報道発表資料
水質汚濁防止法の一部を改正する法律案が、本日3月8日(火)に閣議決定されました。
1.改正の趣旨
地下水は一般に水質が良好で、水温の変化が少ないこと等から、我が国では、身近にある貴重な淡水資源として広く利用されてきました。現在でも、都市用水(生活用水及び工場用水)の使用量のうち約25%を占めている(平成19年度)ほか、災害時等緊急時の水源としても重要です。
しかしながら、近年の調査によって、工場又は事業場からのトリクロロエチレン等の有害な物質の漏えいによる地下水汚染事例が、毎年継続的に確認され、その中には、事業場等の周辺住民が利用する井戸水から検出された例もあることが判明しました。
これらは、事業場等における生産設備・貯蔵設備等の老朽化や、生産設備等の使用の際の作業ミス等による有害な物質の漏えいが原因の大半でした。
一方、地下水は、いったん汚染されると多くの場合は回復が困難なため、汚染を未然に防止することが非常に重要です。
このような現状にかんがみ、地下水汚染の効果的な未然防止を図るため、「水質汚濁防止法の一部を改正する法律案」を閣議決定し、第177回通常国会に提出するものです。
2.法律案の概要
(1)有害物質を貯蔵する施設の設置者等についての届出規定の創設
有害物質を貯蔵する施設の設置者等に対し、当該施設の構造、設備、使用の方法等についての届出を義務付けるものとする。
(2)基準遵守義務の創設
有害物質を貯蔵する施設の設置者等(※)は、有害物質による地下水の汚染の未然防止を図るため、構造等に関する基準を遵守しなければならないこととする。
- (※)
- 有害物質を貯蔵する施設(有害物質貯蔵指定施設)及び有害物質使用特定施設(特定地下浸透水を浸透させる者を除く。)の設置者が(2)~(4)の措置の対象。
(3)基準遵守義務違反時の改善命令の創設
[1]計画変更命令等
都道府県知事は、届出があった場合、当該施設が基準に適合していないと認めるときは、構造等に関する計画の変更または廃止を命ずることができることとする。
[2]改善命令
都道府県知事は、有害物質を貯蔵する施設の設置者等が、構造等に関する基準を遵守していないと認めるときは、構造等の改善、施設の使用の一時停止を命ずることができることとする。
なお、既存施設については、(2)と(3)の適用は、施行後3年間猶予する。
(4)定期点検義務の創設
有害物質を貯蔵する施設の設置者等に対し、定期的にその施設の構造等を点検し、その点検結果の記録に加え、その記録の保存を義務付けることとする。
3.施行期日
公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日とする。
添付資料
- 連絡先
- 環境省水・大気環境局土壌環境課地下水・地盤環境室
直通:03-5521-8309
代表:03-3581-3351
室長:宇仁菅 伸介(内線6670)
補佐:唐沢 潔(内線6671)
補佐:遠藤 光義(内線6672)
環境省水・大気環境局水環境課
直通:03-5521-8306
課長:吉田 延雄(内線6610)
補佐:永浜 享(内線6616)
担当:松浦 小百合(内線6602)
担当:江藤 文香(内線6517)