報道発表資料
環境省は、北九州学術・研究都市北部土地区画整理事業に係る環境影響評価書について、環境影響評価法第22条第2項の規定に基づき、環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成13年7月30日付けで国土交通大臣に対し、下記のとおり環境大臣意見を送付した。
【環境大臣意見】
本事業については、第1期事業(北九州学術・研究都市南部土地区画整理事業)において得られた環境保全のための知見及び経験も踏まえ、以下の事項を実施する必要がある。
1. | 自然環境 | ||
(1) | 水生生物の環境保全措置 | ||
[1] | ニッポンバラタナゴ、カゼトゲタナゴ、メダカ(以下、「バラタナゴ等」と言う)、カスミサンショウウオ、ニホンアカガエル(以下、「カスミサンショウウオ等」と言う)についての環境保全措置として生息地を新たに整備して移動することとされているが、保全される生息可能な環境への移動についても引き続き検討を行うこと。 また、新たに生息地を整備する際には、生息環境の整備、移動等に関する実験結果等も踏まえ、最適な手法について更に検討し、慎重に実施すること。 上記検討にあたっては、専門家の意見を聴取した上で、現在の生息地の改変を行う前に最適な手法について検証し、計画に確実に反映させること。 |
||
[2] | バラタナゴ等、カスミサンショウウオ等、ゲンジボタルについて、生息地を新たに整備して移動を行う場合にあっては、生息地及びその周辺の管理手法について、専門家の意見を聴取した上で検討すること。検討にあたっては、魚食性魚類の放流の禁止、希少種等の採取の禁止等の一般の公園利用による生息環境の悪化を防ぐ措置を講じる等、生息条件の確保に十分配慮すること。 | ||
(2) | 事後調査等の実施 | ||
[1] | 環境保全措置の対象となっている生物(バラタナゴ等、カスミサンショウウオ等、ゲンジボタル、キンラン、ホンドキツネ、イタチ類)の生息状況、繁殖状況について、事後調査を行い、効果を検証すること。効果が見られない場合にあっては、環境保全措置の再検討等、適切な措置を講じること。 | ||
[2] | ミサゴ、ハイタカ、ハヤブサの猛禽類については、工事中、供用後の周辺地域も含めた生息状況について事後調査を行い、評価書の予測結果と異なる影響が確認された場合は、専門家の意見を聴取した上で、適切な措置を講じること。 | ||
(3) | その他 | ||
[1] | 支障木については、事業の実施にあたり、伐採量を必要最小限とし、極力樹林地の保全に配慮するとともに、可能な限り移植する等により事業地内の緑化木として活用すること。 | ||
[2] | 工事中において、事後調査等の結果、新たな貴重な動植物が確認された場合は、専門家の意見を聴取した上で、これらの種の生息、生育環境に対する影響が最小限となるよう、適切な措置を講じること。 | ||
[3] | 県知事意見で指摘された昆虫類の保全についても、専門家の意見を聴取した上で、具体的な環境保全措置を検討すること。 (4)上記(1)~(3)について、その旨を評価書に記載すること。 |
||
2. | 大気環境 | ||
計画区域は既存の住宅等に近接しているとともに、計画区域周辺の道路交通騒音について環境基準を超過している地域があること等から、可能な限り環境影響の低減に努めるとともに、以下の措置を講じること。 | |||
(1) | 工事の実施中において、近接する住居等における大気質、騒音、振動の適切な監視を実施し、必要に応じ所要の対策を実施すること。 | ||
(2) | 上記(1)について、その旨を評価書に記載すること。 |
||
3. | 水環境 | ||
工事に伴う濁水の発生については、事前に施工計画等を十分に検討し、適切な濁水対策を講じること。また、施工にあたっては、十分な監視を行い、環境保全に万全を期すこと。 |
(参考) | 北九州学術・研究都市整備事業 |
||
北九州学術・研究都市整備事業は、3期に分け段階的に整備が行われる予定。 | |||
平成7年4月 | 都市計画決定 | ||
平成8年2月 | 着手 | ||
環境影響評価 | : | ||
環境影響評価 | : | アセス法により実施 |
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境影響評価課環境影響審査室
室 長:森谷 賢(6231)
審査官:東出 成記(6232)