報道発表資料

この記事を印刷
2007年04月16日
  • 自然環境

新宿御苑新観賞温室の整備に伴う臨時閉館について

新宿御苑では、絶滅危惧植物の保護、歴史的遺産の継承等の取り組みを進めるために、新しい観賞温室の整備を平成20年度から予定しています。
 新観賞温室は、既存の観賞温室とほぼ同じ場所に整備される予定ですが、これに伴う樹木移植の準備作業を行うため、観賞温室を5月14日(月)より新観賞温室の開館までの間、臨時閉館します。
 新温室は平成23年の開館を予定しています。

1 新観賞温室の整備について

 新宿御苑温室では、国内外の熱帯・亜熱帯性の植物を植栽、展示し、一般に公開してきました。
 一方、新宿御苑では、「環境の杜」構想(※1)の中で、「環境という視点からの積極的な施策展開」を掲げ、それを受け、昨年4月に「植物園の保全活動に対する国際アジェンダ」へ登録(※2)、同12月には、「植物多様性保全拠点園」(※3)に選定されるなど、生物多様性の保全、種の保存等について積極的に取り組む方針です。
 また、「環境の杜」構想では、「歴史・文化遺産、植物遺産の評価及び継承」も掲げており、温室においても、洋ランなどの歴史的遺産の継承を行っていく必要があります。
 このような、新たな取り組みを具体化するために、既存の温室にかわる新観賞温室を整備することとしました。
 新観賞温室は、既存の観賞温室を取り壊して、ほぼ同じ場所に整備する予定です。
 観賞温室の整備については、平成17年度に基本計画を作成し、平成18~19年度に設計作業を行い、平成20年度から整備を開始する予定です。

※1:「環境の杜」構想
 21世紀における新宿御苑のあるべき姿についての指針として平成14年にとりまとめられたもの。構想の3つの柱として「歴史・文化遺産、植物遺産の評価及び継承」、「都市の緑地としての機能の維持・確保」「環境という視点からの積極的な施策展開」を掲げている。
※2:植物園の保全活動に対する国際アジェンダ
 植物園に関する国際機関である「植物園自然保護国際機構(BGCI)」が、世界の植物園の生物多様性保全に対する役割及び保全活動について、その枠組みを定めたもの。また、2002年の生物多様性条約第6回締約国会議で採択された「世界植物保全戦略」への主要な貢献としても位置づけられている。
 新宿御苑の本アジェンダへの登録は国内で11番目(現在14園)
※3:植物多様性保全拠点園
 (社)日本植物園協会が、植物園の保全植物の増加と質の向上を目指して提唱した植物園ネットワークの拠点となる植物園。拠点園には、「地域野生植物保全拠点園」(21園)と「特定植物保全拠点園(20園)」があり(平成18年12月現在)、新宿御苑は、両方に位置づけられている。

2 既存の観賞温室の臨時閉館について

 観賞温室の整備に伴い、観賞温室内及びその周辺の樹木の移植等が必要となりますが、その準備作業として、今年の春から移植対象樹木の根回し(※4)を行う予定です。根回し作業の開始後は、安全上、観賞上及び植物の保護上の理由から温室の公開は困難となります。このため、既存の観賞温室を臨時閉館します。

※4:根回し:
 樹木の移植に先立ち、予め、樹木周囲の根を切ることで発根を促し、移植後に活着しやすいようにする作業。
【臨時閉館の時期】
 平成19年5月14日(月)より新観賞温室の開館まで 
  ※ 新観賞温室は平成23年開館の予定

3 新観賞温室について

 新観賞温室では、絶滅危惧植物の保護、歴史的遺産の継承といった新たな取り組みを進めるとともに、情報提供・普及啓発機能の強化等を図る予定です。
 また、これまでの温室同様、都市の中にある憩いの空間として観賞機能に優れた熱帯性・亜熱帯性の植物を植栽していく予定です。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局総務課
直通:03-5521-8269
 代表:03-3581-3351
 総務課長:泉 真(6410)
 国民公園専門官:秋吉 利彦(6425)
新宿御苑管理事務所
 直通:03-3350-0151
 所長:黒瀬 英治
 温室第一科長:飛島 雄史