報道発表資料

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2019年05月07日
  • 地球環境

G7メッス環境大臣会合の結果について

 5月5日及び6日に、フランス・メッスにおいて、G7環境大臣会合が開催され、原田義昭環境大臣が出席しました。
 会合では、生物多様性をはじめとする地球規模の環境問題について議論が行われ、原田大臣は、以下の3点を中心に我が国の取組を発信し、今次会合の成果物であるコミュニケや生物多様性憲章の採択に貢献しました。
 ① 我が国は、6月のG20までに、1.5℃目標の達成に貢献すべく、今世紀後半のできるだけ早期に「脱炭素社会」、すなわち実質排出ゼロの実現を目指し、パリ協定に基づく長期戦略を策定すること。また、フロン排出抑制法改正などフロン類の排出抑制に向けた取組を各国に先駆けて進めていること。
 ② 海洋プラスチックごみ問題について、6月のG20で、新興国・途上国を巻き込んだ実効性のある枠組みの構築を目指すこと。
 ③ 生物多様性に関しては、愛知目標の下での取組が更に発展・継続するよう、新たな世界目標の議論に積極的に貢献すること。また、先月国会で成立した改正自然環境保全法に基づき、来年4月の施行に向けて沖合海底自然環境保全地域を設定し、保護区に関する愛知目標の達成に貢献すること。

1.今次会合の主な成果

  • 原田環境大臣は、フランスに出張し、G7メッス環境大臣会合(5日~6日)に出席。G7各国及び招聘国と、生物多様性、気候変動、資源効率性及び海洋プラスチックごみを中心に議論を行い、これらの地球規模の環境問題等に対し、引き続き各国が結束・連携し、積極的に取り組む姿勢を確認。

  • 本会合の成果物として、議論の内容をまとめたコミュニケ、及びG7の生物多様性に対する今後の取組をまとめた「生物多様性憲章」を採択。また、G7有志国等で特定のテーマについての取組を推進するための複数のイニシアティブについて合意。
  • 原田環境大臣は、G7各国等と個別に会談を行い、今年6月のG20日本開催に向けた連携を確認。

2.開催概要

  • 日 時:令和元年5月5日(日)~6日(月)
  • 場 所:フランス・メッス
  • 参加国:G7各国(日、米、仏(議長国)、独、英、伊、加)、EU
  • 招聘国:チリ、エジプト、フィジー、ガボン、インド、インドネシア、メキシコ、ニジェール、ノルウェー

3.G7環境大臣会合(5日~6日)

 原田環境大臣は、①生物多様性と気候に関する科学的警告と国際的動員、②公平な移行(SDGs)、③気候と生物多様性のための具体的な解決策、④生物多様性保全と持続可能な利用のための資金調達等の議題において、積極的に議論に参加した。会合での原田環境大臣の主な発言は、以下のとおり。

① 気候変動について、パリ協定に基づく長期戦略の策定を進めているところであり、実質排出ゼロの実現を目指し、水素等のイノベーションの促進に取り組んで行く。また、フロン排出抑制法の改正など、引き続きフロン類の排出抑制に向けた取組を推進していく。

② SDGsに関連して、地域資源を持続可能な形で活用し、自立・分散型の社会を形成する「地域循環共生圏」という将来ビジョンを構築した。また、国内外の環境教育事業を通じて、持続可能な地域作りを中心的に担う、女性や若者の支援を継続的に行っていく。

③ 気候変動適応法が昨年12月から施行されており、最新の科学的知見・情報を踏まえ、地域の実情に応じた実効性の高い取組を推進していく。また、我が国発のSATOYAMAイニシアティブや、先月国会において成立した改正自然環境保全法に基づく沖合海底自然環境保全地域の設定等を通じて、愛知目標の達成に貢献する。加えて、海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて、全ての国々による具体的な「行動」につながるよう、G20を目指して全力で取り組む。

④ 生物多様性のためのファイナンスを含むESG投資の促進に向けて、経済界との連携や、ガイドラインの作成等を進めており、引き続き環境金融の取組を積極的に推進していく。

 各国からは、それぞれの議題につき、自国が抱える優先度の高い課題や、それらへの政策アプローチなどの紹介があったほか、これらの地球規模の環境課題に対処するために、G7が結束・連携し、民間企業や非政府組織等とよく連携しながら、引き続きリーダーシップを示していく必要があること等の発言があり、G7各国の認識の共有がなされた。

 これに加え、各国から、G7有志国等で特定のテーマについての取組を推進するための複数のイニシアティブへの参加が表明された。原田環境大臣は、冷媒のエネルギー効率を高める「効率的な冷却イニシアティブ」に関連したプレゼンテーションを行い、代替フロンの回収率の向上を図るためのフロン法の改正案を今国会に提出していることを紹介し、その経験を各国と共有していくことを表明しました。

 本会合の成果物として、議論の内容をまとめたコミュニケ、及びG7の生物多様性に対する今後の取組をまとめた「生物多様性憲章」が採択されるとともに、複数のイニシアティブについて合意された。

 

4.二国間会談 

(1)米ウィーラー環境保護庁(EPA)長官との会談 

米国環境保護庁のウィーラー長官と会談を行い、日米が連携して気候変動対策に取り組むことを再確認した。また、6月に我が国で開催されるG20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合(6月14日~15日、長野県軽井沢町)において、海洋プラスチックごみ問題に対する実効的な対策について議論をしていくことを確認した。

2)その他大臣等との会談 

フランスのド・リュジ環境連帯移行省大臣、EUのヴェッラ環境・海事・漁業担当欧州委員、OECDの河野次長と個別に会談を実施し、G20日本開催に向けた今後の取組等について意見交換を行い、連携を確認した。

 

5.その他  

 本会合への参加に先立って、環境大臣として初めて、我が国の水素・燃料電池関連企業を引率し、現地の関連企業の視察(3日~4日)を行うとともに、日本企業と現地企業の懇談会を開催した。

 また、大臣会合では、前回のG7ハリファックス環境大臣会合の成果文書である「海洋プラスチックごみに対処するためのG7イノベーションチャレンジ」のフォローアップとして、民間企業のCEOによる各種取組の紹介が行われ、我が国からは、株式会社カネカ及び日本環境設計株式会社の幹部が参加し、生分解性プラスチックの開発やPET to PETのリサイクル技術といった海洋プラスチックごみ対策に資する我が国の優れた技術を発信した。

 

※成果文書の最終版は、以下のフランス政府ウェブサイトに後日掲載の見込み

https://www.ecologique-solidaire.gouv.fr/communique-lissue-du-g7-environnement-metz-5-et-6-mai-2019

  

添付資料

連絡先

環境省地球環境局国際連携課

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8243
  • 課長福島健彦(内線 6760)
  • 企画官伊藤史雄(内線 7771)
  • 課長補佐福井陽一(内線 6747)
  • 係長加藤大祐(内線 6753)
  • 担当佐藤有紀江(内線 7791)

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