報道発表資料
第四次環境基本計画(平成24年4月27日閣議決定)の進捗状況の第1回点検結果に関する中央環境審議会の報告が、平成25年12月20日(金)の閣議に報告されましたのでお知らせします。
今回の点検では、「経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進」「国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進」「持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進」「水環境保全に関する取組」「大気環境保全に関する取組」「東日本大震災からの復旧・復興に際して環境の面から配慮すべき事項」について、重点的に調査、審議が行われました。
1.環境基本計画の進捗状況の点検の趣旨
環境基本計画の着実な実行を確保するため、毎年、中央環境審議会が国民各界各層の意見も聴きながら、環境基本計画に基づく施策の進捗状況などを点検し、必要に応じ、その後の政策の方向性につき政府に報告します。本点検については、これまでに第一次環境基本計画の下で3回、第二次環境基本計画の下で3回、第三次環境基本計画の下で4回行われました。
今回の点検は、第四次環境基本計画が平成24年4月に閣議決定されてから最初の点検となります。
2.点検方法の概要
中央環境審議会総合政策部会において、各府省の取組状況、環境の各分野の指標の状況、国民及び地方公共団体へのアンケート調査等をもとに、点検が行われました。
点検に当たっては、第四次環境基本計画で記載された9つの重点分野から、重要的に点検を行う分野(重点点検分野)として、5つの重点分野を選定し、加えて、「東日本大震災からの復旧・復興に際して環境の面から配慮すべき事項」についても点検対象としました。また、特に焦点を当てて審議を行う項目(重点検討項目)を設定して、審議が進められました。
重点分野名等 | H25 | H26 | H27 | H28 |
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[1]経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進 | ○ | ○ | ○ | ○ |
[2]国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進 | ||||
[3]持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進 | ||||
[4]地球温暖化に関する取組 | ○ | ○ | ||
[5]生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組 | ○ | ○ | ||
[6]物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組 | ○ | ○ | ||
[7]水環境保全に関する取組 | ○ | ○ | ||
[8]大気環境保全に関する取組 | ○ | ○ | ||
[9]包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組 | ○ | ○ | ||
「復旧・復興」(H25)、「汚染回復等」 | ○ | ○ | ○ | ○ |
3.点検結果の概要
全体として、おおむね取組が進捗していることが確認されました。一方で、各分野において諸課題が残存している状況を踏まえ、これらの課題を解決するため、関係者が実施する今後の取組の改善の在り方について指摘がありました。
主な進捗状況及び今後の課題は以下のとおりです。
経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進
- ○
- SRI投資(社会的責任(社会・倫理・環境等)投資)が減少傾向にあることも踏まえ、環境分野の民間投資を促進するためのファンド等※の支援の拡大をはかるべき
- ※
- 平成25年度に創設した出資・利子補給を行う「地域低炭素促進ファンド」等
国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進
- ○
- 気候変動問題の解決に向けた国際交渉において、COP19で表明した「攻めの地球温暖化外交戦略」に基づくイノベーション・アプリケーション・パートバーシップの三本柱におけるアクションの実行などにより、リーダーシップを発揮すべき
持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進
- ○
- 平成26年11月に日本で開催される「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」に向けて、ESDの視点を重視した環境教育に関する取組を加速させるべき
大気環境保全に関する取組
- ○
- 大陸からの越境汚染や都市型汚染により、PM2.5の環境基準達成率は3割程度と低いことから、PM2.5の発生源や生成機構の解明を進めるなどして、現象解明や対策検討につなげていくべき
東日本大震災からの復旧・復興に際して環境の面から配慮すべき事項
- ○
- 被災地三県(岩手・宮城・福島)の災害廃棄物の約89%が処理・処分されており※、今後も、被災地域が安全・安心な生活を取り戻せるよう取組を進めるとともに、災害時にも環境関連施設が機能するように体制整備を進めるべきである。
- ※
- 平成25年10月末時点
参考
重点検討項目
1.経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進
- ・
- 経済・社会のグリーン化
- ・
- グリーン・イノベーションの推進
2.国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進
- ・
- 「グリーン経済」を念頭においた国際協力等
- ・
- 国際的な枠組みづくりにおける主導的役割
3.持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進
- ・
- 環境教育等の取組及びそれらの連携の強化に向けた取組
- ・
- 持続可能な地域づくりのための地域資源の活用及び地域間の交流等の促進
4.水環境保全に関する取組
- ・
- 健全な水環境構築のための取組
- ・
- 水環境改善のための取組
5.大気環境保全に関する取組
- ・
- 広域的な取組を重視した大気汚染対策の取組
- ・
- 排出ガス、騒音などの自動車に起因する環境負荷の低減に向けた取組
6.東日本大震災からの復旧・復興に際して環境の面から配慮すべき事項
- ・
- 持続可能な社会を目指す地域の復興に係る取組
添付資料
□第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について
□第四次環境基本計画の進捗状況・今後の課題について(概要)
連絡先)環境省総合環境政策局環境計画課
- 担当:
- 熊谷・髙梨
- TEL:
- 03-3581-3351(内線6280)
03-5521-8233(夜間直通) - FAX:
- 03-3581-5951
添付資料
- 連絡先
- 中央環境審議会総合政策部会(環境基本計画関係)事務局環境省総合環境政策局環境計画課
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8233)
課長 :近藤 智洋 (内線6220)
計画官 :山本 博之 (内線6227)
課長補佐 :迫田 健吉 (内線6274)
担当 :熊谷 克宏 (内線6224)
高梨久美子 (内線6280)