体でございます。本日、南西諸島の甘しゃ糖の現状につきましてご説明をさせていただきますけれども、その前に、ご紹介いただきましたように1ページの表をご覧いただきたいと思います。日本標準産業分類の小分類、こちらでは糖類製造業ということにくくられておりますけれども、大きく3つの業種に細分類をされております。それぞれの業態は大きく相違しており、共通項といたしましては、副産物は各業態におきましても有価物としての販売、または熱回収などの有効利用を推進しているところでございます。
     丸の1番目、砂糖製造業21業者でございます。国産のサトウキビ、あるいは北海道のビートを原料に砂糖をつくっております。私どもは鹿児島県の南西諸島でございますけれども、甘しゃ糖というのはサトウキビからつくられるお砂糖のことを言っております。このほかの言い方として分蜜糖、いわゆる蜜の部分を分離してからお砂糖にするものですから分蜜糖と言いますし、また白い砂糖の原料、精製糖の原料になりますので、原料糖あるいは粗糖という呼ばれ方もしております。
     まず甘しゃ糖のほうですけれども、主な副産物、製造工程の中で、まずバガスというのが発生をいたします。これはサトウキビの搾りかすでございます。これはほとんどが繊維分ということです。これはボイラーの燃焼に使われておりまして、工場の中の設備を動かしております。残りは肥料として使われております。それからフィルターケーキ、これは搾り汁を沈殿させ、その不純物を沈殿させたものです。こちらは土壌の改良剤あるいは肥料という使われ方をしております。それから、糖蜜でございますけれども、糖液を結晶させました後、これを回収するわけですけれども、こちらも飼料ですとかアルコールの原料という使われ方をしております。
     それから砂糖製造業のもう一つは北海道のてん菜、ビートを使った製造業でございます。こちらはほとんど同じようなことなんですけれども、搾りかす、ビートパルプと呼ばれておりますけれども、こちらもえさとして使われておりますし、ライムケーキと呼ばれているものは、こちらも不純物ですけれども、土壌の改良あるいは肥料として使われています。それから糖蜜、こちらも砂糖を結晶した後に回収した液でございますけれども、えさですとか酵母の培地などに使われているということでございます。
     それから2つ目の丸ですけれども、砂糖精製業、こちらは国内でつくられたお砂糖、あるいは海外から輸入した砂糖を精製して白くさせるということで、こちらはもともと砂糖を原料として使うものですから、あまりいわゆる食品廃棄物というものは発生をしておりません。
     それからもう一つはブドウ糖・水あめ・異性化糖の製造業でございます。こちらはでん粉を分解することによりまして糖類を製造するということで、アイスコーヒーの中に入れているガムシロップ、これを思っていただければいいのではないかと思いますけれども、こちらもそもそもでん粉を原料としておりますので、いわゆる廃棄物の発生は少ないんです。ただ、トウモロコシから原料となるでん粉をつくる企業におきましては、ここに書かれておりますようにグルテンフィード、トウモロコシの皮の部分、これはえさとして使われておりますし、グルテンミールというのは、こちらもえさとして使われる。あるいはコーンスティープリカーといったものも発酵なり培地の添加用ということで使われております。
     右の縦のグラフですけれども、砂糖の製造業がこの中の92%、そのうちのサトウキビからつくられる甘しゃ糖のほうで23%、てん菜からつくられる部分で69%が発生をしているということでございます。それぞれいわゆる有効的に再利用しているということでございます。
     こういったように糖類製造業の中にも多様な業態がございまして、発生する副産物の生産は全く状況の違ったものとなっておりますので、その点ご理解の上、ご検討を進めていただきたいと思います。今回、糖類製造業には、この表にありますように全体で33事業者、このうちの13業者について相関分析がなされているとお聞きをしております。その13の業者すべてが甘しゃ糖の製造業ということのようですので、私どもが鹿児島県南西諸島の甘しゃ糖製造業の実態をご説明させていただくこととしております。沖縄県におきましても全く同じ生産なり利用の状況になってございます。そういったことで、特定して申しわけありませんが、鹿児島における砂糖、甘しゃ糖製造業の現状につきましてご説明をさせていただきます。説明は武原のほうからいたします。
  • 日本甘蔗糖工業会 鹿児島県は当業界6社ございますが、そのうちの1社、鹿児島県の徳之島というところにあります南西糖業と申します。そこでサトウキビから甘しゃ分蜜糖をつくっているところの、私は、今、本社にいます武原と申します。基本的にサトウキビ業界全体、あるいは徳之島にちょっと限定的なことを申し上げるかもしれませんけれども、よろしくお願いいたしたいと思います。
     まず、冒頭に少し、実はここの参考2のところで、糖類製造業、再生利用等実施率98.6%とございます。実は弊社の定期報告を見てみますと、実際に過去を見てみたところ、「再生利用等以外の実施量、表8」というところに、実はもうしようがなくて書かざるを得ない、イースト用とか菌床用についてはそこで報告しておりまして、特段そう大きな問題とは考えずに報告をしているものです。多分これは、ヒアリングしてみたところ、他社でもそういった傾向がございました。
     それで、弊社のところでは95%の再生率というふうに計算されて出てきた。ここは、やはり報告書の仕様についても、少しご検討をまた別のところでいただきたいと思うんですが、実はここを入れますとほぼ100%という利用率になるというところを冒頭で申し上げておきたいと思います。
     説明資料の2ページ目でございます。食品廃棄物等の名称とありますが、ふだん我々は使っておりません、私どもは副産物という言葉を使っております。それから、弊社ではできた甘しゃ分蜜糖、原料糖と糖蜜に関しましては製品という位置づけで扱っております。バガス、ケーキにつきましては副産物という呼び方をしているところでございます。
     2ページの真ん中の表のほうから、まずバガスの発生量ですが、鹿児島、沖縄合わせて原料処理量140万トン。この中で産出率が26.4%というところ。実はバガス自体が水分を45%ぐらい持っておりますので、基本的にサトウキビ自体が持っているファイバー、繊維量というのは13%前後、低いところも地域によってはありますけれども、大体そういったところです。産出量については、37万トン。そのほとんど92%が燃料、それから残った分については堆肥というところで使われている。
     それからフィルターケーキ、いわゆるサトウキビのあくの部分でございます。これを石灰処理しまして、沈殿させてジュースをきれいにするわけですけれども、これにつきましては4.8%、産出量が6万7,000トンと。これはほぼすべて堆肥として。特に石灰が入っておりますので、土壌改良資材といったところで有効利用されております。
     それから下のほうの糖蜜でございます。原料全体に対して3%、産出量が4万3,000トン。主に配合飼料用として70%ぐらい使われます。そのほか酵母発酵用に10%から12%、あとは工業用アルコールというところでございます。
     3ページのほうでございます。ちょっと左側の図がぼやけて見えづらいんですが、基本的にサトウキビの原料を受け入れ、圧搾しますとバガス、サトウキビの搾りかすが出ます。そのほとんどがボイラーの燃料となって工場の運転に使われます。私ども徳之島では1,100トンと1,200トンの2つの工場を持っておりますが、大体1,000トン規模で、1日1,500軒ぐらいの家庭の電力を賄えるぐらいの発電をします。これで工場全体を動かします。
     それから搾ったジュースはクラリファイヤー(沈殿槽)で、清浄ジュースにしますけれども、そこで出てくるあくをケーキと呼んでおります。その後煮詰めて結晶を起こして砂糖をつくる。そこで出てきた母液を分離して出てくる、最終的な糖蜜が配合飼料、イースト、工業用アルコール等に使われているというところでございます。
     4ページでございます。何度も同じような繰り返しの言葉が出てきますが、バガスの再資源化の取り組みについては92%程度、今、お話し申し上げましたように、再生可能エネルギーとして、いわゆるグリーンエネルギーとして工場の発電熱源供給のために使っています。残りは堆肥原料、それからごく一部ですけれども、菌床用として供給しております。
     バガスの量の把握ですが、これはサトウキビのファイバー分、バガスファイバーとの割合から算出。堆肥センターに持っていく余剰分については搬出時にすべてトラックでの計量をするというところで把握しております。
     フィルターケーキでございますが、これは堆肥原料、土壌改良資材として堆肥センターを通じて、あるいは直接農家に全量供給。これもトラックスケールで把握しております。
     糖蜜につきましては、配合飼料あるいはイースト培地・工業用アルコール等で有価で販売というところでございます。同じように糖蜜量につきましては、タンクのレベルゲージと比重で量を把握するところ、あるいはタンクローリーで運ぶときに、トラックスケールで計量というところでございます。弊社は両方やっております。
     この中で、バガス、ケーキにつきましてはすべて島の中で再利用し、糖蜜については、一部は島内で需要がありますが、ほぼすべてを島の外へ持っていくというところでございます。これは糖蜜の利用のところで配合飼料とかイースト、ここら辺はまた離れたところに工場等ございますので、そこへ持っていって利用するという形をとっております。
     5ページでございます。食品廃棄物等の特性でございます。バガスにつきましては、大半は、今、申し上げましたように重油の4分の1程度の発生カロリーでボイラーの燃料として利用しています。余剰分も堆肥センター等を通じてほぼ100%有効利用しております。バガスにつきましては搾りかすであるために、処理量の増減はもとより、サトウキビの品種、ファイバー分が高い品種、低い品種それぞれございます。それから地域性、同じ品種でも地域によって違う、あるいは年によって含まれる量が変動してくるというところで産出量は大きく変動します。45%程度の水分がございまして、乾燥していくというところは、コストに見合った利用形態になくほとんどしておりません。
     それから小規模な製糖工場では、ボイラー燃料として全部利用されておりまして、不足する場合には重油を代替で使うということもあって、コスト増加になっております。それから畜産向けの敷きわらや、それから有用な堆肥の原料を確保するため、島によってはバガスがあまり余らないので、重油を使って余剰バガスを確保して供給していくという対応をとる場合もございます。
     それからケーキにつきましては石灰を使いますので、その沈殿物はアルカリ質でございます。これは無償でやっているところもあるし、農家とか堆肥センターに安価で供給しまして、酸性土壌の改良に利用しています。島によって若干異なるかもしれませんが、当地徳之島は酸性土壌が大半でございます。
     バガス、ケーキにつきましては、我々亜熱帯のところにあるということもあって、土壌のいわゆる有機質というのが非常に分解が早いということで、農家のサトウキビの生産、あるいは当地では馬鈴薯とか園芸もやっておりますが、そこら辺の生産性、単位収量を上げていくためには、どうしてもこういった堆肥が必要になるというところでございます。ほぼすべてほ場に還元されております。
     糖蜜でございますけれども、糖蜜は今の私どもの製糖工場の設備技術ではもうこれ以上砂糖の結晶が得られないということで、実は糖分30%ちょっと含んでいるんですが、このシラップ状の最終生産物というところ、これは嗜好性の向上とか、あるいは一部カリウムをはじめとして塩分・ミネラルが含まれておりますので、嗜好性の向上や塩分の補給という目的で、乳牛とか肉用牛の配合飼料に添加するという形で利用されております。そのほかイースト培地とかアルコールの原料、また当地でも一部やっているんですが、やはり重粘土質の畑が多いものですから、そこら辺に糖蜜を少し入れてやることで、土壌の物性改良とかに役立ちますので、サトウキビ等の生育もよくなるということで、一部そういった利用をしているところもございます。
     6ページでございます。私ども甘しゃ分蜜糖をつくる上におきまして、原料となるサトウキビは沖縄県、鹿児島県、南西諸島の地域経済を支える基幹作物でございまして、生産されたサトウキビはそのすべてを、原料糖と呼んでおりますが分蜜糖、あるいは含蜜糖――黒糖のことございます――個々に産地で加工する必要があるというところでございます。
     また、台風・干ばつ等気象災害によって生産量の年次変動が大きいため、生産量をコントロールすることは非常に困難でございまして、副産物というものは原料処理量に対して一定の割合で産出されることから、甘しゃ糖製造業においては副産物を発生抑制するということは、先ほど来のご説明者の方々からもございましたけれども、発生量を抑制するということは操業の量と製品を減産することに等しくて、イコール農家にサトウキビをもっと減らしなさいというところにもつながるということです。
     操業度の低下で工場では固定費が上昇、あるいはサトウキビというのは、ちょっとこれは別のところでの話になりますが、サトウキビの地域経済に与える経済の波及効果というものは、沖縄県、鹿児島県、それぞれで試算されておりまして、二次効果も含めて4倍程度ございます。これは相当数、数百の産業の実態を調べても、一番高い経済波及効果になります。徳之島の話をしますと町が3つございまして、それぞれ町の予算が3つ合わせて150~160億ぐらいです。サトウキビの場合は年間22万トンぐらいが平均的につくられますから、45億から50億近いところで、波及効果を考えると200億近いものが出てきますので、ここをやはり減産というと、地域経済が破壊されるということにもなります。
     加えて、甘しゃ糖製造業における副産物というものは、地域においては、先ほど来申し上げましたように、重要な有用資源の一つということで、発生原単位を原料処理量を分母として目標値を定めた場合、特にバガスにつきましては製糖工場のボイラー燃料として、発電、熱エネルギー源として利用しているため、減量化することになれば逆に重油の使用量も増えるし、製造コストが増加して、またCO?排出削減というところにも逆行するということになります。バガスとかケーキにつきましては、安い堆肥原料として再利用の需要が高く、これらの供給を減らすことは、需要サイドの農家の生産にも影響を与えることになります。
     一方、糖蜜につきましては、現在は配合飼料、イースト等に使っているのですが、技術的に減量化するというのはもう非常に困難なことでありまして、むしろ、今、いろいろな有効な成分が入っておりますので、有用性に基づき付加価値を高めること、新規の用途開発等の対応すること、そういった研究を関係する研究機関等々と検討して進めているところでございます。
     このようなことから、甘しゃ糖製造業におきましては、食品循環資源としての再利用をほぼ100%実施している中で、発生抑制を図ることは、技術的にもコストの面からも、また地域経済を維持していくということからも、現実として困難な状況にございます。したがって、発生抑制につきましては再利用比率の低い業種に限定するとか、一定の条件下で例外業種をつくる等の対応を検討していただければと考えております。
     以上でございます。
  • 石川座長 どうもありがとうございました。
     それでは、ご説明いただいた内容について、ご質問、ご意見がございましたらいただきたいと思います。
     酒井委員。
  • 酒井委員 今日、ご説明いただいた資料のつくり立て、それから今のご説明とも非常にいい資料、いいご説明だったと思います。主張は非常にクリアに聞かせていただくことができました。
     その上で質問をちょっと主に2点させていただきますが、副産物と称されているバガス、ケーキ等、ここの発生比率をより抑制していく方向はもうあり得ないか。いわゆる収率の問題として、今、バガス約26%ぐらい、ケーキが5%ぐらいということですが、この割合を下げることはもう技術的には全くできないのかどうかということの見通しを聞かせていただきたいというのが1つ。
     それから、リサイクルのほうですけれども、主にボイラー燃料、あるいは堆肥あるいは飼料等でのリサイクルなされているわけですけれども、この中である種無理なリサイクルということはなされていないかどうかということの、そこの率直な見解をお聞きしたい。特に堆肥ですね。堆肥がみずから直販をされているのか、直販をされているのであればその価格はキログラム当たり幾らか、それはそういう意味では無理な販売ということで受け入れてもらっているものではないかどうか、このあたりのところをちょっと説明をお願いします。
  • 日本甘蔗糖工業会 まず、発生量の抑制につきましては、例えばケーキは非常に難しいところがあります。今、どの工場を見ても同じような工程設備を持っておりますので、それが大きいか小さいかというところで非常に難しいものがあります。水分が70%以上、80%ぐらいございますので、乾燥させればそれは5分の1ぐらいになっていくのですが、そこもコストとか考えると難しいというところでございます。
     バガスにつきましては、あまりほかの会社の工場のことを言うとまずいですので、私どものところで例えば減らそうと思うと、実は工場では省エネをずっと進めてきてまして、何とか副産物をきちんと出して、それを再資源化というか、堆肥化して資源を循環させて、きちんと畑から持ってきたいわゆるミネラル分も含めて、そういったものはもう一回畑に返してあげるというところをつくりたいということで、そこもあって省エネを進めてきました。これをもし減らそうと思うと、実はある程度はできます。ばんばんボイラーで燃やしてしまえばいいんですが。それは省エネをしないということで、そこは可能ではございます。ただ、現実的な選択ではないということであります。。
     これらを使った堆肥でございますが、当地の場合は3つの町がございまして、3つの町にそれぞれ堆肥センターがございます。堆肥センターの運用形態も違います。例えば1つの町はJAが運営しております。そこにいわゆる従業員、社員もいて、そこで堆肥化をしていく、あるいは実はもう一つあるのは、当地は奄美群島の中でも有数の畜産の島でもございまして、奄美群島の50%以上のいわゆる子牛生産をやっています。ここで出てくる糞尿等もそこで一緒に処理してしまうといことで、バガスをいわゆる水分の調整とかにも使いますので、それをやって農家の畑に今一度還元していくという形がもう既にできております。
     運営母体としての1つはJA、あと2つのところは町が設立しておりますが、これもやはり関係機関がいろいろと出資したりしてやっておりまして、両町の2カ所は第三セクターという形で、農業生産法人がバックについて運用しているということもあって、当地におきましては非常にうまい具合に循環して回っているというところであります。これの量を減らしていくと、いわゆるそこの生産量、販売量にも影響してくるということがございます。
  • 酒井委員 そうすると、堆肥原料として、バガス・ケーキは、今のその堆肥センターのほうが取り引き上は購入している形態になっているんですか。
  • 日本甘蔗糖工業会 購入というか、販売はしておりません。
  • 酒井委員 無償で提供される?
  • 日本甘蔗糖工業会 ええ。非常にかさばるものですから、工場からその堆肥センターまではすべて堆肥センター側が経費を出して持っていくということで、逆に運ぶところが結構お金がかかりますので、最終的に農家に渡るときに、なるべく安くして農家に渡したいので、当社ではそこはやっておりませんし、無償で提供しています。ただ、一部別の用途で有価でやっている部分もございます。例えば菌床用とかですね。これは大量ではございませんが。
  • 酒井委員 ご主張としては、島としてはこの一定の循環系が最適で構成をされていて、その中にビルトインされているところは、今回の副産物というのはほとんど生かされていますというご主張ですね。
  • 日本甘蔗糖工業会 はい。説明の中で1つ加えましたが、6つの島でやっているのですが、このうちの2、3の島では、やはりエネルギーとしてバガスが足りない、不足するので、工場の中で全部燃やしてしまうところがある。ところがそうすると、畜産の敷きわら、堆肥としての需要がなくなってしまうので、あえて重油を使用して工場を動かして、余剰分をそこに供給するという形もとっています。
  • 酒井委員 なるほど。わかりました。
  • 石川座長 ありがとうございました。
     いかがでしょうか。予定の時間を少し押しているので心配なのですが、何かご質問ございましたらいただきたいと思いますが。よろしいでしょうか。
     それでは、これで日本甘蔗糖工業会様のヒアリングを終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
    (説明者退席)
  • 石川座長 それでは、ヒアリングとしては全体終了したんですけれども、何かご意見とかございましたら。よろしいですか。
     それでは、次回、またヒアリングが予定されておりまして、それが終わってから討論ということになるかと思います。
  • 森下リサイクル推進室長 大変ありがとうございました。ご参加をいただきました業界の皆様方、そして熱心にご議論いただきました委員の皆様方にあつくお礼を申し上げます。
     事務的な連絡をさせていただきます。次回ワーキンググループでございますけれども、11月18日金曜日15時30分から、今回と同様に業界団体からのヒアリングを予定をいたしております。開催場所につきましては、後日ご連絡を申し上げます。大変お忙しい中とは存じますけれども、次回もどうぞよろしくお願いを申し上げます。
     また、会議冒頭申し上げましたけれども、ハードカバーのファイル、お手元にお配りしておりますが、事務局で、これを毎回お預かりして更新をさせていただきます。次回ワーキンググループにまた配付させていただきますので、お持ち帰りにならないように、重いのでそういうことはないと思いますが、よろしくお願いいたします。
  • 石川座長 それでは、ちょっと時間押して申しわけございませんでした。これで閉会したいと思います。
     ありがとうございました。