報道発表資料
環境省では、平成13年2月に公表した「事業者の環境パフォーマンス指標-2000年度版-」を改訂するため、昨年10月に設置した学識経験者、企業担当者等からなる「事業者の環境パフォーマンス指標に関する検討会」において議論を重ね、本年1月に公表した公開草案に対して寄せられたご意見を踏まえて、「事業者の環境パフォーマンス指標ガイドライン-2002年度版-」としてとりまとめました。
1.「事業者の環境パフォーマンス指標」の趣旨事業者が自主的積極的な環境への取組を効果的に進めていくためには、活動が環境に与える影響、環境への負荷やそれに係る対策の成果(環境パフォーマンス)等を、的確に把握し、評価していくことが不可欠であり、その把握、評価の際に必要となるものが、環境パフォーマンス指標です。環境パフォーマンス指標は、事業者が内部の評価・意思決定の際に自ら活用すること、また、事業者が環境報告書などを通して公表する際に、関連する定性的な情報とともに活用することにより、事業者の環境への取組を促進するものであり、また社会全体で環境への取組を進めるための重要な情報基盤となるものです。
2.改訂の経緯
環境省では、平成13年2月に「事業者の環境パフォーマンス指標-2000年度版-」を策定し、広く普及してきたところです。平成13年度には、ガイドラインをより有用なものにするため、21社の民間企業の参加による『「事業者の環境パフォーマンス指標(2000年度版)」の試行に係る事業』を実施し、事業者の立場から見た課題の抽出を行いました。この結果を踏まえて、事業者にとって一層使いやすいもので、かつ、持続可能な社会の構築に向けた環境政策や環境経営の進捗の状況に沿ったものとするために、今回の改訂を行いました。
3.改訂の要点
事業者にとってより使い易い指標を整備することを目的として、従来の指標80項目について見直すとともに、「マテリアルバランス」の観点から、コア指標9項目とそれを補完するサブ指標とに整理したほか、従来の業態別コア指標をなくすなどの改訂を行いました。
なお、主なコア指標については、環境省の環境報告書データベース2002年度版において、各企業がその数値を掲載できるようになっています。(環境報告書データベースのURL:http://www.kankyohokoku.jp/)
ガイドラインの構成は次のとおりです。
序章 | ガイドライン改訂の趣旨 |
I章 | 環境パフォーマンス指標の目的 |
II章 | 既存ガイドライン等との関係 |
III章 | 環境パフォーマンス指標が備えるべき要件 |
IV章 | 環境パフォーマンス指標の枠組み |
V章 | 環境パフォーマンス指標による評価 |
VI章 | 個別指標の要点 |
終章 | 環境パフォーマンス指標確立に向けた今後の課題 |
4.事業者の環境パフォーマンス指標に関する検討会委員 (敬称略、座長以外五十音順)
座長 | 山本 良一 | 東京大学国際・産学共同研究センター長 | |
天野 耕二 | 立命館大学理工学部環境システム工学科教授 | ||
大野 郁宏 | 株式会社西友 環境推進室 | ||
川野 明子 | 元日本電気株式会社 | ||
倉阪 秀史 | 千葉大学法経学部総合政策学科助教授 | ||
後藤 敏彦 | 環境監査研究会 代表幹事 | ||
笹之内 雅幸 | トヨタ自動車株式会社 環境部渉外グループ担当部長 | ||
奈良 恒雄 | 住友化学工業株式会社 レスポンシブル ケア室主席部員 | ||
二瓶 啓 | 日本製紙株式会社 環境部長 | ||
古田 清人 | キヤノン株式会社 環境企画部長 | ||
森口 祐一 | 独立行政法人国立環境研究所 資源管理研究室長 | ||
森下 研 | 株式会社エコマネジメント研究所 代表 | ||
横山 宏 | 株式会社日立製作所 環境本部主管技師長 | ||
吉田 陽 | 宝酒造株式会社 環境チームマネージャー |
5.今後の予定
事業者がこの指標を活用して環境パフォーマンスを集計する際に役立つような、環境パフォーマンス指標の詳細な定義(プロトコル)や集計範囲(バウンダリー)についての考え方や、事例をまとめて行きたいと考えています。
総合環境政策局 報告書
事業者の環境パフォーマンス指標ガイドライン-2002年度版-
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境経済課
課長:佐野 郁夫(6260)
補佐:川野 光一(6258)
担当:大中 博 (6252)