報道発表資料
環境省が実施している調査研究報告によれば、今後のスギ・ヒノキ科花粉の飛散状況及び終息時期は以下の通りです。
- 今シーズンのスギ・ヒノキ科花粉総飛散量は、東北や関東地方の一部を除き、非常に少なく推移しています。
- スギ花粉の飛散については、九州、中国、四国及び近畿地方では3月中旬から下旬にはほぼ終息し、北陸地方南部、東海及び関東・甲信地方では4月上旬には終息したものと判断されます。東北地方南部では4月下旬、東北地方北部及び北海道は5月上旬に終息する見込みです。
- ヒノキ科花粉の飛散については、九州、四国及び中国地方では4月中旬には終息する見込みです。その他の関東・甲信地方南部から西の地方では4月下旬、北陸や東北地方では5月上旬に終息する見込みです。
1.概要
環境省では、花粉症に関する調査研究の一環(※1)として、平成16年度から花粉飛散予測に関する調査研究を行っています。
今般、当該研究において、平成22年春における各地のスギ・ヒノキ科花粉の飛散状況及び終息時期について取りまとめました。内容は以下の通りです。
- ※1
- 平成22年度花粉症に関する調査・検討業務(請負先;NPO法人花粉情報協会)
2.スギ・ヒノキ科花粉の飛散状況(表-1、表-2)
4月9日現在での今シーズンのスギ・ヒノキ科花粉総飛散量は、東北や関東地方の一部で2000個/cm2を超える飛散となりましたが、過半の地域で1000個/cm2未満となり、例年よりも大幅に少なくなっています。(例年の全国平均では、1シーズンで3400個/cm2)
今春は雨の日が多かったため、花粉が雨で流される等により、花粉総飛散量が予測を下回り少なくなっていると考えられ、今後も多くの花粉が飛散する可能性は低いと考えられます。
- (1)
- スギ花粉の飛散状況
今シーズンのスギ花粉の飛散開始(※2)は、関東地方南部や四国、九州の一部では2月上旬、それ以外の地域では2月中旬から下旬でした。
また、飛散のピークは、九州、四国及び中国地方では2月下旬、近畿、東海及び関東・甲信地方では3月上旬、北陸地方及び東北地方南部では3月中旬頃、東北地方北部以北では3月下旬から4月上旬でした。- ※2
- 飛散開始の定義は、ダーラム法による測定において1個/cm2・日以上の花粉が連続2日以上観測された場合
- (2)
- ヒノキ科花粉の飛散状況
今シーズンのヒノキ科花粉の飛散開始は、九州、四国及び中国地方で3月中旬、近畿、東海、関東地方及び東北地方南部で3月下旬でした。
一方、北陸地方及び東海、関東・甲信地方の一部、東北地方北部では未だにヒノキ科花粉の飛散開始となっていません(※3)。
また、飛散のピークは、九州から東海地方にかけては3月下旬でした。
その他の地域では、4月の気温が低く推移すると予測されることから、顕著なピーク時期を迎えないまま少量の花粉飛散が終息時期まで継続するものと予測されます。- ※3
- 飛散開始と判定されていない地域においても、少量の花粉の飛散は認められている。
3.スギ・ヒノキ科花粉の終息時期(図-1)
花粉飛散の終息時期は、[1]1月に実施した花粉総飛散量の予測値に対する現在までの飛散量、[2]前年10月以降の気象状況(特に降雨・降雪の状況)、[3]雄花開花モデル及び[4]気象庁の季節予報結果等から予測するものです。既に終息した地域も含め、各地の終息時期は以下の通りです。
- (1)
- スギ花粉の終息時期
スギ花粉の飛散は九州、中国、四国及び近畿地方では3月中旬から下旬に概ね終息しており、北陸地方の南部、東海及び関東・甲信地方では4月上旬には終息したものと判断されます。また、東北地方南部では4月下旬、東北地方北部と北海道は5月上旬に終息すると予測しています。
なお、昨シーズンとの比較では、近畿地方以西で2週間程度、東海、北陸及び関東・甲信地方で3週間程度早くなっており、東北で1週間程度終息が早まる見込みです。 - (2)
- ヒノキ科花粉の終息時期
ヒノキ科花粉の飛散については、九州南部では4月上旬に終息したものと判断されます。また、九州北部、四国及び中国地方では4月中旬に、近畿、東海地方及び関東・甲信地方の南部では4月下旬に、北陸及び関東地方北部より北の地域では5月上旬にそれぞれ終息する見込みで、ほぼ昨年並の終息時期になると考えられます。- 注)
- 東北地方北部:青森県、岩手県、秋田県
東北地方南部:宮城県、山形県、福島県
関東地方北部:茨城県、栃木県、群馬県
関東地方南部:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
甲信地方南部:山梨県
北陸地方北部:新潟県、富山県
北陸地方南部:石川県、福井県
九州北部:福岡県、佐賀県、長崎県、大分県
九州南部:熊本県、宮崎県、鹿児島県
<留意事項>
スギ・ヒノキ科の花粉飛散が終息しても、既にイネ科花粉が若干量ながらも飛散し始めており、花粉症の症状が続く場合には、イネ科花粉症など他の花粉症やその他のアレルギー疾患の可能性があります。症状が強い場合には、医療機関にご相談下さい。
<関連情報>
環境省花粉情報サイト https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/
NPO花粉情報協会ホームページ http://www.pollen-net.com/welcome.html
添付資料
- 表-1 各地の4月9日時点の花粉飛散状況 [PDF 40 KB]
- 表-2 4 月9日までに実測された花粉飛散量と予測した飛散量 [PDF 81 KB]
- 図-1 スギ・ヒノキ科花粉の終息前線 [PDF 375 KB]
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
直通 03-5521-8261
代表 03-3581-3351
課長 早水 輝好(内 6350)
主査 本間 政人(内 6352)
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成22年1月22日
- 平成22年春の花粉総飛散量及び飛散開始時期の予測(第2報)について(お知らせ)