報道発表資料

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2018年12月21日
  • 地球環境

第12回日本・モンゴル環境政策対話の結果について

 日本国環境省とモンゴル国自然環境・観光省は、12月20日(木)にウランバートルで、「第12回 日本・モンゴル環境政策対話」を開催いたしました。
 同対話は、12月13日(木)にモンゴル国のフレルスフ首相が訪日した際に、両国の首脳の立ち合いの下、城内環境副大臣とバトバヤル自然環境・観光副大臣が両省間の環境協力に関する協力覚書に署名した後、初めて開催された政策対話です。
 政策対話では、協力分野として今回の覚書に新たに追加された「黄砂」及び「コベネフィット(共通便益)・アプローチ」について議論が行われたほか、気候変動適応対策や二国間クレジット制度(JCM)に関する今後の具体的な協力の方向性を確認し、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号」による排出量推計を評価するための国外初の実証の場としてモンゴル国と協力することに合意しました。

1.経緯

 日本国環境省とモンゴル国自然環境観光省は、平成19年に第1回環境政策対話を開催して以来、これまで11回の環境政策対話を開催し、重要な課題について意見交換を行ってきました。

 なお、平成23年には、両国間で包括的な環境協力を進めていくため、「環境協力に関する協力覚書」が署名・締結され、平成27年には、同覚書が更新され、本年更新期間が満期を迎えたところ、12月13日にフレルスフ首相の来日を機に、同覚書が再び更新されています。

2.第12回日本・モンゴル環境政策対話

 平成30年12月20日(木) 10:00~17:00

3.場所

 ウランバートル

4.主な出席者

(モンゴル国自然環境・観光省)

 バトバヤル自然環境・観光副大臣、バトジャルガル気候変動特使 ほか

(日本国環境省)

 高橋康夫地球環境審議官、杉本留三地球環境局国際協力・環境インフラ戦略室長 ほか

5,主な議論

1) 二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism: JCM)及びコベネフィット・アプローチ

 日本側から、これまでのモンゴルにおけるJCM案件の実施状況について共有するとともに、JCMを通じたモンゴル国のNDC(削減目標)に対する貢献、JCM案件開発のマッチメイキング支援等の紹介を通じたJCMの更なる推進策について意見交換を行い、今後、JCMプロジェクトの拡大及び新たな分野における技術導入や既導入技術の横展開に向けて、協力を強化していくことに合意しました。

 また、日本側は、モンゴルで実施した石炭焚き熱供給ボイラの改良事業において、大気汚染物質と温室効果ガスの排出量の同時削減というコベネフィット効果を確認したことを紹介しました。両国は、環境汚染対策を講じる上で、コベネフィット・アプローチは有効な手段の一つであることに合意しました。

2)「いぶき2号」

 日本側から、本年10月に打ち上げられた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号」(GOSAT-2)を始めとする「いぶき」シリーズについて紹介し、パリ協定に基づく世界各国の排出量報告の透明性確保と排出量削減努力の進捗評価への貢献を目指していることを説明しました。両国は、「いぶき2号」の観測データを用いて温室効果ガスのインベントリから算出した排出量を国単位で比較評価するため、国外初の実証の場としてモンゴル国と協力することに合意しました。

3) 気候変動適応

 モンゴル側から、自国の気候変動の影響に関する現状及び国際気候基金(適応基金や緑の気候基金)を通じた適応事業案件の紹介が行われました。日本側は、日本の気候変動適応法について紹介しました。両国は、モンゴル国との過去3年度の適応協力(フェーズ1)をレビューし、科学的根拠に基づいた適応分野における社会実装に向けて二国間協力の具体的な方向性と活動(フェーズ2)について合意しました。

4) 黄砂

 モンゴル側から、ウランバートルの大気汚染の状況及びモンゴル国内における黄砂のモニタリング活動について紹介が行われました。日本側は、日中韓三カ国環境大臣会合(Tripartite Environmental Ministers Meeting: TEMM)の枠組みの下行われている黄砂共同研究の活動内容について紹介しました。両国は、今後、同共同研究の成果を始め、黄砂に関する両国の知見を共有していくことについて合意しました。

連絡先
環境省地球環境局国際連携課国際協力・環境インフラ戦略室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8248
室  長 杉本 留三(内 6765)
室長補佐 永長 大典(内 6764)
担  当 有馬 牧子(内 6766)