報道発表資料

平成31年3月19日
大気環境
この記事を印刷

平成29年度 大気汚染状況について

 大気汚染防止法(以下「大防法」という。)第22条に基づき、都道府県及び大防法上の政令市において大気汚染状況の常時監視が行われており、環境省においても大気環境モニタリングを行っています。今般、平成29年度における常時監視測定結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。

1.調査の概要

(1)大気汚染物質(有害大気汚染物質等を除く)に係る常時監視

   対象物質は、環境基準が設定されている6物質です。平成29年度末時点の測定局数は全国で1,873局であり、内訳は一般環境大気測定局(以下「一般局」という。)が1,464局(国設局を含む。)、自動車排出ガス測定局(以下「自排局」という。)が409局(国設局を含む。)です。

(2)有害大気汚染物質等に係る常時監視

   対象物質は、環境基準が設定されている4物質、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値(以下「指針値」という。)が設定されている9物質、環境基準等が設定されていないその他の有害大気汚染物質(8物質)の計21物質です。環境基準及び指針値の達成の評価に有効な測定地点(月1回以上の頻度で1年間測定した地点)は、物質に応じて279~405地点でした。

2.測定結果の概要

(1)大気汚染物質(有害大気汚染物質等を除く)に係る常時監視測定結果(別添1)

  ① 微小粒子状物質(PM2.5)

   環境基準達成率は、一般局で89.9%、自排局で86.2%(平成28年度 一般局:88.7%、自排局:88.3%)であり、平成28年度に比べて、一般局は僅かに改善しましたが、自排局はやや低下しました。地域別の環境基準達成率の傾向をみると、関東地方、関西地方の主に都市部で環境基準を達成していない地域が見られる他、中国・四国地方の瀬戸内海に面する地域、九州地方では依然として環境基準達成率の低い地域があります。

   全測定局の年平均値は、一般局で11.6μg/m3、自排局で12.5μg/m3であり、平成25年度以降緩やかな改善傾向が続いています。

   季節別の傾向をみると、平成29年度は夏季の濃度が低く、平成29年10月の月平均値が最も低くなった一方、平成29年5月の西日本、平成29年11~12月の関東地方、平成30年3月の全国において、日平均値が35μg/m3を超過した日数が多くなりました。平成29年度の夏季は、平成28年度の夏季と同様に冷夏となったため、光化学反応による二次生成粒子の生成が抑制されたこと、平成29年10月は、秋雨前線や超大型台風の影響で降水量が多かったことが低濃度の要因として考えられます。一方、平成29年5月と平成30年3月は、移動性高気圧の周回流により大陸起源の大気汚染物質が飛来するとともに、晴れの日が多く、日照時間が長かったため、国内において二次生成粒子の生成が促進され、各地方で高濃度となる日が多くなったと考えられます。また、平成29年度の冬季は、平成28年度の冬季に比べて、特に関東地方で晴れの日が多く、風速が弱かったため、夜間の接地逆転層により国内起源の大気汚染物質が下層に蓄積され、高濃度となる日が多くなったと考えられます。

  ② 光化学オキシダント(Ox)

   環境基準達成率は、一般局、自排局ともに0%(平成28年度 一般局:0.1%、自排局:0%)であり、達成状況は依然として極めて低い水準となっています。

   また、昼間の日最高1時間値の年平均値については、近年、一般局、自排局ともにほぼ横ばいで推移しています。

   光化学オキシダント濃度の長期的な改善傾向を評価するための指標を用いて、注意報発令レベルの超過割合が多い地域である関東地域や阪神地域などの域内最高値の経年変化をみると、平成18~20年度頃から域内最高値は減少傾向であったが、近年ではほぼ横ばい傾向となっています。

   ※光化学オキシダント濃度8時間値の日最高値の年間99パーセンタイル値の3年平均値

  

  ③ その他の大気汚染物質

   二酸化窒素(NO2)の環境基準達成率は、一般局で100%、自排局で99.7%(平成28年度 一般局:100%、自排局:99.7%)でした。

   浮遊粒子状物質(SPM)の環境基準達成率は、一般局で99.8%、自排局で100%(平成28年度 一般局:100%、自排局:100%)でした。

   二酸化硫黄(SO2)の環境基準達成率は、一般局で99.8%、自排局で100%(平成28年度 一般局:100%、自排局:100%)でした。

   一酸化炭素(CO)の環境基準達成率は、一般局、自排局とも100%でした。

   なお、いずれの大気汚染物質においても、年平均値については、近年、一般局、自排局ともに緩やかな低下傾向がみられます。

(2)有害大気汚染物質等に係る常時監視(別添2、別添3、別添4)

   環境基準については設定されている4物質について、全ての地点で達成していました。指針値については設定されている9物質について、5物質は全ての地点で達成していましたが、1,2-ジクロロエタンは固定発生源周辺1地点(平成28年度1地点)、ニッケル化合物は固定発生源周辺1地点(平成28年度1地点)、ヒ素及びその化合物は固定発生源周辺5地点(平成28年度6地点)、マンガン及びその化合物は固定発生源周辺3地点(平成28年度1地点)で指針値を超過しました。

3.今後の対応

  環境省においては、引き続き環境基準の達成・維持に向けて、工場・事業場からの排出抑制対策、自動車排出ガス対策、低公害車の普及等を総合的に推進していきます。

  PM2.5については、中央環境審議会の微小粒子状物質等専門委員会の中間取りまとめ(平成27年3月)を踏まえ、PM2.5の原因物質である各種の大気汚染物質について、排出抑制対策の強化を検討・実施するとともに、総合的な対策に取り組む上で基礎となる現象解明、情報整備等に取り組み、その進捗状況に応じて追加的な対策を検討していきます。

  光化学オキシダントについては、「光化学オキシダント調査検討会」が平成29年3月に取りまとめた報告書において、原因物質である窒素酸化物と揮発性有機化合物の排出量比を十分に考慮して両者を削減する必要性が示唆されたことなどを踏まえ、引き続き、原因物質の排出抑制対策を進めます。

  有害大気汚染物質等については、化学物質排出移動量届出制度(PRTR)による排出量データ及び有害大気汚染物質モニタリング調査結果等により、排出量や大気環境濃度等を継続的に検証・評価し、地方公共団体及び関係団体等との連携の下、対策を推進していきます。

<参 考>

(1)環境基準

  環境基準とは、環境基本法に基づき設定される、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準であり、以下のように設定されています。

項  目

環境上の条件

二酸化窒素

1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。

浮遊粒子状物質

1時間値の1日平均値が0.10mg/㎥以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/㎥以下であること。

光化学オキシダント

1時間値が0.06ppm以下であること。

二酸化硫黄

1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること。

一酸化炭素

1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること。

微小粒子状物質(PM2.5)

1年平均値が15μg/㎥以下であり、かつ、1日平均値が35μg/㎥以下であること。

ベンゼン

1年平均値が3μg/㎥以下であること。

トリクロロエチレン

1年平均値が200μg/㎥以下であること。

※H30.11.19より130μg/㎥

テトラクロロエチレン

1年平均値が200μg/㎥以下であること。

ジクロロメタン

1年平均値が150μg/㎥以下であること。

(2)指針値

  指針値とは、有害性評価に係るデータの科学的信頼性において制約がある場合も含めて検討された、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値であり、現に行われている大気モニタリングの評価にあたっての指標や事業者による排出抑制努力の指標としての機能を果たすことが期待されるものであり、以下のように設定されています。

物  質

環境上の条件

アクリロニトリル

1年平均値が2μg/㎥以下であること。

塩化ビニルモノマー

1年平均値が10μg/㎥以下であること。

クロロホルム

1年平均値が18μg/㎥以下であること。

1,2-ジクロロエタン

1年平均値が1.6μg/㎥以下であること。

水銀及びその化合物

1年平均値が40ng Hg/㎥以下であること。

ニッケル化合物

1年平均値が25ng Ni/㎥以下であること。

ヒ素及びその化合物

1年平均値が6ng As/㎥以下であること。

1,3-ブタジエン

1年平均値が2.5μg/㎥以下であること。

マンガン及びその化合物

1年平均値が140ng Mn/㎥以下であること。

(3)評価方法

 ① 二酸化窒素

   1年間の測定を通じて得られた1日平均値のうち、低い方から数えて98%目に当たる値(1日平均値の年間98%値)を環境基準と比較して評価を行う。

 ② 浮遊粒子状物質、二酸化硫黄及び一酸化炭素

   1年間の測定を通じて得られた1日平均値のうち、高い方から数えて2%の範囲にある 測定値を除外した後の最高値(1日平均値の年間2%除外値)を環境基準と比較して評価を行う。ただし、上記の評価方法にかかわらず環境基準を超える日が2日以上連続した場合には非達成とする。

 ③ 光化学オキシダント

   1時間値の年間最高値を環境基準と比較して評価を行う。

 ④ 微小粒子状物質(PM2.5)

   長期基準に対応した環境基準達成状況は、長期的評価として測定結果の年平均値について評価を行うものとする。
 短期基準に対応した環境基準達成状況は、短期基準が健康リスクの上昇や統計学的な安定性を考慮して年間98パーセンタイル値を超える高濃度領域の濃度出現を減少させるために設定されることを踏まえ、長期的評価としての測定結果の年間98 パーセンタイル値を日平均値の代表値として選択し、評価を行うものとする。
 測定局における測定結果(1年平均値及び98 パーセンタイル値)を踏まえた環境基準達成状況については、長期基準及び短期基準の達成若しくは非達成の評価を各々行い、その上で両者の基準を達成することによって評価するものとする。

 ⑤ 有害大気汚染物質等

   長期曝露による健康リスクが懸念されている物質であるため、月1回以上の頻度で1年間測定した地点に限って環境基準及び指針値の達成の評価をしている。

添付資料

連絡先

環境省水・大気環境局大気環境課

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8292
  • 課長髙澤 哲也
  • 課長補佐田渕 敬一(内線 6572)
  • 課長補佐工藤 里恵(内線 6547)

環境省水・大気環境局自動車環境対策課

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8301
  • 課長庄子 真憲
  • 主査池田 好美(内線 6563)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。

ページ先頭へ