報道発表資料

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2004年03月31日
  • 総合政策

国等のグリーン購入推進による環境負荷低減効果等の評価について

「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(通称「グリーン購入法」)は、需要の転換により環境負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を目指すものです。国等の各機関では、同法に基づき、平成13年度より目標を定めて環境負荷低減に資する物品及びサービスの調達を推進しています。
 平成14年度におけるグリーン購入法の調達実績については、去る平成15年12月に公表したところですが、環境省ではこれに加えて、国等のグリーン購入の推進によりどの程度の効果が得られたのか、特定調達品目について、[1]国等の購入による環境負荷低減効果の試算、[2]特定調達物品(判断の基準を満たす物品)の市場形成の状況の調査等を行いました(別添)。
 本調査は、昨年度にも行っているところですが、国等による調達実績は高い水準を維持しており、市場全体的に見ても環境物品の市場占有割合が広がっています。特に、文具類については、グリーン購入法による効果が顕著に現れていると考えられます。
 今回の調査結果を、今後のグリーン購入の推進のための基礎資料として活用していきたいと考えています。

調査等の結果の概要

  1. 国等の機関による特定調達品目の調達実績
    (1) 平成14年度の調達実績(既発表)
    平成14年度に新たに追加された品目を含め、大半の品目において判断の基準を満たす物品等が95%以上の高い割合で調達
    平成13年度の調達実績と比較しても極めて高い水準
    (2) 平成12年度以前からの取組の進展
    コピー用紙及び一般公用車については、環境物品の調達を着実に伸ばしており、特に一般公用車については、ハイブリッド自動車をはじめとした低公害車の導入の進展が顕著であり、平成14年度における低公害車の割合は45.3%
  2. 国等の機関によるグリーン購入の実施に伴う環境負荷低減効果
    (1) 紙類
    コピー用紙の特定調達物品の調達量が、すべてバージンパルプ100%のコピー用紙である場合と比較すると、原材料として使用されるパルプ材を234千m3(二酸化炭素固定量171千t-CO2に相当)削減したこととなる(試算値)
    (2) 文具類
    筆記具の特定調達物品の調達量が、すべて再生プラスチックが配合されていない製品である場合と比較すると、原材料として使用されるプラスチックを約22トン(焼却処理した場合の二酸化炭素排出量は58t-CO2)削減したこととなる(試算値)
    (3) 自動車
    平成14年度に低公害車に切り替えた一般公用車に係る窒素酸化物排出削減量は674kgとなり、一般公用車からの窒素酸化物排出量の11.5%の削減効果(試算値)
    同様に、平成14年度の低公害車への切り替えにより、二酸化炭素排出削減量は816t-CO2となり、一般公用車からの二酸化炭素排出量の5.5%の削減効果(試算値)
  3. 市場形成状況
    (1) コピー用紙
    国内出荷量に占める特定調達物品の割合は26.6%であり、平成13年度からは3ポイント増
    特定調達品目の国内出荷量に占める国等の機関の調達割合は39.7%と極めて高い
    (2) 文具類
    特定調達物品の市場の傾向としては、平成12年度から平成13年度の伸びに比べ、平成13年度から平成14年度の伸びが大きくなっており、文具類については、グリーン購入法の効果が市場に顕著に現れているものと考えられる
    (3) 家電製品等
    テレビについては、国内出荷量に占める液晶テレビの割合が急伸
    蛍光ランプ(直管型40形)の国内における特定調達物品の供給量及び市場における特定調達物品の占める割合は、堅調に増加しており、グリーン購入の市場が確実に拡大
    (4) 自動車
    平成14年度下期における新規登録台数に占める低公害車の割合は、64.5%に達し、約3分の2が該当しており、自動車グリーン税制及びグリーン購入法の効果が大きかったものと推測される。
  4. 国及び地方公共団体の取組による市場形成効果拡大の期待
     コピー用紙のように、国等の機関の調達量が特定調達物品の4割を占める品目については、直接的な市場形成に大きく貢献している。また、文具類のように、国等の機関の調達量が特定調達物品の3%に満たない品目についても、平成12年度から平成14年度にかけて国内出荷量等に占める特定調達物品の割合が倍増するなど急伸している。これは、グリーン購入法に基づく公的機関の調達の推進による初期需要の創出が、大きな要因となっているものと考えられる。
    このように、我が国の約4分の1の経済活動を行い、かつ、他の主体にも大きな影響力を有する国及び地方公共団体が果たす役割は極めて大きいものと考えられ、率先してグリーン購入を推進することにより、我が国全体の環境物品等への需要の転換・莫大な波及効果を市場にもたらすことが期待される。

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境経済課
課長:佐野郁夫(6260)
 課長補佐:田中 稔(6251)
      平田哲人(6275)
 担当:  相澤佑輔(6270)

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