報道発表資料

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2006年12月11日
  • 再生循環

バーゼル条約第8回締約国会議(COP8)の結果概要

平成18年11月27日(月)から12月1日(金)まで、ケニアのナイロビにおいて、バーゼル条約第8回締約国会議(COP8)が開催された。会議には113カ国の代表が出席し、環境上適正な有害廃棄物の国境を越える移動についての議論が行われた。

1.開催日・場所

・開催日:

平成18年11月27日(月)~12月1日(金)

・開催場所:

ナイロビ(ケニア)

2.主な参加者

  • マレーシア、フィンランド、グルジア、ウルグアイ、ウガンダなどの閣僚を含む113 カ国の代表(締約国は169カ国)。
  • 日本からは、宮村在ケニア日本国大使館大使、環境省牧谷適正処理・不法投棄対策室長の他、外務省、経済産業省、国土交通省等が参加。
  • 議長は、キブワナ・ケニア環境大臣。

3.主な議論

 本COP8では、予算及び資金調達、パートナーシッププログラムの推進、バーゼル条約地域センターの運営、コートジボワール有害廃棄物不法投棄事件、POPs廃棄物の適正処理ガイドライン、E-Waste問題、「バーゼル条約の95年改正」の発効要件についての検討等について活発な議論が行われた。

(1) コートジボワール有害廃棄物不法投棄事件
 本年8月にコートジボワールにおいて有害廃棄物の不法投棄事件が発生したことを受け、同国政府から事件の報告と国際的な支援の必要性が訴えられ、国際的に経済的・技術的な支援を行うこと等についての決議が採択された。なお、我が国は同国に対して約200万ドルのノン・プロジェクト無償資金協力の見返り資金使用に同意しており、同国及び多数の締約国から我が国に対して謝意が伝えられた。
(2)パートナーシッププログラムの推進
 COP6(2002年)で採択された「バーゼル条約実施のための2010年までの戦略計画」を踏まえた官民共同の取組(パートナーシップ・プログラム)について、その進捗状況の報告及び今後の取組について議論が行われた。
 我が国は、事務局が提案している「アジア太平洋地域におけるE-Wasteプロジェクト」に対し最大の支援国として約55万ドルの支援をして積極的に推進しているほか、我が国産業界(DOWAエコシステム(株))も使用済み携帯電話回収パイロットプロジェクトの支援を行っており、これらの取組に対して、関係国から謝意と支持が表明された。
(3)POPs廃棄物の適正処理ガイドライン
 3つの個別物質技術ガイドライン案((a)農薬8種(アルドリン、クロルデン、ディエルドリン、エンドリン、ヘプタクロル、ヘクサクロロベンゼン、マイレックス、トクサフェン)及び商業用HCB、(b)DDT、(c)非意図的に生成されるPCDD/PCDF/HCB/PCBs)が採択された。また、COP7にて採択された2つのガイドライン(POPs廃棄物の総合技術ガイドライン、PCB個別技術ガイドライン)について、新たな処理技術の追加等の更新が行われた。
(4)その他
  • 事務局予算(年間約400万ドル)の決定
  • 先進国から途上国への有害廃棄物の輸出を禁じる「バーゼル条約の95年改正」の発効要件について検討開始
  • バーゼル条約地域センターの運営強化及び新センター(スリランカ)の設置の検討開始

4.併設された賢人会議(E-Waste ワールドフォーラム)

 ハイレベルセッションの一環として「E-Wasteワールドフォーラム」が賢人会議として開催され、事務局から依頼された5カ国の環境担当大臣及び5名の産官学界の有識者が、それぞれの経験に基づいた発表及び意見交換を行い、その結果は、E-Waste問題解決に向けてのナイロビ宣言としてまとめられた。
 我が国は、高度な技術を有する処理事業者の立場からDOWAホールディングス(株)会長の吉川氏(※)が参加し、E-Wasteの適正処理及び資源回収の可能性について発表を行い、その取り組みの先進性や貢献について各国政府から高い評価と支持を得た。
※経済団体連合会理事、日本鉱業協会会長

5.その他

(1)サイドイベント
 会議の開催にあわせ、各国政府、バーゼル条約事務局、NGO等の主催によりサイドイベントが多数開催された。我が国も、アジア3R推進会議の結果を踏まえ「アジア地域のE-Waste問題」をテーマとしたサイドイベントを開催し、約80名の参加者を得た。ワークショップでは、アジア地域が直面する課題及び我が国が行っている官民の取組について発表を行い、アジア諸国のみならずアフリカ・欧州各国の代表団から活発な質疑応答が行われた。
(2)次回開催地
次回会議は、2008年9月頃にバリ(インドネシア)にて開催予定
連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課適正処理・不法投棄対策室
直通:03-5501-3157
 代表:03-3581-3351
 室長:牧谷 邦昭(内線6881)
 係長:長谷川敬洋(内線6885)