報道発表資料

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2024年03月29日
  • 水・土壌

令和5年度環境測定分析統一精度管理調査結果について

 環境省では、環境測定分析の信頼性の確保及び精度の向上等を目的として、昭和50年度から環境測定分析統一精度管理調査を実施しています。
 令和5年度は530の分析機関からの参加があり、全ての調査項目において、良好な結果又は過去調査と同程度の結果となりました。
 令和6年度も継続して環境測定分析統一精度管理調査を行うこととしています。

令和5年度環境測定分析統一精度管理調査結果について

1.調査目的等
 環境省では、均質に調製された環境試料を全国の環境測定分析機関に送付し、その分析結果と前処理条件や測定機器の使用条件等との関係、その他分析実施上の具体的な問題点等について検討・解析することにより、環境測定分析の精度向上、環境測定データの信頼性確保等を図ることを目的として、環境測定分析統一精度管理調査を実施しています。今般、環境測定分析検討会において、令和5年度環境測定分析統一精度管理調査結果を取りまとめました。
 
2. 令和5年度調査結果の概要
(1)調査項目
 (a)基本精度管理調査
   【模擬水質試料(一般項目等)】
     COD、全窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素
   【土壌試料(溶出試験)(一般項目等)】
     ふっ素、砒素
 
 (b) 高等精度管理調査
   【模擬水質試料(揮発性有機化合物)】
    <詳細項目> ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,4-ジオキサン
    <参照項目> トリクロロエチレン、トランス-1,2-ジクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素
 
(2)参加分析機関数
     公的機関133、民間機関397、計530機関
 
(3)分析・調査結果
 (a)基本精度管理調査
   【模擬水質試料(一般項目等)】
         COD、全窒素、亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素は、低濃度であったにも関わらず、室間精度CVが2.36~3.75%であり良好な結果となりました。
 
    【土壌試料(溶出試験)(一般項目等)】
      ふっ素及び砒素は、溶出試験であったにも関わらず、室間精度CVが7.86~12.9%であり、良好な結果となりました。
 
 (b) 高等精度管理調査
   【模擬水質試料(揮発性有機化合物)】
          揮発性有機化合物は、室間精度CVが10.8~22.7%であり、前回(平成29年度)調査の室間精度CV(12.3~18.5%)と比較して、同程度の結果となりました。

   ※「室間精度CV」は、参加分析機関間のばらつきを表す変動係数を示す。
 
(4)その他(指摘事項等)
 濃度算出における係数の乗じ忘れ、希釈倍率間違い、単位間違い、転記ミスが多く見られたことから、複数の担当者による確認が必要です。
  今回の調査では、ヘリウム代替ガスによる水中揮発性有機化合物分析の可能性が示唆されました。今後は、分析機関において適正な測定条件の情報を集積していくことが重要です。

令和5年度環境測定分析統一精度管理調査結果の詳細については、
https://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/report/index.htmlに掲載しています。

連絡先

環境省水・大気環境局環境管理課
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8292
課長
筒井誠二
課長補佐
桑原 厚
担当
赤塚 理