報道発表資料

この記事を印刷
2005年02月15日
  • 総合政策

「環境会計ガイドライン2005年版」の策定について

環境省では、平成14年3月に公表した「環境会計ガイドライン2002年版」を改訂するために設置した、「環境会計ガイドライン改訂検討会」において、昨年11月に公表した「環境会計ガイドライン2005年版(公開草案)」に対して寄せられたご意見を踏まえて、検討を行い、今般、「環境会計ガイドライン2005年版」としてとりまとめました。

1.「環境会計ガイドライン」の目的

環境会計ガイドラインは、企業等における環境会計の進展を踏まえながら改訂を行い、企業等における環境会計の導入、実践を支援することを目的としています。

企業等が環境会計ガイドラインを活用して、環境会計情報を整理することにより、外部公表に限らず、内部管理上も環境マネジメント目的に沿ったデータ把握が進み、環境会計手法の有効性が一層高まることが期待されます。

2.改訂の経緯

環境省では、平成12年5月に「環境会計システムの導入のためのガイドライン(2000年版)」、平成14年3月には、その改訂版である「環境会計ガイドライン2002年版」を公表し、企業等における環境会計の取組を支援してきました。平成15年度の環境省の調査によれば、調査に回答した事業者(有効回答数2,795社)のうち、環境会計を既に導入していると回答した事業者は661社(上場企業の31.8%:393社/有効回答数1,234社、非上場企業の17.2%:268社/有効回答数1,561社)となっています。

今回の改訂は、「環境会計ガイドライン2002年版」公表後の国内外での調査研究の成果、最新の実務動向を反映させること等により、環境会計情報の利用者の利便性がさらに向上するように改訂を行ったものです。

3.改訂の要点

 (1) 環境保全コストの性格に応じた分類の提示
   環境保全コストの分類については、環境会計情報の利便性を高めるために、従来の「事業活動に応じた分類」のほかに、環境保全コストの性格に応じたその他の分類として、地球温暖化対策などの「環境保全対策分野に応じた分類」を提示しています。
    【ガイドライン「3.2 環境保全コストの性格に応じたその他の分類」参照】
 
(2) 環境保全効果の見直し
   環境保全効果の表現方法については、従来は「大気への排出等」などの区分を示していましたが、「事業者の環境パフォーマンス指標-2002年度版-」(環境省 平成15年4月公表)の体系を参考に見直し、「温室効果ガス排出量」などの具体的な環境パフォーマンス指標を例示しています。
    【ガイドライン「4.1 環境保全効果の分類」参照】
 
(3) 環境保全対策に伴う経済効果の概念の再整理
   環境保全対策に伴う経済効果については、実務での運用の状況を考慮して概念の再整理を行い、実質的効果(確実な根拠に基づいて算定される経済効果)に加えて、新たに推定的効果(仮定的な計算に基づいて推計される経済効果)や環境保全活動の経済価値評価についても、その意義や考え方等を提示しています。
    【ガイドライン「5.1 環境保全対策に伴う経済効果の内容」及び 「5.3 環境保全効果の経済価値を評価する方法」参照】
 
(4) 環境会計の開示様式の体系化
   外部公表に関して、理解しやすい情報の開示が促進されるように、「環境保全活動の経過及び成果」を示すとともに、「環境会計の基本となる重要な事項」として記載すべき事項を見直し、さらに情報内容の補足がより容易となるように、開示様式の体系化を一層進め、新たに附属明細表を提示しています。
    【ガイドライン「10.1 外部公表のための開示様式」参照】
 
(5) 内部管理表の整理・見直し
   環境会計情報の企業等の内部での活用に関しては、管理の単位(部門等)に応じて環境会計情報を精緻化して集計・管理することが有効であることから、環境マネジメント活動への組込み、各種の内部管理表の充実を提案しています。
    【ガイドライン「10.2 内部管理のための管理表」参照】
 
(6) その他
   連結環境会計の取扱いについては、連結の範囲や集計の方法に関する一定の考え方を、また、環境会計の数値を用いた分析のための指標については、その意義や種類を示しています。
    【ガイドライン「6 連結環境会計の取扱い」及び 「9 環境会計の数値を用いた分析のための指標」参照】

4.環境会計ガイドライン改訂検討会委員

 (敬称略、50音順、○:座長)

  荒井  薫   JSR株式会社 環境安全部主査
  井上 壽枝   株式会社中央青山サステナビリティ認証機構 取締役副社長
  岩舘 正孝   東京急行電鉄株式会社 業務管理・環境部 環境担当部長
  小畑 健雄   日本政策投資銀行 社会環境グループリーダー 政策企画部課長
 ○ 河野 正男   中央大学 経済学部教授
  上妻 義直   上智大学 経済学部教授
  國部 克彦   神戸大学大学院 経営学研究科教授
  塩田 泰之   株式会社大林組 東京本社 地球環境室長
  西堤  徹   トヨタ自動車株式会社 環境部企画グループ担当部長
  古田 清人   キヤノン株式会社 グローバル環境推進本部 環境統括・技術センター副所長
  水口  剛   高崎経済大学 経済学部助教授 日本公認会計士協会環境会計専門部会長
  森下  研   株式会社エコマネジメント研究所代表
  八木 裕之   横浜国立大学 経営学部教授

5.環境会計ガイドライン2005年版の入手方法

環境省ホームページからダウンロードすることが可能です。
 冊子をご希望の方は、290円切手を添付した返信封筒(A4版の冊子が折らずに入るもの。郵便番号、住所、氏名を明記のこと。)を同封の上、次の宛先までご送付ください。

また、環境省総合環境政策局環境経済課においても配布しております。

   〒100-8975   東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館25階
環境省総合環境政策局環境経済課
(環境会計ガイドライン2005年版を1部希望と明記してください)

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境経済課
課長:鎌形 浩史(6260)
 補佐:沢味 健司(6268)
 担当:槌屋 岳洋(6252)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。