報道発表資料

平成26年12月9日
総合政策
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(仮称)尻別風力発電所環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について(お知らせ)

 環境省は、9日、北海道で計画されている「(仮称)尻別風力発電所」に係る環境影響評価準備書(風力開発株式会社)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
本事業は、北海道寿都郡寿都町及び磯谷郡蘭越町において、総出力26,000kWの風力発電設備を新たに設置するものである。
 環境大臣意見では、調査が実施されていない改変区域において動植物調査を実施し、環境保全措置を講ずることや、生態系上位種であるノスリへの影響低減のため、再評価を行い、その結果に応じて基数の削減、配置の見直し等の影響低減措置を再検討すること、バードストライクに関する事後調査において、重大な影響が認められた場合には、環境保全措置として、一定期間の稼働停止についても検討すること等を求めている。

1.背景

 環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して意見を述べることができるとされている。
 本件は、風力開発株式会社の「(仮称)尻別風力発電所」に係る環境影響評価準備書について、この手続に沿って意見を提出するものである。
 今後、事業者は、環境大臣及び関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。
※環境影響評価準備書:環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測及び評価、環境保全対策の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。

2.事業の概要

 本事業は、北海道寿都郡寿都町及び磯谷郡蘭越町において、総出力26,000kWの風力発電設備を新たに設置するものである。
 風力発電設備が設置される場所は、海岸部、雷電山山麓部及び尻別川河口部南側の尾根の3箇所に分かれており、海岸部は砂浜から続く砂丘状の地形で、過去に改変された土地を主とする。雷電山山麓部は牧草地となっており、尻別川河口部南側の尾根は、牧草地、ササ草地や、エゾイタヤ等の落葉広葉樹林となっている。

3.環境大臣意見の概要

(1)動物への影響について

1)調査の実施について

  1. ⅰ)文献調査が不十分であるため、再度文献調査を行うこと。
  2. ⅱ)事業実施区域で魚類調査を行っていない河川について補足調査を行い、環境保全措置を講ずること。
  3. ⅲ)動物調査が実施されていない箇所については、補足調査を実施し、環境保全措置を講ずること。また、必要に応じて事後調査を実施すること。

2)バードストライクについて

  1. ⅰ)7号機、8号機、11号機、12号機、13号機周辺においては、11月から2月までの期間に猛禽類の追加調査を実施し、その結果も加えて予測及び評価を行い、専門家の助言も踏まえ、環境保全措置を実施すること。
  2. ⅱ)供用後においてバードストライク事故が発生した場合の対応措置について、事故の確認・報告、連絡体制、原因の解明、防止措置、死骸・傷病個体への対処等を定めて実施すること。
  3. ⅲ)バードストライクに関する事後調査において、重大な影響が認められた場合には、環境保全措置として、一定期間の稼働停止についても検討すること。

(2)植物への影響について

 一部で調査が行われておらず、生育環境の保全や移植を行うべき重要な種の生育も確認できていない区域があるため、追加調査を行って重要な種を再選定し、改めて生育環境保全を基本とする環境保全措置を検討し直し、実施すること。

(3)生態系への影響について

1)基数及び配置等の再検討

 1号機から8号機が設置される予定の区域は、対象事業実施区域及びその周辺区域の中でも、生態系上位種であるノスリの飛翔、特に採餌に関わる行動が繁殖期、非繁殖期を問わず多い。これは当該地が、風を受けやすい地形的要素やノスリが採餌場として選好する環境を有するためと考えられ、このような場所での風力発電設備の設置に際しては、事後調査等の事後対応だけでなく、計画段階から影響の回避及び低減を図ることが必要である。
 このため、1号機から8号機については、専門家等からの助言を踏まえて再評価を行い、その結果に応じて基数の削減、配置の見直し等の影響低減措置を再検討し、ノスリへの影響の低減を図ること。

2)バードストライク発生時の対応措置

(1)2)ⅱ)と同じ。

3)重大な影響が認められた場合の対応措置

(1)2)ⅲ)と同じ。

(4)景観への影響について

 視点場から主要な景観資源である雷電山を眺望する場合の景観影響については、雷電山火山群を対象として予測及び評価を行った上、景観影響の回避及び低減を図ること。

なお、人と自然のふれあい活動の場でもある磯谷高原からの上記景観影響の回避及び低減を図る際には、当該地から眺望する羊蹄山の景観に影響を与えないよう努めるとともに、利用体験への影響(風力発電設備の稼働による音が利用体験に与える影響も含む。)を回避、低減又は代償するよう努めること。

4.その他

 本件は、「発電所設置の際の環境アセスメントの迅速化等に関する連絡会議中間報告」(平成24年11月27日、環境省・経済産業省)に基づき、審査期間の短縮に取り組むこととした案件である。

【参考】

○事業概要
・名称 (仮称)尻別風力発電所
・事 業 者 風力開発株式会社
・計画位置 北海道寿都郡寿都町及び磯谷郡蘭越町
・出力 合計26,000kW(2,000~2,300 kW/基×最大13基)

○環境影響評価手続(環境影響評価法及び電気事業法に基づく手続)
【方法書の手続】
・縦覧        平成24年5月29日~平成24年6月28日(住民等意見なし)
・経済産業大臣勧告  平成24年11月30日
【準備書の手続】
・縦覧        平成26年7月23日~平成26年8月22日(住民等意見3件)
・北海道知事意見提出 平成26年12月5日
・環境大臣意見提出  平成26年12月9日

添付資料

連絡先
環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長  :神谷 洋一(内6231)
室長補佐:相澤 寛史(内6233)
審査官 :田中  準 (内6248)
担当  :具志堅洋介(内6232)
電話  :03-3581-3351(代表)
     03-5521-8237(直通)

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