報道発表資料

平成18年3月3日
保健対策
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化学物質環境実態調査の進捗状況について

平成18年3月2日に開催された中央環境審議会環境保健部会化学物質評価専門委員会(櫻井治彦委員長、中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センター所長)において、

[1]
 平成16年度化学物質環境実態調査結果が取りまとめられたほか、
[2]
 平成17年度化学物質環境実態調査の進捗状況の環境省からの報告
[3]
 平成18年度化学物質環境実態調査の実施方針についての審議

が行われましたのでお知らせします。
 [1]の平成16年度化学物質環境実態調査結果については、今年度中に冊子「化学物質と環境」として公表いたします。

1.平成16年度化学物質環境実態調査結果のまとめ

(1)平成16年度化学物質環境実態調査の検討の経緯

 環境省においては、化学物質による環境汚染の未然防止並びに汚染の早期発見及び適切な化学物質対策の立案に資するため、調査対象物質を平成16年度化学物質環境実態調査物質選定検討会(平成16年4月28日及び同年5月19日に開催)において選定し、平成16年度に、初期環境調査、暴露量調査及びモニタリング調査からなる目的別の調査を実施した。
 当該目的別調査の結果について、「初期環境調査の結果に関する精査検討実務者会議」(平成17年7月5日及び同年9月9日に開催)、「初期環境調査の結果に関する解析検討実務者会議」(平成17年12月13日及び平成18年1月17日開催)及び「モニタリング及び暴露量系調査の結果に関する解析検討実務者会議」(平成17年11月24日及び平成18年1月26日開催)における検討を経て、第10回中央環境審議会環境保健部会化学物質評価専門委員会(平成18年3月2日開催)において取りまとめられた。

(2)初期環境調査

 平成16年度は、初期環境調査として、22物質(群)、延べ30物質(群)・媒体について調査を実施した。その結果は次のとおりである。
 水質は10物質(群)について全国延べ33地点で調査を実施し、2物質(群)が検出された。底質は7物質(群)について全国延べ28地点で調査を実施し、4物質(群)が検出された。水生生物は4物質(群)について全国延べ9地点で調査を実施し、2物質(群)が検出された。大気は9物質(群)について全国延べ25地点で調査を実施し、7物質(群)が検出された。
 昭和49年度から平成16年度まで、累計837物質(群)について調査を行った。うち、381物質(群)が一般環境から検出されたこととなる。

(3)暴露量調査

 平成16年度は5物質(群)、延べ8物質(群)・媒体について、水質は41地点(ヘキサンについては20地点)で2物質(群)を、大気は20地点(ヘキサンについては18地点)で3物質(群)を、食事は50家庭で2物質(群)を、室内空気は68家屋で1物質(群)の調査を実施した。
 調査対象の5物質(群) 延べ8物質(群)・媒体のうち、N,N’-ジメチルドデシルアミン=N=オキシドが水質、ヘキサンが大気、PFOSが食事及び大気、PFOAが大気から検出された。

(4)モニタリング調査

 平成16年度は、POPs(Persistent Organic Pollutants)条約の対象物質であるPCB類、HCB、アルドリン、ディルドリン、エンドリン、DDT類、クロルデン類、ヘプタクロル類、トキサフェン類及びマイレックスを含む 11物質(群)延べ43物質(群)・媒体について調査を実施した。
 モニタリング調査は水質40地点11物質(群)、底質63地点11物質(群)、生物22地点(貝類7地点、魚類14地点、鳥類2地点)11物質(群)及び大気37地点10物質(群)を対象に調査を行った。
 POPsについては水質及び底質のトキサフェン類を除き、調査を実施した全物質・媒体から検出された。また、ヘキサブロモベンゼンは底質、生物(魚類)及び大気から、有機スズ化合物については底質及び生物(魚類)から検出された。
 今年度の調査においても、国内で使用記録のないトキサフェン類、マイレックスが生物及び大気中が検出された。また、生物試料については、PCB類、DDT類等が人口密集地帯近傍の沿岸域の魚で高めの傾向を示したのに対し、トキサフェン類は沖合の回遊魚の方が高めの傾向を示した。
 一方、保存試料のうち平成6、7、9、10、11、12、13年度に採取された東京湾のスズキ、平成6及び13年度に採取された大阪湾のスズキ、並びに平成5年度に採取された徳島県のイガイを対象に、新しい高感度分析手法で再度分析を行った結果、採取当時には検出下限以下とされてきた化合物の濃度レベルが明らかになった。
 東京湾のスズキに含まれるPOPs濃度は、いずれの物質も最近10年間はおおむね横ばいであった。平成14年度以降の分析で明らかになってきた各地点の生物中POPs濃度に見られる組成上の特徴、例えば東京湾のスズキにおけるDDT類中o,p’-DDEの相対比率の高さ、大阪湾のスズキにおけるHCH類中β-HCHの寄与率の高さ、徳島県のイガイにおけるクロルデン類中cis-Chlordaneの比率の高さなどは、いずれも10年前の試料でも認められ、それぞれの海域毎の特徴ではないかと考えられる。

2.平成17年度化学物質環境実態調査の進捗

 平成17年度からの化学物質環境実態調査は、化学物質対策関連部局と連携を密にし、施策の 策定に資する調査となるように、調査体系を「初期環境調査」「詳細環境調査」「暴露量調査」「モニタリング調査」及び「ヒト生体試料調査」の5つに改めたことや、化学物質環境実態調査の支援事業として、「暴露量推計支援事業」「環境試料保存事業」及び「分析法開発事業」についても精力的に取り組んでいることを報告した。

3.平成18年度化学物質環境実態調査の実施方針

 化学物質対策施策を遂行するためには、環境中の残留実態を把握することが必須であることから、化学物質対策関連部局からの要望を受け、調査を行うものとする。具体的には、調査は、目的、調査媒体、要求感度から、「初期環境調査」「詳細環境調査」「暴露量調査」「モニタリング調査」「ヒト生体試料調査」及び「暴露量推計支援事業」に分類して実施することとする。
 あわせて、具体的な実施方針として、対象物質の選定方針を説明し、さらに、平成18年度からは、上半期の調査を基本としつつ、第2期調査として、時期を考慮すべき物質や季節変動の影響を考慮すべき物質に関する調査を実施することとした。

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課課長:上家 和子
保健専門官:吉田 佳督(内線6361)
 調査係長:川村 太郎(内線6355)

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