報道発表資料

令和3年10月22日
大気環境
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令和2年度アスベスト大気濃度調査結果について

 環境省では、アスベストによる大気汚染の状況を把握し、今後のアスベスト飛散防止を検討するための基礎資料とするとともに、国民に対し情報提供するため、平成17年度から毎年、大気中のアスベスト濃度を調査しています。今般、令和2年度の調査結果を取りまとめましたので、お知らせします。
 令和2年度は全国45地点で測定しました。多くの地点において、アスベスト以外の繊維を含む総繊維数濃度について特に高い濃度は見られませんでした。一方、一部の解体現場等においてアスベスト繊維数濃度について高い濃度が見られたため、令和3年度も継続して調査を行う予定としています。

1 調査目的
 本調査は、平成17 年12 月27 日付け「アスベスト問題に係る総合対策」(「アスベス
ト問題に関する関係閣僚による会合」決定)に基づき、アスベストによる大気汚染の状
況を把握し、今後のアスベスト飛散防止対策の検討に当たっての基礎資料とするととも
に、国民に対し情報提供するために実施したものです。

2 調査方法
(1) 調査地点
 調査は、環境省が平成17 年度から調査している継続調査地点34 地点、自治体から
推薦のあった令和2年度調査地点11 地点の合計45 地点で、大気中のアスベスト及び
その他の繊維を含む総繊維数濃度を測定しました。
 調査地点を、解体現場等の発生源周辺地域及び発生源の影響を受けない住宅地域等
のバックグラウンド地域としております。

(2) 調査方法
  試料の採取及び分析は「アスベストモニタリングマニュアル(第4.1 版)」(平成
29 年7月 環境省水・大気環境局大気環境課)に基づいて行いました。
 採取した試料については、位相差顕微鏡を用いてアスベスト以外の繊維を含む総繊
維数濃度を測定しました。総繊維数濃度が1本/L を超過した場合は、分析走査電子顕
微鏡法(A-SEM)でアスベスト繊維数濃度を測定しました。


3 調査結果の概要
(1) 位相差顕微鏡法による地域分類別の総繊維数濃度結果
 地域分類別に測定結果を取りまとめると表1のとおりとなりました。なお、参考と
して、解体現場における集じん・排気装置出口等での調査結果についても併せて示し
ています。

ア 発生源周辺地域
 調査を実施した24 地点について、地域分類ごとの幾何平均値は、総繊維数濃度が
1本/L を超過しませんでしたが、「解体現場(施工区画周辺)」5地点、及び「破
砕施設」1地点の6地点において、総繊維数濃度が1本/L を超過したため、A-SEM
でアスベスト繊維数濃度を測定しました。

イ バックグラウンド地域
 調査を実施した21 地点については、総繊維数濃度が1本/L を超過した地点はあ
りませんでした。


    表1 令和2年度 位相差顕微鏡法における地域分類別の総繊維数濃度結果

注1)検出下限値は0.056本/L(ただし、解体現場の検出下限値は0.11本/L)

注2)施工区画周辺:解体現場等の直近で一般の人の通行等がある場所との境界

注3)解体現場(施工区画周辺)以外の地域については3日間の幾何平均値で評価


(2) 継続調査地域における調査結果の推移
 継続調査地域における令和2年度調査結果は表2のとおりです。また、発生源
周辺地域及びバックグラウンド地域それぞれの継続調査地域における総繊維数濃
度の推移(平成17 年度~令和2年度)は図1-1、図1-2のとおりです。近年
では、全ての地点で総繊維数濃度の幾何平均値は1本/L を下回っており、低いレ
ベルで推移しています。


         表2 継続調査地域における令和2年度調査結果

注1)検出下限値は0.056本/Lである。
注2)各測定箇所の総繊維数濃度の評価に当たっては、平成元年12月27日付け環大企第490号通知「大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について」に基づき、各測定箇所で3日間(4時間×3回)測定して得られた
個々の測定値を測定箇所ごとに幾何平均し、その値を総繊維数濃度としている。
注3)調査地域の分類に当たっては、過去の調査結果においては異なる分類を行っていた地域もあるが、令和元
年度の調査地域に合わせて分類した。

図1-1 継続調査地域における総繊維数濃度の推移(発生源周辺地域)

図1-2 継続調査地域における総繊維数濃度の推移(バックグラウンド地域)


(3) 総繊維数濃度が1本/Lを超過した試料に関しての分析走査電子顕微鏡法によるアスベスト分析結果及び対応

位相差顕微鏡法による測定の結果、継続調査地域及び令和2年度調査地域のうち、総繊維数濃度が1本/Lを超えた6地点については、A-SEMによるアスベスト測定を行いました。

 この結果、「解体現場」及び「破砕施設」のそれぞれ1地点でアスベスト繊維数濃度が1本/Lを超過しました。このうち、「解体現場」については、石綿含有成形板等の撤去作業場近傍でアスベスト繊維が確認されましたが、当該現場の敷地境界でのアスベスト繊維数濃度は1本/L未満でした。
 また、「破砕施設」については、破砕施設の直近で、破砕された「破砕物(砕石)」を車両に積載する搬出作業を行っており、積載作業時に粉じんが多く飛散している状況であったためと考えられます。本施設については、平成29年度の調査後に環境省より熊本市に依頼し、事業者に対して廃棄物受入時に石綿含有廃棄物の有無を的確に確認することや、散水による粉じんの飛散防止を指導しています。なお、熊本県内には、地質的にトレモライトの地盤・岩盤があることが知られており、確認されているアスベスト繊維が、「その他石綿繊維(トレモライト/アクチノライト)」であることから、自然由来の可能性も考えられます。今後も市と連携し、情報を集約していく予定です。
 この他の地点では、アスベスト繊維数濃度が1本/L以下でした。

    表3 総繊維数濃度が1本/L を超過した試料のA-SEM 測定結果

4 今後の対応
 環境省では、引き続きアスベストによる大気汚染の状況を把握するため、令和3
年度も大気中のアスベスト濃度調査を行っています。

添付資料

連絡先

環境省水・大気環境局大気環境課

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8293
  • 課長長坂 雄一(内線 6530)
  • 課長補佐石山 豊(内線 6533)
  • 担当磯野 祐輔(内線 6536)

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