報道発表資料

平成11年3月30日 この記事を印刷

人工衛星搭載用オゾン層観測センサー(ILAS―II)の完成について

環境庁は、従来より、人工衛星を活用したオゾン層の状況等の観測に取り組んできている。このたび、平成8年に打ち上げたオゾン層観測センサー(ILAS)の後継機にあたるILAS−IIの機器開発が完了したので、本日、宇宙開発事業団(NASDA)に引き渡し、衛星本体(ADEOS−II)に組み込むこととなった。ILAS−IIは、ILASの原理を踏襲しつつその測定能力の高度化を図った、世界でも最高水準のオゾン層観測センサーであり、衛星搭載後の最終試験を経て、平成12年11月に打ち上げられる予定である。  

1. 背景
 環境庁は、平成6年より、人工衛星搭載用オゾン層観測センサー「ILAS−II (Improved Limb Atmospheric Spectrometer II: 改良型大気周縁赤外分光計II型)」の 開発を進めてきたところであるが、今般、機器開発を終了し、本日、宇宙開発事業団に 引き渡し、衛星本体(ADEOS−II)に組み込むこととなった。なお、ILAS−II の開発は、松下技研株式会社が担当している。

2. 衛星センサー開発の概要
  ILAS−IIは、平成8年に打ち上げられたILASの後継機として開発された衛星 センサーであり、ILASの測定原理を踏襲しながら、より高性能化を図っている。

(1) ILAS−IIは、極軌道を飛翔する衛星の各周回の日の出、日没時に、成層圏を 透過し、地球周縁方向から入射する太陽光の赤外域および可視域のスペクトルを観測 することにより、両極域の(北緯57〜72度、南緯65〜90度)の高度8〜60 kmにおけるオゾン(O3)、硝酸(HNO3)、メタン(CH4)、酸化窒素 (N2O、NO2)、水蒸気(H2O)、フロン(CFC−11、CFC−12)、 硝酸塩素(ClONO2)、エアロゾル、大気温度・密度等の鉛直分布を高度分解能 1km、精度5%(O3については1%)以下で測定するものである。
(2)

ILAS−IIは、オゾンを測定するための外国の衛星センサーと異なり、

  • 対象物質の高度分布を測定できること。
  • 世界最高水準の精度でオゾン濃度を測定できること。
  • オゾン層の破壊に関する多数の物質を同時測定できること。

などの特徴をもつ世界最高水準の性能のオゾン層観測センサーである。

(3) ILAS−IIは宇宙開発事業団に引き渡された後、地球観測技術衛星(ADEO S−II)に組み込まれ、衛星システム全体としての各種試験を行った後、平成12年 11月にH2Aロケットで打ち上げられる予定である。ILAS−IIによって得られ た観測データは、国立環境研究所にて処理した後、広く公開し、オゾン層保護に関す る各種研究等に役立てる予定である。
連絡先
環境庁企画調整局地球環境部環境保全対策課研究調査室
室   長 :森 秀行(6743)
 室長補佐 :水野 理(6746)

ページ先頭へ