報道発表資料

平成8年12月13日 この記事を印刷

平成8年光化学大気汚染の概要−緊急時発令状況、被害届出状況−

平成8年の光化学オキシダント注意報の発令延日数(都道府県単位での発令日の全国集計値)は、99日であり、昨年の139日と比べ、40日減少した。過去10年間の発令日数については、その年の気象条件等に左右されるため、年ごとに増減を繰り返しており、本年は少ない方から4番目であった。
 また、平成8年の光化学大気汚染によると思われる被害届出人数は、64人であり、昨年の192人と比べ、128人減少した。過去10年間の被害届出人数についても、年ごとの増減が著しく、本年は少ない方から3番目であった。
 発令延日数、被害届出人数ともに、2年連続して前年を下回ったが、過去の日数及び人数の推移を勘案すると、これは必ずしも光化学大気汚染の改善傾向を示しているものではない。
 環境庁では、平成8年6月から、新たに、関東地域において、大気汚染物質広域監視システム(PAPION)を運用し、光化学オキシダントの濃度予測等を行ってきたところであるが、引き続き、大気汚染物質の広域的な監視体制を強化するとともに、原因物質である窒素酸化物、炭化水素類の一層の削減等に努めていくこととしている。

 環境庁は、光化学オキシダントの注意報等の発令状況、光化学大気汚染によると思われる被害届出状況について、毎年、その発生のおそれのある4〜10月の間を対象に、全国の都道府県からその状況の報告を求め、取りまとめている。本年の状況は、以下のとおりである。

1.注意報等発令状況

 平成8年においては、18都府県で光化学オキシダントに係る注意報の発令があり、その延日数は99日であった(表−1)。
 本年の注意報の発令延日数は、昨年の139日(19都府県)より40日減少した。過去10年間の発令日数は、年ごとに増減を繰り返しており、本年は少ない方から4番目であった(表−3、図−1)。
 ブロック別では東京湾ブロック(1都6県)が63日で全体の64%を占めており、都道府県別では、群馬県が18日で最も多く、続いて茨城県、埼玉県、大阪府がともに10日、神奈川県が7日、栃木県、千葉県、東京都、広島県がともに6日であった(表−1、図−2)。
 また、月別では7、8月の発令の合計が85日で、全体の86%を占めた。月ごとの発令状況は、8月にかなり減少したのを除けば昨年とほぼ同等であった。

2.被害届出状況

 平成8年の光化学大気汚染によると思われる被害の届出は、5県で合計64人で、昨年の192人(5都府県)より減少した。過去10年間の被害届出人数については、年ごとに増減を繰り返しており、本年は少ない方から3番目であった(表−2)。
 このうち集団被害発生(20人以上)は、1件(52人)で、被害届出人数の81%を占めている。
 被害届出の内訳を見ると、中学生が全体の86%で大半を占めた。その多くは屋外での運動中に発生している。
 被害症状としては、目及び喉に関する症状が多く、大部分の人は静養やうがい等によって回復した。

3.今後の対策

 環境庁としては、引き続き、大気汚染物質広域監視システム(PAPION)を活用し、大気汚染物質の広域的な監視体制を強化するとともに、大気汚染防止法、自動車NOx法等に基づき、原因物質である窒素酸化物、炭化水素類の一層の削減等に努めていくこととしている。

(参考)

1.緊急時の措置の概要

 大気汚染防止法においては、光化学オキシダントの濃度が高くなり、被害が生ずるおそれがあるときは、都道府県知事等が注意報を発令し、報道、教育機関等を通じて、住民、工場・事業場等に対して情報の周知徹底を迅速に行うこととなっている。また、光化学オキシダントの原因物質である窒素酸化物及び炭化水素類の削減対策のため、工場・事業場等に対してはばい煙排出量の削減について、自動車の使用者に対しては運転の自粛について、それぞれ協力を求めることとなっている。

2.光化学オキシダントの発生機構

 光化学オキシダントは、工場や自動車から排出される窒素酸化物及び炭化水素類を主体とする一次汚染物質が太陽光線の照射を受けて化学反応を起こすことにより発生する二次的な汚染物質であり、日差しが強く、気温が高く、風が弱い日等に高濃度になりやすい。

 注) 「注意報等」 注意報及び警報をいう
「注意報」 光化学オキシダント濃度の1時間値が0.12ppm以上で、気象条件からみてその状態が継続すると認められる場合に、大気汚染防止法第23条第1項の規定により発令されるものである。
「警 報」 各都道府県等が独自に要綱等で定めているもので、一般的には、光化学オキシダント濃度の1時間値が0.24ppm以上で、気象条件からみてその状態が継続すると認められる場合に発令されるものである。
「延日数」 都道府県を一つの単位として集計したものであり、同一日に同一都道府県内の複数の発令区域で注意報等が発令されても、当該都道府県での発令は1日として数える。

3.大気汚染物質広域監視システム(PAPION)

 関東地域(1都7県)を対象として、平成8年6月より運用を開始したシステムで、気温等の気象データ及び大気汚染常時監視局で測定された光化学オキシダント、窒素酸化物、浮遊粒子状物質等の大気環境データをリアルタイムで収集・配信するとともに、光化学オキシダント等の濃度の前日・当日予測を行うものである。

 *図表については、添付ファイル参照。

添付資料

連絡先
環境庁大気保全局企画課
課長:櫻井 正人  内6510
 広域大気管理室
 室長:佐々木元茂 内6560
 補佐:世一 良幸  内6562
 担当:窪田  剛  内6564

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