報道発表資料
環境省は、姫路第二発電所設備更新に係る環境影響評価準備書について、本日付けで経済産業大臣に対し、本事業による温室効果ガス排出削減効果を最大限発揮すること等を求める環境大臣意見を提出した。
- 1.
- 環境省は、姫路第二発電所設備更新(事業者:関西電力株式会社(以下「関西電力」))に係る環境影響評価準備書について、環境の保全の見地からの意見を求められたことから、平成21年12月4日付けで経済産業大臣に対し、別紙のとおり環境大臣意見を提出した。
- 2.
- 本事業は、関西電力の姫路第二発電所において、発電設備を最新鋭の天然ガスコンバインドサイクル発電方式に更新するものであり、現時点で世界最高の発電効率となることから、二酸化炭素排出原単位の低減に大きく寄与するものと期待される。また、供用後の窒素酸化物排出量及び温排水量も削減される計画となっており、温室効果ガスの排出削減とその他の環境影響の低減を同時に達成することが期待される。これらを踏まえ、本事業による事業者全体としての温室効果ガス排出削減効果が最大限発揮され、かつ、本発電所による環境影響ができる限り低減されるよう、環境大臣意見では以下の措置を適切に講ずる必要があることを指摘している。
(1)温室効果ガス
- 本発電所は現時点で世界最高の発電効率を有する発電設備に更新されることから、以下の措置を講じることにより、本事業による温室効果ガス排出削減効果を最大限発揮すること。
- ○
- 本事業による温室効果ガス排出削減効果を早期に発揮するため、本事業を着実に進め、できる限り早期の運転開始を目指すこと。
- ○
- 本発電所の発電設備の利用率を総合的な電源運用の中でできる限り高く維持するとともに、他の発電所を含めた全体の稼働分担を適切に行うこと等により、事業者が販売する電力全体の二酸化炭素排出原単位の一層の低減を図ること。また、新たに2013年以降の温室効果ガスの削減枠組みが整備された場合には、これを踏まえて二酸化炭素排出削減に取り組むこと。
- ○
- 本発電所内の事業所における温室効果ガス排出削減対策を推進するとともに、建設段階における温室効果ガス排出削減のため、本事業の施工者に対して、低燃費型建設機械等の省エネルギー対策の推進及び混合セメントの利用等の非エネルギー起源二酸化炭素対策の実施に努めるよう求めること。
(2)水環境
- ○
- 本発電所の周辺海域は、閉鎖性が高い瀬戸内海であることから、発電関連設備及び排水処理設備の運転管理の徹底により、水質汚濁物質排出量を現状よりもできる限り低減すること
(3)動物
- ○
- 本事業の実施により、コチドリ、シロチドリ及びコアジサシの繁殖地としての利用が予想される裸地の面積が減少するので、専門家の助言に基づき、繁殖期に配慮しつつ、これらの鳥類の繁殖に適した裸地環境を敷地内に可能な限り創出すること。
- 3.
- なお、事業者に対しては、経済産業大臣から、環境大臣意見を勘案した勧告がなされることとなる。
[参考]
- ○事業概要
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- ・名称
- 姫路第二発電所設備更新
- ・事業者
- 関西電力株式会社
- ・計画位置
- 兵庫県姫路市飾磨区妻鹿常盤町
- ・発電方式
- ガスタービン及び汽力(コンバインドサイクル発電方式)
- ・出力
- 291.9万kW(48.65万kW×6基)
- ・燃料
- 天然ガス
- ・運転開始時期(予定)
- 平成25年10月~平成27年10月
- ○環境影響評価手続(環境影響評価法及び電気事業法に基づく手続)
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- ・方法書縦覧
- 平成19年5月17日~平成19年6月18日(住民意見なし)
- ・兵庫県知事意見提出
- 平成19年10月5日
- ・経済産業大臣勧告
- 平成19年11月6日
- ・準備書縦覧
- 平成21年3月27日~平成21年4月27日(住民意見なし)
- ・兵庫県知事意見提出
- 平成21年9月17日
- ・環境大臣意見照会
- 平成21年10月16日
添付資料
- (別紙)姫路第二発電所設備更新に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見 [PDF 149 KB]
- (参考)アセス手続の流れ [PDF 59 KB]
- (参考)姫路第二発電所の配置計画 [PDF 2.2 MB]
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境影響審査室
室長 山本 昌宏 (内6231)
審査官 伊藤 貴輝 (内6253)
TEL 03-3581-3351(代表)
03-5521-8237(直通)