報道発表資料

平成16年3月24日
自然環境
この記事を印刷

大分県、京都府の高病原性鳥インフルエンザ発生地における野生鳥類のウイルス検査の結果について

 高病原性鳥インフルエンザ発生地で捕獲・採取した野生鳥類の検体について、鳥取大学でウイルス検査を行っていますが、既に「全ての検体で陰性」との結果が判明した山口県分に続き、大分県分も検査が完了し「全ての検体で陰性」との結果が判明しました。京都府分は検査の途中ですが、現在判明した範囲では高病原性鳥インフルエンザウィルスは検出されていません。
 

 国内での鶏等に係る高病原性鳥インフルエンザの発生を受け、科学技術振興調整費を活用して実施している「高病原性鳥インフルエンザ対策に関する緊急調査研究」により、山口県・大分県・京都府の各発生地周辺で野生鳥類を捕獲するとともに、水鳥等の糞を採取し、鳥取大学において鳥インフルエンザウイルス保有の有無に関する検査を進めてきました。このうち山口県分については、3月12日、「全ての検体で陰性」との結果が出ていました。

 今般、大分県の発生地で捕獲・採取した野生鳥類の検体については、全ての検体が陰性(インフルエンザウイルス不検出)であることが判明しました。

 また、京都府分については、一部の検体(カラス糞の一部)は検査中であるものの、それ以外の現在までに結果が判明した範囲では、高病原性鳥インフルエンザウイルスは検出されていないとのことです。なお、このうち、カモ類の糞1検体でA型インフルエンザウィルスが確認されましたが、H5型及びH7型ではない(通常カモ類が高い確率で持つという低病原性のウイルス)ことが判明しています。
 京都府丹波町の鳥インフルエンザ発生地周辺地域では、これまでに二次感染と思われる一部カラスの感染が確認されていますが、今回の鳥取大学の検査結果は、丹波町地区において、カラス以外の野鳥の間では高病原性鳥インフルエンザの感染が広がっていないことを示しています。

 以上、現在までに判明した範囲では、国内の3発生地とも、野鳥からの高病原性鳥インフルエンザの検出はなかったことになります。


1.大分県、京都府に関する調査の経緯

 1) 大分県
  2月16日  大分県・九重町の飼養チャボについて、鳥インフルエンザの発生を疑う旨県から農水省に連絡。翌17日に高病原性鳥インフルエンザ感染と確認。(国内発生2例目)
  2月24日  環境省職員を派遣し、発生地周辺の概況調査。
  3月4〜9日  自然環境研究センターが、周辺の野鳥生息状況の詳細調査。同時に、鳥取大学が行うウイルス検査のため、野鳥9種99羽、カモ類及びカラス類の糞231検体を採取
2) 京都府
  2月20日頃〜  京都府・丹波町の養鶏場で、多数の鶏死亡。
  2月26日  府から農水省に連絡。28日、高病原性鳥インフルエンザ感染が確認された。(国内発生3例目)
  3月1日  環境省職員を派遣し、発生地周辺の概況調査。
  3月3日  上記養鶏場から5km離れた養鶏場で、死亡鶏の簡易検査で陽性。5日、高病原性鳥インフルエンザ感染が確認された。(国内発生4例目)
  3月6〜11日  自然環境研究センターが、鳥取大学が行うウイルス検査のため、野鳥21種102羽、カモ類及びカラスの糞97検体を採取
  3月15日〜18日  自然環境研究センターが、周辺野鳥生息状況の詳細調査。同時に鳥取大学が行うウイルス検査のためカラスの糞59検体を採取

2.検査結果の概要

1)大分県での調査の野鳥検体と検査結果

検体の種類、野鳥名検査結果
捕獲した野鳥からの検体 渡り鳥  ジョウビタキ 1羽 陰性
 ツグミ 7羽 陰性
 カシラダカ 4羽 陰性
 ミヤマホオジロ 1羽 陰性
準渡り鳥  アオジ 3羽 陰性
留鳥  モズ 2羽 陰性
 ウグイス 2羽 陰性
 エナガ 3羽 陰性
 ホオジロ 76羽 陰性
合計  99羽   
  カモ類の糞 123 陰性
  カラスの糞  50 陰性
  ミヤマガラスの糞  58 陰性
注) [1] 本表の「渡り鳥」とは、日本で見られる個体のほぼ全てが海外から渡来する種を、「準渡り鳥」とは、日本で見られる個体の中に海外から渡来するものが一部含まれる種を示す。
  [1] 陰性とは、検体及び血清抗体ともにインフルエンザウイルスが検出されなかったことを示す。


2)京都府での調査の野鳥検体と検査結果

検体の種類、野鳥名検査結果
捕獲した野鳥からの検体 渡り鳥  ジョウビタキ 3羽 陰性
 トラツグミ 1羽 陰性
 シロハラ 7羽 陰性
 マミチャジナイ 1羽 陰性
 ツグミ  18羽 陰性
 カシラダカ 1羽 陰性
 アトリ 4羽 陰性
準渡り鳥  ルリビタキ 10羽 陰性
 アオジ 11羽 陰性
 ベニマシコ 1羽 陰性
 カワラヒワ 1羽 陰性
留鳥  コジュケイ 1羽 陰性
 ヒヨドリ 15羽 陰性
 アカゲラ 1羽 陰性
 モズ 3羽 陰性
 ウグイス 8羽 陰性
 エナガ 2羽 陰性
 シジュウカラ 5羽 陰性
 メジロ 1羽 陰性
 ホオジロ 5羽 陰性
 カケス 3羽 陰性
合計  102羽   
 カモ類の糞 49 陰性
 1 陽性(低病原性)
 カラスの糞 47 陰性
59 検査中
注) [1] 本表の「渡り鳥」とは、日本で見られる個体のほぼ全てが海外から渡来する種を、「準渡り鳥」とは、日本で見られる個体の中に海外から渡来するものが一部含まれる種を示す。
  [2] 陰性とは、検体及び血清抗体ともにインフルエンザウイルスが検出されなかったことを示す。

  〔参考〕

山口県調査で捕獲・採取した野鳥検体と検査結果(3月12日判明)
検体の種類、野鳥名検査結果
捕獲した野鳥からの検体 渡り鳥  アオシギ 1羽 陰性
 ジョウビタキ 4羽 陰性
 シロハラ 9羽 陰性
 ツグミ 16羽 陰性
 ミヤマホオジロ 4羽 陰性
 マヒワ 1羽 陰性
準渡り鳥  アオジ 8羽 陰性
 ウグイス 12羽 陰性
 ベニマシコ 9羽 陰性
 ルリビタキ 3羽 陰性
 カワラヒワ 1羽 陰性
留鳥  エナガ 4羽 陰性
 シジュウカラ 2羽 陰性
 ホオジロ 12羽 陰性
 モズ 3羽 陰性
 ヒヨドリ 1羽 陰性
 ミソサザイ 1羽 陰性
合計  91羽   
 カモ類の糞 140 陰性
 カラスの糞  50 陰性
注) [1] 本表の「渡り鳥」とは、日本で見られる個体のほぼ全てが海外から渡来する種を、「準渡り鳥」とは、日本で見られる個体の中に海外から渡来するものが一部含まれる種を示す。
  [2] 陰性とは、検体及び血清抗体ともにインフルエンザウイルスが検出されなかったことを示す。
連絡先
環境省自然環境局野生生物課
課長  :名執 芳博(6460)
 鳥獣保護業務室
 直通  :5521-8285
 室長  :渡辺  聡 (6470)
 専門官:中澤 圭一(6473)

文部科学省研究振興局ライフサイエンス課
 直通  :6734-4106
 課長  :戸谷 一夫(4360)
 補佐  :原  克彦 (4364)

ページ先頭へ