報道発表資料
環境省温室効果ガス排出量取引試行事業については、本年6月以来、参加企業からなる研究会を計8回開催し、自主削減目標の設定方法、排出量の算定方法など試行事業におけるルール設定について議論を行ってきたところである。
この度、試行事業におけるルール設定について参加企業間の合意ができるとともに、各参加企業が自主削減目標及び自主削減計画を策定し終えたため、12月から試行事業を開始し、第1回目の排出量取引を、12月16日~18日の3日間実施する。
各参加企業は、2003年度の間、排出削減に取り組むとともに、年度明けの来年4月に排出量を実際に算定し、検証機関による検証を受ける。また、削減目標達成のため、排出量取引を活用する。
環境省としては、本試行事業を通じ、排出量の算定・検証方法やクレジットの取引・移転手法等の技術的な知見を集積し、今後の制度立案の検討に生かしていく。
この度、試行事業におけるルール設定について参加企業間の合意ができるとともに、各参加企業が自主削減目標及び自主削減計画を策定し終えたため、12月から試行事業を開始し、第1回目の排出量取引を、12月16日~18日の3日間実施する。
各参加企業は、2003年度の間、排出削減に取り組むとともに、年度明けの来年4月に排出量を実際に算定し、検証機関による検証を受ける。また、削減目標達成のため、排出量取引を活用する。
環境省としては、本試行事業を通じ、排出量の算定・検証方法やクレジットの取引・移転手法等の技術的な知見を集積し、今後の制度立案の検討に生かしていく。
1.本事業の目的
○ | 排出量取引は、市場メカニズムを活用し、地球温暖化対策に率先して取り組んだ努力に報いるとともに、社会全体としてより低いコストで温室効果ガスを削減できる手法。 |
○ | 本事業を通じ、排出量取引制度が必要とされた場合における技術的な手法(排出量の算定・検証、クレジットの取引・移転等)に係る知見を集積する。 |
2.参加企業
○ | タイプI(企業単位の自主削減目標を設定) | : | 31社 |
○ | タイプII(国内において温室効果ガス排出削減プロジェクトを実施) | : | 11社(うち6社はタイプIとしても参加) |
※ | このほか、オブザーバー参加が25企業・団体(うち5企業はトレーダーとして取引に参加) |
3.タイプIについて
○ | 削減目標 | |
・各企業が、2003年度の自主削減目標を設定 | ||
・目標設定方式は、[1]総量規定方式 [2]原単位規定方式 [3]削減量規定方式 の3種類から、各企業が選択。 | ||
○ | 各企業は、2003年度における排出削減計画を作成 | |
○ | 年度明け(来年4月)に、各企業は、環境省の「事業者からの温室効果ガス排出量算定ガイドライン(試案)」に基づき、排出量を算定。 | |
○ | 来年5月に、各企業は検証機関による排出量の検証を受ける。(「事業者からの温室効果ガス排出量検証ガイドライン(試案)」(今年度策定予定)による。) | |
○ | 来年6月に、検証された排出量、保有する排出枠・クレジットの量から、目標達成状況を確認する。 |
4.タイプIIについて
○ | プロジェクト実施者は、プロジェクト設計書を作成し、検証機関によるプロジェクト設計書の審査(有効化審査)を受けた上で、排出削減プロジェクトを実施する。 | |
○ | 来年4月に、プロジェクト実施者は実際の排出量及び削減量を算定し、5月に検証機関による検証を受ける。 |
5.排出枠等の取引・移転
○ | 仮想の取引市場を設け、事務局が仲介する。実際の金銭のやりとりは行わない。 | ||
○ | 取引市場の開設時期は、1クール3日とし、計4クール開設。 | ||
・第1回 12月16日~18日 | |||
・第2回 来年2月2日~4日(予定) | |||
・第3回 来年3月22日~24日(予定) | |||
・第4回 来年5月~6月の3日間 | |||
○ | 排出枠の発行・保有・移転は、環境省と経済産業省が共同で整備を進めている京都議定書に係る国別登録簿に、本試行事業用の機能を付加したものを用いて実施する。 | ||
○ | 排出枠等の交付時期 | ||
・総量規定方式の目標を持つ企業 | |||
...試行事業開始時(12月)に目標総量に相当する排出枠を交付。その時から売却可能。 | |||
・原単位規定方式又は削減量規定方式の目標を持つ企業、プロジェクト実施者 | |||
...年度明けに、削減量について検証機関による検証を受けてから、認証された削減量に応じて、クレジットを交付。 | |||
※ | そのほか、事務局から、仮想のCER(クリーン開発メカニズム(CDM)によるクレジット)を一定量、取引市場に売却する。 |
6.検証機関
○ | 本試行事業における排出量等の検証は、CDMに係る指定運営組織(審査機関)の候補団体が実施する。 |
7.スケジュール
(2003年) | |||
○ | 6月~10月 | 計8回、参加企業からなる研究会を開催 (排出量取引に関する国内外の動向を調査した上で、排出量の算定・検証、取引の手法や排出量取引の制度の在り方について議論し、本試行事業の内容を決定) |
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○ | 11月 | 各企業は削減目標設定・削減計画策定 | |
○ | 12月 | 排出枠の交付(総量規定方式) プロジェクト設計書の有効化審査(プロジェクト実施者) 各企業における対策実施(~3月) 1回目の取引期間(12月16日~18日) |
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(2004年) | |||
○ | 2月 | 2回目の取引期間(2月2日~4日(予定)) | |
○ | 3月 | 3回目の取引期間(3月22日~24日(予定)) | |
○ | 4月 | 各参加主体は排出量を算定 | |
○ | 5月 | 排出量の検証・認証 クレジットの交付(原単位目標方式、削減量規定方式、タイプII参加者) |
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○ | 5月~6月 | 最終取引期間(3日間) | |
○ | 6月 | 最終的な目標達成状況の確認 事業結果の総合評価 |
※各参加企業の社名は原則非公開
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局地球温暖化対策課
課長: 清水 康弘 (6770)
補佐: 小笠原 靖 (6796)
担当: 佐川 裕 (6781)