報道発表資料

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2022年03月25日
  • 大気環境

令和3年度 冬の星空観察 デジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果について

 環境省では、星空観察を通じて光害(ひかりがい)や大気汚染、環境保全の重要性について関心を深めていただくことに加え、良好な大気環境や美しい星空を地域資源(観光や教育)として活用していただくことを目指し、平成30年度から星空観察を推進しています。
 この度、令和3年度の冬期観察で実施したデジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。

1.趣旨

 環境省では、屋外照明による光害を防止することが重要になってきていること等を踏まえ、平成30年度から星空公団との共同で夏と冬の2回、肉眼による観察とデジタルカメラによる夜空の明るさ調査を呼びかけています。

 この調査が継続されることで、地域における光害や大気汚染の状態に関する啓発材料として、積極的な活用が期待されます。また、星空観察は、大気環境保全の重要性について関心を深めていただく良い機会となるだけでなく、星空を地域観光資源として宿泊客の誘致に活用するなど、地域づくりにも貢献することが期待されています。

2.デジタルカメラによる夜空の明るさ調査概要

(1)観察期間と観察時間

 令和4年1月23日(日)~同年2月5日(土)

 日没の1時間半後~3時間半後の2時間

 (データ投稿受付期間:令和4年1月23日(日)~同年2月15日(火))

(2)調査方法

 デジタルカメラを用いて天頂付近の星空を撮影し、その画像データから「夜空の明るさ」(星空の見やすさ)を測定しました。具体的には、(1)の観察期間中に、全国各地の調査参加者により所定の条件下で撮影された天頂付近の星空の画像データを、報告サイトを通じて環境省に送付していただき、画像解析によって「等級(mag/□"):(マグニチュードパー平方秒角)」を単位とする「夜空の明るさ」を求めています。この値が大きいほど夜空が暗いことを示し、星が見えやすい状態になります。

 ※ 夜空の明るさを測る単位及び測定方法は、参考資料(添付「夜空の明るさについて」)を御覧ください。

3.調査結果

(1)実施状況

表1:令和3年度冬期観察参加状況

データ投稿総数

478 件

有効データ数(注1)

431 件

継続観察登録地点(注2)におけるデータ投稿総数

282 件

継続観察登録地点における有効データ投稿数

255 件

投稿のあった継続観察登録地点

179 地点

投稿のあった継続観察登録地点の参加者内訳

団体 113 団体

個人 66 名

(注1) 有効データとは、投稿されたデータ(総数478件)から、雨天、観察時間外、観察期間外、カメラ設定が極端に異なるデータを除いたもの。

(注2) 継続観察登録地点とは、平成30年度から実施している「夜空の明るさ」調査において、継続的に同じ撮影場所で観察(夏冬)を実施する方を対象に、環境省が一つの撮影場所につき一つの番号を発行し、継続的なデータの蓄積を行っている地点のこと。

 

表2:継続観察登録地点の登録の推移

 

H30夏

H30冬

R1夏

R1冬

R2夏

R2冬

R3夏

R3冬

継続観察登録

地点総数

91

地点

282

地点

317

地点

345

地点

348

地点

357

地点

367

地点

382

地点

令和3年度冬期観察における継続観察登録地点の新規登録については、登録地点数の少ない県のみ申請を受け付けました。(別紙1裏面参照)

(2)結果の概要

①「夜空の明るさ」等級ごとの件数

表3:「夜空の明るさ」等級ごとの件数(有効データ)

等級(mag/□")

有効データ投稿数

継続観察登録地点における有効データ投稿数

21 以上

65 件

51 件

20 以上~21 未満

176 件

98 件

19 以上~20 未満

108 件

57 件

18 以上~19 未満

50 件

26 件

17 以上~18 未満

30 件

22 件

17 未満

2 件

1 件

 

431 件

255 件

※ 継続観察登録地点のうち、天の川が見えやすいと考えられる20等級以上であった99地点については、別紙2を参照。

(参考):「夜空の明るさ」の目安(個人差があります)

等級(mag/□")

 

21 以上

天の川の複雑な構造が確認でき、星団などの観測ができる

20 以上~21 未満

山や海などの暗さ、天の川がよく見られる

19 以上~20 未満

郊外の暗さ、天の川が見え始める

18 以上~19 未満

住宅地の明るさ、星座の形がよく分かる

17 以上~18 未満

市街地の明るさ、星座の形が分かり始める

17 未満

都市部の明るさ、星はほとんど見られない

(星空公団提供資料より)

②継続観察登録地点における地域区分ごとの「夜空の明るさ」等級

表4:継続観察登録地点における地域区分ごと「夜空の明るさ」等級(有効データ)

地域区分

件数

平均値(mag/□")

最大値(mag/□")

最小値(mag/□")

住宅地域

71 件

18.93

21.35

17.06

商業地域

7 件

19.10

20.35

16.49

農業地域

35 件

20.12

21.55

18.10

森林山間地

65 件

20.71

21.65

19.13

自然公園等

63 件

20.42

21.68

17.20

工業地域

1 件

18.31

18.31

18.31

その他

13 件

20.39

21.63

18.79

 

255 件

 

 

 

③地域区分ごとの「夜空の明るさ」等級の割合(単位:等級(mag/□"))

4.その他

(1)星空観察の推進について

   平成29年度の「星空観察の推進手法に関する検討会」の結果について、環境省ホームページ 

  (https://www.env.go.jp/press/104711.html)で公表しています。

(2)星空公団による「デジカメ星空診断」

   デジタルカメラによる夜空の明るさ調査は、星空公団と共同で実施しています。

   星空公団では、環境省が昭和63年から平成24年まで25年間にわたって続けてきた全国星空継続観察が休

   止となった後、その代わりとなる夜空の明るさ観察を実施してきました。詳細は、星空公団ウェブサイト

  (https://dcdock.kodan.jp)を御確認ください。

 

 

 

 

 

 

添付資料

連絡先

環境省水・大気環境局大気環境課大気生活環境室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8298
  • 企画官  鈴木 克彦(内線 5180)
  • 室長補佐 石関 延之(内線 5475)
  • 担当   梶谷 彩加(内線 5480)

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