報道発表資料
2023年09月05日
- 自然環境
IPBES総会第10回会合の結果について
1. 2023年8月28日から同年9月2日まで、ドイツ連邦共和国・ボンにおいて、IPBES総会第10回会合が開催されました。
2. 本会合の主な成果として、「侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価」報告書の政策決定者向け要約(SPM)が承認されました。
3. 環境省主催の結果報告会を2023年9月12日にオンライン会議形式にて開催します。
1. 会議の概要
(1) 名 称
日本語 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)総会第10回会合
英 語 The tenth session of the Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services (IPBES) Plenary
(2) 期 間 2023年8月28日~ 同年9月2日
(3) 場 所 ドイツ連邦共和国・ボン
(4) 参加者 IPBES参加各国の政府、国連環境計画その他の関連国際機関など
(5) 公式ウェブサイト https://www.ipbes.net/events/ipbes-10-plenary
日本語 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)総会第10回会合
英 語 The tenth session of the Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services (IPBES) Plenary
(2) 期 間 2023年8月28日~ 同年9月2日
(3) 場 所 ドイツ連邦共和国・ボン
(4) 参加者 IPBES参加各国の政府、国連環境計画その他の関連国際機関など
(5) 公式ウェブサイト https://www.ipbes.net/events/ipbes-10-plenary
2.成果の概要
(1)「侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価」
侵略的外来種とその管理について評価した報告書が受理され、政策決定者向け要約(SPM)が承認・公表されました。
SPMには22のキーメッセージ等が記述されており、その概要は以下の通りです。
・ 侵略的外来種は世界で3,500種以上が記録されており、生物多様性や生態系に加え、経済や食料・水確保、人間の健康等に対する大きな脅威となっている。
・ 外来種の侵入※による全世界の年間経済的コスト(2019年)は4,230億米ドルを超えると推定される。
・ 世界的に、侵略的外来種とその影響は急速に増加しており、今後も増加し続けると予測される。
・ 侵略的外来種とその悪影響は、効果的な管理によって予防・軽減することが可能であり、最も費用対効果の高い管理手法は、侵入予防及び早期対応の体制整備である。
・ 外来種の侵入管理は可能であり、その野心的な進歩は、戦略的行動を通じた統合的ガバナンスによって達成することができる。戦略的行動には、国際的・地域的メカニズム間の調整と協力の強化、国家実施戦略の策定、多様な関係主体やセクターの参画推進等が含まれる。
※ 意図的・非意図的を問わず、生物種を人為的に自然分布域外の新たな地域に移動・導入するプロセスを指す。このプロセスを通じて移動・導入された種は、自然分布域外において定着・分布拡大する可能性がある。
※「侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価」は、侵略的外来種の世界的な現状や傾向について科学的な評価を行うとともに、世界各国の政府・企業・市民社会が侵略的外来種に対処する方法を決定する際の重要な情報源となることが期待されています。本評価の実施には、世界各国から86名の専門家が関わってきました。日本からは4名の専門家が参加しています。
また、日本は当該評価報告書作成を支援する「IPBES侵略的外来種評価技術支援機関」を公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)内に設置し、報告書作成に貢献してきました。今次総会の閉会全体会合において、これまでの日本の貢献とホスト機関であるIGESに対する謝意が述べられました。
(2) IPBESの2030年までの作業計画への追加要素
第11回総会において、「生物多様性と生態系サービスに関する第二次地球規模アセスメント」のスコーピング文書を検討することが決定されました。
また、第13回総会までに「生物多様性と自然の寄与のモニタリングに関する方法論アセスメント」、第14回総会までに「生物多様性が包含された統合的空間計画と生態系の連結性に関する方法論アセスメント」を実施することが決定されました。
なお、それ以降の作業計画への追加要素については、第12回総会において審議、決定されることとなりました。
(3) IPBESによる能力構築、知識基盤強化及び政策支援について
IPBESは、科学的評価(アセスメント)、能力構築、知見生成、政策立案支援の4つの機能を柱としており、アセスメント以外の活動実施は公募により選ばれた研究者や有識者から構成される「タスクフォース」が担っています。第10回総会の結果、「能力構築」「知識・データ管理」「先住民と地域社会の知識体系」及び「シナリオ・モデル」のタスクフォースの付託事項(terms of reference)が承認されました。今回決定された付託事項に基づき、それぞれのタスクフォースの活動の実施をサポートする「技術支援機関」が公募される予定です。また、政策支援機能の今後の役割について、加盟国等の意見を募ることとされました。
(4) IPBESの有効性向上
2030年までの作業計画に関する中間レビューを行うことが決定されました。第11回総会までに内部レビューを実施し、その後第12回総会までの間に外部レビューが実施される予定です。
(5) ビューローメンバーの選出
ビューローメンバーの選出が行われ、国連の5地域区分からそれぞれ2名ずつ、計10名が選出されました。アジア・太平洋地域のビューローメンバーは、ネパール(2期目)とタイ王国(1期目)です。ビューローメンバーの選出にあわせ、IPBES議長としてデビッド・オブラ氏(ケニア共和国)が選出されました。なお、今回選出されたビューローメンバーの任期は第13回総会までとなります。
(6) 2023-2025年予算
2023年予算は9,071,593米ドル、2024年予算は10,455,858米ドル及び2025年の見込予算は10,202,992米ドルとそれぞれ決定されました。
(7) 次回の総会
第11回総会は、2024年12月10日から16日の日程で、ナミビア共和国にて開催されることが決定されました。
侵略的外来種とその管理について評価した報告書が受理され、政策決定者向け要約(SPM)が承認・公表されました。
SPMには22のキーメッセージ等が記述されており、その概要は以下の通りです。
・ 侵略的外来種は世界で3,500種以上が記録されており、生物多様性や生態系に加え、経済や食料・水確保、人間の健康等に対する大きな脅威となっている。
・ 外来種の侵入※による全世界の年間経済的コスト(2019年)は4,230億米ドルを超えると推定される。
・ 世界的に、侵略的外来種とその影響は急速に増加しており、今後も増加し続けると予測される。
・ 侵略的外来種とその悪影響は、効果的な管理によって予防・軽減することが可能であり、最も費用対効果の高い管理手法は、侵入予防及び早期対応の体制整備である。
・ 外来種の侵入管理は可能であり、その野心的な進歩は、戦略的行動を通じた統合的ガバナンスによって達成することができる。戦略的行動には、国際的・地域的メカニズム間の調整と協力の強化、国家実施戦略の策定、多様な関係主体やセクターの参画推進等が含まれる。
※ 意図的・非意図的を問わず、生物種を人為的に自然分布域外の新たな地域に移動・導入するプロセスを指す。このプロセスを通じて移動・導入された種は、自然分布域外において定着・分布拡大する可能性がある。
※「侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価」は、侵略的外来種の世界的な現状や傾向について科学的な評価を行うとともに、世界各国の政府・企業・市民社会が侵略的外来種に対処する方法を決定する際の重要な情報源となることが期待されています。本評価の実施には、世界各国から86名の専門家が関わってきました。日本からは4名の専門家が参加しています。
また、日本は当該評価報告書作成を支援する「IPBES侵略的外来種評価技術支援機関」を公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)内に設置し、報告書作成に貢献してきました。今次総会の閉会全体会合において、これまでの日本の貢献とホスト機関であるIGESに対する謝意が述べられました。
(2) IPBESの2030年までの作業計画への追加要素
第11回総会において、「生物多様性と生態系サービスに関する第二次地球規模アセスメント」のスコーピング文書を検討することが決定されました。
また、第13回総会までに「生物多様性と自然の寄与のモニタリングに関する方法論アセスメント」、第14回総会までに「生物多様性が包含された統合的空間計画と生態系の連結性に関する方法論アセスメント」を実施することが決定されました。
なお、それ以降の作業計画への追加要素については、第12回総会において審議、決定されることとなりました。
(3) IPBESによる能力構築、知識基盤強化及び政策支援について
IPBESは、科学的評価(アセスメント)、能力構築、知見生成、政策立案支援の4つの機能を柱としており、アセスメント以外の活動実施は公募により選ばれた研究者や有識者から構成される「タスクフォース」が担っています。第10回総会の結果、「能力構築」「知識・データ管理」「先住民と地域社会の知識体系」及び「シナリオ・モデル」のタスクフォースの付託事項(terms of reference)が承認されました。今回決定された付託事項に基づき、それぞれのタスクフォースの活動の実施をサポートする「技術支援機関」が公募される予定です。また、政策支援機能の今後の役割について、加盟国等の意見を募ることとされました。
(4) IPBESの有効性向上
2030年までの作業計画に関する中間レビューを行うことが決定されました。第11回総会までに内部レビューを実施し、その後第12回総会までの間に外部レビューが実施される予定です。
(5) ビューローメンバーの選出
ビューローメンバーの選出が行われ、国連の5地域区分からそれぞれ2名ずつ、計10名が選出されました。アジア・太平洋地域のビューローメンバーは、ネパール(2期目)とタイ王国(1期目)です。ビューローメンバーの選出にあわせ、IPBES議長としてデビッド・オブラ氏(ケニア共和国)が選出されました。なお、今回選出されたビューローメンバーの任期は第13回総会までとなります。
(6) 2023-2025年予算
2023年予算は9,071,593米ドル、2024年予算は10,455,858米ドル及び2025年の見込予算は10,202,992米ドルとそれぞれ決定されました。
(7) 次回の総会
第11回総会は、2024年12月10日から16日の日程で、ナミビア共和国にて開催されることが決定されました。
3.IPBES事務局主催記者発表
「侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価」報告書に関する記者発表が行われ、動画配信されました。次のURLから録画を御覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=BZ1j0gcNRC4
https://www.youtube.com/watch?v=BZ1j0gcNRC4
4.環境省主催結果報告会
(1) 概要
【日 時】2023年9月12日(火)13:30~15:00
【会議形式】オンライン会議形式(Zoom webinarによるオンライン配信)
【主 催】環境省
【議事次第(予定)】
1) IPBES総会第10回会合結果概要
鈴木 渉 環境省自然環境局 生物多様性戦略推進室長
2) IPBES侵略的外来種評価技術支援機関のこれまでの活動
尼子 直輝 IPBES侵略的外来種評価技術支援機関 ヘッド
3) 侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価SPM概要
池田 透 北海道大学大学院文学研究院 地域科学研究室 教授
4) IPBES総会第10回会合に関する専門家所見
橋本 禅 東京大学大学院 農学生命科学研究科 准教授
5) 侵略的外来種に関するG7ワークショップ等について
松﨑 花 環境省自然環境局 外来生物対策室 室長補佐
6) 質疑応答
7) 総括
白山 義久 京都大学 名誉教授
(2) 参加申込要領
2023年9月10日(日)までに、以下のURLからお申し込みください(定員800名に達し次第締め切らせていただきます。)。
https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/ipbes/plenaries/finalreport_IPBES10/index.html
<参考>
● 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム
(Intergovernmental science-policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services:IPBES)
◆ 生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する政府間のプラットフォームとして2012年に設立された政府間組織
◆ 2023年8月31日現在、143カ国が参加
◆ 科学的評価、能力開発、知見生成、政策立案支援の4つの機能が活動の柱
◆ これまでに以下の評価報告書とワークショップ報告書を作成
・ 生物多様性及び生態系サービスのシナリオとモデルの方法論に関する評価報告書
・ 花粉媒介者、花粉媒介及び食料生産に関するテーマ別評価報告書
・ 生物多様性及び生態系サービスに関する地域・準地域別評価報告書
・ 土地劣化と再生に関するテーマ別評価報告書
・ 生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書
・ 生物多様性とパンデミックに関するワークショップ報告書
・ 生物多様性と気候変動に関するIPBES-IPCC合同ワークショップ報告書
・ 野生種の持続可能な利用に関するテーマ別評価報告書
・ 自然の多様な価値と価値評価の方法論に関する評価報告書
◆ 参考情報
○ IPBES webサイト
https://www.ipbes.net/
○ IPBES 侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価のページ
(IPBES事務局作成の概要資料(media primer)及びその日本語訳も同ページ内に掲載されています)
https://www.ipbes.net/invasive-alien-species-assessment
○ 環境省webサイト
https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/ipbes/index.html
【日 時】2023年9月12日(火)13:30~15:00
【会議形式】オンライン会議形式(Zoom webinarによるオンライン配信)
【主 催】環境省
【議事次第(予定)】
1) IPBES総会第10回会合結果概要
鈴木 渉 環境省自然環境局 生物多様性戦略推進室長
2) IPBES侵略的外来種評価技術支援機関のこれまでの活動
尼子 直輝 IPBES侵略的外来種評価技術支援機関 ヘッド
3) 侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価SPM概要
池田 透 北海道大学大学院文学研究院 地域科学研究室 教授
4) IPBES総会第10回会合に関する専門家所見
橋本 禅 東京大学大学院 農学生命科学研究科 准教授
5) 侵略的外来種に関するG7ワークショップ等について
松﨑 花 環境省自然環境局 外来生物対策室 室長補佐
6) 質疑応答
7) 総括
白山 義久 京都大学 名誉教授
(2) 参加申込要領
2023年9月10日(日)までに、以下のURLからお申し込みください(定員800名に達し次第締め切らせていただきます。)。
https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/ipbes/plenaries/finalreport_IPBES10/index.html
<参考>
● 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム
(Intergovernmental science-policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services:IPBES)
◆ 生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、科学と政策のつながりを強化する政府間のプラットフォームとして2012年に設立された政府間組織
◆ 2023年8月31日現在、143カ国が参加
◆ 科学的評価、能力開発、知見生成、政策立案支援の4つの機能が活動の柱
◆ これまでに以下の評価報告書とワークショップ報告書を作成
・ 生物多様性及び生態系サービスのシナリオとモデルの方法論に関する評価報告書
・ 花粉媒介者、花粉媒介及び食料生産に関するテーマ別評価報告書
・ 生物多様性及び生態系サービスに関する地域・準地域別評価報告書
・ 土地劣化と再生に関するテーマ別評価報告書
・ 生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書
・ 生物多様性とパンデミックに関するワークショップ報告書
・ 生物多様性と気候変動に関するIPBES-IPCC合同ワークショップ報告書
・ 野生種の持続可能な利用に関するテーマ別評価報告書
・ 自然の多様な価値と価値評価の方法論に関する評価報告書
◆ 参考情報
○ IPBES webサイト
https://www.ipbes.net/
○ IPBES 侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価のページ
(IPBES事務局作成の概要資料(media primer)及びその日本語訳も同ページ内に掲載されています)
https://www.ipbes.net/invasive-alien-species-assessment
○ 環境省webサイト
https://www.biodic.go.jp/biodiversity/about/ipbes/index.html
連絡先
○ IPBES全般についての問合せ先/環境省自然環境局自然環境計画課 生物多様性戦略推進室
- 代表
- 03-3581-3351
- 直通
- 03-5521-8275
- 室長
- 鈴木 渉
- 室長補佐
- 浜 一朗
- 室長補佐
- 河合 秀樹
○ 侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価報告書についての問合せ先/環境省自然環境局野生生物課
- 直通
- 03-5521-8344
- 課長補佐
- 守分 紀子
○ 侵略的外来種とその管理に関するテーマ別評価報告書についての問合せ先/環境省自然環境局野生生物課 外来生物対策室
- 直通
- 03-5521-8344
- 室長
- 松本 英昭
- 室長補佐
- 藤田 道男
- 室長補佐
- 松﨑 花