報道発表資料
国連環境計画(UNEP)親善大使の加藤登紀子さんがインドを訪問しましたので、その概要についてお知らせします。
- 概要
加藤登紀子さんは、UNEP親善大使としてインドを訪問し、環境教育に取り組むNGOや、ヤムナ川の水質改善に取り組むコミュニティ、NGOを視察し、関係者を激励しました。
インドは、10億人以上の人口を抱え、近年は順調な経済成長を遂げており、その環境政策は、地球環境に大きな影響を与えることが予想されます。インドには多くのNGOがあり、その活動は非常に活発で、国全体の環境政策をリードする等実績を挙げています。加藤親善大使は、デリー及びアーマダバード(グジャラート州)に拠点をおいてインド全土のコミュニティで活動する様々なNGOや弁護士を訪問し、その活動を激励しました。
また、日本の支援するヤムナ川の水質改善プロジェクト(ヤムナ アクションプラン)の現場を視察し、その活動を激励し、地元の方々と交流しました。 - 日程
平成16年5月16日(日)~5月23日(日) - 主な視察先、訪問先及びミニコンサートについて
(視察)
マトゥーラ(JBICの支援による改良型火葬場)
ブリンダバン(Friends of Vrindabanによる都市の美化活動)
ファブリバード(JBICの支援による下水処理場)
The Energy and Resource Institute
Development Alternative
Centre for Science and Environment
Centre for Environment Education
M.C. Mehta Environment Foundation
(行政関係者)
環境森林省 ゴーシュ次官、ゴヤル次官補
在インド日本大使館 榎特命全権大使
国際協力銀行(JBIC)ニューデリー駐在員事務所 野村主席駐在員
(ミニコンサート)
日時;平成16年5月21日(金)
場所;在インド日本大使館 - 加藤登紀子UNEP親善大使の所感
インドは、今が一番暑い時期でしたが、環境問題に取り組むインドの人々は、皆さんとても積極的でした。
例えば、デリーの大気汚染を改善するため、CNG(圧縮天然ガス)をバス、オートリキシャに導入することが義務付けられ、街でも多くのCNGマークを見かけました。環境教育についても、国営放送では毎日、何らかの環境に関するプログラムを放送し、この夏からは、全ての学校で、環境教育の授業を行うことが義務付けられました。インドは18もの公認言語と2000に及ぶ方言がある国で、その文化も多様ですが、それぞれの言語・文化に応じた教材の作成や指導者の育成も着々と進められています。
2003年に滋賀・京都・大阪で開催された世界水フォーラムでは水に関する様々な問題が議論されましたが、インドでも沐浴ができないほど河川の汚染が深刻で、その改善に向けた様々な取組があります。今回は、ガンジス河の最大の支流でデリーやアグラの近郊を流れる聖なるヤムナ川の水質改善への取組を視察しました。日本の支援で作られた下水処理場では、日本と違い、広い土地を活かした維持管理コストの安い処理方法が採用されており、その処理水は周辺の畑へ養分を供給する用水として大事に使われていました。
インドは長い歴史を持つ国。そしてガンジーの理想主義を世界に投げかけた国。世界のどこにもない独特の哲学と生き方を持っていることに大きな敬愛の気持を抱く私にとって、インドの聖なる川の恐ろしいほどの汚染、人口の急激な増加による森林の破壊、都市の地下水や空気の汚染等、解決の難しい問題を目の当たりにすることはとても苦しいことでした。
人間の発展段階が地球的危機を迎えていることを、改めて感じ、一つ一つの環境改善への試みに緊急の必要を再確認しました。
※詳細については、下記にお問い合わせください
株式会社 トキコ・プランニング
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-16-10-1001
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添付資料
- 写真:Development Alternative訪問(デリー)
- 写真:Centre for Environment Educationの出版物(インドの18言語で作成)(アーマダバード)
- 写真:地元の人々との交流(アーマダバード)
- 写真:ヤムナ河を渡る(マトゥーラ)
- 写真:下水処理場視察(ファリダバード)
- 連絡先
- 環境省地球環境局総務課
課長 :石野 耕也(6710)
調査官 :塚本 瑞天(6720)
課長補佐:松永 龍児(6725)
担当 :羽田 直樹(6724)