報道発表資料
1.土壌農薬部会報告の概要
農薬を販売するためには農薬取締法に基づき農林水産大臣の登録を受けることが必要であり、申請のあった農薬を登録するかどうかの判断はいくつかの基準(登録保留基準)に照らし行うこととなっている。この基準のうち作物残留、土壌残留、水産動植物被害及び水質汚濁の防止に関する基準については、環境庁長官が設定することとなっている。
今回、33農薬に関し作物残留及び水質汚濁に係る基準値を設定又は改正し、7農薬に関し基準値を削除することについて、中央環境審議会土壌農薬部会において報告をとりまとめたものである。(別紙参照)
なお、今回基準値を設定又は改正する33農薬の内訳は、下表のとおりである。
作物残留に係る基準 | 1.基準値を新たに設定するもの | 4農薬 | |
2.基準値を改正するもの | 25農薬 | ||
(1)適用作物の拡大等に伴い基準値を追加設定又は変更するもの | 17農薬 | ||
(2)食品衛生法に基づく残留農薬に係る食品規格 | 10農薬 | ||
3.基準値を削除するもの | 7農薬 | ||
水質汚濁に係る基準 | 基準値を新たに設定するもの | 8農薬 |
2.環境庁としての対応
環境庁としては、この答申を受けて、12月中を目途に必要な告示の改正を行うこととしている。
今次の告示改正の結果、農薬登録保留基準の設定農薬総数は下表のとおりとなる予定である。
作物残留に係る基準 | 環境庁長官が個別に基準値を定めるもの | 220農薬 |
(うち、今回新たに設定されるもの) | (4農薬) | |
食品規格(残留農薬基準)が適用されるもの1) | 199農薬 | |
合計 358農薬2) | ||
水質汚濁に係る基準 | 環境基本法に基づく水質環境基準(健康項目)に連動して設定されたもの | 1農薬 |
環境庁長官が個別に基準値を定めるもの | 120農薬 | |
(うち、今回新たに設定されるもの) | (8農薬) | |
合計 121農薬 |
注1) | 作物残留に係る基準は、食品衛生法に基づく残留農薬に係る食品規格(残留農薬基準)が設定されている場合はそれを適用し、設定されていない場合は環境庁長官が個別に基準値を定めることとなっている。 |
2) | 一部の農薬については、ある作物に関しては食品衛生法に基づく残留農薬に係る食品規格(残留農薬基準)が設定されておりそれが適用され、それ以外の作物に関しては環境庁長官が個別に基準値を定めているため、合計数は必ずしも一致しない。 |
(参考)環境庁長官が定める農薬の登録保留基準
1.登録保留基準の概要
農薬を販売するためには、農薬取締法に基づく農林水産大臣の登録が必要である。農薬登録に際し農林水産大臣は、申請者の提出した資料等に基づき登録検査を行い、申請農薬が次のいずれかに該当する場合はその登録を保留することとなっている(農薬登録保留基準)。このうち4)から7)までの基準は環境庁長官が定めることとなっている。
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2.具体的な基準
1で述べた4)~7)の登録保留基準は環境庁告示により概ね以下のように定められているが、今回は、下線部の基準について、土壌農薬部会で答申される。
4) | について(作物残留に係る農薬登録保留基準) | |
申請された使用方法で使用された場合に農作物等に残留した農薬濃度が | ||
ア) | 食品衛生法の食品規格に適合しない場合 | |
イ) | ア)が定められていない場合は環境庁長官が定める基準に適合しない場合 | |
5) | について(土壌残留に係る農薬登録保留基準) | |
農薬の成分物質等の土壌中での半減期が、規定されたほ場試験及び容器内試験で1年以上の場合等 | ||
6) | について(水産動植物に対する毒性にかかる登録保留基準) | |
農薬による48時間でのコイの半数致死濃度が0.1ppm以下で、かつ毒性の消失日数が7日以上の場合(水田において使用されるものに限る。)等 | ||
7) | について(水質汚濁に係る農薬登録保留基準) | |
ア) | 水田水中での農薬の150日間の平均濃度が、水質汚濁に係る環境基準(健康項目)の10倍(水田において使用するものに限る。)を超える場合 | |
イ) | 水質汚濁に係る環境基準(健康項目)が定められていない場合は、水田水中での農薬の150日間の平均濃度が、環境庁長官が定める基準を超える場合 |
添付資料
- 連絡先
- 環境庁水質保全局土壌農薬課
課 長 :伊藤 洋 (6650)
担 当 :広瀬、久保 (6656)