報道発表資料

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2020年10月22日
  • 再生循環

「令和2年度支障除去等に対する支援に関する検討会報告書」の取りまとめについて

 都道府県等が産業廃棄物の不法投棄等に起因する生活環境保全上の支障除去等を行う場合に、産業界と国が協力して造成している基金から必要な費用を支援しています。今般、「令和2年度支障除去等に対する支援に関する検討会」において、令和3年度以降の支援の在り方について、報告書が取りまとめられました。
 報告書では、支援の在り方として、産業界からのより幅広い出えんの協力を依頼すること、支援額の絞り込みを行うこと等が示されました。また、国は、関係者の協力を得て、必要に応じ3年後を目途に支援の在り方を見直すこととされました。

1.背景

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)の平成9年改正により、平成10年6月17日以降に発生した産業廃棄物の不法投棄及び不適正処理(以下「不法投棄等」という。)を対象に、原因者等が原状回復等の措置を取らずにやむを得ず都道府県又は政令市(以下「都道府県等」という。)が当該不法投棄等に起因する生活環境保全上の支障又はそのおそれの除去又はその発生の防止(以下「支障除去等」という。)を行う場合、廃棄物処理法第13条の15に基づき産業廃棄物適正処理推進センターに設けられた基金(以下「基金」という。)から支障除去等に必要な費用を支援する規定が創設されました。

 当該基金は産業界と国が協力して造成していますが、現在の産業界の負担に関しては、社会貢献の観点から、産業廃棄物に関係する方に広く薄く協力を求めるとの考え方に立ち、産業廃棄物の排出から最終処分に至るまでマニフェストが幅広く利用されていることに鑑み、マニフェストを頒布等している団体等(以下「マニフェスト頒布団体等」という。)に対して、任意の出えんの協力を求めています。

 平成27年9月に取りまとめられた「支障除去等に対する支援に関する検討会報告書」において、「マニフェスト頒布団体等に対する今回の協力依頼は、今後5年間についてのもの」等とされています。そこで、令和3年度以降の支障除去等に関する支援の在り方について必要な検討を行うため、有識者、産業界、地方公共団体等で構成される「令和2年度支障除去等に対する支援に関する検討会」において、令和2年8月から10月まで3回にわたり検討が行われ、この度、報告書が取りまとめられました。

2.報告書の概要

 報告書では、令和3年度以降の支援の在り方について、以下の点が示されました。

 環境省では、これに基づいて必要な取組を進めてまいります。

(1)産業界からのより幅広い出えんの協力について

  • 基金残高における産業界の負担分が減少し続けており、毎年度支援できる額が目減りしている状況にあることから、マニフェスト頒布団体等以外の産業界の関係団体等にも、国が任意の出えんの協力依頼を行う。
  • その上で、これまでの経緯に鑑み、国はマニフェスト頒布団体等に対しても引き続き協力を求め、可能な限り産業界の負担額の満額を全体として確保できるように努める。 

(2)支援額の絞り込みについて

  • 平成28年度から令和2年度の各年度の支援額が、当初の支援必要見込額を大幅に超過していることを踏まえ、都道府県等による適切な不法投棄等対策の実施の観点から、支援額の算定に当たり主に以下の点について考慮する。

  ①不法投棄等事案の発覚前の不法投棄等の未然防止措置について

  ②不法投棄等事案の発覚時の行政対応について

  ③不法投棄等事案の発覚後の不法投棄等の未然防止措置の強化について

  • また、他の都道府県等からの産業廃棄物の受入実態についても考慮する。

  • 以上の点についての詳細な運用は、産業廃棄物適正処理推進センターが、都道府県等の状況を聴取し、環境省と協議して決定する。

(3)支援の在り方についての今後の方向性について 

  • 国は、今後、より幅広く協力依頼をしていくに当たり、本基金の社会的価値を強調し、本基金への出えんによって社会貢献をしていると評価されるような仕組み等によって、出えんに協力しやすい環境を整備することを検討する。

  • 本基金制度の効果を持続可能なものとするため、基金の運用状況及び今後の社会情勢を踏まえつつ、国は、関係者の協力を得て、必要に応じ3年後を目途に支援の在り方を見直す。

3.報告書について

 報告書は、以下のURLにおいて公開しています。

 URL:https://www.env.go.jp/recycle/ill_dum/com_support-restore/post_69.html

連絡先

環境省環境再生・資源循環局環境再生事業担当参事官付不法投棄原状回復事業対策室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-6205-4798
  • 室長神谷 洋一(内線 6871)
  • 課長補佐山王 静香(内線 7852)
  • 課長補佐占部 康介(内線 6884)
  • 担当奈良 祐一(内線 6883)