報道発表資料

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2014年11月28日
  • 自然環境

国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)生物多様性地域セミナー in 北海道の開催結果について

 国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省、北海道及び札幌市は、11月16日(日)に北海道札幌市において、市民、企業、NPO/NGO及び自治体の方々を対象に「生物多様性地域セミナーin北海道」を開催しました。
 地球いきもの応援団の一人である小菅正夫さんの講演、UNDB-Jキャラクター「タヨちゃんサトくん」、北海道キャラクター「えこ之助」と札幌市キャラクター「カッコー先生」による「生物多様性キャラクター応援団共同宣言式」のほか、愛知目標の達成に向けた地域での活動事例等の発表やテーマ別に行う動物園ガイドツアーを通じて生物多様性の保全のためにできることを考えるエクスカーションを行いました。

UNDB-J生物多様性地域セミナー in 北海道の開催結果について

■概要
1.日時
平成26年11月16日(日)12:30~16:00(開場12:00)
2.会場
札幌市円山動物園 動物科学館ホール(北海道札幌市中央区宮ケ丘3-1)
3.主催等
主催:
国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省、北海道、札幌市
共催:
北海道生物多様性保全活動連携支援センター(HoBiCC)、生物多様性自治体ネットワーク
4.出席者数
約90名 (関係者含む)

式典写真1
式典での記念撮影

式典写真2
会場の様子

■開催結果

1.開会式

古田氏顔写真
UNDB-J委員・日本旅行業協会北海道支部長
古田 和吉 氏

川城氏顔写真
北海道 環境生活部長
川城 邦彦 氏

長岡氏顔写真
札幌市 環境局長
長岡 豊彦 氏

田中氏顔写真
札幌市円山動物園長
田中 俊成 氏

2.式典

(1)生物多様性キャラクター応援団共同宣言式

式典写真キャラクター応援団(写真左から)
UNDB-J「タヨちゃんサトくん」
北海道「えこ之助」
札幌市「カッコー先生」

UNDB-Jキャラクター「タヨちゃんサトくん」、北海道の環境忍者「えこ之助」と札幌市生物多様性PRキャラクター「カッコー先生」が登場して、今後協力して生物多様性に関する普及啓発に取り組むため「生物多様性キャラクター応援団共同宣言式」を行いました。

(2)生物多様性リーダー任命式

式典写真リーダー任命式地球いきもの応援団
小菅 正夫 さん

地球いきもの応援団の一人である小菅正夫さん(前旭山動物園園長)が国民一人ひとりが生物多様性の大切さを理解して行動に移せるように先導する「生物多様性リーダー」に任命されました。

3.講演 「動物園で知る生物多様性」

式典小菅さん講演生物多様性リーダー
地球いきもの応援団
小菅 正夫さん

動物園で見ることのできる動物たちの野生の姿を映像で見ながら、温暖化や森林破壊など人間活動による影響で危機にさらされている状況を説明されました。また、コウモリやツバメの群れが1日で数十トンにも及ぶ昆虫を食べている事例などを交え、小さな生き物こそが生物多様性を支えていること、足元の自然を大事にすることが生態系や生物多様性の保全につながるとお話しいただきました。

4.発表1 UNDB-Jの活動状況と生物多様性をめぐる最近の話題

式典発表1環境省 自然環境局 自然環境計画課
生物多様性施策推進室 環境専門員
井上 浩二

UNDB-Jが推進する生物多様性アクション大賞、UNDB-J認定連携事業、子供向け推薦図書「生物多様性の本箱」などUNDB-Jの活動状況のほか、生物多様性をめぐる最近の話題について紹介しました。

5.発表2 地域での活動事例等の発表

(1)北海道内における最近の動向

式典写真石井氏北海道 環境生活部 生物多様性保全課
主査
石井 弘之 氏

北海道が昨年3月に制定した「北海道生物の多様性の保全等に関する条例」、札幌市の「生物多様性さっぽろビジョン」、シカ猟での鉛弾の所持禁止、ヒグマへの餌やり禁止、市民参加による外来種拡大防止「セイヨウオオマルハナバチバスターズ」、北海道生物多様性保全活動連携支援センター(HoBiCC)等の取組みについて紹介しました。

(2)JTB地球いきいきプロジェクト 【UNDB-J認定連携事業】

式典写真篠原氏(株)JTB北海道 総務部 総務マネージャー
篠原 一朗 氏

'85年から社員がお客様、地域と一緒に全国の観光地で取組んできた清掃活動を2012年に「地球いきいきプロジェクト」と改名されたことや、清掃活動に加え、生物多様性や伝統文化、観光名所づくりなどのプログラムを展開していることを説明されました。また、北海道で実施した「白老ウヨロ川サケの遡上鑑賞と環境保全活動」についても紹介されました。

(3)円山動物園の生物多様性保全の取組み(動物園・水族館種保存事業) 【UNDB-J認定連携事業】

式典写真柴田氏札幌市円山動物園 飼育展示課長
柴田 千賀子 氏

「人と動物と環境の絆をつくる動物園」を基本理念とした、環境教育、生物多様性確保の基地、メッセージ発信拠点としての円山動物園の取組みを紹介されました。その他、日本ザリガニの飼育など生物多様性の確保に向けた活動、自然豊かな円山エリアの中核施設として、動物園の森の生態系保全・観察等、後半のエクスカーションの紹介を含めお話しされました。

6.エクスカーション

(1)テーマ別の動物園ガイドツアー

4つのコースに分かれて、動物園職員の案内・解説を聞きながら、園内を見学しました。

○アジアゾーンにおける取組み

写真:アジアゾーンにおける取組み1

写真:アジアゾーンにおける取組み2

熱帯雨林や高山などアジアの多様な環境にくらす希少種を見学し、飼育環境を維持するために使用しているペレットボイラーや雪冷房システム等、温暖化対策への取組みも学びました。

○北海道の動物と人間との関わり

写真:エゾシカ

写真:動物を見る人達

増えて食害などが問題となっているエゾシカ、人間との事故が多いエゾヒグマ、日本では絶滅したオオカミを観察し、動物と人間との関わりについて学びました。

○野生復帰について

写真:保護された猛禽類

写真:野生復帰施設を見学

北海道に生息する猛禽類の繁殖技術の確立やケガをして保護された猛禽類の野生復帰施設を見学し、希少な野生生物の野生復帰に向けた取組みについて学びました。

○動物園の森復元について

写真:動物園の森を積雪の中歩いて巡る様子1

写真:動物園の森を積雪の中歩いて巡る様子2

通常は非公開の動物園の森を積雪の中歩いて巡り、ニホンザリガニの飼育施設やビオトープを観察しました。外来種の駆除や植生の観察など、身近な自然保護の取組みを学びました。

(2)エクスカーション報告会

写真:エクスカーション報告会1

写真:エクスカーション報告会2

エクスカーション後に、グループごとで意見交換を行いました。各グループのリーダーからエクスカーションの概要を報告し、参加者から感想を発表しました。

7.閉会挨拶

徳丸氏の挨拶環境省 北海道地方環境事務所長
徳丸 久衛

8.UNDB-J推薦子供向け図書「生物多様性の本箱」の展示等

写真:展示の様子セミナーの会場で、生物多様性の解説パネルやUNDB-J推薦子供向け図書「生物多様性の本箱」の展示を行いました。

【参考】

○「国連生物多様性の10年日本委員会」(UNDB-J)

2011年から2020年までの10年間は、国連の定めた「国連生物多様性の10年」です。生物多様性条約第10回締約国会議(2010.10愛知県名古屋市)で採択された、新たな世界目標である「愛知目標」の達成に貢献するため、国際社会のあらゆるセクターが連携して生物多様性の問題に取り組むこととされています。

これを受け、愛知目標の達成を目指し、国内のあらゆるセクターの参画と連携を促進し、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取組を推進するため、「国連生物多様性の10年日本委員会」(UNDB-J)が2011年9月に設立されました。

 (ウェブサイト)  http://undb.jp/

 (Facebookページ) https://www.facebook.com/UNDBJ

○生物多様性キャラクター応援団

 国民一人ひとりに生物多様性に対する認知や理解を広げ、国民運動として取組を促進するため、2012年9月に旗揚げした広報組織です。広く様々なキャラクターからの入団申請を募集中です。セミナー等における「生物多様性キャラクター応援団共同宣言式」の実施、生物多様性マガジン「Iki・Tomo(イキトモ)」での情報発信など、積極的な広報活動を行っています。

 (ウェブサイト)http://undb.jp/committee/team/chara/

○地球いきもの応援団、生物多様性リーダー

 「地球いきもの応援団」は、生物多様性の大切さを伝え、具体的な行動を促すため、様々な場面で広報活動を担っていただく著名人による広報組織です。各メンバーには、生物多様性に関するイベント等において広報活動に御協力いただいています。

 さらに、地球いきもの応援団の中から、国民一人ひとりが生物多様性の大切さを理解して行動に移せるよう先導する「生物多様性リーダー」を任命しています。

 (ウェブサイト)http://undb.jp/committee/team/cheering/

○UNDB-J認定連携事業

 各セクターの参加と連携を促進するため、「にじゅうまるプロジェクト」の登録事業等の中から、UNDB-Jが推奨する連携事業を認定しています。

 UNDB-J認定連携事業については、UNDB-Jのロゴマークをご使用いただけるとともに、UNDB-Jとしても生物多様性全国ミーティングや生物多様性地域セミナー等において紹介するなど、積極的な広報活動を展開しています。

 (ウェブサイト)http://undb.jp/authorization/

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性施策推進室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-9108
室長  :堀上 勝  (内:6661)
室長補佐:速水 香奈 (内:6665)
担当  :井上 浩二 (内:6663)