報道発表資料

平成11年10月27日 この記事を印刷

平成9年度大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査報告について

環境庁では、長期的かつ予見的観点をもって、地域人口集団の健康状態と大気汚染との関係を定期的・継続的に観察し、必要に応じて所要の措置を講ずるために、大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査を、平成8年度から毎年実施している。
 平成9年度においては、全国36地域の約7万9千人の3歳児を対象に調査が実施され、今般その報告書が以下のように取りまとめられた。
 なお、地域人口集団の健康状態と大気汚染との関係については、長期にわたる変動傾向からの判断が必要となるため、環境庁では、引き続き実施される本調査により、継続的なデータの収集を行い、必要な評価・解析を行うこととしている。

  【平成9年度調査結果】

  1.  大気汚染物質(NO2、NOX、SO2及びSPM)及び呼吸器症状への影響が推測される大気汚染物質以外の要因(アレルギー素因、受動喫煙、ペットの有無等)が、どの程度ぜん息の有症率を高めるかについて行った検討では、NO2 10 ppb 増加あたり 1.02、NOX 10 ppb 増加あたり 1.01、SO2 10 ppb 増加あたり 1.01、SPM 10 μg/m3 増加あたり 1.01 のオッズ比*が観察されたが、統計学的に有意とは言えなかった。また、大気汚染物質以外の要因については、性差(男児>女児,オッズ比 1.70 )、受動喫煙の指標としての母の家庭内喫煙(あり>なし,オッズ比 1.41 )、アレルギー素因に関しては、本人のアレルギー素因(あり>なし,オッズ比 2.45 )及び親のアレルギー素因(あり>なし,オッズ比 2.09 )において比較的大きなオッズ比が観察され、また、統計学的にも有意であった。
  2.  調査票に記載された住所から個々の対象児ごとに推定した大気汚染物質濃度(対象者別背景濃度)と呼吸器症状(ぜん息、ぜん鳴等)との間には、全濃度区分を通して一定の傾向はみられなかった。
  3.  呼吸器症状有症率の地域間における比較検討では、対象者別背景濃度の地域ごとの平均値とその地域における呼吸器症状有症率との間には、濃度の高い地域ほど有症率が高いという傾向を示すものはなかった。

  【平成8年度と平成9年度調査の比較】

  1. 大気汚染状況については、両年度間で変化はみられなかった。
  2. 呼吸器症状について両年度を比較すると、ぜん鳴(平成8年度 13.86 % → 平成9年度 15.06 %)、かぜひき回数( 24.68 % → 24.37 %)、ぜん息( 1.83 % → 3.41 %)となっていた。
  3. ぜん息有症率の増加については、調査対象地域における大気汚染状況の推移をみる限り、大気環境の悪化による変化とは考えられなかった。
*オッズ比: 二つの群におけるリスクの比を表す。
例)  ある疾患について、男の女に対するオッズ比が1より大きければ、その疾患の有症率が女に比べ男が大きいことを示す。

平成9年度大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査報告書
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連絡先
環境庁企画調整局環境保健部保健企画課保健業務室
室   長 :佐藤 裕道(6320)
 室長補佐 :池田 三恵(6322)
 主   査 :江野 英夫(6327)

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