報道発表資料

平成30年5月14日
地球環境
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気候変動枠組条約第48回補助機関会合(SB48)及びパリ協定第1回特別作業部会第5部(APA1-5)の結果について

4月30日~5月10日,ドイツ・ボンにおいて,パリ協定特別作業部会(APA)第1回会合第5部及び2つの補助機関会合(SB)が行われたところ,概要は以下のとおり。我が国から,外務・経済産業・環境・文部科学・農林水産・国土交通の各省関係者が出席した。なお,今次会合における進展を踏まえ,パリ協定の実施指針に関する議題について,9月3日~8日にタイ・バンコクにて,APA1-6及びSB48の再開会合が追加的に開催されることとなった。

1.パリ協定特別作業部会第1回会合第5部(APA1-5)について

 本会合では,2018年のパリ協定の実施指針の採択を目指し,交渉の基礎となるテキスト案の作成に向けた検討が行われた。「NDC(2020年以降の温室効果ガス削減目標)」,「適応報告書」,「透明性枠組み」,「グローバル・ストックテイク(パリ協定の世界全体の実施状況に関する検討)」,「実施及び遵守の促進」,「適応基金」等の各議題について非公式協議が実施され,前回会合で作成された非公式ノート(指針のアウトラインや要素が具体化されたもの)を整理する作業が行われた。議論の結果,それぞれの議題の進捗に応じて,各指針の項目を整理・統合し要素にかかる異なる見解などを示した非公式ノートが作成された。その後,各議題における議論を踏まえ,5月9日に共同議長より次回会合までの作業に関する提案が含まれる結論文書案が示され,コンタクト・グループにおける議論を経て,5月10日に採択された。結論文書には非公式ノートが添付されるとともに,次回会合までの作業として共同議長に対し同非公式ノートの整理案及びテキスト案の作成に向けた前進方法の例示を含む「ツール」の作成を要請することや,議題間の関連性を議論するラウンドテーブルを実施することなどが決まった。

2.第48回補助機関会合(SB48)

科学上及び技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)及び実施に関する補助機関(SBI)の第48回会合では,2018年に採択されるパリ協定の実施指針に関する議題として,「NDCの共通時間枠に関する事項」,「パリ協定第6条に基づく市場メカニズム等に関する事項」,「同第9条5項に基づく締約国より提供される資金に関する情報の特定」,「同第9条7項に基づく資金のアカウンティングのモダリティ」,「技術枠組」等について議論が行われ,それぞれの議題の進捗に応じて,各指針の項目を整理・統合し要素にかかる異なる見解などを示した非公式ノートが作成され,それら成果も踏まえた結論文書が採択された。また,LULUCF(土地利用,土地利用変化及び林業),農業,定期的レビュー,国別報告書・隔年報告書,国別適応計画,対応措置,キャパシティ・ビルディング,条約事務局の予算等に関する議論も行われ,合意を得られた議題について結論文書が採択された。

3.タラノア対話

 パリ協定の長期目標達成に向け,世界全体の温室効果ガス排出削減の取組状況を確認し,目標達成に向けた野心の向上を目指す,「タラノア対話」の技術フェーズが実施された(タラノアとは,COP23の議長国であるフィジーの言葉で,透明性・包摂性・調和を意味する)。本会合では,締約国及び多様な非政府主体が7つのグループに分かれ,それぞれの経験やビジョンを共有した。我が国は,国内の緩和対策の進捗状況や国際協力の実績,科学技術・イノベーションの促進,二国間クレジット制度(JCM)をはじめとしたコ・イノベーション(技術や制度を相手国に一方的に導入するではなく,相手国と協働してイノベーションを創出すること)の取組等を紹介し,議論に積極的に参加した。今後,COP24に向けて,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による「1.5度特別報告書」を含めた更なるインプットが行われ,COP24で実施予定の政治フェーズにおける議論に活用される予定。

4.評価

(1) 今回の会合においては,パリ協定の実施指針の具体的な要素について技術的な検討が進展し,2018年のパリ協定の実施指針の採択に向けた作業が着実に進展した。また,次回会合までの間の具体的な作業に合意できた。特に,APA共同議長が今次会合の成果である非公式ノートを前進させるための「ツール」を作成することとなったことは,交渉の基礎となるテキスト案の作成に資するものとして評価できる。

(2) 他方,COP24におけるパリ協定の実施指針の採択に向けての作業は山積しており,その作業を加速させる必要がある。先進国と途上国との間でパリ協定に基づく取組に差異を設けるべきとの強い主張(二分論)や各議題のスコープを拡大しようとする動き等,各国の見解や立場に隔たりが見られる論点も引き続き見られるほか,資金関連議題を中心にパリ協定の合意に違背する主張(例:協定第9条5に基づき提供される情報のモダリティ)も見られる。また,すべての議題を一律均等に扱おうとする主張も見られるところ,限られた時間の中でいかに建設的・効率的に議論を進めていくことができるかが課題となる。 

(3) 我が国代表団はオーストラリア,カナダ,ニュージーランドなど,立場を同じくする国々と協調して積極的に議論に参加した。また,立場を異にする国々やNGOとも会議と並行して意見交換を行い,実施指針の策定の進め方,実施指針の内容にかかる見解等に関する我が国の立場を説明した。さらに,会合に合わせて,地球環境戦略研究機関(IGES)によるパリ協定第6条に関する公式サイドイベント等を開催し,積極的に我が国の取組の発信を行った。

連絡先
環境省地球環境局国際地球温暖化対策担当参事官室
代表03-3581-3351
直通03-5521-8330
参事官  小川眞佐子(内線6772)
交渉官  吉田諭史(内線6773)
係長   小俵大明(内線6786)

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