報道発表資料

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2018年08月31日
  • 自然環境

アライグマ、ハクビシン、ヌートリアの生息分布調査の結果について

 環境省生物多様性センターでは、生態系被害などを引き起こしているアライグマ、ハクビシン、ヌートリアの3種に関する生息分布調査を都道府県や市区町村等にご協力をいただきながら、平成27年度より実施してきました。この度、調査結果をとりまとめましたのでお知らせします。

1.調査方法

 今回の調査では平成22年以降の生息分布情報を対象として、国、都道府県、研究機関、研究者等による既存情報を整理しました。また、全市区町村へのアンケート調査(回答率99.2%)等を通じてアライグマ、ハクビシン、ヌートリアに関する全国の生息分布情報を集約し、5㎞メッシュ単位で整理しました。

2.調査結果

 それぞれの種に関する調査結果の概要は以下のとおりです(詳細は添付資料1を参照)。

(1)アライグマ

・本調査では、全国(計19,255メッシュ)の約20%にあたる3,862メッシュで生息分布情報が得られました。

・平成18年度に公表した第7回自然環境保全基礎調査(以下「第7回調査」という。)との比較では、次の ようなことが明らかになりました。

-第7回調査では1,388メッシュであった生息分布情報が、本調査では3,862メッシュと約3倍に増加。

-本種の生息が確認された都道府県は秋田県、高知県、沖縄県を除く44都道府県となり、第7回調査時(35都道府県)より増加。

(2)ハクビシン

・本調査では、全国(計19,255メッシュ)の約26%にあたる5,052メッシュで生息分布情報が得られました。

・本種は北海道、山口県、九州・沖縄地方の計10道県を除く37都府県において生息分布情報が得られました。

(3)ヌートリア

・本調査では、全国(計19,255メッシュ)の約8%にあたる1,544メッシュで生息分布情報が得られました。

・本種は中国地方を中心とした18府県から生息分布情報が得られました。

 

 なお、ハクビシン、ヌートリアについては平成14年度に公表した第5回自然環境保全基礎調査(以下「第5回調査」という。)において生息分布調査を行っていますが、全市区町村へのアンケート調査等は実施しておらず、今回の調査方法との相違があります。また、第5回調査のうち、特にヌートリアの分布情報については専門家から「やや情報不足」と評価されていることからも、今回の調査結果と第5回調査結果とを単純に比較することはできません。

3.調査報告書等について

 本調査結果の概要をとりまとめたパンフレット「分布を拡大する外来哺乳類アライグマ ハクビシン ヌートリア」を作成しました(添付資料2)。

 また、本調査の詳細につきましては、「平成29年度要注意鳥獣(クマ等)生息分布調査 調査報告書 アライグマ・ハクビシン・ヌートリア」をご覧ください。

 パンフレット及び報告書は、いずれも環境省生物多様性センターホームページで閲覧・ダウンロードすることが可能です。

  

環境省生物多様性センターホームページ http://www.biodic.go.jp/

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性センター
直通 0555-72-6033
センター長  曽宮 和夫
専門調査官  齋藤 佑介
担当     近藤 千尋

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