報道発表資料

令和3年3月19日
自然環境
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生物多様性及び生態系サービスの総合評価(JBO3)の結果について

私たちの暮らしは、食料や水の供給、気候の安定等、生物多様性から得られる恵み「生態系サービス」によって支えられており、生態系サービスは人間の生存と福利に欠かせません。このたび、日本の生物多様性・生態系サービスの現状と、特に、生物多様性の損失を止めて回復に向かわせるための「社会変革」のあり方に関して科学的知見を提供することを目的として、「生物多様性及び生態系サービスの総合評価2021(JBO3:Japan Biodiversity Outlook 3)」が取りまとめまられましたのでお知らせします。

1.背景

  • 我が国では、生物多様性や生態系サービスの状況を把握するために、2010年及び2016年に総合評価を実施しました。その結果、生物多様性の状態が悪化傾向にあることや、生態系サービスの多くが過去と比較して減少または横ばいで推移していること等が示されました。

  • 国際的には、2019年に生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)、2020年に生物多様性条約事務局により、世界の生物多様性・生態系サービスに関する報告書がそれぞれ公表され、生物多様性の損失を止めるためには、「社会変革」による根本的な要因(社会・経済活動による影響)の低減が必要とされました。

2.目的

  • 2010年と2016年を経て3回目の総合評価となるJBO3は、我が国における次期生物多様性国家戦略の検討のため、①日本の生物多様性・生態系サービスの現状を評価するとともに、②生物多様性の損失を止めて回復に向かわせるための「社会変革」のあり方について、科学的知見を提供することを目的として、「生物多様性及び生態系サービスの総合評価に関する検討会(座長:国立研究開発法人森林研究・整備機構 理事長 中静透)」により取りまとめられました。

3.検討方法

  • 2019年度より、「生物多様性及び生態系サービスの総合評価に関する検討会」が検討を行いました。

  • 社会変革に向けた取組の分析(社会・経済活動と生物多様性の関係性)においては、40を超える関連学会等を通じたアンケートによるエキスパート・ジャッジ(知見が不十分な分野における専門家による判断)を実施しました(114名が回答)。

    ※アンケートは2020年8月~9月にインターネット上で実施。生物多様性損失の直接要因と社会・経済活動(間接要因)の関係性や、有効な対策について回答いただいた。

4.結果の概要

  • 日本の生物多様性の「4つの危機」は依然として生物多様性の損失に大きな影響を与え、生態系サービスも劣化傾向にある。これまでの取組により、生物多様性の損失速度は緩和の傾向が見られるが、まだ回復の軌道には乗っていない。

    ※4つの危機:わが国の生物多様性が直面している危機は、生物多様性国家戦略において次の4つに分類整理されている。

    第1の危機:開発など人間活動による危機

    第2の危機:自然に対する働きかけの縮小による危機

    第3の危機:人間により持ち込まれたもの(外来種等)による危機

    第4の危機:地球環境の変化による危機

  • 将来の気候変動や、人口減少等の社会状況の変化にも耐えられるように、生態系の健全性の回復を図ることが重要。OECM等により生態系のネットワークを構築することが有効。

    ※OECM:Other Effective area-based Conservation Measures

    民間等の取組により保全が図られている地域や保全を目的としない管理が結果として自然環境を守ることにも貢献している地域。

  • 生物多様性の損失を止め回復に向かわせるためには、新たな視点での施策の展開が必要。自然を基盤とする解決策(NbS)により気候変動を含む社会課題への対処を進めることや、社会・経済活動による影響への働きかけも含めた総合的な対策により、「社会変革」を起こすことが重要。

    ※自然を基盤とする解決策(NbS:Nature-based Solutions)

    生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)やグリーンインフラなど、自然を基盤として社会の諸課題を解決していくアプローチを包含するコンセプト。

  • 社会変革に向けた万能な解決策はないものの、幅広く効果が見込める対策と、特定の危機に効果的な対策がある。社会変革の方向性として、地域資源の活用による豊かでレジリエントな自然共生社会を目指し、自立・分散型社会の要素を取り入れることが重要。

    ※幅広く効果が見込める対策:ビジネスと生物多様性の好循環、教育や新たな価値観の醸成 等

     特定の危機に効果的な対策(例):里地里山における定住・関係・交流人口を増やす取組 等

なお、別途詳細版報告書を以下のURLに掲載予定です。

http://www.biodic.go.jp/biodiversity/activity/policy/index.html

添付資料

連絡先

環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性戦略推進室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8273
  • 室長中澤圭一(内線 6480)
  • 室長補佐奥田青州(内線 6481)
  • 室長補佐蔵本洋介(内線 6485)

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