報道発表資料
この調査は、広く自然愛好家の参加を得て、「環境指標生物」となる身近な動植物の分布や生態を調べ、国土の身近な自然を診断しようというものである。
今回の調査では、10万人の参加者を目標とし、参加者に調査の対象とする「身近な林」を選んでもらい、四季を通じて同一場所で動植物の調査を継続し、得られたデータを集計、同定、解析することにより、全国各地の「身近な林」の環境診断を行い、生きものから見た環境の健全度の診断、環境の保全や改善のための基礎的資料を得ることを目指す。
なお、調査結果等は報告書にとりまとめ参加者に配布する。
また、調査の案内、中間集計、とりまとめ結果など調査に関する情報は、生物多様性センターWebページにも掲載し、公開する予定。
1.調査概要
「身近な生きもの調査」は、居住地周辺の(身近な)自然環境の動向を表している種(環境指標種)について、その分布や生態等を調べ、国土の身近な自然環境を診断するとともに、調査を通じて国民の身近な自然への関心を高め、その保全の必要性について理解を深めていくことに役立てる目的で実施している。
第3回自然環境保全基礎調査の一環として昭和59年度に初めて実施して以来、第4回(平成2年度)、第5回自然環境保全基礎調査(平成7・8・9年度)でも実施され、今回が4期目となる。
これまでの調査では、環境庁が募集した一般ボランティア(延べ30万名余り)の参加を得て、数少ない専門研究者だけでは困難な、いわゆる普通種や広域分布種の分布状況等が全国一律・一斉の調査によって把握された。
今回調査では、調査参加者が選んだ「身近な林」で、四季を通して同一場所で調査を行い、そこに生息・生育する動植物のうち、環境指標となる種の実物や写真などを送付してもらい、専門家による同定・解析を経て、全国各地の「身近な林」の環境診断を行い、生きものから見た環境の健全度の診断、環境の保全や改善のための基礎的資料を得ることを目指す。
なお、過去3回にわたる「身近な生きもの調査」は、動植物種に着目した調査であったが、今回の調査のように「身近な林」という場所に着目し、四季を通じて同じ場所で調査を行う試みは初めてである。
2.調査者
調査者は、本調査の趣旨を理解し、ボランティアとして参加協力する一般の自然愛好家とし、参加形態は、個人、団体を問わない。
なお、自然保護団体、自然研究会、学校の生物部、自然観察指導員、博物館あるいは民間企業の協力を積極的に求めるとともに、学校の行事あるいは授業、地方公共団体の自然観察会などの行事にも取り込んでもらうように働きかける。
3.調査期間
平成12年秋から平成13年夏まで約1年間
4.調査の内容
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調査参加者は、環境庁から送付する「調査のてびき」に沿って下記の調査を行い、その結果を季節ごとに環境庁に送付する。 |
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[1] | 調査対象として選んだ「身近な林」の環境を把握するための材料として、ドングリ、セミの抜け殻の実物の収集及び赤い実の写真等の撮影。 |
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[2] | 「身近な林」の季節により移り変わりを知る材料として、決まった場所から定期的に林の写真を撮影。 |
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(2) | 環境庁及び専門家は、調査参加者から送付された資料を集計、同定、解析し、生物の多様性、人との関わりなどの視点から「身近な林」の環境診断を行う。 |
5.調査結果
調査結果は、身近な林の環境やそこに生息する動植物の情報等を盛り込んだ報告書の形にまとめ、調査参加者に配布するとともに、生物多様性センターWebページなどを用いて公表する。
報告書は、調査結果から参加者が身の回りの自然環境の健全状況や変化について知り、今後の保護や管理のあり方を考えていただく基礎的資料となる。
なお、案内パンフレットの他、調査のてびき、調査票、中間集計等もWebページに順次掲載する。
Webページアドレス:http://www.biodic.go.jp/
6.参加申し込み方法
(1) | 案内パンフレットの入手方法 |
案内パンフレット入手希望者は環境庁自然保護局生物多様性センター「身近な生きもの調査」係まで必ずハガキまたはe-mailで申し込む。 (ハガキまたはe-mailには、「身近な生きもの調査案内パンフレット希望」と書き、郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号明記のこと。) 申込者には環境庁自然保護局生物多様性センターから案内パンフレット、申し込みカード、参加申込用封筒を送付する。 |
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(2) | 参加の申し込み |
参加希望者は、案内パンフレットに添付の申し込みカードに必要事項を記入し、返信用切手を同封の上7月31日までに環境庁自然保護局生物多様性センターあてに返送する。 生物多様性センターにおいて参加者登録した後、調査のてびき、調査票等を8月から順次送付する。 |
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(3) | 調査の開始 |
参加申込者は、調査のてびきと調査票が届き次第、調査に着手出来る。 |
Webページで案内パンフレット、調査のてびき、調査票等を掲載するが、7月31日までに申し込みカードによる参加の登録をしないで調査されても結果に反映できません。 なお、Webページに関する詳細な注意は、Webページの案内を参照のこと。 |
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申込先・問い合わせ先 | |
〒403-0005 山梨県富士吉田市上吉田剣丸尾5597-1 環境庁自然保護局生物多様性センター(身近な生きもの調査係) 電話0555(72)6033 e-mail mijika@biodic.go.jp |
(電話での問い合わせは、なるべく平日午前9時から17時の間にお願いします。)
7.本調査の企画検討
自然環境保全基礎調査検討会
身近な生きもの分科会
えんじゅ まさし 槐 真史 |
厚木市郷土資料館 | 主任兼学芸員 | |
座長 | おおば ひであき 大場 秀章 |
東京大学総合研究博物館 | 教授 |
おおもり ゆうじ 大森 雄治 |
横須賀市自然・人文博物館 | 学芸員 | |
はまぐち てついち 浜口 哲一 |
平塚市博物館 | 学芸員 | |
もちづき けんじ 望月 賢二 |
千葉県立中央博物館分館・海の博物館 | 分館長 |
(五十音順)
添付資料
- 連絡先
- 環境庁自然保護局企画調整課生物多様性センター
センター長 :笹岡 達男
専門調査官 :伊藤 勇三
〒403-0005
山梨県富士吉田市上吉田剣丸尾5597-1
Tel:0555-72-6033