報道発表資料
第14回東アジアPOPsモニタリングワークショップの結果について
1. 背景・目的
残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約(以下「POPs条約」という。)は、ポリ塩化ビ
フェニル(PCB)などのPOPsによる地球規模の汚染を防止し、低減することを目的として、平成13年に採択さ
れ、平成16年5月17日から発効しています。
この条約では、締約国に対し、POPsの製造等の規制に加え、ヒト及び環境中におけるPOPsの存在状況を明
らかにするために国内及び国際的な環境モニタリングを実施すること(第11条)、モニタリングデータなどを
活用した条約の対策面での有効性の評価を行うこと(第16条)が規定されています。
環境省では、平成14年度から東アジア地域における国際協力によるモニタリング体制の構築及びPOPs条約の
有効性評価に資するための継続的なデータ収集の円滑な実施を目的として、ワークショップを開催しています。
2. ワークショップの概要
(1)日時
令和4年3月2日(水)~同年3月4日(金)
(2)開催
オンライン会議方式にて開催
(3)主催
環境省
(4)参加者
・ 東アジア地域10か国(カンボジア、韓国、ラオス、マレーシア、モンゴル、フィリピン、シンガポー
ル、タイ、ベトナム及び日本)政府の実務担当者
・ 国連環境計画(UNEP)、バーゼル・ロッテルダム・ストックホルム条約事務局、スウェーデン オレ
ブロ大学、中国科学院生態環境研究センター及び日本の専門家
(5)主な内容
本ワークショップは、柴田康行東京理科大学環境安全センター副センター長を議長として、以下の内容
について話し合われました。
① POPs条約の有効性評価について
第3回グローバルモニタリング計画における地域実施状況及びアジア太平洋地域における報告書につい
て意見交換が行われました。また、バーゼル・ロッテルダム・ストックホルム条約事務局より、次回の
POPs条約の有効性評価に向けたグローバルモニタリングプランについての報告がありました。
② 東アジアPOPsモニタリングの分析結果及び状況報告について
特定の汚染源の影響を受けない地点として指定された重点調査地点(辺戸岬(沖縄県)及び済州島(韓
国))におけるモニタリングの取組状況や結果等について報告が行われるとともに、引き続き、重点調査
地点におけるモニタリングは、日本(辺戸岬)及び韓国(済州島)において行うことが了承されました。
また、フィリピンのPOPsモニタリングについて状況報告が行われ、情報を共有しました。
③ 今後のモニタリング計画について
東アジア地域において日本がサンプリングと分析を支援する協力モニタリングについては、2022年度は
ベトナムで実施することを確認するとともに、2023年度にはフィリピン、タイ及びモンゴルにて実施する
ための調整を進めることとなりました。また、2022年度は併せてモンゴルで実行可能性調査等を実施する
こととなりました。
④ 将来的な東アジアPOPsモニタリングプロジェクトの枠組について
東アジア地域でのPOPsモニタリングを持続可能な形で継続・強化させていくために、日本及び韓国に続
く中核的な役割を担う研究機関をいくつか定め、独立して試料採取から分析まで実施できる体制を整えて
いくことについて議論が行われました。これを踏まえ、日本及び韓国に続く中核的な役割を担う研究機関
については、フィリピン及びタイがその候補国とされ、今後、この活動内容を明確にしていくことが了承
されました。
なお、議長総括及びその和訳については、近日中に環境省ウェブサイト
( http://www.env.go.jp/chemi/pops/eaws.html )に掲載する予定です。
連絡先
- 代表
- 03-3581-3351
- 直通
- 03-5521-8261
- 課長
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- 保健専門官
- 飯野 彬 (内線 6361)
- 担当
- 酒井 学 (内線 6355)