3月28日(金)の閣議において、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案の閣議決定が予定されている。本法案は、1 廃棄物の減量化・リサイクルを推進するとともに、2 廃棄物処理施設等の信頼性・安全性の向上や、3 不法投棄対策の強化を図るための総合的な対策を講じることにより、廃棄物の適正な処理を確保しようとするものである。
[主な改正の内容]
○ |
リサイクル推進のための規制緩和 |
(1) |
一定の廃棄物の再生利用については、これを行う事業者に対し、国が生活環境保全上の支障がない場合等の基準を定めて、これに適合していることを認定する。 |
(2) |
認定を受けた者については、廃棄物処理業及び施設設置の許可を不要とする。 |
○ |
多量排出事業者における減量化の推進 |
○ |
施設設置手続きの明確化 |
(1) |
施設設置の許可申請書に生活環境影響調査の結果を記載した書類を添付 |
(2) |
申請書等の縦覧、関係住民・市町村の意見聴取 |
(3) |
設置許可に当たっての地域の生活環境への配慮 |
○ |
施設設置者による維持管理状況の記録・閲覧 |
○ |
最終処分場における適正な維持管理の確保 |
(1) |
埋立終了後の維持管理費用の積立金制度の導入(環境事業団に積立て) |
(2) |
最終処分場の廃止の確認(これまでは「届出」。また、技術上の基準の設定は、環境庁・厚生省共管) |
○ |
処理業者の許可要件の強化等 |
(1) |
欠格要件の追加(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の違反者等の追加) |
(2) |
廃棄物処理業者の名義貸しの禁止 |
○ |
廃棄物管理票(マニフェスト)制度の拡充 |
(1) |
すべての産業廃棄物に適用(従来は、特別管理産業廃棄物のみ) |
(2) |
電子情報化○罰金額の大幅引き上げ等罰則の強化 |
○ |
原状回復のための措置 |
(1) |
不適正処理の場合の措置命令の対象範囲の拡大 |
(2) |
地方公共団体が原状回復を行った場合の、原因者に費用負担を求める手続きの特例措置 |
(3) |
投棄者不明等の場合の原状回復に必要な資金の手当て等(指定法人(産業廃棄物適正処理推進センター)が原状回復の実施に協力。財源は、事業者等からの任意拠出による基金。) |
(参考1)
廃棄物問題に係る環境庁の今後の取り組み
環境庁は、廃棄物処理法に基づく廃棄物の最終処分等に係る基準の設定を所管しており、今後、これらの基準の強化について具体的検討を進めるとともに、環境保全の責任官庁として、廃棄物による環境負荷の低減に向けて、関係省庁とも連携しつつ、製品の製造から最終処分に至る各段階における総合的な廃棄物・リサイクル対策に取り組むこととしている。
具体的には、当面、以下の事項について取り組みを進める予定。
{1} |
最終処分及び最終処分場に係る基準の見直し・強化を行うとともに、将来にわたって土壌や地下水の汚染を生じないよう最終処分場の閉鎖基準の整備を行うこと等により、最終処分場の安全性を確保すること。 |
{2} |
ダイオキシンに係る規制的措置の導入を含め、廃棄物処理施設に係る大気汚染防止対策、水質汚濁防止対策の強化を図ること。 |
{3} |
廃棄物・リサイクル対策の総合的な目標の設定や、リサイクルにおける環境配慮といった、循環型社会の形成に向けた全般的な課題について検討を進めること。 |
(参考2)
中環審廃棄物部会「中間とりまとめ」提言事項と廃棄物処理法改正
中央環境審議会廃棄物部会は、1月31日に「最終処分を中心とする中間とりまとめ」を行った。環境庁ではこれを受けて、厚生省に対し「中間とりまとめ」の提言が廃棄物処理法の改正に適切に反映されるよう要請している。 以下に、「中間とりまとめ」において提言された事項と廃棄物処理法改正案との対応を示す。
「中間とりまとめ」提言事項 |
廃棄物処理法改正案 |
《最終処分に関する事項》 |
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○最終処分場の類型等 |
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・類型及び構造・維持管理の見直し |
○:生活環境影響調査の申請書への添付 |
・すべての最終処分場設置を許可制 |
○:設置許可要件として、周辺の生活環境への適正な配慮を規定 |
・立地の際の配慮、事前の環境調査 |
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・搬入管理の強化 |
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・水質検査の徹底 |
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・地域の実情の即した水質汚濁防止対策の強化 |
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・行政による監視体制の充実 |
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○搬入の前段階での対応 |
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・排出事業者による有害物質回収、廃棄物の分別、性状確認 |
○:マニフェストの適用対象を、特別管理産業廃棄物からすべての産廃へ拡大 |
・マニフェスト制度の適用拡大 |
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・保管・積み替えの際の混合禁止等 |
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○埋立終了後の管理 |
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・行政による最終処分場廃止の確認 |
○:都道府県知事による廃止の確認 |
・長期的な維持管理を確保する制度 |
○:維持管理積立金制度 |
・土地の掘削等の利用に伴う汚染防止 |
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・最終処分場跡地の情報提供 |
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○不適正処理への対応 |
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・取締り等の強化 |
○:罰則の強化 |
・適切かつ迅速な原状回復 |
○:地方公共団体による原状回復、適正処理センターの協力 |
○その他 |
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・既設の処分場への新規制の適用 |
○:設置許可申請書等の縦覧 |
・情報公開 |
○:市町村長等の意見提出 |
・最終処分場の計画的整備 |
○:維持管理に係る記録の閲覧 |
・処理業者の質の向上 |
○:暴力団の排除等 |
- 連絡先
- 環境庁水質保全局企画課海洋汚染・廃棄物対策室
課 長:柳下正治(6610)
調 査 官 :八木美雄(6611)
課長補佐:笠井俊彦(6612)
室長補佐:高橋康夫(6621)
室長補佐:小田 誠 (6621)